小石栄一監督の「野狐三次」を見た。1930年。
林長二郎主演で、火消しを演じる。江戸の火消しどうしの乱闘や、火事のシーンで、全体に大暴れの映画だった。撮影は圓谷英一で、火事のシーンがそれっぽい。
林長二郎は後に長谷川一夫と改名、圓谷英一は後に円谷英二と改名している。
火事の映画って、なんだか年末らしいなあ、と思わぬところで季節感をおぼえる。

午後５時からのJK２１のアトリエライブ第２部を見に行く。
今年の夏はそのままJK21のデイリーライブの思い出と言っても過言ではなく、今年のしめくくりをJK21で飾るのはごく自然だったのだ。（年末は仕事！）
とか言いながら、開演の時間に間に合わず、入ったら「琴子の部屋」の最中だった。
MCは、あみだくじで決まったという新垣と脇坂。
1.ハッピーグラデュエーション
藤井は今回カメラマンとして、ステージを脇から撮影。
あいうえお作文コーナー。文句は多少違っているかも。２チームにわかれて。
「ありがとう」
脇坂：あなたは
須田：理想の世界へと
城島：がんばって
松田：友と一緒に
月脇：浮かんで行く

碧：ありがとうって
宮繁：理科の記号であらわせないけど
今崎：がさつにはならないけど
田中：トーマスに
椿：生まれたの

「よろしくね」
城島：ようこそ
脇坂：ロングバケーションへ
須田：しあわせ
松田：ください
月脇：ね

宮繁：よく考えると
田中：濾紙に
椿：白い板をひいて
今崎：苦しいこともあったけど
碧：寝込まないよ

「須田琴子」
須田：須田さんって
松田：だんごが
脇坂：懲りてるよね
月脇：飛び立ちそう
城島：昆布だよ

碧：好きなんだ
椿：だるまのように起き上がり
宮繁：子どものように無邪気に
田中：遠い存在に
今崎：この世界にはいない人

MCの新垣が嘆くように、日本語の文章として成立していなくて、超現実主義的だが、あと１ネタ。もはや何のためのあいうえお作文なのかもわからない。
「田中梨奈」
松田：ただの女
須田：何であんなことするんやろな
月脇：カレーの一気食い
脇坂：りんごも入れてるよね
城島：納豆に

田中：田中梨奈って
今崎：なかなかいいよね
碧：可愛らしいしな
椿：理想の女性
宮繁：なんやねんな

拍手の結果、負けた城島チームは他メンバーの物真似を罰ゲームで。
月脇のやった今崎の物真似「ここにいます」がツボ。
2.You（城島、碧）
3.win!win!タイガース
4.CHU天閣
5.ちゃう×３
6.エニシングゴーズ
7.フットマン
8.KISS（城島、松田）
9.ハッピーグラデュエーション

ライブ後は握手会。握手会って何をみんなあんなにしゃべっているんだろう、と不思議だったが、今回、なんと話のキャッチボールが出来たメンバーが何人かいたのに、われながらびっくりした。そうか、こうして話のやりとりができれば、握手の時間なんてあっという間に過ぎてしまうんだ。って、まるでコミュニケーション出来ない子みたいじゃないか！
今回のライブ見て思ったのは、相変わらずの月脇の孫的可愛さに磨きがかかっていたことと、メンバーが久々にアトリエに来た僕のことを覚えてくれていたことへの驚き、そして、宮繁の可能性だった。かつてプチにいた田中がJK21のカンフル剤になってJK21を魅力あるアイドルに押し上げたように、今回は宮繁がミラクルをもたらしてくれそうな気がした。
月脇か宮繁の写真があれば買おうと思って物販ブースを見たが、見あたらず、夕食もまだで空腹だったため、握手後、ささっと帰る。

今日は日曜で、朝はいつもながら朝日放送の「日曜落語なみはや亭」で林家小染の「ふぐ鍋」と「尻餅」、「米朝よもやま噺」はゲストに喜味こいしを招いて、砂川捨丸について。小染は僕がはじめて落語を見に行った落語家だし（３０年以上前）、砂川捨丸は僕が一番好きな漫才師だ。二代めの捨丸も好きなくらいだ。これは朝っぱらから興奮状態。って、昨日の夜からずっと起きてたんだけど。
昼間はアメリカ村をうろうろしていた。この前のライブでC-ZONEの子がたこやきを食べたのは、この店か、と確認したり。

心斎橋AtlantiQsで「welcome to flower world」
会場では、ふるまいシュークリームが！
出演順に。
新田真優子
1.プリエール（オリジナル。出だしはクリスマスソング）
2.サンタが町にやってくる
3.魔法の言葉（オリジナル）
4.気まぐれロマンティック
5.カラフルミュージック（オリジナル）
お母さんが作ったという白い雪の天使のような衣裳。

新富麻衣
1.
2.ディアアゲイン
3.こんな幸せソング（結婚式ソングだそうな）
4.ラブラブラブ
5.パストトゥプレゼント（母校が事件の舞台になったことに触発されて作った歌！）
昨日まで熱があった、って、なんとデンジャラスなステージ！

amU
1.prism〜DIVER
2.moco
3.love the candy stream
4.LiNK U
5.U & Me The カラフルメリーゴーランドハッピーエンド
光の帯が出たり、抽選会があったり。当選者にはamUから年賀状が届く！

Chom!boyz
1.ガールズyeah!!
2.春よ来い
3.大人道
4.トキドキトキメキ
5.愛の言葉
6.つばさ
バンドメンバーにインフルエンザ真っ最中がいて、これもまたデンジャラス＆スリリングなライブ！

物販ではamUに並んだ。最もお店として成立していたのはamUで、品揃えもいろいろとあって、あれもこれもとほしくなるような物ばかりだった。
新田さんは写真を売っており、新富さんはCDを売っており、Chom!boyzはアンケートとかフライヤー配りに力点を置いていた。今回の４組はそれぞれ個性が違っていて、楽しかった。
しかし、amUのacoの頭についていたカップはよかったな〜。今度、ポットか、きゅうすを頭につけていって、そのカップにティーを注ぎたい。

フロベールの『紋切型辞典』を読んだ。
これはフロベールの遺作で、未完の大長編『ブヴァールとペキュシェ』の一部となるべく構想されたもの。
こうした辞典類は、気のきいた批判か、あるあるネタで埋められるのが普通なのだが、この『紋切型辞典』はちょっと違う。そうしたお題をいただいての大喜利ぽい内容以外のところに、本来の趣旨があったのだ。
恋人宛の手紙に、この辞典の趣旨が書いてある。
「多数者の意見は常に正しく、少数者のそれはつねに誤っていることを証明し、偉人をすべての愚者のために、殉教者をすべての冷血漢のために犠牲に供するーしかもそれを極度に激越な、火花を散らす文体で書こうというのです。こうして、こと文学に関しても、凡庸こそは万人の手中にあるがゆえに唯一の伝統的なものであり、あらゆる種類の独創は危険、愚劣、その他の理由から蔑視すべきことであることを明らかにする」
「この辞典は、およそありうるすべての題目について、礼儀をわきまえた慇懃な人物となるために世間で口にしなければならぬすべての言葉をアルファベット順に網羅するでしょう」
「端から端までぼくが勝手に創作した言葉は一語といえどもあってはならず、いったんこれを読んだら、人はそのなかの文句がおのずと出るのを恐れるあまり、話すこともできなくなる」
これはビアスの『悪魔の辞典』以上に毒に満ち満ちている試みなんじゃなかろうか。
では、どんな内容なのかというと、たとえば。
「金髪の女／黒い髪の女より情熱的→黒い髪の女」
当然、「黒い髪の女」をひくと、金髪の女より情熱的、と書いてある。
これはフロベールの意見ではなく、世間ではこう言う、と皮肉っているのだ。
それ以外には、こんなのもある。
「ためになること／子どもと動物はぶたれるのが、召使いは追ん出されるのが、犯罪者は罰せられるのが、それぞれためになること。」
凡庸な世間、愚かな大衆が言いそうなことである。
笑ったのは、これ。
「独身者の部屋／つねに乱雑、女の安物の装身具がそこここにちらばっている。煙草のにおい。何をやっているかわからないから、うっかりはいれない。」
それ以外にもいくつかを引用しておこう。

クラリネット／これを吹くと盲になる、その証拠には盲はみんなこれを吹く。
こみいった筋／あらゆる芝居はそれで成り立つ。
奨学金を受けた学生／だれも返さない
女優／良家の子弟を堕落させるもの。おそるべく淫奔。飲めや歌えの大騒ぎにふけり、巨万の富を食らい尽くし、行き着く先は施療院。「いや、あれでなかには良妻賢母もいるっていいますよ」
神経／病気の正体がわからないときは神経のせいにすること。この説明で病人はけっこう納得する
聖職者／女中と寝て、子どもが生まれると甥と称す。よろしく去勢すべし。「いや、なかには立派な坊さまもいますよ」
ダンス／当今のはダンスじゃない、のそのそ歩いているだけだ
夏／毎年「今年は特別」→冬
日本／そこでは何から何まで瀬戸物ずくめだという。
編集・編纂／だれでもできる
封建制／どういうものか正確に知る必要はないが、怪しからぬものとして攻撃すべし。
本／どんな本にしろ、かならず長すぎる。
よろしく／かならず「くれぐれも」

インターネットが普及して、掲示板などで匿名の書き込みが頻繁に行なわれるようになって、このフロベールの１９世紀以上に、紋切型は目につくようになった。
ワイドショーのコメンテーターの意見とか、オタ芸などの、型にはまった行動が跋扈するのは、フロベールのフランスよりも、日本の方がはるかに当てはまるのかもしれない。

フロベールの『ブヴァールとペキュシェ』（上中下）を読んだ。
１８８０年に死んだフロベールの遺作で、未完成。
筆耕の仕事をしていた男２人が意気投合し、遺産が転がり込んできたのを機に、仕事をやめ、２人で好きなことをしながら暮らしはじめる。
最初は農業しながら暮らすが、思ったような収穫が得られないとなると、畑を果樹園にする。そして、酒を作ろうとするのだが、それも失敗してしまうと、２人はこう結論付ける。
「おそらく、わしらに化学の知識がないからだろうよ！」
２人は化学の本を読みあさり、専門家にいろいろ聞き、化学実験を試みる。
この実験もまあむちゃくちゃなもので、たとえば、こんな風。
「こいつ（犬）に燐を注射して穴倉に押し込んで、鼻の孔から火を吹くかどうか見てやるのだ」
紅葛をたっぷり食べさせた鵞鳥の骨膜の色を調べたり（真っ白だった）、子猫を水中に沈めて死ぬまでの時間をはかったり。
こうした興味の転換を皮切りに、この後も、彼らは生理学から医学、天文学に地質学、考古学に凝ったかと思うと、史学、文学、美学、挙げ句の果てには政治に、そして、社会学、哲学、倫理学に手をそめ、カトリックを理論的に追求して一種のカトリック批判を展開し、囚人のこどもを引き取って育てようと教育に没頭する。
それぞれ、本を読んで、専門家に聞き、実験しているのだから、ものになりそうなものなのに、諸学を総合し、編集、関連づけたりできず、全部が行き当たりばったりの中途半端な状態で、興味の対象がただ移り変わっていくのだ。フロベール自身が、「ブヴァールとペキュシェは私自身だ」とどこかで聞いたような感想を抱いたそうだが、まさしく、僕だって、この２人が自分のことそのものだ、と思えてしまう。ところで、この三分冊の上巻に、本書はブルジョアを批判したものだ的なことが作品内容として書いてあった。僕はブルジョアだったのか！
カトリックに対する疑問は素朴なもので、「肉体は呪うべきものだというのに、生存のめぐみを神に感謝しなければならないというのは、どういうわけだろう？」「神が罪を犯しやすい人間を創造したのだとすれば、それを罰すべきではないじゃありませんか」「懲罰はすべて、罪を犯したものの改悛を目指しているのでしょう？永劫の刑罰（地獄）では、これは不可能なことになりますね」などなど、素朴なだけに答えにくいことだらけで、「そんなにやきもきしなさるな。何でも深く掘りさげようとすれば、危険な坂を滑り落ちるばかりですぞ」と、言われてしまう。
フロベールは本書を書くのに１５００冊からの本を読んだそうだ。
なかでも面白かったのは、神秘主義、オカルトに凝ったところで、降霊術を何度も試み、いろんな説が紹介される。
「頭蓋骨のうしろに１本の長い管が生えていて、それが毛髪のところから遊星までのびている。これによって土星の精霊とも会話をすることができるのだ」
だが、神秘主義の諸作品を読んでみて、失望する。「予期していた崇高さは影もなく、俗悪な内容、しまりのない文章、そらぞらしい描写、宝石商の店から借りてきたような仰々しい比喩ばかりが眼についた」と評される、聖女テレジア、十字架のヨハネ、ルイスデグラナダ、シンポリ、シャイヨなどを、僕などは逆にちょっと読んでみたくなった。
主人公の２人はちょうど同じ時期にそれぞれ恋愛にも陥る。案の定、２人ともに恋愛に破れ、またもや学問の研究と実験に耽るのだ。
なお、フロベールが１８５２年に出した手紙の中に、この『ブヴァールとペキュシェ』のことと思しき作品のアイディアが書かれている。
「たしかにぼくは高級喜劇に惹かれています。ときには全人類を罵倒してやりたくてたまらない気にもなりますが、これはいつか、１０年先にでも、大規模な長編小説の形でやってみるつもり」（恋人、ルイーズ・コレ宛）
遺された草稿やメモによると、未完の部分では、主人公たちは元の筆耕に戻ろうとする、という展開が予定されていたようだ。確かに、それなら、中途半端に終わることもないんだろうけど。まあ、愚かなブルジョアで何ひとつ物にならず、失敗ばかりだったとしても、ブヴァールとペキュシェのような生活は理想だと思える。

志村錠児監督の「劇場版どうぶつの森」を見た。
どうぶつの森に引っ越して来た女の子、あいちゃん。
彼女は、浜に打ち上げられた壜詰めの手紙のメッセージにしたがって、村に針葉樹を植える。
それは、針葉樹に施されるイルミネーションで地上にしるしを描くためだった。
自然に囲まれた、スローな生活。
実人生でストレスにさらされている人向けの映画で、見ていて心が癒される。
弱っているときに見れば感動もひとしおなのだろう、と思えるところが、実はこの映画、ちっとも子ども向けじゃなくて、大人向けの映画なんだな、と思わせるところだ。大人はきっと、こういう映画を子どもに見せたがるんだろうが。

今年最後のwktk学園。
第１部
今回もオープニングのたてよこしおんを見逃してしまう。
もふもふちんちら／宮崎亜美
青空のナミダ／けい
YUKI／るか
ハルモニア／そうめん
きら☆トラの「ジャスチャーゲーム」
（あみーごのガチャピンのジェスチャーがわかりにくすぎてツボ）
巫女みこナース／さきそん
きら☆とらの「占いコーナー」縛り屋トーマスが占われる。
（その中で、「名前に漢字とカタカナとひらがなが使われているのは、よくばり」とか言ってたけど、保山ひャンって、もろに、それだ！この名前が浸透しないのはそこに原因があったのか！浸透しないように、と思ってつけた名前だからズバリ的中だけど）
赤い糸／にこ
もってけセーラー服／wktkメイツ（さきそんと、けいはセーラー服）
今回は、そうめんのきいさつきちゃんがクリスマスカードつきの手作りクッキーをお客さんにプレゼントしてくれた！クッキー、おいしゅうございました。
さきそんに合言葉を言えば、プレゼントがあったのだが、１部終わりで荷物を家に置きに行っているあいだに、チャンスを逸した。またいつか！でも、来月からwktk学園は水曜日に変わり、と、いうことは僕は仕事で行けないのである。
第２部
縛り屋トーマス
火の玉アタック
フルーツピーチ大将軍
ベッターマン
わかやまん
以上の５組。
家にいったん帰っていたせいで、フルーツピーチ大将軍の途中から見る。
ネタのあとはムヤニーもまじえてトーク。
ベッターマンが西成のいろんな伝説を語っていたのが面白かった。
（２メートルの老婆とか、ケンタウロスとか）

将棋NHK杯トーナメントは、森内VS堀口
長手数の我慢比べで、見ているだけでヘトヘトになった。

気をとりなおして、ZEST御池で、村田寛奈ちゃんのライブと、K2-DANCE SOULのステージがあったので、見に行った。
午後２時１５分から、村田寛奈ちゃん。
昨日とは違う衣裳で、クリスマスにあわせた選曲でライブ。
1.クリスマス
2.ウィンターベルズ
3.オーバードライブ
4.もうすぐクリスマス
5.ビーアウィングス
完璧。
僕のような狂った服を着て、マスクしてるような男が観客でいたら、さぞかし歌いにくかっただろうが、堂々としたステージだった。
一番の有望株と言っていいんじゃないだろうか。

ライブ後、休憩時間になったので、近くのブックオフで桑田次郎の『インテリ五エ門』を読む。この漫画はかなりエキセントリックなコメディ。
「ドカーン！」と音をたてて生まれてきた五エ門は天才少年。
幼いときに万年筆を改造してミサイルを作ったりする。（家の中で飛ばして爆発させたため、五エ門の父親は両足を吹き飛ばされ、その後は車椅子の生活を余儀無くされる）
あるときは、宇宙の違う星に行ったものと勘違いして、精神病院の患者たちとファーストコンタクトとってみたり。
あるときは、自分の眼球を焼いてめだま焼きとしてごちそうに出されたり。
あるときは、決闘として、自分の身体を痛めつけて、勇気と度胸を競ったり。
あるときは、兄弟たちが脳を発達させようとして、脳を空気入れでふくらませて、風船みたいに天井まで浮かんだり。
あるときは、安楽死、あるときは、自殺、などかなりダークでブラックなギャグが、決してギャグ漫画ではない絵柄で展開される。
これは面白かった。

戻ってみると、そろそろK2-DANCE SOULのライブが近づいていた。
阿神、シルバ、リリス、パメラなどのユニットがそろって、やはりクリスマスバージョンのダンス＆歌。
ブリリアント
ソングフォーユー（阿神）
ミスユー（阿神）
ホワッツラブ（パメラ）
フリークショー
アイムアライブ
マッドアバウトユー（シルバ）
ゲーム（リリスのリナが歌）
ステップバイステップ
クリスマスイブ
いや〜、K2-DANCE SOULのダンスはいいですねえ〜！
最初のブリリアントなんか、涙が出そうになりました。

帰宅後、NHK-FMで「現代の音楽」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　猿谷　紀郎
　−　東京混声合唱団　第２１９回定期演奏会から　−
「ナルキッソスとエコーの神話　オウィディウス“変身物語”より
　　　　　（２００９）」レイモンド・マリー・シェーファー作曲
　　※世界初演
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（２０分４７秒）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（合唱）東京混声合唱団
　　　　　　　　　　　　ティレシアス…（バリトン）徳永　祐一
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（指揮）松原　千振
「アニュス・デイ」　　　　　　　　　　アンドルー・ジンク作曲
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（５分３５秒）
　　　　　　　　　　　　　　　（合唱）バンクーバー室内合唱団
　　　　　　　　　　　　　　（指揮）ジョン・ウォッシュバーン
「さくら（２００４）」日本古謡、ジョン・ウォッシュバーン編曲
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（４分２６秒）
　　　　　　　　　　　　　　　（合唱）バンクーバー室内合唱団
　　　　　　　　　　　　　　（指揮）ジョン・ウォッシュバーン
「ガムラン（１９７９）」レイモンド・マリー・シェーファー作曲
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（３分０３秒）
　　　　　　　　　　　　　　　（合唱）バンクーバー室内合唱団
　　　　　　　　　　　　　　（指揮）ジョン・ウォッシュバーン
　▽アンコール
「“日本民謡による１２のインベンション”から“知覧節”」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　間宮芳生・作曲
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（３分４７秒）
　　　　　　　　　　　　　　　（合唱）バンクーバー室内合唱団
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（合唱）東京混声合唱団
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（指揮）松原　千振
　　〜東京文化会館で収録〜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜２００９／１０／３０＞

テレビでM1見た。
パンクブーブー面白かったな〜。

心斎橋FANJで「Girls Panic年末スペシャル」
当初の予想以上にスペシャルなライブで驚いた。
以下、出演順に。曲名はところどころむちゃくちゃだけど、来た人なら何の歌だったかわかるよね！
nono
1.ハヤテのごとく
2.恋せよ女の子
3.小さな願い
4.バタフライ
5.本日満開私色
前回ライブでは梅酒をドーピングしてたそうだが、今回は素で。
アニメ声でツインテール、制服、振付けのしぐさも可愛い。
梅酒飲むくらいだから、年齢は推して知るべしだが、リアル女子高生のたたずまいがあった。

村田寛奈
1.クリスマス
2.ウィンターベルズ
3.オーバードライブ
4.そばかす
5.もうすぐクリスマス
6.ビーアウィングス
衣裳も歌もクリスマス仕様で。
歌詞がとんだ部分もあって、本人は気にしているようだが、今回のイベントに出演した１１組のなかで、１、２を争うアピール度だった。今、関西で頑張っているソロのアイドル歌手で、これだけ歌って踊る子はなかなかいない。

名幸優希
1.ひまわり
2.つかまえて
3.フライハイ
4.プラネタリウム
5.フレンジャー
6.マイラブ
受験のため、このライブでとうぶんはゆうちゃんとは会えなくなる。
のどの調子が悪くて、歌の最中にも咳き込んだりしていた。受験を控えての体調管理は万全に！

X-CUBIC
1.（全員）
2.偶然の確率（HARUNA & YU-KA）
3.（MIMU）
4.Theピース
5.シェイキーハット（SHAKE）
6.co.no.mi.chi（TRIPLE CLICK）
7.リアリティー（TRIPLE CLICK）
8.ハピハピサンデー、ハッピーサンデー！（HARUNA）
9.ハレハレユカイ（PRIM）
10.白いTOKYO
歌は１コーラスだけなので、この曲数でX-CUBICワールドを展開していた。
TRIPLE CLICKは、YU-KI、CHIYOMI、MISAKIの３人組。
SHAKEはEMI、YU-KA、HARUMIの３人組。
PRIMはHARUNA、MISAKIの２人組。
今回のライブが、HARUNAのソロデビューライブになった。
X-CUBICのライブを見るのはこれがはじめてなのだが、これはハマる！
どことなく懐かしい選曲なのもツボ。

天心和風乙女団ver.sweet（南乃もも、月島紫音、神風まろん）
1.叫びたいな〜
2.ひとつのハートで
3.空色デイズ
4.流星ナイト
気の弱い３人で、草食系ならぬ「離乳食系」だと自称していた。

idid（真美＆HIKARU）
1.いーじゃんいーじゃんすげーじゃん
2.ミッドナイトワンダーランド
3.シャルウィラブ
4.ラブマシーン
5.ウィンターソングメドレー
6.ワンナイトカーニバル
クリスマスの定番曲のはずの「ぴったりしたいクリスマス」をメドレーのときに歌ってくれて、やっと肩の荷がおりた感じ。
クリスマスのアイドルイベントではこの曲が複数かぶるはずだったが、今年はididのを聞いただけ。

山口満里奈
1.LOVE〜winter song
2.タイムゴーズバイ
3.桜の時
4.REMEMBER〜ずっと忘れない〜
5.マイフレンド
ソロでライブ活動するようになって、この日でちょうど２年になるそうだ。
この日にCDもリリースされた。
多くの人に感謝しながらのライブは、まさに異次元空間。僕は感動のあまり泣いてしまった。満里奈ちゃん、よかったね！
彼女はいい子すぎて、こっちが恥ずかしくなってしまうほどだが、もしも聖女が身近にいるとしたら、それはきっと山口満里奈なんだ、と確信させるだけのパワーを持っている。言い過ぎか？何度でも言い過ぎてやる！

C-ZONE
1.
2.サンシャインマイトゥルーハート
3.ドゥプレジャー
4.スノウブリーズ
5.シーユー
メンバーには兵庫県出身と大阪出身がいるが、大阪人の足の速さとか、大阪来たからたこ焼き食べまくった話とかしてた。

Pixy Chicks
1.ドリームビリーバー
2.オールフォーワンワンフォーオール
3.エレガントハート
4.ガールスタッフ
5.ドリームビリーバー
ピクシーチックスはこのライブをもって、ライブハウスでの活動が最後になる。
あと、プロレス会場で１回だけライブをして、ピクシーチックスの活動が終わるのだ。

SKETCH
1.気まぐれロマンティック
2.カモン
3.スーパーフレッシュ
4.愛して
5.マイスター
6.ここにいるぜぇ
自己紹介は、好きな映画の話題。なっちゃん（外国人の女性）、まゆ姉（ディズニー）、りーりー（動物）、みのりん（アクション）
りーりーとまゆ姉は京都アバンティのバーゲンのCMに出演しているそうだが、めちゃくちゃ一瞬うつっているだけだった、と言ってた。目印はショッキングピンクのりーりーと、紫色のまゆ姉。

Mary Angel
1.スーパーアクション
2.ブランニューワールド
3.キラキラ☆すまいりー
4.エンジェルウィング
5.マジカルスター
（以下、アンコール）
6.キラキラ☆すまいりー
「キラキラ☆すまいりー」は本邦初公開の新曲。

今回のイベントにはSTS出身の子が多くて、それぞれの所属していたユニットを考えてみたら、ペトラキッズ、タッチ、ミューズ、ファッションズ、プリッツ、と、錚々たるラインナップになる。最近、とんとSTSは御無沙汰なのだが、何か面白い動きでもあるんだろうか。
物販にはめったに参加しないのだが、今回だけは感動させてもらった山口満里奈のCDを購入した。それ以外にも、買いたいものがいっぱいあったが、空腹に負けて、並ぶことができなかった。午後１時半に開演で、終わって外に出たのが８時前だったのだ。
帰宅したら、小公女セイラの最終回、半分くらい過ぎていた。このドラマ、結局、藤子が一番可愛いことを思い知らされた番組になった。かやぴーはAKB史上、１、２を争う大ファンだし、ありさもてれび戦士史上１、２を争う大ファンだったというのに、問題にならなかった。藤子を主人公にしたスピンアウト作品を強く希望する。

カレル・ゼマンのアニメーション「クラバート」を見た。1977年チェコ映画。
プロイスラーの児童文学を映画化したもので、切り紙アニメに、水や火、雪、煙などは実写を使って描かれている。
身寄りのないクラバート少年は、カラスの誘いによって、水車小屋で働くようになる。この水車小屋を、人々は「悪魔の水車小屋」と呼んでいた。案の定、水車小屋にいた親方は魔法の使い手で、少年たちはこきつかわれ、また、魔法を教えられる。
クラバートはある少女に恋をして、それがもとで親方と決闘するにいたる。
しかし、最後に愛は勝つ、のだ。
孤児たちを集めて働かせる水車小屋、という設定がどこか懐かしい。
悪魔の手先になるのは、カラスとか黒猫なのだが、その人相の悪さ、邪悪さが面白い。
プロイスラーは『大どろぼうホッツェンプロッツ』のシリーズが大好きで、小学生の頃熱狂して読んだものだが、この『クラバート』は未読だった。でも、今はカレル・ゼマンのイメージが強く残っているので、忘れた頃に、読んでみよう。

大阪光のルネサンスでザ・ミルクのステージがあるというので、仕事前に駆け付けようとしたが、どうも時間を読み間違えて、到着したら最後の「風船」を唄っているところだった。
３０分ステージのうちの最後の１分しか見れなかったのだ。
それもこれも、夜勤明けで帰ってきてから、数時間でも睡眠をとろうとした僕のだらけきった精神が悪いのである。睡眠なんて心身が癒されるだけで他にいいところなんかない。

ソル・ユーリックの『メタトロンー情報の天使』を読んだ。
これもSemiotexteからの翻訳。
メタトロン、というのはカバラなどでお目にかかる天使の名前なのだが、どことなくサイバーパンク臭さがあって面白い。本書がどういう本なのかについては、まず「日本語版への序文」から見てみよう。
「わたしが説明しようとしたことは、新しい＜文化＝変化するテクノロジー＞の導入と共に生じた変動について、つまりテクノロジーの革新が本来、文化的なものであることについてであり、ある一連の言語が別の言語に転換される諸問題についてである」
また、訳者解説によると、本書で書かれていることは次のような事柄だ。
「コンピュータや電子テクノロジーがある以前に、宗教や魔術が目指していたことは、テレコミュニケーションであり、要するに情報操作である。言い替えれば、情報操作もしくは情報という観点から全歴史、文化的な営為を読み直したらどういうことになるだろうか」
以下、章立てに沿って、だいたい何が書いてあったか、まとめとか、後で思い出すためのヒントを書いておこう。
１、あらゆる知識がコンピュータとの互換性に変換される現代。社会と自然に対する情報の関係再考。この章では情報化社会が進むとどうなるかという予想図が描かれる。情報の本質が現に生きている人間よりもリアルになってしまい、我々はこうした事態と共存するよう勧告される。四半世紀ほど前の本なので、ここで描かれる未来像は、既に実現しているものばかりだが、きわめて未来的に読める。
２、情報革命の事態を招いたのは、軍と情報操作への応用であった。古来の魔術師は知性＝情報の秩序である内的システムと物質の秩序である外的システムとの間の関係から、自分たちが環境を制御しうると思っていた。古来のシステムはある一連の言語によって表現しうる世界をあやつる観念を主題にしている。現代社会の幾人かの知識人が提起しているのは電子魔術にほかならない。な〜るほど。ここで言われていることはほとんどよくわかる現代魔法みたいなものだ。
３、１７世紀、ライプニッツは論理的／数学的に基礎づけられた普遍言語を夢みた。時代遅れのカテゴリーや言語を一掃して新しいカテゴリー、言語を創り出そうとしたのだ。
１８〜１９世紀、再分類化の膨大なプログラム
２０世紀、情報時代は膨大な変換＝翻訳の企てを必要とする。あらゆる国語、学問の言語、方言、ジャーゴンを新たな普遍言語に（コンピュータの回路の論理に適合する表象）還元することが目指された。これは、宇宙が論理的、数学的であるという考え方であり、宇宙をコードとみなす考え方である。
４、新しい情報言語の画定は、かつてとても豊かであった言語を貧しいものにする。たとえば、詩について考えてみよう。
５、近代における情報化はあらゆる精神を植民地にしようとする魔法の呪文を伝播することになる。
６、世界はますます情報を通して見られている。ビジネス面でみてみよう。
７、法人企業体の視点でみてみよう。
８、西欧文明の歴史から見てみよう。
９、つづき。遺産相続。
１０、計量経済史（メタ＝メタ歴史）について考えてみよう。
１１、経済活動として西欧文明をみてみよう。
１２、フィクショナルな人口
１３、時間について
１４、同時性
１５、ラストは、次のような文章でしめられている。
「おそらく結局のところ、現代の資本主義とは天使を生産するための大工場なのである。
幻覚が台頭する。だが大した問題ではない、なぜなら情報は真実である必要などないのだから。
大地はわれわれの下でむさぼり食われている。われわれは、かつて住んだことはあるが、辿りつくことのできない世界に誘われて、バークリーやカント、そしてともに星々に向かって進む観念論者たちの道すじをすっかり辿るだろう。
われわれには夢の時間＝時代が課せられている。」
なんのこっちゃ。

古橋秀之の『超妹大戦シスマゲドン』１、２を読んだ。
兄が妹をコントロールするイモートコントロール。
そんなベタなダジャレから出発して、物語は狂展開していく。
１巻は最強の妹を決めるS1の予選。２巻はその決勝だが、話は超古代だの宇宙だのに大風呂敷をひろげる。
こういうエキセントリックな話が僕は大好きなのである。
第１話　イモコン
第２話　海冥寺が来る！
第３話　怪物はだれだ
第４話　グラウンドゼロ
第５話　激闘！激走！大激湯！！
第６話　予選終了！意外な結果！？
（以上、第１巻）
とくに最後の方では、妹のいろんなパターンが山ほど出てくる。
もはや妹ではない。
以下、第２巻。
第７話　本選前夜祭！
第８話　黄金龍あらわる！？
第９話　優美なる仮面の奥に
第１０話　目覚める破壊者
第１１話　別離へのカウントダウン
最終輪　シスマゲドンＸ

2015world sisters grandprixの決勝に残った８人は、次のとおり。
烏山ソラ（元気があればなんでもできる！本大会最大のダークホース−ハイパー中学生）かめはめ波そっくりなハッスル玉を発射できる。キレるとパワーアップ。
対するは、
御子崎ヒミコ（八百万の神々はすべて我が味方！極東のウルトラシャーマン）
カンナガラ流召喚術で、頭の上の鳥居を異次元につなぎ、多種多様な神や精霊を召喚できる。
獅子神エリカ（狩るか、狩られるか−弱肉強食は密林の掟！悲劇のワイルドファング）獣である。怪獣である。兄はしょっちゅう爪をたてられて包帯だらけで流血している。妹のひとなめは治癒力がある。
対するは、
イーシャ・ダルシェマ（冥土の土産にヨーガの秘儀をお見せしよう！蠱惑の舞踏王）
最も化学的な格闘技と言われるボクシングと、身体操作法の最高峰たるハタヨーガをふた親として生まれた究極の格闘技術「ヴィクトリアンヨーガ」の使い手
マリア・クレイトン（”火力”は”力”なり！転ぶ火薬庫）小柄な彼女が転ぶと、背負った火薬庫からミサイルが暴発する。
対するは、
クララ・ティーガー（われらが”闘争”はいまだ終わらず！第三帝国の小さな亡霊）
生来病弱であったクララは自力での歩行もままならず、車椅子の生活を余儀無くされてきた。しかし、祖国は彼女に新たな鋼鉄の脚を、さらに、強力な主砲と堅牢な装甲をも与えた。ドイツ最新最強の機甲妹。
キャシイ・ノーマン（世界の秩序を空から守る！次期主力型超音速航空妹）
対するは、
シルヴィ・サマラン（我が大剣に斬れぬ物なし！射干玉の武装貴婦人）
観測装置網でとらえられぬ高速の動き。
特徴を欠いているのかな、と思っていたマリアが実は最強の妹であることが徐々に明らかになっていく。ドラゴンボール並に戦闘は人間の限界をこえる。
この作者ならではのもったいぶった文体は完全にギャグとして使われる。
たとえば、次のようなくだり。

宇宙的存在たる究極の妹の、人間の生死には関知しないその超越的精神が、ただおのれの兄の非在を認識し、自らの有り様を変える。

「オニィーチャーン」

”兄なき妹”−妹オーラの代謝を基盤とする超越的生命形態を持つイモートロニック生命体は、あらゆる雄性の知的生命体を、そのエネルギー源−すなわち自らの兄として捕食するのだ！

ラストにいたって、しめくくりのごとき言葉があらわれるが、これにも大笑いした。

−生命とは何か。
進化とは何か。
時間とは。
空間とは。
そして、妹とは。
なにゆえに、宇宙はかくも妹に満ち、しかもそのひとりひとりが宇宙そのものを揺るがすほどにラブリーなのか。

姜尚中の『ニッポンサバイバルー不確かな時代を生き抜く１０のヒント』を読んだ。
まず一般の人々の言葉がいくつかとりあげられ、姜氏の意見が述べられる。
第１章　「お金」を持っている人が勝ちですか？
第２章　「自由」なのに息苦しいのはなぜですか？
第３章　「仕事」は私たちを幸せにしてくれますか？
第４章　どうしたらいい「友人関係」が作れますか？
第５章　激変する「メディア」にどう対応したらいいの？
第６章　どうしたら「知性」を磨けますか？
第７章　なぜ今「反日」感情が高まっているの？
第８章　今なぜ世界中で「紛争」が起こっているの？
第９章　どうしたら「平和」を守れますか？
第１０章　どうしたら「幸せ」になれますか？
全体に読みやすく、また教えられることも多い。
姜尚中はテレビでもひっぱりだこで、今や時の人だ。ならば、世間一般の大衆が姜尚中のバランスとれた考え方を少しでもとりいれてくれれば、いいのに、と思う。
ヤフーニュースのコメント欄とか、何かの陰謀なんじゃないかと疑うほどに、偏った嘆かわしい意見ばかりが並んでいる。やはり、人間、匿名でものを言うと、世間や大衆の愚昧な部分が表に出て来てしまうんじゃないか、と思う。

ロジャー・ドナルドソン監督の「バウンティ〜愛と反乱の航海」を見た。1984年。音楽はヴァンゲリス。
バウンティ号の叛乱を描いた映画で、ブライ艦長はアンソニーホプキンス、叛乱した男クリスチャンにメルギブソン。
たまたま衛星放送でフランク・ロイド監督の「戦艦バウンティ号の叛乱」（1935年）を放送していたので、比べてみていると、いろんなことに気づいた。史実はどうなんだろう、と気になって来た。
「戦艦バウンティ号の叛乱」で艦長を演じたチャールズ・ロートンは、どこまでもイヤな奴を演じきっていたが、アンソニー・ホプキンスは、艦長としてすぐれていた軍人であることも演じていた。規律を重んじる、しっかりした軍人なのだ。おかしくなっていくのは、実は、この艦長、なんだかクリスチャンに男同士の恋愛感情みたいなものをもっていたんじゃないか、ということが観客にバレていくあたりから。
タヒチで、メル・ギブソンが原住民の女と仲良くなっているシーンと、アンソニー・ホプキンスが嫉妬で苦しみもがくありさまが交錯する。艦長が仲を引き裂こうと命令を下したり、メル・ギブソンにつらくあたったり、八つ当たりまではじめる。それが結局、反乱を招いてしまうのだ。
「戦艦バウンティ号の叛乱」では艦長とクリスチャンのあいだにそんな同性愛は発生していない。クリスチャン（クラーク・ゲーブル）と友人（フランチョット・トーン）とのあいだに、男どうしの友情が育まれるシーンがあるが、あくまでも友情どまりだ。ただ、この二人が並んで横たわって、バナナを食べているシーンには「おや？」と思ったが。

井上春生監督の「音符と昆布」を見た。2007年。
池脇千鶴がアスペルガー症候群の女性を演じる。
こういう、病気の人間と接することによって、いろんなことに気づかされる話は多いが、それというのも、日常で病気の人とか、キチガイとかカタワと接することが極端に少なくなってしまったからではないか、と思う。死人に接することだって少ない。そう呼ばれると傷つくから、という理由で、言葉を規制して、ますます世の中から排除してしまう現代日本ならではのことだろう。電車の中で化粧することをいちいち取り立ててマナーの問題にする人までいるほど、現代日本はせせこましく、つまらない国になってしまったのだ。
映画で面白かったのは、彼女がポラロイド写真を並べて、それを楽譜として読みとっていたところ。これはとてもきれいなイメージだった。
しかし、現代日本の住居を舞台にした映画を見ていると、妙にホームシックにかかってしまう。どこか帰る場所がある自分ではないのだが。