『世界の電波男』
本田透の『世界の電波男』を読んだ。『喪男の哲学史』に続く『喪男の文学史』。
以下、目次。
まえがきマンガ
第1部 人はなぜ物語を求めるのか?
 俺が『電波男』だ!/「現実」にしがみつく人々/俺の三次元のトラウマ体験/物語に抱いた「願望充足の予感」/「自我」と「自意識」/ラブコメ漫画に見る「予感」/物語の8つのパターン/物語は人類とともに

第2部 現実飛翔への8つの祈り
1、超人(力・モテ)
 力への憧れ/非日常の出入り口としての女/悲劇とカタルシス/『新約聖書』という物語/ゆがんでいく超人たち/『ドラゴンボール』はなぜ世界中でヒットしたか
2、怪物(力・喪)
 裏返しの超人/喪男・フランケンシュタインの怪物/イケメンの怪物『吸血鬼ドラキュラ』/人間を滅ぼす怪物『デビルマン』/怪物物語としての『DEATH NOTE』
3、時間(飛翔A)
 やり直したいという願望/本格未来小説『タイム・マシン』/オタクの願望がつまった『夏への扉』/未来でダニエルが見たもの/タイム・トラベル作品の現在/どう妄想しても絶望的な未来
4、空間(飛翔B)
 どこかにある理想郷/『神曲』誕生秘話/ダンテ、ベアトリーチェにシメられる/加藤保憲が東京を滅ぼしてくれる/その後の『帝都物語』
5、童貞(永劫回帰)
 中世の電波男『ドン・キホーテ』/ナポレオンの衝撃/ひきこもり文学の自意識/『罪と罰』誕生の背景
6、人間萌え
 『罪と罰』の超人思想/萌えキャラ・ソーニャ登場/『罪と罰』のダークサイド/萌えのミッシング・リンク/人間萌えリアリズム小説『源氏物語』/女漁りが止まらない/モテなくなった光源氏
7、空想萌え
 萌え感情の芽生え/喪男の救いの遍歴『ファウスト』/ファウスト先生、恋愛に挑戦/ファウスト先生、古代ギリシャで大活躍/ファウスト先生、現世に帰還/漫画で花開く日本の空想萌え/「童貞ハーレム」としての『ああっ女神さまっ』/萌えの出家僧・森里螢一
8、人工萌え
 なぜ「萌え」はモテないのか/リラダン、三次元女への幻滅を語る/エジソンのアジテーション/人工萌えVS自意識のツッコミ/受け継がれる『未来のイヴ』

第3部 『火の鳥』における救いの探求
 ニヒリズムに満ちた漫画『火の鳥』/「宇宙編」〜猿田、呪いを受ける/「黎明編」〜猿田一族の先祖/「ヤマト編」〜火の鳥もまた女/「生命編」〜あっさり死ぬ猿田/「復活編」〜心がひとつになる不幸/「未来編」〜猿田博士の満たされぬ生涯/『火の鳥』の物語構造/「鳳凰編」〜二人の手塚の闘い

本書は「世界一身も蓋もない=本当に役立つ文学論」だと著者は言う。
「恋愛資本主義」が跋扈する三次元地獄からのエクソダスとしてオタクをとらえ、救済と文明の進歩と内面の成長を果たす物語を「願望充足の予感を感じさせる装置」として分析してみせたのが本書だ。
今まで読んできた本が「ああっ、そういう話だったのか!」と目を開かされる思いで再登場する。
本文にまき散らされた太字のアジテーションが、これでもか、と著者の怨念にも似た思いを叩き付けていて、痛快だ。
たとえば、ゲーテの『ファウスト』第2部についてあらすじに添いながら解説した「ファウスト先生、古代ギリシャで大活躍」から太字だけを抜き出してみよう。

「空想萌え(女神萌え)」を復活
ぱっぱらっぱっぱっぱー
週刊少年ジャンプで連載されていた『タカヤ』と同じ
まず「国家萌え」へ向かう
(ナポレオンは本当はゲーテの『若きウェルテル』みたいな小説を書いて作家になるつもりだった。こんな人でないと、そもそも世界征服なんて企まない)
ナチスとソ連によって木っ端みじんになる
仮面ライダーから、ゴレンジャーへ。ウルトラマンの単身赴任から、ウルトラ兄弟・ウルトラ一家へ
話がぜんぜん違う方向へ展開するのだ
ネズミ男みたいなヤツ
若い頃モテなかった
女ってイヤですねえ
海原雄山のごとき卓越した評論家ぶり
単に「三次元の女に懲りた」だけだった
本当に爆発します。ドリフのコントみたいに
ヘレナ萌え族(仮)
古代ギリシャへ時間移動
女もセックス抜きに人工的に造り出す妖精みたいなちっちゃな子供
二次元の萌えキャラは永遠のロリータ
ストーカー禁止令
デカルチャー!
突き詰めてみれば「女を力づくで奪おう」とか「金と土地があれば女にモテる」というジャイアニズム「だけ」が戦争の原因だ
我々現代人が三次元主義に冒されているから
もうキャラクターの声優まで勝手に決まっているから、声も聞こえるね
ファウストの頭はとっくにいかれているので何も問題はなかった
その通りだ!独逸の電波男、いざ出陣
「イリアス+オデュッセイア」
スパルタの背後にゲルマン人の軍団が出現して、ゲルマン人の国を築いているというのだ!時代考証滅茶苦茶じゃないか?
古代ギリシャ世界に、満を持してドイツ軍が乱入だッ!
脱童貞した過去も忘れてすっかり魔法使い
劇場版『ドラえもん』におけるのび太のごとく、颯爽と戦場に立つ
架空戦記ですから
これじゃまるで『北斗の拳』のシンがユリアに捧げたサザンクロスの街だ…
妄想のリアリズム化もほどほどに、という教訓

おおお、どうだ、この熱気!適当にページひらいたところで引用しただけなのに、この熱の帯びよう!
たとえば、フェミニズムの立場から批評するような感じで、本田透以外にもこうした批評が次々と出れば、面白いシーンが築けるようにも思うのだが、あいにくと、僕はよく知らない。ネットではいろいろあるのかもしれないけど、ほとんどインターネットしないのでわからない。誰か、教えてください。
保山ひャン企画「なかよしお泊まりクラブ」
日時:8月28日(金)午後11時過ぎ〜朝まで(午前5時過ぎ予定)
会場:SOCIOあめりか村
http://www.idea-estate.co.jp/socio/access.html
大阪市中央区 西心斎橋2-11-5高谷ビル2階 地下鉄 心斎橋駅より徒歩5分程度
料金:NOチャージ。ドリンクを注文してください。
出演:保山ひャン(ごあいさつ)
悪魔大根(DJ)
宮崎亜美
丼野M美
dark angel Maria
テクノ妹子
イヤホン魔
その他、飛び入りあり(例:スープーメッセンジャー)

「明日仕事だから」「今日はもう疲れた」「眠い」「早よ帰って芋食って屁こいて寝よ」
そんな貴方にぴったりのオールナイトイベント!
ライブハウスを仮眠室として開放します!
ちゃんと寝られる環境をご提供します!はず!
オールナイトなのに、しんどくないどころか、むしろ癒されるとは、これいかに!
萌え萌えピコピコぐだぐだのライブと、他愛のない映像、ある意味心地よい音楽でお過ごしください。
終電を逃した人、プチ家出中の人、体を伸ばして寝たいネットカフェ難民、屋根のある場所で寝たいホームレス、ホテル代をけちりたい露出狂カップル、誰かと一緒にいたい寂しがり屋さん、道に迷った旅人、どMの受験生、潜伏中のパルチザン、野次馬、場違い、冒険家のひきこもり、行き場のないガケップチ、大歓迎です!
入場料は取りませんので、ドリンクでも注文してやってください。
寝巻き持参で、修学旅行の夜を追体験しましょう!
僕も夜勤明けなので、パジャマ着て、寝ます!

天王寺動物園入場無料、『ベーシック・インカム−基本所得のある社会へ』
夏休み中は天王寺動物園が入場無料だというので、駆け込みで遊びに行った。
ここでのみどころは夜行性動物舎にいるキーウィなのだが、臆病な動物で、ほとんど姿を見せることがない。来場者が多い日などは、ガンガンとガラスを叩く大馬鹿者がいるため、なおさら出て来ない。
虎だのライオンだの、象だのキリンだの、普通に見ていて楽しい動物もいるが、なぜか、僕が見たいと思うのは、夜行性動物舎と爬虫類生態館に集中していて、あと、コアラ。
どこから見ても姿が見えないキーウィとか、たまに舌をピロピロ出すだけの蛇、いつまでもじっとしているコアラを見ていると、まるでウォーホールやストローブ=ユイレ、デレク・ジャーマンあたりの映画を見ているような気分になってくる。日常が溶解していく不思議な時間を過ごしてしまう。
ホッキョクグマがなんだか寂しそうだったな。あれはどういう感情なんだろう。

ゲッツ・W・ヴェルナーの『ベーシック・インカム−基本所得のある社会へ』を読んだ。
以下、目次。
序言−私たちは転換点に立っているのだろうか?
第1章 ゲッツ・W・ヴェルナーの提言、および彼とのインタビュー
未来への基礎:ベーシック・インカム(2005年11月全国紙に掲載されたヴェルナーの広報文)
つねに種を蒔くこと(2004年12月第60号『ア・テンポ』フランク・ベルガー、ジャン=クロード・リンとの対談)
月並みの改革ではなく、根本的な改革を(2005年11月第70号『ア・テンポ』)
私たちの生活はパラダイス状態にある(2005年4月号『ブラント・アインス』ガブリエレ・フィッシャーとの対談)
労働をマニアック視することで、みんな病気になる(2006年4月20日17号『シュテルン』アルノー・ルイクとの対談)
根本的に考えて、一歩一歩行動しなければならない(2006年第1号『バンク・シュピーゲル』シュテファン・ロットハウスがゲッツ・W・ヴェルナーとベネディクトゥス・ハードルプにインタビュー)

第2章 ベーシック・インカムの効果について−論考とインタビュー
不安の報酬/ヴォルフ・ロッター(2005年7月号『ブラント・アインス』)
 1、対策
 2、労働の嘘
 3、骨折り
 4、「新しい労働」とは何か?
 5、失業は成功
 6、刑務所に入る権利
 7、市民の権利
 8、活動
 9、警察の保護下で労働すること
 10、真の労働市場
 11、理性の値段
労働市場と社会保障政策の分離/トーマス・シュトラウプハールとドリス・クライナウ=メッツラーの対談(2006年3月75号)
賃金は非課税/ヴォルフガング・アイヒホルンとドリス・クライナウ=メッツラーとの対談(2006年7月79号)
租税改革とは新たな分配を学ぶこと/ベネディクトゥス・ハードルプとドリス・クライナウ=メッツラーとの対談(2003年9月45号)
自由を可能にし、共同体を強化する/ザーシャ・リーバーマン(2006年2月23〜24日にカールスルーエ大学で開催されたシンポジウム「無条件のベーシック・インカムを」の講演原稿に手を加えたもの)
 何が私たちを押しとどめるのか?
 労働は最高の目標
 後見ではなく、自由を
 家族と教育
 企業と従業員
 参加、承認、信頼

第3章 反応
異議と回答(2006年第2号『バンク・シュピーゲル』)
読者からの手紙(2005年7月12日シュトゥットガルド新聞)

[解題]ゲッツ・W・ヴェルナー著『ベーシック・インカム−基本所得のある社会へ』に寄せて/小沢修司
 ベーシック・インカム構想とは?
 経営者的太千葉からのベーシック・インカム論
 資本主義の経済発展が「要求」する新たな公共システム
 消費税を財源とするベーシック・インカム論
 新しい社会を構想する楽しさと喜び

ベーシック・インカムというのは、生活の必要な所得をすべての個人に無条件で支給しようという構想だ。先般の定額給付金の額を増やして、毎月なり毎週なり定期的に支給してくれるものと考えればわかりやすい。今まであった生活保護とか、失業手当てなどはベーシックインカムに吸収されて、なくなる。当然、その仕事に携わっていた公務員のムダはカットされる。失業とか貧困が問題化している昨今では、ベーシック・インカムは面白い提案で、すぐにでも導入してもらいたいと思うのだが。
ヴェルナーの考え方は、いわゆる逆転の発想で、対談でのやりとりでは、今までの固定した考えをほぐすことに主眼がおかれる。
たとえば、アルノー・ルイクとのインタビューでは、ルイクがさんざんヴェルナーをからかう。(詳しい内容は、実際に本を読んでいただくとしよう)

ルイク「あなたは禁忌破りがお好きで『人間がもはや労働する必要がないのは良いことだ』とおっしゃっていますね」
ヴェルナー「ええ。労働への強制から自由であることはなんといってもすごいことですからね」

ルイク「ひとは働くことによってのみ、また何かの価値を生み出すことによってのみ、社会のなかでなにがしかの価値があると認められる。それはまた自己価値をも生み出すのだと」
ヴェルナー「そうなのです。そんな見解を持ってしまうのも、私たちがいまだに古い、もはや時代に合わない道徳的な戒律にしたがって生きているからです。例の『働かざる者、食うべからず』ですよ」

ルイク「経済の課題はなんといっても職場を創出することではありませんか?」
ヴェルナー「いやいや。それはまったくのナンセンスですよ」

ルイク「そう考えると、失業者をたくさんかかえたドイツ経済はすばらしい状態にあることになりますね!」
ヴェルナー「そうです。私たちはパラダイス的な状態にあるのです」

ルイク「失業者があふれているのに、危機ではないと言うのですか?」
ヴェルナー「私たちは思考危機に陥っているのです。これほど多くの失業者が存在するということは、私たちの経済の強みであって、生産性の高さを示すものです」

ルイク「しかし、誰がベーシックインカムを負担するのです?要するに、さらなる増税と、さらなる出費をもたらすだけではありませんか!」
ヴェルナー「いいえ、まったくちがいます。私はあらゆる税を廃止することに賛成します。ただ1つ、付加価値税を除いて」

ルイク「しかし馬鹿を見るのは低所得者層ではありませんか。貧乏人は相対的にもっとも多く税を支払うことになります。しかも、商品は高くなる」
ヴェルナー「いいえ。付加価値税は社会的な観点から設定でき、商品は高くはなりません」

などなど。ベーシック・インカムはマルクス主義なんじゃないかとか、金持ちを肥らせるだけなんじゃないか、とか、いろいろルイクはつっこむが、ヴェルナーはその誤解をひとつひとつ解いて行く。
ザーシャ・リーバーマンが言うように、
「私たちが格闘するのは証拠の不備ではない。説明し、それによって把握されるべきは、誰の目にも明白な諸関連が、なぜ真面目に受け取られず、なぜそこから帰結が引き出され得ないかということである」
2007年に出た以文社の『VOL』02号の特集「ベーシック・インカム−ポスト福祉国家における労働と保障」でも、対談で山森亮がこう言っている。
「ベーシック・インカムの実行可能性レヴェルの話ならともかく、規範レヴェルですでに合意が少ない、ということが分かってきました。これは自分の想像をはるかに超えたもので、ショックと言えばショックなものでした。なぜこれほど抵抗が強いのかいまだによく分からないでいます」
うむ。ベーシック・インカム、今のところ大賛成だな。もうちょっと調べて考えてみよう。


JK21のデイリーライブ。
今日は、翌日に控えた東京ライブの予行演習的意味合いのライブ。
1.Happy Graduation
今日のMCは城島と今崎。プチJkの今崎は東京に行かないので、今回のライブは歌での参加はなし。もっぱらMCに徹する。
トークは、前回東京ライブ行ったときに何をお土産に買ったか。
田中、松田、椿、と「ごまたまご」
新垣、脇坂はリラックマ
碧は銀座いちご
谷口と川口はおそろいのキティストラップ
須田は途中のサービスエリアで滋賀県のタヌキのストラップ!
お土産を買わなかったのは、藤井と月脇。
月脇は家に電話したら「土産なんかいらんいらん」とあっさり言われたとか。でも、翌日の東京では、東京ばななのバウムクーヘンを買いたい、と言っていた。素晴らしい!お目が高い。
2.ちゃう×3
3.花吹雪ハニーチップス(全員がワイヤレスマイク、ということは、新録?)
4.キラキラ乙女心めっちゃLOVEハッピー
以下の2曲はサンストリート用のアニメソング。
5.勇気100%(城島、碧→新垣、藤井)
6.アンパンマンマーチ(脇坂、椿、松田、須田)
小さい頃に見ていたアニメのトーク。
田中:セーラームーン「おしおきよ!」
須田:キューティーハニー「ハニーフラッシュ!」このへん、全員でアクション決めてたので、あらかじめトークの打ち合わせがあったのか?
新垣:おジャ魔女どれみ(ここで全員「ぷ〜るるんぷるん」とかやってくれたらうれしかったのに)
脇坂:おじゃる丸、クレヨンしんちゃん(出た!物真似!)
藤井:ちびまる子
須田:明日のナージャ
田中:らんまとか。
月脇がセーラームーンみたいな決め台詞をJK21でも作ればいい、と提案する。すると、関西テレビで既に「JK21です!」と決めポーズやってる、と言って、みんなでやる。あの、なんとも恥ずかしい雰囲気がやみつきになる。
7.Happy Graduation
汐留ではAKB48の次に登場するので、つまり、AKBのファンもはじめてJK21を見る可能性がある。ハッピーグラデュエーションとか、もろにAKBを意識した曲と振付けなので、うまく好感を持ってくれればいいのだが。
日曜落語なみはや亭〜米朝よもやま噺〜NHK杯将棋〜現代の音楽
今日は、薬の飲み過ぎで(風邪薬だよ!)、イベントにも行かず、かと言って読書するわけでもなく、ビデオで映画見るわけでもなく、ぼ〜っと過ごす。
したがって、今日の出来事はほとんどテレビとラジオのことだけで、何も吸収していない。
朝からラジオで「日曜落語なみはや亭」
桂春蝶(三代目)の「山内一豊と千代」
ふむ。これは講談を聞いているようだった。講談からとったのかな?
続いて、ラジオで「米朝よもやま噺」
ゲストは文楽の脚本、演出家、山田庄一。
ちょっと前にやってたシェイクスピアの翻案「天変斯止嵐后晴」について。これ、見に行きたかったけど、結局、見れず。国立文楽劇場は歩いてすぐのところなので、いつも文楽はスケジュールチェックして、行くつもりにはしているのだが、財布との相談とか、諸々の理由でなかなか足を運べない。諸々?お金のことだけ、というのが実情か!

NHK杯将棋トーナメントで、三浦八段VS田村六段。
田村の無謀に見えた端攻めが、みごとに決まって、三浦苦戦。
この早すぎるように見える端攻めには、解説の羽生名人も驚いていた。
でも、結局盛りかえして、三浦八段の勝利。

NHK-FMで「現代の音楽」
                         猿谷 紀郎
                    【ゲスト】武満 浅香
 − ゲストに聞く〜武満浅香 −(1)
「ノヴェンバー・ステップス」         武満 徹・作曲
                      (19分00秒)
                     (尺八)横山 勝也
                     (琵琶)鶴田 錦史
          (管弦楽)サイトウ・キネン・オーケストラ
                     (指揮)小澤 征爾
                    <小学館 STZ2>
「カトレーン」                武満 徹・作曲
                      (16分51秒)
                 (アンサンブル)タ ッ シ
                   ※タッシのメンバー
                (ピアノ)ピーター・ゼルキン
          (クラリネット)リチャード・ストルツマン
            (バイオリン)アイダ・カヴァフィアン
                (チェロ)フレッド・シェリー
                 (管弦楽)ボストン交響楽団
                     (指揮)小澤 征爾
                    <小学館 STZ4>
武満徹のエピソードが語られる。
ノヴェンバー・ステップスが「十一段」から発想されているとか、最初は西洋と東洋のコラボに乗り気じゃなかったけど、断ったらあっさり引き下がったことに奮起して、「それならやってやろうじゃないの!」とこの曲を作ったとか、最初はオーケストラの団員に失笑を買っていた尺八と琵琶が、演奏終わりでやんやの喝采で受け入れられた、とか。
ピ−ター・ゼルキンが「ゼルキン」と呼ばれるのを親の七光りを感じて嫌がって「サーキン」と呼ばせていたとか(父親はルドルフ・ゼルキン)、武満がピーターに肉を食べさせたと自慢してた話とか。


『水と火』

2009年8月22日 読書
『水と火』
ジャン・リュック・ナンシーの『水と火』を読んだ。
訳者によって選ばれた2つのテキストをまとめた1冊で、そのチョイスが四大要素の2つを扱っていることに気づいたナンシーがそのことについて文章を寄せている。
「基本要素」は、そのナンシーの文章。
「近接した地点にて」は、場あるいは諸々の場というテーマの共同作品のために依頼されて書かれたテキスト。(接近した地点にて、という表題もついているけど、接近と近接との違いで、何を表わそうとしたのかは、また考えておきます)
このテキストは水を扱っており、読んでいると、ひたひたと水がすぐ近くまで寄せてきている気分が味わえる。
「火」は花火製造の手法を用いた芸術家(蔡國強)の展示会に添えるために書かれたテキスト。
これは実際の文体もそうなのか、ぱちぱちした感じ。

水と火。どうも、この本を明け方に読んだのが悪かったようだ。なんだか熱っぽいような気がして、おりから新型インフルエンザが猛威をふるう昨今、あわてて薬を飲んだのである。しかるのちに体温計で熱をはかってみると(順番が逆!)、平熱で首をひねった。単なる熱帯夜だったのか?ナンシー読んで頭から湯気出てたのか?(難しい本を読むと、よく頭からポッポー!と蒸気が出る)
どちらにしろ、薬の効き目のおかげで、僕の土日はぼ〜っと過ごすことに費やされる。
バルベー・ドールヴィイの『高貴なる人々に贈る言葉』を読んだ。
以下、目次。
1、思想の断片
2、女性に関する断章
3、続・思想の断片
4、その他の箴言
5、散文詩
 三杯の紅茶
 ラオコーン

1、2は1889年刊行。没年なのだが、死後発刊されたかどうか、まだ調べてません。
3は雑誌「黄色い矮人」に発表されたもの。
5は詩集「忘られたリズム」から。
寸鉄人を刺すアフォリズム、というより、詩集の趣きがある。
巻頭、脈略ある思想を「箙」にたとえ、切り離した思想を「飛んで行く矢」にたとえる。
たまたまボードレールの「火箭」を読んでいたせいもあって、世紀末フランスと詩と矢の三大噺のシンクロに驚いた。
本書を読んで、へえ、と感じた文章を引用しておこう。

哲学は、栓抜きを使って雲にあけた穴のようなものである。

ゲームは城砦である。自分にとって愉快だというより、他人から身を護るためのものである。

旅に出る友人に捧げる、出発する、とは、留まるのに必要なかぎ形の原子の数が足らないということである。

この世紀末大いに話題にされている奴隷廃止より、もっと早くやって来るものがある。それは婦人の廃止である。

平等という卑しい者たちの抱く幻影は、実際は高貴な者の間にしか存在しない。

法の前の平等は、1つのことだけを証明する。すなわち、他人などいないことである。

さすが、ドールヴィイ、わかってらっしゃる。
『思想地図』vol.2「特集・ジェネレーション」
『思想地図』vol.2「特集・ジェネレーション」を読んだ。
以下、目次とまとめとか感想とか。
I 家族の現在
毀れた循環−戦後日本型モデルへの弔辞 本田由紀
 戦後日本型循環モデルはもう無理なのだ
 仕事、家族、教育
 長期雇用、年功賃金、性別役割分業、新規学卒一括採用
 仕事−(賃金)→家族−(教育費)→教育−(新規労働力)→仕事
 「払える余裕のある者が払い、その当人のみならず社会全体が安心と承認を受け取るという、日本ではついぞ存在しなかった社会の体制を、今だからこそ作ることが切実に必要とされるのだ。それは個々人がエゴイズムという遮眼革から解き放たれることでもある」

それでも、家族は続く−カウンセリングの現場から 信田さよ子
 はじめに
 ニッチとしての開業カウンセリング機関
 非医療モデルの援助論=アディクションアプローチ
  1、本人より家族を
  2、援助の有害性の指摘
  3、援助の限界設定
  医療モデル→本人の症状中心の医療
  ケアの有効性を無謬であるとする援助観
  当事者をあくまでも治療対象とする。
 困っているひとがクライエントである
 まず主訴を確定する
  症状→問題、診断名→主訴、治療→援助といった言葉の変換
 問題化という契機
 異議を唱えて再定義する
 主訴は変わる
  受容や共感より、積極的質問と意見表明こそカウンセリングのキーポイントである。
 家族における権力
 親を責める子どもたち
 浮かび上がる脆弱な夫婦関係
 非権力的親子関係の創造
 望ましい家族とは
  暴力というリスクを回避するために必要なポイント
  ○他者性の自覚(配偶者も子どもも他者であるという冷徹な認知)
  ○親密さは家族の外に求める
  ○コミュニケーションの断念(新たな関係創出のために)
   「あなたのために」「どうしてお前は」等にかわって「私」を主語とした言葉
  ○子ども中心の関係
  ○親が子に与えられることは何か(父と母の安定した関係性を日常見せる)
 おわりに

II 労働と創造の新しい関係 
ゲームプレイ・ワーキング−新しい労働観とパラレル・ワールドの誕生  鈴木健 
 ヒューマン・コンピューティングの勃興 
  CAPTCHA(Completely Automated Public Turing test to tell Computers and Humans Apart)
 コンピュータとしての社会
 「コンピュータ」が人間だったころ
 ゲームの労働化と労働のゲーム化
 複数化する現実とパラレル・ワールドの誕生 (電脳コイル)
 パラレル・ワールドで人々はいかに結びつくか

対抗的創造主義を生きよ!−「労働論の根本問題」に応える 橋本努
 1、「労働の理想」の再検討
  1a、問題の定式化
  2b、アーレント・モデルの拡張
   労働→「生の跳躍」エランヴィタル
   仕事→「プロテスタンティズムのエートス」
   活動→「ジェントルマンの騎士精神」
 2、潜在能力論の分岐
  2a、「創造」の理念をめぐる対立
  3b、3つの応答とその射程
   1、最低限の生活水準の保障
   2、職能社会
   3、市民生活の理念
 3、市民主義から創造主義へ
  3a、歴史的経緯
  3b、全能性に満ちた野生社会
  3c、ディオニュソス的生の回復へ向けて
  「創造主義者たちによれば、経済的に成功するための『創造性』など、とるに足らない能力にすぎない。真の創造性は、けっして経済的に評価されることのない芸術活動にこそ宿るのである」
  「創造主義者は、業績や帰属集団による評価だとか、公共空間における評価といったものを求めない。また、「男のこだわり」だとか「隠れ家」といった、たんなる趣味の豊かさなどを軽蔑する」

民主主義のための福祉−「熟議民主主義とベーシック・インカム」再考  田村哲樹
 序論 熟議民主主義とその条件(⇔集計民主主義、多数決)
 1、条件としての社会保障
  1.1 福祉国家と生産主義
  1.2 ギデンズの積極的福祉論
 2、民主主義の条件としての社会保障
  2.1 対話的民主主義のための積極的福祉か
  2.2 労働市場パラダイムからの転換
 3、民主主義の条件としてのベーシック・インカム
  3.1 財産の平等と民主主義
  3.2 民主主義は余暇を必要とする
  3.3 なぜ無条件性か?−民主主義の「魅力のなさ」と負担軽減
 結論

私小説的労働と組合−柳田國男の脱「貧困」論 大澤信亮
 1、柳田國男の綜合性
 2、私小説批判
  二通りの風景描写
  「私」の成立する社会的条件
 3、私小説的労働と組合
  日本一小さい家
  三倉−柳田農政学の学問的背景
   (飢餓の救済システム「義倉」「社倉」「常平倉」)
  「組合」とは何か
  私小説的労働の批判
 4、神の言語あるいは所有の放棄について
  「新国学」の時代的背景
  「自己内部の省察」という方法
  山の事件
  「組合」の可能性はどこにあるのか
  「神の言語」とは何か

III 世代論をどう捉えるか
世代間対立という罠  上野千鶴子インタビュー(聞き手・北田暁大)
 『おひとりさまの老後』への批判(東)
 団塊世代はゼロからのスタートだった
 団塊女性にストックはない
 ストック劣化という予想外のシナリオ
 非世紀雇用が問題化した背景
 エリート女性のネオリベ化がもたらしたもの
 家族を当てにできない若者たち
 誰が得をするのか?
 
<ジェネレーション>を思想化する−<世代間の争い>を引き受けて問うこと  天田城介
 1、<世代間の争い>の語りは確かに私たちの感情に何がしかを訴えている
 2、<ジェネレーション>をその根底において問う
 3、この社会において<ジェネレーション>を思想化する
 4、自由を生産する−<安全>のもとでの自由が<不安>をも産み出す
 5、制御不可能な不可視の全体(性)が個々人の利己的計算を基礎づける
 6、<社会>の観念こそが『自由主義的統括実践』を可能にする
 7、エコノミーによって生−権力は配備される
 8、生きさせることと死の中に廃棄することは<人種主義>によって接合される
 9、エコノミーの彼岸における根源的贈与
 10、未来における世界の奇跡的な到来
 4章以降の見取り図は次のとおり。
 フーコーが描出したラディカルな統治理性批判たる<自由主義的統治実践=「統治の過剰性」への不断の自己反省的・自己制御的統治実践>について言及→「4」
 政治経済学における<自由主義的統治実践>が、制御不可能な不可視の全体(性)によって基礎づけられていることを剔出→「5」
 <自由主義的統治実践>は<社会>という観念を駆逐するものではなく、むしろ<社会>という観念によってこそ可能になっていることを明示→「6」 
 <自由主義的統治実践>換言すれば経済において権力を行使する統治術たる「バイオエコノミー」こそが「人口」を調節する「生−政治」として立ち現れている→「7」
 「生きさせるか、死に廃棄するか(死ぬに任せるか)」という「生−権力」が「人種主義」によって接合可能になっていることを論証→「8」
 生−権力をめぐるエコノミーを踏まえた上で、デリダの「死の贈与のエコノミー」を導きの糸に<ジェネレーション>をいかに問うことが可能であるのか論究→「9」
 未来(の世界)の到来を前提にこの社会が可能になっているという端的な事実性こそが、未来(の世界)において人々に生存する身体を与え、生存するための全てを享受できる世界を与えてくれる、「奇跡の到来」という「根源的贈与」への信によって支えられていることを論じる→「10」

「総中流の思想」とは何だったのか−「中」意識の原点をさぐる  森直人
 1、はじめに
  1-1問題提起
「本稿は<敗戦>という集合的体験が直接には語られないことにおいてその後の言説構造のなかに長く持ち越され「戦後日本」について語る言説に意味を備給し続け、その自己言及のあり方を規定してきたことを明らかにする」
 いわば<敗戦>の忘却のうえに<高度成長>という歴史的体験の共有化が進行する。
  1-2論争の歴史的意義
 2、<新中間−大衆社会>論の見取り図
  2-1「新中間大衆」の登場
  2-2賭金としての「中」意識と論争の構図
  2-3共有された誤認
 3、生活構造論と「中」意識の再解釈
  3-1生活構造論と「第一の戦後」
  3-2方法としての生活構造−変動仮説
  3-3検証の課題
 4、SSM1955の分析
  4-1「中」意識(回顧)の分布変動−検証1
   Social Stratification and Social Mobility Survey(社会階層と社会移動に関する全国調査)
  4-2都市部の「タケノコ生活」仮説−検証2
  4-3「中」収斂メカニズムの限界線−検証3
 5、おわりに−「総中流」のゼロ記号
 生活構造論(3-1)のくだりには笑った。環境の急激な変化にすぐに対応できずに、履歴現象と呼ばれる、今までのパターンを保持しようとする、というところで、こんな文章が。
「急激に所得が上昇しても直ちに洗練された消費活動へと移行できるわけではない(「成金」とはこのことだ)。逆に生活水準が急激に低下しても、短期的には喫緊の必需品への支出より、過去からの惰性で余暇的・娯楽的な支出、生理学的・経済学的には「非合理的」な支出へと傾く慣習から脱けだせない」
まったくもってそのとおり。

特集・胎動するインフラ・コミュニケーション 
[座談会]ソシオフィジクスは可能か  東浩紀+北田暁大+西田亮介+濱野智史
 SFC-GLOCOK的パラダイム(慶応義塾大学湘南藤沢キャンパス−国際大学グローバル・コミュニケーション・センター)
 トフラー的な未来学との違い(マルクス主義の影響下にあった文明論)
 民主制をめぐるパラダイム・シフト
 トップダウン・アプローチ
 アーキテクチュラル・アプローチとは何か
 スケールフリーの法則
 ベキ乗分布が生権力を変える
 クリエイティブ・エコノミー論の背景
 「社会」と「意味」
 洗練されたデュルケム主義?
 主体・実存の社会学を超えて
 アーキテクチャの設計をめぐって
 ソシオフィジクスの再発見

「ソシオフィジクス」を知るための10冊 西田亮介+濱野智史
『CODE』『伽藍とバザール』『市場を創る』『紛争の戦略』『クリエイティブ・クラスの世紀』『哲学する民主主義』『フューチャー・オブ・ワーク』『オープンアーキテクチャ戦略』『歴史の方程式』『新ネットワーク思考』
はい、どれも読んでません。ぼちぼち読みます。
  
ニコ二コ動画の生成力−メタデータが可能にする新たな創造性  濱野智史
 「シナのある百科事典」と「ニコニコ動画」
 「創造力」と「生成力」−「作者」から「環境」へ
 ニコニコ動画上の「N次創作」現象−ユーチューブとの比較考察
 「フォークソノミー(folksonomy)」−知の秩序の「第三段階」の到来
   トーマス・ヴァンダー・ウォルが「タクソノミー(分類法)」に対比させる形で命名。(民俗の分類法。人々が自由にタグを割りふることでボトムアップ式に分類体系が浮かび上がる)
 「フラクソノミー(fluxonomy)」(←流転分類)−ニコニコ動画の「タグ戦争」
 「タグ戦争」の量子力学的効果
 「作者性」の機能的等価物

<社会>における創造を考える−問題発見・解決の思考と実践   西田亮介
 1、はじめに
 2、制度設計の<困難>
 3、創造の時代
 4、個人と組織の創造力を活かす地域活性の理論−創発型地域活性
 5、湘南ビーチマネーの意義
 6、おわりに
 ゴミを貨幣として使う、とは考えたな。

[座談会]再帰的公共性と動物的公共性 東浩紀+大屋雄裕+笠井 潔+北田暁大 
 アーキテクチャをどう捉えるか
 監視社会批判が衰弱した理由
  「被害者ばかりに同調してしまう想像力の非対称性」(大屋)
 利便性や不安に根拠はあるのか?
 主権主義の必要性
 世界を変えられるという感覚が麻痺している
 千年王国主義運動は終わっていない
 公共圏と公共財との違い
 ロスジェネが暴発するとき
 「あえて」物語を信憑する時代
 水面下のパターナリズム
 パートタイム的な主体性
 1人1票制度の限界?
 グーグル的ページリンクの論理
 グーグルは道路を作れるか?
 設計に抗う力
 「再帰性か、動物性か」再び 

[特別掲載]「市民性」と批評のゆくえ−<まったく新しい日本文学史>のために 入江哲朗
 「市民性」とアンビヴァレンツ
 「凡庸さ」と「愚鈍さ」
 批評的な力点と「凡庸さ」
 「凡庸さ」と「市民性」
 「市民性」と「未来」
 (北杜夫『楡家の人びと』に対する三島由紀夫の絶賛と、『白きたおやかな峰』に対する批判のアンビヴァレンツを蓮實重彦の「凡庸」論で分析)

1冊とおして不安になったのは、僕が、「なーるほど!」と面白く感じたのは、上野千鶴子が東の批評に対して反論する論調と、対談で笠井潔が加害者あるいはテロリストの立場から監視社会を批判する視点だった。つまり、面白いと思い、しっくりくるのは、自分の年齢に近い人々の発言だったのだ。僕は年齢の若い人の考えていることをちゃんと聞いているんだろうか。

『「悪いこと」したら、どうなるの?』
藤井誠二の『「悪いこと」したら、どうなるの?』を読んだ。
巻頭に武富健治のマンガがある。多くの取材から描かれている。
以下、目次。
第1章 子どもでも、死刑になるの
少年という理由で死刑にできないのなら…/少年でも死刑になる/きみは「死刑」のことをどれだけ知っているか/死刑確定から執行まで/死刑廃止「後進国」の日本

第2章 「少年法」は子どもを守ってくれるの?
少年が傷害事件を起こしたら/少年の特別扱いが「少年法」/少年審判に「刑罰」はない/「和やかに」そして非公開で/「前科」にならない保護処分/少年でも刑罰への道はある/「原則逆送」と少年刑務所送致/少年刑務所で「どん底体験」を語る/「保護処分」の理由/14才以下で法律に触れたなら/犯罪少年:触法少年:虞犯少年/擬似家族として暮らす/塀のない施設での殺害事件
(註:犯罪少年は14才〜20才未満、触法少年は14才未満、虞犯少年は不良行状の少年)

第3章 少年院ってどんなところ?
移動はかけ声とともに/少年院の種類と収容期間/単独室からのはじまり/少年院の1日/「立ち直り」のための5つのプログラム/「働く」ことの意味をみつける/ひとりひとりにかかわるということ/「基本」と「個別」ふたつの「計画」/くり返しくり返し考える/2級の下から1級の上へ/「サイコドラマ」で自分を知る/役割交換の手紙/母親:被害者との往復書簡/いちばん遅れている教育/保護司の役割/命令された被害者/被害者がそこにはいない/被害者の名前を知らない少年/「立ち直り」の前提になるものは?
(註:立ち直りのための5つのプログラムとは、生活指導、職業指導、教科教育、保健体育、特別活動)

第4章 「少年法」が改正されたのは、なぜ?
逆の立場にいる人たち/12年前に事件/加害者のことも事件の内容も「教えられません」/被害者当事者は蚊屋の外/「被害を受けたほうにも原因があるんじゃないの?」/法務大臣への要望書/少年法改正に関する意見書/なにが改正されたのか/現実と2回目の少年法改正/訴えのみなもとにあるもの/「あすの会」の活動/コピー代や遺体の返還のこと/新しい制度が生かされるために

第5章 犯罪少年の家族は、どうしているの?
どんな生活を送るのだろうか/転居をくり返す母親/出院した少年を殴りつける父親/損害賠償と逃亡/11年前の事件/いのちの金額/謝罪の手紙と「再犯」/聡至君の母とAの母/犯罪はすべてのものを奪いつくす

第6章 被害にあった人は、ゆるしてくれるの?
保護観察の意味/保護司はボランティアだ/仕事をさがす方法/再犯への別れ道/ぼくらの社会はどんな社会か/少年はゆるされるのか/「ゆるす」ということ/「ゆるさなくてはいけない」のか?/更生なんかのぞんでいない

藤井誠二は、被害者側からものを考える人で、厳罰化にも死刑にも肯定的な人だと思う。僕とは正反対の考え方なので、よく言っていることを聞く必要がある。
本書を読んで、今まであまりにも被害者からの立場でものを考えられてこなかった経緯を知り、それが正されつつあることには、納得し、同意するところが多かった。
もう少し彼の著作を読んでみよう。
まだ、僕は死刑に同意する立場からは遠い。何をした人間でも、人間が人間を「こいつは殺してもいい」と決めつけることなどできないんじゃないか、と考えるからだ。もしも親兄弟を殺されて憎しみのあまり、その犯人を「命を奪ってもいい者」と決める場合、僕は2つのことを考える。1つは、死刑にしろ復讐にしろ、そうして人間の命を奪うことに対しても、なんらかの「仕返し」なり「ペナルティー」が発生するのが筋じゃないか。(仇討ち!復讐の連鎖って奴です)。もう1つは、最初に犯人が「親兄弟」を殺したときに、遺族が「犯人を殺せ」と抱く激情と同じものを犯人が抱いていたかもしれない、ということ。つまり、これは単なる順番の問題で、1人の人間を「被害者」「加害者」にわけることなどできないんじゃないか、ということ。
こういうものの考え方は、ミステリー読みとしては、ごく普通のことだと思う。
ミステリーには、殺されてもおかしくないような人物が山ほどあらわれる。
人を殺すには必ずそれなりの理由なり、激情なりがある。その人が「犯人」であれ「遺族」であれ、事情は一緒。だから、「犯人を殺してやりたい!」と思う気持と「あいつ(被害者)を殺してやりたい!」と思う気持に差はなく、逆転すらありうる。
もしも、被害者の心情から「命を奪ったものは命をもって償う」とでも言うのなら、イラク人を虐殺したアメリカにもそれをつきつけて、少なくとも同じ人数だけアメリカ人を殺してインフラを破壊しなければならない。戦争ならいいのだとでもいうなら、犯人は「これは戦争だったのです」と言えばいいのだ。戦争であれ、いかに憎い奴であれ、殺人犯であれ、人の命を奪ってはいけない、という考えが僕からは抜けない。本書では後半に、被害者遺族が加害者を「許さなくてはならない」のか?と問いかけている。もちろん、「しなければいけない」というわけではないだろう。でも、「許せれば一番いい」と僕は思うのだが、間違っているんだろうか。さもなくば、日本はアメリカや中国と永遠に敵対関係にいなければならない。
それと、「被害者」とひとくちに言うけど、本当の被害者はもう死んでいるとしたら、どこまでが被害者なのか。家族か?恋人か?同じ国の人間か?同じ人類か?同じ生とし生けるものか?簡単に「被害者」という言葉をつけてしまうことにも首をかしげざるをえない。
『百年の愚行』『100年前のパリ』1、2
『百年の愚行』を読んだ。
20世紀に進んだ諸問題を象徴する写真を集めてある。
写真の内容は以下のとおりに分類されている。
「海・川・湖沼」「大気」「森・大地」「動物」「大量生産・大量消費」「核・テクノロジー」「戦争」「差別・迫害」「難民」「貧困」
重油にまみれた鳥とか、クローン羊とか、お馴染みの写真が並ぶ。
コラムの文章のタイトルは以下のとおり。
この100年で変わったこと
青い惑星の危機
動物たちの沈黙
エネルギー消費の時代
テクノロジーのふたつの顔
戦争の世紀
争いの傷跡
難民問題
貧困という名の病
これからの100年に向けて

また、エッセイもいくつか掲載されている。
「人権」の再定義/クロード・レヴィ=ストロース
湖の夢/鄭義
映像として残る人間の愚かさ/アッバス・キアロスタミ
文明の手前で立ち止まる/池澤夏樹
21世紀に我々の子孫が直面するであろう諸問題/フリーマン・ダイソン

この100年の人間が過去の人間に比べてとりたてて愚かなわけはないのだが、愚かさがはっきりとわかるほどに拡大し、大きな影響を与える時代であったということなのだろう。ただ、そういう時代を選びとったのも、そのときに生きていた人間自身なのである。
何が起こっても自業自得とされてしまうのだ。日々、自分が常に何かを選びながら生きていることを意識せねば。
さて、こんな文明批判的、ある種エコロジーっぽい本を読んだのは、100年前にちょっと思いをはせていたからだ。
今、僕は19世紀末の文学を選んで読んでいるが、その頃の風俗を知るために、『100年前のパリ』という本を読んだ。この本は2巻にわかれており、絵葉書的なパリのパノラマが俯瞰できる。写真につけられたキャプションも洒落ている。
そうした粋でのどかな100年前の世界が、この100年でどんなことになっているかというと、世紀末よりも世紀末的だったのである。
しかし、100年前のパリでは、ミニスカートなど無い時代なので、女性はいっさい足を見せていない。この頃のエロスは、今よりも遥かに強烈だったろうな、と感じた。
「アンチ!」@アートスペース亜蛮人、『「政治思想」の現在』
「アンチ!」@アートスペース亜蛮人、『「政治思想」の現在』
アートスペース亜蛮人で「アンチ!」展を見る。
参加アーチストは深木シゲミ、二月太輔、野中ひゆ、谷口晋吾、下山由貴、蛇目、キモグロ派代表穂刈有香、たなかけいこ、pikkoro、r.isotope、吉田嘉名、若松敦
フライヤーには「かわいい作品、こじゃれた作品は要らねぇ!イタイ、キモイ、エグイ、わらケル…激しいもので俺の心を熱く揺すぶってくれ!」とある。
まさしく、僕向けの展示内容のようだ。
さすがに面白い。若い人の作品が多いのだろうか。もっと激しくても、もっと気が狂っていてもいいように思った。
近いうちにもう1回見に行こうかと思っている。
ギャラリーのぞいたら、ちょうど野中ひゆちゃんに会えた。もう会期中だというのに、搬入中だ、と言っていた。こういうズレ方が僕は好きなのかもしれない。以前、僕の作品展で、日を追うにつれて展示物が減っていく、というのをしたことがある。搬出日がたいへんなのがいやで、徐々に持って帰ったのだ。お客さんのことを何も考えていなかった。自分のことだからそう思うのだろうが、そういうのが好きだ。
http://www.aband.jp

マクドナルドにDSを持って行って、ドラゴンクエスト「マクドナルドのたびびとたち」をやってみた。コマンドを選んでからそれが実行されるまでが遅くて、とうてい面白いしろものとは思えなかった。僕のパソコン並みに遅いのだ。どれだけ遅いかわかろうというものだ。また、僕はDSにいっぱいマスコットをぶらさげているので、重くてしかたがない。5回バトルするとお楽しみが待っているらしいが、9月3日までにあと4回行くかな〜?
ダウンロードして遊んだ体験版の立体ピクロスが意外と楽しめた。
マックフルーリのミント&オレオ食べる。チョコミントは僕の味なのだ。

明治学院大学国際学部付属研究所公開セミナーの記録『「政治思想」の現在』を読んだ。
2008年に行なわれたセミナーから。
以下、目次。
はじめに…原武史

「蟹工船」ブームをめぐって…雨宮処凛、高橋源一郎
1995年という転機/プレカリアート問題へ/現代版「蟹工船」/貧困ビジネスへの反撃/信頼ベースの人間関係へ/会場からの質問に答えて
雨宮処凛の「まず左行ったけどちんぷんかんぷんで、右行ったらわかりやすかった」という右翼に走った経緯は、今や古典芸能の範疇だな、と思った。

「民主主義」的管理主義と管理社会…鎌田慧
班競争と効率主義/トヨタ過労死事件/QC活動の実態/トヨタ生産方式とは何か/日本的な「和」の精神/企業と地域社会/派遣労働者問題について/会場からの質問に答えて
僕が今働いている職場でもさかんな5S運動などがおどろおどろしく表現されていて、膝をたたいて笑った。

昭和天皇をめぐって…福田和也、原武史
なぜいま昭和天皇か/昭和天皇の孤独/弟たちや母との関係/天皇をいかに書くか/「御文庫」をめぐるドラマ/現在の皇室について/会場からの質問に答えて
かつて、アングラ演劇を見に行ったら、よく昭和天皇が出て来た(まだ昭和の頃)。そのときは妄想の昭和天皇像だったわけだが、今では実像が明らかにありつつあるらしい。調べて読んでみよう。アングラ演劇の昭和天皇よりも面白いかもしれない。

戦後日本と右翼…鈴木邦男、原武史
三島事件の衝撃/右翼思想は継承されているか/マスコミと右翼/戦後右翼と天皇制/右も左も超えて/会場からの質問に答えて
三島と一緒に死んだ森田必勝が俄然気になって来た。

反貧困の政治思想…湯浅誠
椅子取りゲームをどう見るか/野宿の現実/「格差」「貧困」「ワーキングプア」/日本社会は悪くなりつづけている/ノーと言えない労働者/教訓をいかせるか/五重の排除/自分自身からの排除/<溜め>がない…/見えない<溜め>を見る/貧困問題は社会に返ってくる/二極化が進むなかで何ができるか/会場からの質問に答えて
ホームレス、フリーター、ワーキングプアに対して向けられる声とか、発する声を湯浅誠が再現しているのがまるで人形劇を見ているようで面白い。
たとえば、フリーターに対して「最近の若いやつは何考えてるかわからんね」「会社に縛られたくないらしいよ」「できもしない夢を追っかけとるね」
ホームレスに対して「どうもアパートに住みたくない、仕事をしたくない、社会生活したくないっていう人が増えてきたらしい」「えらい変わった人たちが出てきたもんだ」「野宿なんかしてないで就職活動しろよ」「死ぬ気になってやればなんでも見つかるだろう」「ああいう野宿しているような連中はアパート生活できない」「なんだあいつは。そんな勝手な理由で公園を占拠されちゃたまらん。追い出せ」
非正規労働者に対して「だって、自分たちには養わなきゃいけない家族がいる。だけど、あの人たちは親と同居しているフリーターであり、夫が働いてくれているパート労働者であり、そういう人はまあ大丈夫。仕事がなくなったって生活できなくなるわけじゃないんだから」「自分たちを守るためにはしようがない、あいつらを切ってもしようがない」
正規労働者に対して「正社員だの公務員だのが既得権益の上にあぐらをかいているからじゃないか」「あいつらがもらいすぎているから、いつまでたってもワーキングプア問題が解消できないんじゃないか」
ネットカフェ難民に対して「なんて覇気がないんだ」「向上心を持て」「ガッツを捨てるな」「だから今の若いやつはだめなんだ」
当のネットカフェ難民は「1食500円かけて弁当食いたい」「体を伸ばして布団で寝たい」「まあいいんだよ、自分はこれで。こんなもんなんだよ」
貧困層に対して「この人たちにはきっと何か理由があるにちがいない」「ほらみろ、こいつはお金がないと言いながら、携帯に1万円を使っていた」「ほらみろ、この前生活がたいへんだと言いながら、パチンコ屋にいたのを見た」
つい言いがちな言葉の数々だが、貧困の問題について考えれば、これらの言葉がいかにわかっていない者の言い草であるのかが身にしみる。

現代若者のナショナリズム…北田暁大
ナショナリズムと動機付け問題/ナショナリズムは噴出しているのか/「上」のナショナリズムと信頼/「ぬるいリベラリスト」のポテンシャル?
最近になってナショナリズムが噴出したとか、ネット右翼的言動とか、愛国心の高まりとか、冷静に考えてみれば、ワイドショー的、ネット掲示板的雰囲気と、実態には違いがあるとわかるんだ。

アジア主義、その思想と系譜…中島岳志
なぜ、ボースか/ふたりの革命家の涙/竹内好とアジア主義/アジア主義の二面性/岡倉天心とガンディー−思想としてのアジア主義/大川周明という問題/ふたつのナショナリズム/初発のナショナリズム/藩閥政治の打破/脱亜化するアジア主義/超国家主義の変質/戦後のアジア主義/会場からの質問に答えて
保守主義、アジア主義をわかりやすくたどる。カレーを中村屋に伝授したインド人ボースはテロリストだったのか!これは近いうちに『中村屋のボース』も読んでみなくては。
Mary Angelワンマン@心斎橋FAN-J〜佐伯俊男音楽私娯途・佐伯俊男個展@トランスポップギャラリー〜くびくびカフェ@京都大学
Mary Angelワンマン@心斎橋FAN-J〜佐伯俊男音楽私娯途・佐伯俊男個展@トランスポップギャラリー〜くびくびカフェ@京都大学
Mary Angelワンマン@心斎橋FAN-J〜佐伯俊男音楽私娯途・佐伯俊男個展@トランスポップギャラリー〜くびくびカフェ@京都大学
心斎橋FAN-Jでメアリーエンジェルのワンマンライブ。
京都でやったワンマンから1年たったのか、と感慨も深い。
オープニングは映像。ステージにモニターがなく、後ろを見なくてはならないのが、ちょっと残念。
衣装はシルバーワンピースの新衣裳。明らかに去年よりも衣裳が似合っていて、可愛い。
1.スーパーアクション
2.ゲットオーバー(ここからドリームメドレー)
3.マイウィル(多くのアイドルがこの歌を歌うけど、メアリーのマイウィルは最高!)
4.アワータイム(ドリームメドレーはこれで終わり、と言っても客は「え〜」)
5.トゥモロー(ここから懐かしいレパートリー特集)
6.ここにいるぜぇ(曲終わりで、オリジナルは12曲、カバーは21曲、ダンスやソロ含むと40曲、とクイズ)
7.ジャンピングガール
8.ミラーボールナイト
ここで第1部終了。
デビュー前の練習風景とか、初ライブとか、初東京ライブなどの秘蔵映像が流れる。
ライブハウス後方で座って見る。
第2部は、なんと、コント!
アイドルを目指す生徒たちのコント。りさ、ゆうか、まやの3人の名前のうしろをとって、ユニット名は「SA・KA・YA」
コントの内容云々よりも、3人がせりふを覚えてちゃんとコントしているこの状況がなんとも面白くて、楽しかった。
第3部までの時間で、また秘蔵映像上映タイム。
今回は去年のワンマンライブから、きっと今年は歌わない歌を中心に。
第3部はじまる。新衣裳は白いショートドレスで、プリキュアっぽい。明らかに、「メアリーエンジェル」の名前にふさわしく成長している。普通は、年齢を重ねることで「天使」から離れていきそうなものなのに、このメアリーエンジェルだけは、いつ見ても「今が一番!」と思わせてくれる奇跡的なユニットなのだ。
9.ジャンプ
10.ドリームノート(タオルの宣伝も忘れない)
11.(え〜っと、何でしたっけ。リバースやった?)
次の曲の紹介をしたところで、ゆうかのバースデイサプライズ。
お祝いメッセージが上映される。姫☆DAN、FLC、マリードール、森浦あゆ子。
タルトにクラッカーに花束。メンバーからの手紙では、ゆうかがなぜか「まぐろ」に。
12.ユーユアユー
13.メニーモーメント(ここから新CDからの曲)
14.ブランニューワールド
15.ハッピーメアリー
以下、アンコール。
16.会いたかった
17.エンジェルウィング
以下、ダブルアンコール。
18.まじかるスター☆≡
以下、トリプルアンコール。
どの曲をやるかをお客さんにきく。カマピーは何度もお客さんから声があがるが、今日はしない、と決めているようだ。カマピー久しぶりにやったときのお客さんの反応がよくなかったのが原因らしい。カマピー、いい歌なのに!
選曲は誕生祝いでゆうかにまかされたが、こういうのを決めるのが一番苦手、と、結局、お客さんの拍手の多かった「告白」に決定。
19.告白
20.ビリーブ(メンバーも不意をつかれた追加曲)
メアリーエンジェル、あいかわらず、最高だ。
絶対にメジャーデビューする、とか、有名になる、と野望を口にするものの、がっついた雰囲気がないのがいい。メアリーは死ぬまでメアリーなので、お客さんも死ぬまで応援してください、というメッセージも、この3人ならあり得るな、と納得させられる。ひょっとしたら年度がかわれば解散しちゃうんじゃないか、活動をやめてしまうんじゃないか、アイドルやめてアーチストになっちゃうんじゃないか、と不安になってしまうのが普通のアイドルのたどる道だが、メアリーエンジェルは死ぬまでメアリーエンジェルなのだ。さすが、並のアイドルとはケタが違う。もちろん、死ぬまで応援しよう!
ライブ終わったのは午後2時半。と、いうことは、3時間のライブだったのだ。
素晴らしい!
http://maryangel.net/

ライブ終わりで、物販にはあいにくと参加できず、京都に向かう。
出町柳のトランスポップギャラリーで「佐伯俊男音楽私娯途・佐伯俊男個展」。今日が最終日。メアリーエンジェルの出待ちをせずに、出町柳に行くのか、とダジャレ的状況を感じながら、向かう。
佐伯俊男がレコードジャケット用に描いた作品などが並ぶ。
70年代とか、昭和40年代の作品がやっぱりいいなあ。
また、この秋にアメリカの出版社から出る佐伯俊男の画集のゲラも見せてもらった。
佐伯俊男は作品をモノクロで描き、トレーシングペーパーで色指定をして、カラー作品を作っている。その工程を再現したページもあった。
次は本に関わる仕事をまとめてもらいたい。雑誌の表紙とか。
http://www.trancepop.jp/

本日の京都は大文字の送り火で浴衣着た人でごった返していた。
このまま夜までおれば大文字見れるかな、と思いながら向かったのは、京都大学。
ここでは非常勤職員を5年で雇い止めする大学当局に抗議しているユニオンエクスタシーが、「くびくびカフェ」なるカフェを開いているのだ。
年収から万をとった料金(カンパ)でおいしいコーヒーをいれてくれる。
「かなえさんのコーヒー」という珈琲らしい。注文して飲んでみたが、むっちゃおいしかった。持ち合わせがあれば、もうちょっとお金出してもよかったな、と思えるおいしさ。
ユニオンエクスタシーの小川恭平くんは、昔からの友達で、いろいろと話した。豆をひくところから恭平くんに珈琲をいれてもらって、なんだか友達の部屋に遊びに行ったような気分。「居候」をずっと続けてきた恭平くんが、今ではお客さんをもてなしている。なんだかバランスがとれているような、別にそういうわけでもないような行動だ。
首きりに対するストライキは、今は休戦状態だと言っていた。
「くびくび通信」というペーパーをもらい、帰りには「3日前からはじめた」というウクレレで歌まで聞かせてくれた。
こういう融通無礙なところが、とかく硬直しがちな労働問題の突破口になるんじゃないか、と希望が持てた。くびくび通信読んでいても、視点が自由自在で、思わぬところからツッコミをいれてくる面白さにあふれていた。京都大学も、こんな面白い人材のくびを切るのは、もったいないと思う。これからの彼らに要注目だ。
結局、大文字見ずに、大阪に戻る。
時間があれば行こうと思っていた、SI☆NAとか灰野敬二さんは、また次回にチャレンジ。
写真は、くびくびカフェにあった顔ハメ看板。
http://extasy07.exblog.jp/

ミルキーハット@アリオ八尾、『対論 生き抜くこと』
アリオ八尾でミルキーハットのライブ。「お笑い定食」で今回はキャンキャンのステージもあった。意外といつもよりお客さんは少なめ。お盆で帰省中か?
12:30からの1回目
1.ダンス
2.By the way
3.歩いていこう
4.(メンバー紹介)Diving to Love
5.大航海ランドスケープ
6.グレープフルーツ

14:30からの2回目
1.ダンス
2.マイレボリューション
3.軌跡
4.ハッピーメイカー
5.大航海ランドスケープ
6.グレープフルーツ
ミルキーハットのステージは非常に安定していて、ハラハラすることがない。
でも、そろそろ新曲なり新メンバー加入なり、何か変化がほしいところ。これ以上メンバーが減るような変化はいやだけど。
あいだの時間にフードコートで食事。ラジオ焼き食べる。あと、バスキンロビンズで雪だるま食べた。(キングサイズを注文したら、小さいサイズのアイスもつけてくれる)チョコミントとマンゴタンゴを選んだけど、ちょっと無難すぎたかな。まあ、チョコミントは僕の味なのだ。
僕は、ファンシーなグッズを売っている店見つけたら、とりあえず、フエキとダックとエルモあたりを物色することにしている。ヴィレッジバンガードに入っていろいろ見ていると、ジブリのコーナーを発見。昨日見たばかりの「火垂るの墓」の絵本みたいなのをパラパラ見るうちに、また泣きそうになってきたので、あわてて本をとじる。
ベティズブルーが閉店セールでほとんど物を置いていなかった。

読んだ本は香山リカと雨宮処凛の『対論 生き抜くこと』
以下、目次。
第1章 生存権って守られてる?…香山リカ、雨宮処凛
就職氷河期世代と共通一次世代/きっかけはフリーターメーデー/若者の貧困と引きこもり/「自己責任論」に対する二つの反応/グッドウィル折口会長宅を見る「リアリティツアー」/『蟹工船』を自分の立場に重ねて読む/仕事で自己実現しなくても…/「31歳フリーター。希望は戦争。」について/まず底辺に広がる戦場をなんとかしよう/分科会の発言から/インディーズ系労組と生きるための連帯

第2章 変化してきた日本人の意識…香山リカ
趣味のマンガとゲームを楽しめれば…/クールで合理的だけど、野心的で積極的な考え方変化した日本人の心理構造−漠然とした不安/社会でいちばんデリケートな話題とは/ある種の時代の無意識が働いている/うつ病と自殺が増えている/改憲論には本質がありません/若い人に疑問をもってもらうために

第3章 格差と戦争を考える…雨宮処凛
就職氷河期と若い人の自殺/偽装請負と違法派遣の実態/ユニオンをつくって交渉する/フリーターのホームレス化と自殺の増殖/IDカードがサラ金につながる貧困ビジネス/若者による新たなインディーズ系労組/憲法25条と9条をセットで考えていく/自衛隊がフリーターを勧誘する/右翼団体に入った理由/「労働/生存運動」という新しい運動

第4章 いまこそ、生きのびろ!…香山リカ、雨宮処凛
G8の8人を捕まえろ/デモを通して肯定の言葉を取り戻した/元気になるメンヘラの人びと/ニートや引きこもりと労働問題/お金がないと病気もできない/秋葉原事件の加藤容疑者は、なぜ「駄目」だったのか/絶望的な気持が向かった先/事件を機に、世の中の流れはすごく変わった/加藤容疑者は、実は多数派だったかもしれない/雇用の問題が一つの出口になった/宮崎勤事件とは何だったのか/加藤容疑者と宮崎勤/いちばん厳しい状況にいる人たちとかかわる/神でも母でも夫でもない場所

僕も派遣労働者で、職場までの交通費は出ないし、もちろんボーナスなどない。もしも1日病気やケガで仕事を休んだら、たちまち路頭に迷う綱渡りの生活を送っている。
本書で、先に希望を見出せないワーキングプアの実態がいろいろ紹介されており、それが自殺にもつながっていくことなどが話されている。こういうのは、本当にひとごとではなく、自分自身をふりかえって考えても、既にこの人生においてやりたいことはひととおりやってしまったから、いつ死んでもかまわない、とか思う。むしろ、長生きなんかしたら、たいへんだな、というのが本音だ。僕だって「希望は戦争」と言いたいのだ。
この本読んで、そんなティーンエイジャーの頃から抱いてきた生死の垣根の低さをちょっと修正されたような気がする。

真野恵里菜@イオン大日SC〜近鉄将棋まつり3日め@近鉄百貨店阿倍野店〜JK21デイリーライブ「アニソンの巻」@アトリエACT
真野恵里菜@イオン大日SC〜近鉄将棋まつり3日め@近鉄百貨店阿倍野店〜JK21デイリーライブ「アニソンの巻」@アトリエACT
午後2時からイオン大日ショッピングセンターで、真野恵里菜のキャンペーンライブ。
1.世界はサマー・パーティ
2.はじめての経験
3.世界はサマー・パーティ
途中、1人でのトークの時間がけっこうあったが、3階で観覧している僕の耳にはほとんど内容は伝わらず。ただし、声そのものは聞こえているので、それでじゅうぶんなのです。
そのかわり、と言っては何だが、こういうオープンスペースでのアイドルイベントで毎回必ず聞かれる一連のせりふが今日も聞けて、楽しかった。
それは、一般のお客さんが、ステージの最前列に陣取るファンを見て、「ほら、あれ見てごらん、きっと朝から並んでいたんだな」とか「あっ、ペンライト出した」「ステージ見てるより客席見てる方が面白い」「なにあれ、キンモ〜」
要するに、オタクたちを見て一般人が言うせりふ(決められているかのように、画一的)を、今回も聞けたのだ。もはや、これは古典芸能の域に達している、と感じた。

近鉄将棋まつり三日め。
今日は羽生名人が来場しているので、超満員。さすがだ。将棋会館の大盤解説でも、この将棋まつり1日め、2日めでもこれほどの観客数は数えなかった。
記念対局は、羽生名人VS井上慶太八段。
「ミドルパワー全開!羽生の頭脳に真っ向勝負」と宣伝文句。
解説は桐山清澄九段、聞き手は女流アマ名人の笠井友貴さん。
振り駒で羽生名人が先手。
横歩取り戦法。
意外にもあっさりと羽生が勝利。
今回の将棋まつり、3日目まで見るかぎり、記念対局でタイトルホルダーが全勝している。
勝つべくして勝っている棋士がタイトルもとっている、ということなのか。

JK21のデイリーライブ。
今日のメンバーは、城島、松田、須田、脇坂、新垣、碧、藤井、椿、月脇、今崎の10人。
1.ハッピー・グラデュエーション
前回、アニメソングを歌いたい、とトークで出たので、早速、今回はアニメソング特集。
2.YUME日和[ドラえもん](椿、月脇)
3.微笑みの爆弾[幽遊白書](須田)
4.月華[地獄少女](碧、藤井)
藤井が地獄少女の女の子(閻魔!)に似ているから、という選曲。
5.Don’t say "lazy"[けいおん!](城島)
けいおん!はエンディングのこの曲が大人気で、マリードールも歌ってる。オープニングもChee’sみたいでかっこいいんだけど。
古今東西ゲーム。お題は「アニメ、ゲーム」
お手つきは次のとおり。
「ポケモン!」月脇。ゲームがはじまったばかりで、ノーカウント。
「スマブラ!」城島。ニャースの物真似でWin! Win! タイガース歌う。
藤井と松田の罰ゲーム物真似は、携帯電話のバイブ音。藤井は普通にできるが、松田が巧く出来なくて、その対照の妙が愉快。
6.エニシングゴーズ
7.フットマン
8.Kiss(ジョージ、すだこ)わっきーの曲名紹介「キッス」の囁きを、すだこは「謎の小さい声」と言う。
今日はスタンプが10個たまったので、月脇と2ショット写真とってもらう。
突然、こんなわけのわからない人間が2ショットの指名して、さぞや月脇はたまげただろう。月脇のような、頭がよくて強くて可愛いアイドルに、僕もあやかりたいのである。
現像しての出来上がりは来週以降らしい。

帰宅して、「火垂るの墓」見た。前回見たのは劇場公開されたときになるから、今から20年ほど前か。そのときは、この映画を「泣ける映画」だと評する輩を嘲笑していたのだが、今回、見て大泣きに泣いた。僕も丸くなったものである。(顔が?)


今日はダイエー甲子園店に行く予定だったが、仕事帰りで2時間だけ寝ようと心に決めていたのに3時間も寝てしまい、時間に間に合わなくなった。やっぱり、仕事のある平日の昼間にはイベントなかなか行けないなあ。
で、今日も今日とて近鉄将棋まつり。
記念対局は久保利明棋王VS糸谷哲郎五段。
糸谷五段は昼の関西若手四天王トーナメントで勝利し、この対局にのぞんでいる。
この記念対局に対する惹句は「祝!タイトルホルダーに未来のタイトルホルダー?が挑戦!」
解説は神吉宏充六段、聞き手は室田伊緒女流初段。
神吉六段の解説はいつもながら言い過ぎじゃないかと思うほどにお笑い色強し。久保贔屓の室田女流初段はリラックスして聞き手をつとめていたようだ。
先手は振り駒の結果久保棋王、久保棋王の三間飛車に、糸谷五段の棒金戦法のたたかい。
神吉六段は「おさえこみ糸谷」と「軽サバ棋王」(軽くさばくのが得意)の戦い、と評していた。
結局、久保棋王が貫禄勝ち。

将棋まつり終わりでJK21のデイリーライブへ。
今日も仕事に行く格好で、昨日もらった新しいスタンプカードにスタンプを押してもらった。
今日のメンバーは、城島、松田、須田、脇坂、新垣、碧、藤井、椿、田中、月脇、今崎の11人。この11人はまるでレギュラーだ。
1.ハッピー・グラデュエーション
寝苦しい夜に安眠するための工夫をトーク。
田中:氷まくら。保冷剤にタオルまいたりするらしい。これは僕もよくやる。
脇坂:アイス食べて寝る。パピコとか。
月脇:下敷きでパタパタ。
真琴:うちわをあおぐ。
松田:涼しい格好で寝る。
椿:風を感じて寝る。くわしく聞いてみると、「窓あけて寝るだけやん!」とツッコミ入る。でも、風の音や風鈴の音で涼をとるのは、風情があっていい!
番長:外で寝る。屋上にのぼって、烏骨鶏と眠るらしい。黒色の烏骨鶏にはまだ名前がついていないらしい。「クロー」とかどう?などとメンバー内でいろいろ提案。
桃菜:何が何でも早く眠りに入ってしまって、暑さを意識できなくする。
藤井:自室にはエアコンがないので、冷房のきいた親の寝室にこっそり忍び込んで涼む。
親の教育方針で、部屋に冷房もテレビもないらしい。しかも、部屋の色が赤と白できわめて暑苦しい、とか。
2.花吹雪ハニーチップス(月脇、碧)
3.もっともっと(ジョージ、藤井)
4.キラキラ乙女心(桃菜、椿)
アニメソング何を歌いたいか、というトーク。
城島:けいおん!や東京ミュウミュウ
脇坂:クレヨンしんちゃん、で、しんのすけの物真似
藤井:魔女っ娘もの。どれみとか。
椿:ドラえもん
月脇:あんぱんマン。この回答に僕は頭を殴られたような気がした。そう言われてみれば、月脇がまるでメロンパンナに見えてきた。
真琴:しゅごキャラ
番長:仮面ライダー電王
桃菜:おねがいマイメロディ
須田:幽遊白書
この後、すだことジョージでぬ〜べ〜とか、ハンター×ハンターなどジャンプ系の話題で盛り上がる。
5.ちゃう×3
6.エニシングゴーズ
7.フットマン
8.KISS(ジョージ、すだこ)
今日もライブ終わりでダッシュで仕事へ!握手回避。

近鉄百貨店阿倍野店で第36回近鉄将棋まつり。
初日の今日は、米長会長の挨拶などもあったらしいが、僕は夜から仕事だったので、夕方からの記念対局だけを観戦に行く。
今日の対局は「東西ガチンコ決戦 絶対に負けられない戦い!」と煽る一戦で、対局者は渡辺明竜王と山崎隆之七段。
後手番の山崎七段が中飛車に振った。
終盤まで面白い対局だったが、竜王の優勢はゆるがず、勝利。
解説は米長会長で、聞き手は岩根忍女流二段だったが、毎年感じるが、米長会長はユーモアたっぷりに解説しようとしてはいるが、聞き手はけっこう緊張しており、そのドキドキが伝わってくるのである。勝手な思い込み?

将棋まつりが6時30分に終わったので、中崎町のスタジオACTに行き、JK21のデイリーライブを見る。スタンプカード持っていなかったので、別のカードに1つ押してもらう。
今日のメンバーは、城島、松田、須田、脇坂、新垣、碧、藤井、椿、田中、月脇、今崎の11人。
1.ハッピーグラデュエーション
東京ライブの感想トーク。ファンが東京遠征しており、ステージ上からその顔が見えて心強かった、とか。
2.花吹雪ハニーチップス(田中、新垣)
ボーカルの二人は言うなれば可愛いアイドル組か。
3.もっともっと(城島、椿)
ボーカルの二人は言うなれば歌唱力組か。
4.キラキラ乙女心めっちゃラブハッピー(松田、脇坂)
途中のおしゃべりパートで、番長の攻撃的な「ウフ♡」が聞けて、思わずのけぞる。
5.ちゃう×3
6.エニシング・ゴーズ
7.フットマン
8.Kiss(城島、須田)
歌のタイトルをわっきーが「キッス」とウィスパーボイスで。これにも思わずのけぞる。
ライブ終わりで、仕事の時間が迫っていたので、握手会を回避。
『誰も知らない世界と日本のまちがい 自由と国家と資本主義』
松岡正剛の『誰も知らない世界と日本のまちがい 自由と国家と資本主義』を読んだ。
『17歳のための世界と日本の見方』のつづきで近代、現代を扱っている。『17歳〜』の方は、その元になった『帝塚山講義』(松岡正剛セカイ読本・低速・)は読んだことがあるが、この『帝塚山講義』を加筆しているらしい。こっちもいずれ読もうっと。
で、『世界と日本のまちがい』の方。以下、目次。
第1講 ネーション・ステートの謎
「異質」に歴史を見る/世界の歴史はタテ・ヨコ・ナナメ/紅茶だって世界を動かす/どこに行っても資本主義/情報ネットワークと自由/資本主義のきびしい掟/自由なサービスはどこまで可能か/「みんな」が受けられるサービスとは/「みんなの国家」が引き受ける/ネーション・ステート−国民国家の意味/近代をまたぐ欲望/欲望と機械がくっついた社会

第2講 エリザベス女王とリヴァイアサン
エリザベスは信長のお姉さん/近代のカギを握る「イギリスの謎」/フランスとの確執/英国国教会の誕生/キーワードは「エミグレ」/移住という思想/一神教と「神の戦争」/カトリックvsプロテスタント/クロムウェルのピューリタン革命/近代国家論の出発、『リヴァイアサン』

第3講 将軍の国と華夷秩序
そのとき日本はどう「世界」と接したか/徳川社会と「負のはたらき」/大帝国「明」の興亡/日本のダブル・スタンダード−和・漢/徳川日本、中国離れのシナリオ/日本乞師と呼ばれた男/開国と通商という宿命/黒船が日本に来るまで−ネーション・ステートのめざめ

第4講 列強の誕生とアジアの危機
「モーラ」の世界から見えるもの/フランスの立て直し−英雄ナポレオン1/欧州各国の自立化を促す−英雄ナポレオン2/ウィーン体制がもたらしたもの−英雄ナポレオン3/ドイツ人が考えたこと/「ロマン」が国をつくる/列強の近代へ/アヘン戦争が世界を変えた/ひどかった南京条約

第5講 開国の背景に何があったのか
強い国家・広い国家ーイギリスとフランス/武力帝国の誕生−ドイツとロシア/自国を強化するフロンティア魂−アメリカの拡張/ペリー来航−とうとう日本もフロンティア/イタリアにも「維新」があった/日朝の深い関係/古代朝鮮の歴史/決定的な敗戦、「白村江の戦い」/充実の李氏朝鮮時代/朝鮮半島への侵略

第6講 明治日本の戦争と文化
日本画と「二つのJ」/東北アジアをめぐる争い/日本が朝鮮に開国を迫った/日清戦争への道のり/アジアか、「脱亜入欧」か/三国干渉による横やり/閔妃殺害のシナリオ/世界を分割する野望−帝国主義国家の成立/アフリカ分割の悲劇/朝鮮を舞台にした日露戦争/列強入りした日本が得たもの−韓国併合

第7講 社会も国家も進化しつづける?
『共産党宣言』の爆発/アタマの中の弁証法・セカイを丸ごと唯物史観/個人から社会へ−経済思想の流れ/理想社会をつくる実験/マルクス経済学のチェック・ポイント/ダーウィン『種の起源』の衝撃/社会は進化しているか?/未来を目指して一直線−スペンサーの社会進化論/変化を受け入れる視点−仏教思想の影響

第8講 カフカとフロイトの部屋
語りえぬ二十世紀を語る/イギリスの3C、ドイツの3B/バルカンの火薬庫に火がついた−第一次世界大戦/フロイトが見つけた「内なる闇」/世界と自分を観察する−現象学の登場/人間って何だろう−実存主義/自と他を結ぶ、ヤスパースの「了解」/説明できない「世界とのかかわり」/カフカの文学/「中心」をもたないという立場/カフカとフロイトの部屋にいた「アウトサイダー」

第9講 二つの世界戦争のあいだ
中東って何だ/イスラム的「エミグレ」のパワー/アラビアのロレンスの真相/中東問題の火種/立ち上がるガンディー−VSイギリス/したたかな革命家ホー・チ・ミン−VSフランス/ワイマール体制とナチスの台頭/世界恐慌の余波−第二次世界大戦突入/民主主義は本当に勝ったのか/アラブとバース主義−第一次・第二次中東戦争

第10講 資本と大衆の時代
数が質になる、大衆のパワー/冷戦時代のポリティクス−代理社会の代理戦争/新植民地主義とは何か/ゲーム理論に溺れるアメリカ/パクス・アメリカーナと新自由主義/1970年代の世界経済の大転換/合理的な自由競争のゆくえ/いくつもの資本主義/資本主義社会の病気と症状/世界の均質化を「編集」でのりこえる

第11講 日本の苗代をとりもどしたい
日本人の「ものの見方」/苗代という方法/「失われた十年」の意味/証券化の嵐が日本にも吹き荒れる/「リスク」が商品になる時代/日本人の「道理」もある/驚くべきレベッカの資本主義/世界のあちこちに「苗」をうえる勇気

第1講で、前作の『17歳〜』について、松岡正剛はこう書いている。
「いろいろの人物や話題をとりあげましたが、そのなかで何を言いたかったかというと、世界と日本を同時に見るには『異質』を排除して歴史を見ようとしてはダメだということを強調したつもりです」
さらに、本書について、こう言っている。
「私が言いたいことは、一言でいえば『世界はもともとけっして同質なんかじゃない』ということです」
そして、本書の巻末「おわりに−苗代の知恵」で、こう書いている。
「本書では『苗代』を例にして、グローバリズムの導入をいったん幼若な苗にして、それから本番で植え替えるという方法があるのではないかということを最終章の提案にしてみました。直撒き、ちょっと待ったという提案です」
さあ、これで結論がわかったから、一件落着か、と思うと、そうではない。本書の面白さは、大きく広げに広げまくった大風呂敷にあるのだ。目次だけを見ていてもそれはじゅうぶんうかがえる。キーワードは「苗代」よりも「風呂敷」なんじゃないかと思えるが、それは松岡正剛のどの著作についても言えることで、ことさら本書だけの特徴というわけではない。
世界と日本、というタイトルからして大風呂敷だが、近現代をテーマにすると、その内容のほとんどは「世界と日本のまちがい」と言うより「イギリスのまちがい」になるが、そこは仕方あるまい。
ただ、僕はこれを初版で読んだのだが、ところどころにひっかかるところがあった。
たとえば、こんな文章。
「ここにおいてヒトラーは、全世界にローマ帝国や神聖ローマ帝国やナポレオン帝国に代わる『第三帝国』を築こうとする決意をかためます。『第三帝国』と名付けたのは、ローマ帝国と神聖ローマ帝国につぐ三番目の帝国という意味です」(第9講より)
なにげなく読みとばしかけたが、ヒトラーの第三帝国は、神聖ローマ帝国とビスマルク帝国に次ぐ来るべき第3の帝国、ということなんじゃなかったか?これはひょっとして、誤字脱字?
ここでは「あれっ」と思って他の文献を調べてみることができたが、他にも読みとばしがあって、うのみにしてはいけない文章があるのかもしれない。と言っても、一読して脳みそにしっかり知識として残るほど出来のいい頭はしていないわけだが。

JK21のデイリーライブ。
明日は東京のお台場合衆国でステージがあるという。仕事で行けないけど、大阪ではプチJKのライブがあるのだ。ところが、台風の影響で、プチのライブが延期になったと、帰宅後に知った。今日の握手のときに、真琴に「明日も来ます」と言ったら不思議そうな顔をしていたのはそういうわけか!教えてよ!
さて、今日のライブ。
出演メンバーは、ジョージ、すだこ、松田、ももな、田中、真琴、脇坂、碧、谷口、川口、月脇、藤井。椿みなみは学業のために欠席。
1.ハッピーグラデュエーション
東京ではどこに行きたいか、をトーク。
ジョージ:コールドストーン(なんばにもあるよ!)、ポケモンセンター
すだこ:クリスピードーナツ(めちゃ並ばされるよ!)
松田:109
新垣:ディズニーシー(千葉だ!とツッコミはいる)
田中:東京タワー(エレベーターの隙間から見える地上の恐怖も)
真琴:原宿
脇坂:原宿
碧:ハチ公
谷口:原宿
川口は答えなかったけど、話の流れからいくと、原宿だったか?
月脇:サンリオピューロランド(これも千葉だ、とツッコミ。でも、本当は東京。多摩市なのでちょっと遠いけど。ところで、月脇、メイク変えた?)
藤井:原宿、フォーエバー21
やっぱり原宿は人気だな!
2.花吹雪ハニーチップス(わっきー、すだこ)
初期のレパートリーは、当事とはメンバーが変わっているため、口パクじゃなくて、ちゃんと歌ってくれる。悪いことばっかりじゃない、ってことか。
3.もっともっと(番長、ジョージ)
4.キラキラ乙女心(谷口、川口)
須田がジョージの物真似をする。これが激似。
5.ちゃう×3
6.エニシングゴーズ
川口のダンスに釘付け。この「エニシングゴーズ」は川口有砂のためにあるような歌で、他のメンバーの振付けを見ても、どれもがニセモノに見える。
7.フットマン
明日のライブへの意気込みなどトーク。
8.Kiss(すだこ、ジョージ)
ライブ後は握手。
帰宅したらちょうどGAORAの番組に間に合った。「JK21最強虎萌えアイドルへの道」
城島、須田、森崎、松田、藤井の5人と松村邦洋がからむゲーム的な番組だが、ヒッティングマーチを歌うシーンで、他のメンバーの姿も見れた。最近見なくなったメンバーの姿もあって楽しい。森崎も卒業しちゃったしね!デイリ−ライブに、たまにはOG登場で、森崎とか柊子が出て来てもいいんじゃないか、と思うけど。

アメリカ村TVプレゼンツの「アメリカ村BONダンス」イベントを三角公園まで見に行った。
雨が降ったりやんだりの悪天候で、出発が遅れて、「キッズダンス」がほとんど見れなかった。
到着したとき、ちょうどパステルが出て来て、3曲歌った。
1.大声ダイヤモンド
2.シャイニングデイ
3.ラスター
ライブ後も、パステルの子がその後のイベントを客席側で楽しんでいた。ビンゴゲームでは賞品をGETしてた。
イーキャストのグラビアモデルさんたちが出てくるコーナーや、桜塚やっくんのコーナーもあったが、僕はちょっと用事があって、某所へ。
午後5時半頃から、JK21が登場。
ステージのサイズにあわせたのか、今日は5人。浴衣姿!
ジョージ、すだこ、つばっきー、わっきー、あゆみ。
2曲披露。
1.ちゃう×3
2.フットマン
浴衣姿のため、ダンス中心の曲は避けたようだ。どちらもテレビ番組のエンディング。
雨が激しく降るなかでのライブだった。ステージには屋根がついていたので、浴衣は大丈夫。
ビンゴゲームで、賞品をいただく。

ヤマダ電機LABI1なんばで、ももいろクローバーのインストアライブ。
まず正午から、1回目。
関西生れの蒼井涼香ちゃんがオープニングで登場!
1.ハローグッバイ
2.気分はスーパーガール
3.ももいろパンチ
新メンバー有安杏果ちゃんはメンバー紹介と「ももいろパンチ」で参加した。
僕は「気分はスーパーガール」の振付けがめちゃくちゃ好きで、前回、神戸でこの曲をしなくて残念だった思いが、ここで癒された。
高城れにの「肩踊り」(僕が今、勝手に名付けた)も絶好調。
早見あかりは、以前見たときは「ももクロのメガ」と自称していたが、この大阪ライブでは、「クールビューティー」と自称していた。2回目、3回目の自己紹介時に、高城れにが「オールドビューティー」と対抗していたことを鼻であしらうクールビューティーさ!素晴らしい!高城れにもまだ高1なんだけどね!
ももかは両親が関西出身で、関西弁が使えるらしい。途中のトークは関西弁のイントネーションだった。
デビューCD「ももいろパンチ」はオリコンデイリーチャート初登場で11位だったとか!
この日の物販でも、27枚買った人にはツアー写真27枚を貼って、自筆のサインや似顔絵を描いたボードがプレゼントされる、という特典がついていた。ファンなら、CD27枚くらい買ってしまうよね〜。あいにくと、物販コーナーのレジではクレジットカードが使えず、現金を少ししか持っていなかった僕はそんな買い方できなかったけど。
1回目の物販での特典は、握手会。

午後3時から2回目。
オープニングでは蒼井涼香と玉井詩織がポニョをデュエットで歌う。
1.ラフスタイル
2.最強パレパレード
3.ももいろパンチ
2曲目は新レパートリーだったので、杏果も一緒に。
自己紹介のときに、しおりんの専売特許「妹」を杏果が名乗り、あわや妹合戦勃発か!妹キャラのしおりん、一番身長がちびっこのももか、そこに最年少の佐々木彩夏が「わたしも妹!」と加わって、三つ巴!
2回目の物販での特典は、メンバーとの2ショットチェキ。

午後6時から3回目。
オープニングなしでいきなり歌から。
1.最強パレパレード
2.大好き
3.未来へススメ
4.ももいろパンチ
5.ツヨクツヨク
3回目は急にオタク解禁。
新レパートリーの「ツヨクツヨク」ではしおりんとももかの素晴らしいダンスも披露された。今日1日のしめくくりに、こんなにすごいダンスが見れるなんて!と目頭がじ〜んと熱くなった。全体に時間の都合で曲数も少なく、コーナーもなかったが、それで不満、という感情がまったく湧いてこない。
自己紹介では百田夏菜子が8月8日だということで、おなじみのデコッパチ。
ももかも地方で初披露という自己紹介をしてくれた。2回目では「妹」を名乗ったが、この回では「小さな巨人」を自称。
3回目の物販特典は、CDにサイン。
なお、デビューをお祝いするメッセージをアルバムにしてメンバーに渡す企画をファンの人たちがライブ直前にしており、僕も参加させてもらった。
ももいろクローバーを次、関西で見ることができるのはいつなんだろう。早く、来ないかな〜。

3回のライブの間に時間があったので、ジュンク堂で開催していた嶽本野ばら君のサイン会をひやかしに行ったり、パークスでタルト食べたり。
帰宅後は衛星放送で手塚治虫と戦争に関する特別番組見たり。

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