ISBN:456601424X 単行本 クェンティン ブレイク 評論社 ¥945

ワンカも出てくるよ

blue

2007年2月15日 映画
DVD ジーダス 2003/09/26 ¥5,040 高校生の桐島カヤ子(市川実日子)は、不思議な魅力を持つひとつ年上の同級生・遠藤雅美(小西真奈美)と知り合い、やがて彼女のことを想うようになり、キスまで交わす仲になるが……。 『ピアス』『dead BEAT』などで注目された安藤尋監督が、魚喃キリコの同名コミックを原作に思春期の少女たちのせつない想いを描く青春映画。市川実…

小西真奈美、印象変わらないけど、この映画、2001年の映画、つまり、6年前なのだ。
すごいな!

この手の学園青春ものって、田舎が舞台になることも多いなあ。
学校が世界ほどの大きさをもっている、ってことなんだろうか。
都会だと、学校なんて、いろんなものの中の小さなパーツでしかないけど、田舎では、家と学校の比重が大きいんじゃないか。

また、少女と勉強の組み合わせは、けっこう萌えポイントが高いのだな、と、最初の方のシーンを見て思った。
制服に萌えるのも、ランドセルに萌えるのも、学校関連のものに萌える(卒業式とか、部活とか、日直とか)のも、この組み合わせのバリエーションの1つなんだろうな、と思う。
バラエティのクイズ番組で、馬鹿な回答する女性を可愛いと思うのもそう。馬鹿さを愛でるんじゃなくて、女子が頭を悩ませて考えている姿にこそ着眼すべきなんだ。

ところで、映画の方は、学生でありながら、酒やタバコや不倫や妊娠中絶など、大人として先に進んでいるかに見えた小西真奈美と、そんな小西に擬似恋愛する市川実日子の立場が、実際には逆転しているのが、みどころ。
酒もタバコも不倫も妊娠中絶も、未熟のなせるわざなのである。
大人びていることと、大人であることは正反対なのだ。
結局、そこでストップしてしまう小西と、そんなアイテムに関わりなく、小西を追いこして未来に進んでいく市川の姿が描かれる。
ラストシーンは、小西が市川にあてたビデオレターで、空と海の青をうつしだす。
都会に出て、広い海や空を見られなくなった市川へのプレゼントという名目だが、実際はそうではないだろう。
小西が広い空と海に見いだすのは、市川そのものなのだ。
地面と重力に囚われた小西は、空と海を見守るしかないのだ。
ISBN:4566014118 単行本 Quentin Blake 評論社 ¥1,260
バレンタインにふさわしい1冊。
映画は未見だが、この本、むちゃくちゃ面白かった。
詳しくは後日。
と、いうか、バレンタインなのに、今日会った女性は、母親だけ。
これでいいのか?

こわいい動物

2007年2月13日 読書
ISBN:4566014231 単行本 クェンティン ブレイク 評論社 ¥945

いたいふたり

2007年2月12日 映画
DVD ビデオメーカー 2003/07/25 ¥4,935
オムニバス スーパーガール ステルス DJ KAYA・フィーチャリング・キーン ロール・デイズ インリン・オブ・ジョイトイ バルーン CD エイベックス・マーケティング・コミュニケーションズ 2007/01/17 ¥1,980未定
ディスクピア日本橋でSARINAのインストアライブ。
ギャル系ファッションのヴァイオリニスト。
数日後にはまたアメリカに戻るという。
セクシー&ゴージャス&キュート、と売り文句が並んでいて、確かにそれに間違いはないが、アルバムジャケットに写っている彼女と、実際の彼女との間には、「別人?」と思わせる不思議なギャップがあった。
アッパーな曲が多かった。ヴァイオリンでポピュラー音楽を奏でると、だいたい情熱大陸を頭に思い浮かべてしまうが、それに近い曲もあった。

湊町リバープレイス(MRP)のストリートミュージシャンフェスタでChupi*Chupiのライブ。
5曲披露。
投票数が多ければ、ファイナルステージに出れるとのこと。
アイドル&ポップで、観客のおじいちゃんもニコニコ踊り出す。
ここで、サウンドアーチストの安井君と、来阪中の宅八郎さんと合流。
ただ、僕は次のイベントがあったので、早々にそちらに向かい、後で再合流することを約束した。
http://www.m-smf.com/index.html

53thSTSライブ。
第1部
1.Open Your Mind/ジュニアスペシャルダンスチーム
2.浪漫/プリティーズ
3.CRAZY ABOUT YOU/ペトラキッズ
4.プリティヴォイス/トレード(新メンバー加入)
5.COLOR OF SOUL/アーミーズ(新メンバ−加入)
6.THE美学/チックス(新レパートリー)
7.It’s In The Star/タイフーンJr.&ラズベリーズ
8.A Perfect Sky/キューティーミニ
9.TURN ME ON/ステッパーズ選抜
10.Hung Up/スーパーバブルズ
第2部
1.桜援歌(オウエンカ)/忍者選抜
2.Just lovin’ You/桐生彩加
3.交差点/杉本めぐみ
4.ミッキーマウスマーチ/ミニミニclub
5.realize/フレーズ
6.Breakin’ out to the Morning/プリッツ
7.センチメタルボーイ/そら&あいな
8.タイムリミット/TOUCH
9.GET YOUR GROOVE/いちごっ娘
10.Color of season/いちごっ娘

僕の今回のベスト3は、悩んだあげくに、TOUCH、いちごっ娘、プリッツの順。
TOUCHは、今レパートリーとして歌い踊っている「タイムリミット」があんまりいい歌だとは思わないのだが、ダンスはバッチリ。タイムリミット以外の曲を聞きたければ、頑張って1位になってもらわねばならない。
いちごっ娘は、さすがの貫禄で、今のSTSを代表するユニットだと思った。MCもこなれてきた。
プリッツは、ダンスの衝撃ではダントツ。

いったん帰宅してから、宅さんたちと再合流。
珈琲の青山でどこかで見たウェイトレスさんとふざけて、さらにテーブルではふざけた会話に花を咲かせ、宅さんをホテルに送ったあと、また珈琲館で安井君とヒロこてんとで、ふざけた会話。
プリキュアでわるもんが「ザ〜ケンナ〜!」と吠えながら襲ってくるが、僕はええもん側として「フ〜ザケテマセンヨ〜〜〜〜」と真面目にこたえたい。
ISBN:4584189420 単行本(ソフトカバー) アニメ会 KKベストセラーズ ¥1,500

第1章 ラノベのとびら〜ライトノベル編
第2章 めちゃ×2録れてるッ!〜アニメ編
第3章 オレたちどうじん族〜同人誌編
第4章 飾っていいとも!〜フィギュア・ガレキ編
第5章 秋葉原教育委員会〜聖地アキバ編
あと、マンガと対談が収録されている。

これは、面白い!本田透とアニメ会によるオタクのススメだ!
これ、読んでると、オタクって楽しそうだなあ、とうらやましくなってくる。
全編にわたって、パロディとボケとあるあるネタで押してくる。
読者は、「なんでやねん」とか「そう来たか」と反応しながら読むことになる。
章立てのタイトルがテレビ番組のもじりであることからもわかるとおりの文体なのだ。
こ〜れは読みやすかった。
オススメ!

迷路

2007年2月8日 読書
ISBN:4150016879 単行本(ソフトカバー) 田村 義進 早川書房 ¥1,050
1932年の作品。
ネタバレのみなので、要注意。

作者が「推理の練習問題」と副題をつけているだけあって、推理クイズとしては、説得力のある内容になっている。
事件関係者の尋問の記録を読んだゲスリン大佐が、その記録内容から、真相を見抜く。
つまり、探偵だけが知っている秘密の手がかりは何もないのだ。
さて、その事件の手がかりというのが、推理クイズっぽくて、名探偵コナンなどを見ている小学生なら誰でもわかるような、簡単なものだ。
下女が、夜中に犯行現場に向かっているミス・ラモートのうしろ姿を目撃した、と言う。

「そのとき、ミス・ラモートはどんな服装をしていましたか」
「ガウンです」
「色は?ほかに身につけていたものは?」
「ガウンの色は黒です。シルクだと思います。その上にショールをつけていました。胸元には明るい色の刺繍が施されていました」
「さっき緑の宝石をつけていたといいましたね。それはどういうことでしょう。わかりやすく説明してください」
「はい。ラモートさんは大きな美しい宝石をもっていらっしゃるのです。云々」

ラモートが実際にその格好で、夜中に犯行現場の書斎に出向いたことが本人の口から裏付けられる。
被害者の男性は精力絶倫で、愛人のラモートを夜中に書斎に呼び出していたのだ。
だが、ラモートはその際に、「まだ来るのが早すぎる!」と、いったん追い返された、と証言する。
実際、ラモートが書斎に行ったとされる時間は、死亡推定時刻よりも早い時間であった。
さて。

もうおわかりですね。
下女がうしろ姿を見たのなら、胸元の刺繍など、見れるはずがなかった。
下女は嘘をついている!
なのに、ラモートの服装をきっちり言い当てている。
下女はどこでラモートの姿を正面から見たのか?
書斎だ!
下女は精力絶倫の主人に一発やってもらおうと思って、夜中に書斎におしかけて行ったのだ。
ところが、主人の方では、愛人ラモートとの約束があった。
案の定、ラモートが夜中にやってきた。
主人は下女をカーテンのかげに隠して、ラモートには「もうちょっと後で来い」と言ったのだ。
そのあと、主人は下女を追い返そうとして、怒った下女が犯行におよぶ、という真相。
ゲスリン大佐は、この真相を確かめるために、関係者全員の顔写真を要請する。そして、自分のつかんだ真相に自信をもつのだ。
どういうことか?
つまり、犯人の下女は、ブスだったのだ!
下女もそこそこのルックスなら、主人はいったんラモートを追い返したあとに、下女とよろしくやってもよかった。
でも、精力絶倫の主人でも、手を出したくないようなブスだったのだ。
それを語る際のゲスリン大佐の言葉がひどい。

「きみが送ってくれた写真を見るまでもなく、法廷での証言を読めば、下女が外面的にも魅力というもののまったくない娘であることは容易に理解できる。色気などかけらもない。肉体的な最低の美しさももっていない。一応は女の体裁をとっているものの、男の眼からすれば、しろうとが作った出来の悪いロボットでしかない」

容疑者を割り出すために、主人が手を出しそうな女をリストアップした際も、この下女だけは、はぶかれていた。

「なぜか。下女は女のうちにはいっていないからだ。下女をはなから無視した。あたりまえだ。下女の写真を見るがいい。できるなら、実際に下女と会ってみるがいい。被害者のような洗練された趣味の持ち主でなくとも、だれがあんな醜女に秋波を送ったりするものか」

ひどい言われようだ。
あげく、この下女は妄想と嫉妬にとらわれた気違いで、法の裁きも受けられずに治療するしかない、とまで言われる。
結局、犯人は良心の呵責に耐えかねて、自殺してしまう。
それに対して精神科医が出したコメントは、こんな風。

「彼女は犯罪者ではありません。文明が今後さらに発達すれば、このような悲劇はかならず避けられるはずです。わが国の教育システムが現在のように貧弱で、不毛なものでなければ、この哀れな娘はきっと救われていたはずです」

なんと哀れな!
今、書くなら、犯人はブスじゃなくて、どんな人なのだろう?
オタク?腋臭?脂性?メタボリック?DQN?
なんばハッチに「ローランド・サウンド・スパーク2007」を見に行った。
午後5時から「鍵盤王子」のステージ。
鍵盤王子は、篠田元一、小川文明、三柴理の3人のキーボーディストによるユニット。
鍵盤王子としてはこのステージが初ライブになる。
それぞれが作った曲を、楽器を交替しながら5曲披露した。
三柴理が作った「鍵盤王子のテーマ」がダイナミック。
運動不足で足がつる話だとか、釣りの話だとか、とぼけたトークで和やかなステージが繰り広げられた。

午後6時から「森園勝敏Guitar Legend」のステージ。
四人囃子の森園勝敏が、渡部チェル(キーボード)など、若い世代のミュージシャンとともにロックを聞かせてくれる。ブルース色も感じられた。
中盤からはプリズムの和田アキラ、BO GUMBOSのDr.KyOnがゲストで登場した。
ロックバンドのライブとは、かくあるべし、といういぶし銀の魅力。
ギターレジェンド、なんて自画自賛のユニット名、ちょっとやそっとの自信じゃつけられないはずだ。
こういった名前のつけ方もまた、ロック。

午後7時15分からジョーダン・ルーデスのスペシャル・パフォーマンス。
セッションドラマーのチャーリー・ツェレニーと二人で、ぶあつい音を聞かせてくれた。
ジョーダン・ルーデスはプログレッシブ・ハードロックのドリームシアターの一員。
いや〜。
圧巻。
両手が自在に動く!
目にもとまらぬ速弾き!
ドラムだって、連打連打連打!
鍵盤王子もよかった。ギターレジェンドもよかった。
とどめとばかりに、このジョーダン・ルーデス。
昇天。

このイベントは、入場無料で行われ、入場時に記念品グッズをもらい、アンケートにこたえたら、また違うグッズがプレゼントされる。おまけに、1ドリンク付きだった。
いたれりつくせりで、ローランドの最新楽器の音に身をゆだねた。
イベントは8時半までで、夜勤に行くのに、ちょうどの時間だった。仕事行く格好で見に来て正解だったな。
http://www.roland.co.jp/event/SoundSpark2007.html
ISBN:4566014134 単行本 クェンティン ブレイク 評論社 ¥945
ロアルド・ダールの『すばらしき父さん狐』を読んだ。1970年の作品。
しみったれの農場主たちが、キツネを退治しようと、巣穴をトラクターで掘り返す。
キツネ一家は住処を奪われ、しかも、うっかり外に出ると、銃が待ち受けている。
キツネ一家は、土を掘ってトラクター攻撃から身を守ろうとする。そのうち、農場主たちの倉庫や、養鶏場にトンネルが到達し、少しずつ拝借しながら楽しく過ごすキツネたち。
アンド、穴熊にモグラにイタチにネズミにウサギたち。
食糧を盗みとるキツネに対して、穴熊が疑問を呈する。
「ほんのちょっぴりも気がとがめないのかい?」
「こんなことしてさ、こんな盗みをはたらいて」
キツネの答えはわかりやすい。
「この世のどこにだな、わが子が飢え死にしそうだってのに、ニワトリの二羽や三羽くすねもしない親がいるかい?」
さらに、こう言う。
「いいか、ブヨブクとブクゼニとゼニシブリ(農場主)は、おれたちを殺す気なんだぜ。それはわかってるんだろ?」
「だけど、おれたちは、そこまで卑劣にならない。あいつらを殺そうなんてつもりはないんだ」
「あっちこっちから、ちょいと食うものをいただくだけの話だ、自分たち家族が生きていくためにさ。そうだろう?」
「あいつらが残忍なことをしたいんなら、勝手にそうしろっての。地下のわれわれは、平和を愛する民なんだ」
おりしも、ニュースでは、大阪の長居公園でホームレスを排除するための強制執行が行われた映像が流れている。
公園美化のためと称して、人間を暴力的に排除する。
本書の農場主たちと、やっていることは同じではないか。

やさしい嘘

2007年2月5日 映画
DVD ジェネオン エンタテインメント 2005/03/11 ¥3,990
ジュリー・ベルトゥチェリ監督の「やさしい嘘」を見た。2003年。
ネタバレしてるので、興味のあるひとは、まず映画を見よう。
カンヌ映画祭で国際批評家週間の大賞を受賞している。
祖母、娘、孫の女3世代を中心とした物語。
舞台はグルジア。おばあちゃんはパリで働く息子からの連絡が一番の楽しみ。ところが、その息子が事故死してしまった。それを隠して、嘘の手紙を書く娘と孫。
息子の名前はオタール・ゴゲバシェヴィクで、映画の原題Depuis Qu’ Otar est Partiはオタール死して後、とでもいうような意味。
息子の遺品を届けてくれた友人と、息子の死を知らされていないおばあさんとの奇妙なやりとり。
ある日おばあさんが蔵書を売り払って、パリの息子に会いに行く、と言い出して、さあたいへん。
こんなあらすじでは、吉本新喜劇によくあるパターンと変わらないように思えるが、まさにその通りだ。吉本新喜劇の筋立ては、モリエールなど古典的な劇を継承したもので、この「やさしい嘘」もストーリーの興味だけでもぐいぐい見せる魅力がある。
邦題の「やさしい嘘」は、おばあちゃんがショックを受けないようにと娘たちがつく嘘のことなんだな、と思いながら見ていると、最後の方で、びっくりさせられる。
パリに息子を訪ねたおばあさんは、息子の死を知ってしまう。
だが、帰ってきたおばあさんは、娘たちに言うのだ。
「あの子は、パリにいないんでしょう。
夢だったアメリカに行ったのね」
娘たちを気遣った、おばあさんの嘘だ。
その後、孫娘は1人パリに残る。
おばあさんの嘘を受けて、それにこたえた旅立ちだ。
おばあさんを気遣った嘘で、バラバラになっていた3世代はまとまった。
おばあさんは、やさしい嘘で、しばられずにそれぞれの道に歩んでいく未来を選択するように促すのだ。
おばあさんを演じたエステール・ゴランタンがいい。
この映画でデビューした85才の新人女優さんだ。
なんだか最近は「オカン」だの「ばあちゃん」がもてはやされているが、このおばあさんもいい。頑迷と融通無礙をともにあらわしている。
この映画での3世代では、おばあさんと、孫がよくて、まんなかの母親世代が、一番いろんなものにとらわれて、身動きとれないように見える。
未来という概念は、年寄りと若者に与えられたものなのかもしれない。
HMV心斎橋で、午後1時から制服向上委員会CD「お正月」発売キャンペーン。
店内では「お正月」が流れている。どういうわけか、他のアイドルではそうでもないのに、制服向上委員会の曲が流れると、異空間になってしまう。
宇宙刑事シリーズみたいだ。
出演はTHE DUET。
音曲漫才の自己紹介風替え歌のあと、ミニライブ。

1.ニッポン
2.出逢い
3.ビッグスカイ
4.生きるために
5.心のフリーウェイ

CD購入者には握手会があり、僕にはそのチャンスがあったのだが、どうにも握手しておしゃべりするのが苦手で、こっそり辞退。

ディスクピア日本橋で、午後4時から奈良県出身の水沢友香のイベント。
なんだか聞いたことのある名前だなあ、と思っていたら、最近読んだ『日本橋メディア』2号の「ポンバシアイドル通信vol.1」で「癒しの天真爛漫アイドル」として取り上げられていたのが、この子だった。
それより前に、ストロベリーソングオーケストラの人が、この子のファンだと聞いていたんだった。
はじめて見たけど、気さくな感じで好感が持てた。
「やりすぎコージー」に出たい、とか言ってた。
今後どういう方向に進めばいいのかをお客さんに聞くと、半分以上が「セクシー路線」よりも「可愛い路線」がいいと挙手していた。
本人はブレイクするために、セクシー路線も取り入れなくては、と考えている風だったが、このあたり、本人とファンとの思いのバランスが難しいところだ。僕から見たら、友香ちゃんは、もうじゅうぶんにセクシーなんですけど!
DVD購入者には写真撮影会とか、握手会もあった。
友香ちゃんの握手もおしゃべりしながら、1人1人に丁寧に行うもので、キャー、こっぱずかしい!

帰宅して午後6時からNHK-FM「現代の音楽」を聞き、準備して夜勤へ。
DVD ワーナー・ホーム・ビデオ 2005/11/18 ¥1,500 マトリックス・シリーズを完結させる本作は、前作『リローデッド』のラストシーン直後から始まる。昏睡状態となり現実とマトリックスの中間地点を漂うネオ。彼を救うため、トリニティーらは、マトリックス内でメロビンジアンの一派と戦う。その間もマシン軍団はザイオンに迫り、ついにマシンと人間の大戦争が開始される。 多くの謎を…

って、説明書いてある。ふーむ。

「マトリックス・レボリューション」を見た。アンディ・ウォシャウスキー&ラリー・ウォシャウスキー監督。3部作の3作め。あいにくと2作めの「リローデッド」は録画したまま見ていない。
これ、予想以上に面白かった。
中盤のアクション戦記の展開は、まるでシューティング・ゲームやアニメ、エイリアン2を見るかのような面白さ。後半のネオとスミスの格闘は格闘ゲームやドラゴンボールを見るかのような面白さ。そして、全体としては童話のようなほのぼのとしたムードが漂っていて、見ていて気持よかった。
「マトリックス」が出たときにさかんに言われた「映像」と「哲学的深み」については、ライトな感じだったが、それが、この映画を大衆娯楽映画の王道的存在に押し上げている、と思った。一応最終作なので、シリーズ全体の謎がこの1本で明かされる、とか番組前の解説で言っていたが、そんな謎なんか別にどうだってかまわないので、えんえんとアクションシーンだけ見せてくれれば、さらに好感度はアップしただろう。
部分的に興味深い箇所があったので、書き残しておこう。

まるで浮浪者のような男が地下鉄に乗っている。
彼の名は「トレインマン」
電車男だ!
シャイなのか、声をかけると攻撃的になる。
しかも、この世界は自分の作った妄想的世界だと宣言する。
オタクだ!

スミスがネオとの格闘中に問う。
「おまえは何のために戦っているんだ?自由?平和?まさか愛のためなんかじゃないよな!」
ネオは答える。
「選択したからだ!」
すごい!
年がら年中戦闘しているくせに、なぜ戦うのかを問いかけるアニメが後を絶たないが、そんな愚問に一発で答え切っている。
この答えは、反論を許さない究極の答えだ。
この問いは、古くはバガヴァッドギータにも見られるものだが、もっと身近に答えは出されていた。
野菊の墓だ。
「民さんは野菊のような人だ」
「政夫さん…私野菊の様だってどうしてですか」
「さアどうしてということはないけど、民さんは何がなし野菊の様な風だからさ」
映画だと「だって、僕がそう決めたから」とか言ってたと思う。
主観を根拠として全面的におしだした回答だ。
バガヴァッドギータともあわせて、きわめてアジア的な考え方なのだろう。
ネオは「自由、平和、愛」などといった西洋の考え方のスミスに対して、全面主観で答える。「だって、僕がそう選択したから」これが、ネオが勝利する最大のポイントになる。

マシンが撤退していくのを見て、見習いの少年は、大喜びする。
「戦争は終わった!」
守らねばならぬものを破壊していたマシンが撤退して、はじめて戦争は終わるのだ、という判断がなされる、という訴えだ。
マシンをいつまでも駐留させることで、戦争をいつまでも長引かせるのは、アメリカのやりくちを見ればよくわかる。

体制側のスミスが預言者オラクルを駆除にでかける。
オラクルは体制に順応しない者なのだ。
体制の言うことを聞かない者は、「異常」「狂人」として扱われる。
「オラクル」とは「オラは狂っちまったダ」の略なのに違いない。

最後に、町に太陽がのぼる。
インド人の少女がそれを見守る。
西洋キリスト教が敗北し、太陽神とインドの神がラストシーンで暗示されているのだ。
「選択したから戦う!」とネオが宣言した瞬間から、この世界は選択できるものになったのだ。「オーガス」のラストにも通じるものがあるな、と思った。
オーガス!さすが日本のアニメから影響受けたと言われるだけのことはある。
ISBN:448810522X 文庫 鮎川 信夫 東京創元社 ¥609
天気予報では、雪が降るという。こんな日に読みたかった本があった。本棚から引っぱり出してきた。
アガサ・クリスティの『シタフォードの謎』。1931年。
ネタバレしているので、要注意。
雪に埋もれたシタフォード荘でお遊びの霊媒占い(コックリさんみたいなものか?)をしてると、トレヴェリアン大佐が殺されたことが告げられた。
心配になってトレヴェリアン大佐の住むヘーゼルムアに行ったバーナビイ少佐は、お告げどおりトレヴェリアン大佐の死体を発見する。
死亡推定時刻は、どうやら霊媒占いでお告げがあった頃のようだ。
と、一見オカルトっぽいお膳立ての殺人事件。
吹雪でチェーン巻いた車でも通れない閉ざされた山荘っぽいが、バーナビイ少佐がシタフォード荘を出発して2時間半後には徒歩でヘーゼルムアに到着していることでわかるように、厳密に言えば、閉ざされていない。

実は、この作品、トリックだけは読む前から知っていた。
あまりにも幼稚なトリックで、こんなちゃちなことでよくぞ長編を書けたもんだ、と思っていたが、読んでみたらびっくり。トリック知っているのに、事件の真相がイマイチ掴めないのだ。
そして、犯人や動機などが明かされると、とても意外で驚いてしまった。
さすが、クリスティだ。

以下、ネタバレ。
犯人は、なんとバーナビイ少佐。
ええっ!
バーナビイ少佐はまずシタフォード荘からスキーで一気にヘーゼルムアに行き、殺害してから、道を引き返して、いかにも今来ましたよ、と歩いてヘーゼルムアに再度訪れたのだ。
雪にとざされた場所で、スキーを使って時間を短縮するトリックなんて、小学生レベルのものだ、と僕が思ったとしても、おかしくはないだろう。
松本清張が『点と線』でアリバイ工作に飛行機使ったようなレベルだ。
でも、それを知っていても、真相とどう結びつくのか考えさせない不思議な筆力がクリスティにはあった。
はっきり言うと、途中のお話があまりにも緊張感を欠いており、事件の真相を必死で考えようという気持が起こらないのだ。
何が謎なのかもよくわからない。最後に犯人がわかった瞬間に「えっ、どうやって犯行が可能だったの?」と謎がうまれるのだ。
動機がまた、わりと身近で面白い。
懸賞に応募するとき、当選しやすいように、人の名前を借りて応募することがある。
トレヴェリアン大佐がバーナビイ少佐の名前を借りて応募した懸賞で、見事大金が当たった。当然、その懸賞金はバーナビイ少佐宛に渡される。バーナビイ少佐は、金に目がくらんで、本当の当選者トレヴェリアン大佐を殺して、金を自分のものにしようとしたのだ。

作品のみどころは、他にもある。

12.逮捕
本作で探偵役をつとめるのは、容疑者としてつかまったジェームズのフィアンセ、エミリー・トレフュシス。彼女は活発な女性で、新聞記者のチャールズの手助けを得て、積極的に恋人の嫌疑を晴らそうとする。
そのための捜査に際して、涙についての考察がある。

泣こうと思って泣くのはたやすい芸当ではないが、このときの涙には、なにか真に迫るものがあった。それは彼女をおののかせた。ここでくじけてしまってはならない。くじけることは、ちっともジムのためになりはしない。断固として、論理的なはっきりした見方をすること−それがこのゲームで点を稼ぐに必要な能力なのだ。めめしく泣くことが何かの役に立ったためしは、いまだかつてないのだ。

なるほど。でも、そのちょっとあとに、こう続く。

結局、彼女は泣こうとしていたのだから。泣くことはベーリング夫人の同情と援助を得るために、なくてはならないパスポートのようなものだ。

おい!涙を利用しやがって!
「公に言えば、涙では何も解決しません、でも、実際には、涙で解決することもあるのよ」と言ってるのだ。グヤジー。

24.ナラコット警部、事件を大いに論ず
オーストラリアにいると思っていたブライアンが、実はイギリスに戻っていたことが判明する。
そのときに宿泊していたのが「オームスビー・ホテル」
オムスビ!
ころりん!

26.ロバート・ガードナー
ロバート伯父と看護婦が手を握りあっている現場を目撃したあと、エミリーとチャールズの会話で。

「何か手がかりがあったかね?」
「ある意味ではね。でも、はっきりしないけど…。いいえ、その話はしないわよ。事件とはなんの関係もないことかもしれないから−それに、もしそうだったら、わるいしね」

探偵特有の、握った手がかりを隠してしまう典型例がここにある。
読者には何のことだかわかっているが、こんな思わせぶりな隠し方をされて、チャールズがむくれてしまうのは、読者の共感を呼ぶところだ。

あと、なぜこんな辺鄙なシタフォード荘をウィレット夫人は借りているのか、という謎とか
(脱獄した囚人をかくまうため。囚人は、ウィレット夫人の夫)、いろんな事件に直接関係なさそうな謎がバラバラと解けていき、最後、リドルストーリーのような二者択一が待っている。
エミリーは許嫁のジムを助けるために東奔西走するが、そのときに活動をともにしたチャールズともなかよくなっていく。

31.幸福な男
事件がすべて解決した後、エミリーとパースハウス老嬢との会話。

「はっきり言ってほしいなら、どちらの人に決めるの?っていうことよ」
「まあ!」とエミリーは言った。
「そうよ。わたしの知りたいのはそのことよ。どちらが不幸な男になるのかしら?」

周囲の人間にもそれとわかるほど、二人は親密になっていたようだ。
その後、エミリーとチャールズの会話

「さあ、ひとつ。どうかね?」
「何がどうなの?」
「そう−つまりだね−それは、もちろんかわいそうな拘置所のピアソンには悪いみたいだけどね。でも、もう彼はこれで潔白なんだし、−そうなんだ、ちょうど誰かさんみたいに薬を手に入れるってことさ」
「なんのことを言っているの?」とエミリーは言った。
「君のことになるとぼくが気違いみたいになるのは、よく知っているくせに」とエンダービイは言った。
「そして、君もぼくを好きなんだ。ピアソンのことはまちがいさ。ぼくが言いたいのはそれだよ−ねえ−君とぼくとは、おたがいに必要なんだ。ずっとぼくたちは、二人とも、そんなことは、わかってたんじゃない?」

ついに、チャールズは思いのたけを告白する。
さあ、エミリー、どうする?
エミリーはまったく迷っていなかった。

「わたし、ジムを愛しててよ。とっても!」
「そんなはずがない!」
「あります!そうしますわ!わたし、いつもそうだったわ!これからもそうだわ!」

チャールズは「君はぼくにそう思わせたよ!」と憤慨し、その選択を聞いたカーチス夫人はこう言う。「まあ!お嬢さん、それは考えちがいかと思いますよ」
でも、エミリーはこう言い切る。

「あの人ならひとりでやって行けるんです。だけど、彼にはわたしが必要です。あの人は独立独歩できる青年だけど、もう一人はわたしが見守ってやらなければ、どうなるかわかりません」

これ、僕の人生で、ふられる口実として何度聞かされたことだろう。
いつもダメ男に彼女を奪われてきた。
この本をもっと早く読んでいれば、りっぱな人間になろうと勉強などせず、堂々とダメ男の道を進んだに違いないのに!
えっ?ちゃんとダメ男になってるって?
あーいとぅいませ〜ん。

ワルの漫画術

2007年2月1日 読書
ISBN:4434078240 単行本 島田 一志 柏艪舎 ¥1,680
島田一志の『ワルの漫画術』を読んだ。
第1章 漫画を読んでワルになろう
第2章 ワルはこの漫画を読め!
第3章 「少年ジャンプ」はアンダーグラウンドの王である
第4章 手塚漫画はワルい!
第5章 アンダーグラウンド・コミックマガジンの冒険
第6章 「ワル」の漫画本117選

本書で語られるのは「悪」ではなく、「ワル」だ。
「本書で言うワルとは、既成の価値観やモラルに囚われないかっこいい不良−自由なアウトサイダーのことです」
と書いてある。
鬼畜な成人コミックや、少女漫画、レディースコミック、萌え漫画、同人漫画はほとんど含まれていない。
実に健全。
全体に、少年自身による少年漫画のススメの色合いがあり、面白い。
漫画を読む習慣がない僕にとって、かっこうのガイドブックの1つとさせてもらいたい。
まずは、給料が出たら、漫画喫茶の5時間パックとかで、読みまくるのだ。
というか、誰か僕に漫画を貸してくれ〜。
以下、第6章であげられた漫画を書き出しておく。
今後、僕が下記にある漫画を読んだ、と日記に挙げるとしたら、本書の影響である。

デビルマン、サイボーグ009天使編、寄生獣、風の谷のナウシカ、多重人格探偵サイコ、フリージア、世界の終わりの魔法使い、箱舟はいっぱい、ねこじるうどん、ライトニング・ブリゲイド、がんばれ元気、銀河鉄道999、タッチ、働きマン、失踪日記、天国に結ぶ戀、夕凪の街桜の国、まんが道、よつばと!、マイナス、ザ・マシーンガン・ドーターズ、GO!GO!HEAVEN、ふたつのスピカ、I’ll、ハチミツとクローバー、のだめカンタービレ、KISSXXXX、ジェリービーンズ、あどりぶシネ倶楽部、百日紅、ガンダルヴァ、西荻夫婦、監督不行届、リトルフォレスト、ニナライカ、「パーム」シリーズ、青い車、眠兎、月光の囁き、愛と青春の成り立ち、パープル、超・学校法人スタア學園、おひっこし、NANA、ワインカラー物語、バウハウス、いぬ、上京ものがたり、Yumi Tada Best、外道の書、ホムンクルス、童夢、魔女、GANTZ、SEX、攻殻機動隊、うしおととら、AKIRA、THE WORLD IS MINE、クレイジーピエロ、ドラゴンヘッド、ヘルシング、裸のふたり、ホーリーランド、8、TO-Y、BANANA FISH、BECK、エイジ、鉄コン筋クリート、歯車競走、コルトマリア、DARAGON BALL、ONE PIECE、キャプテン翼、北斗の拳、花の慶次ー雲のかなたに−、CITY HUNTER、ジョジョの奇妙な冒険、魔少年ビーティー、幽☆遊☆白書、ストップ!!ひばりくん!、SLAM DUNK、DEATH NOTE、手塚治虫漫画全集、ブラックジャックによろしく、PLUTO、妖女伝説、日出る処の天子、ヒストリエ、バガボンド、ファイブスター物語、ディエンビエンフー、T.E.ロレンス、妖怪ハンター、もっけ、夢幻紳士、蟲師、山の音、ゆれつづける、ゲゲゲの鬼太郎、凹村戦争、土曜日の実験室〜詩と批評とあと何か、Palepoli、美しい花、セクシーボイスアンドロボ、バカ姉弟、はなしっぱなし、生きるススメ、BRANDNEW ME,BRANDNEW WORLD、美食王の到着、おたくの精神史1980年代論、『ガロ』編集長、シュナの旅、comic新現実、漫画と人生、キぐるみ

電波男

2007年1月31日 読書
ISBN:4861990025 単行本 本田 透 三才ブックス ¥1,500
本田透の『電波男』を読んだ。
なるほど、面白い。
モテない〜萌えの流れを開きなおり気味に積極的に肯定していく愉快な本で、読んでいるあいだ、「そうだ、そうだ」と共感する部分が多々あった。
僕自身はオタクではないのだが、同じオタク世代の引用やパロディが文章にリズムをつけていて、笑っているうちにいろんなことを啓蒙される。
たとえば、第3章に、こんなフレーズが出てくる。
「人を傷つけたいな。人を傷つけたいな。だけどできない理由は、やっぱりただ自分が怖いだけなんだな」
あれっ?これすごくよく知っているフレーズだ!なんだっけ?レコード持ってて、一緒に歌ってた覚えがある!メロディもわかってて、ほら、歌える!
でも特に何かの引用だとも書いておらず、普通の文章として埋もれているので、「なんだっけ〜なんだっけ〜」と妖怪のうわごとのように繰り返して半日過ごした。
高校生のときに買ってさんざん聞いていた「氷の世界」だと気づくまでは、その歌がえんえんとループしていたものだ。レコードはとっくの昔に処分してしまったし、カラオケには行かないので、この歌に接する機会が25年ほどなかったのだった。高校時代を思い出した!
以下、目次。

第1章 「恋愛資本主義」の構造と現実
1.モテない男の現状
2.恋愛の二極化
3.なぜ「恋愛」が至上の価値を持つようになったのか?
4.恋愛資本主義の欠陥
5.3種類に分かれる、モテない男と、女の関係

第2章 合言葉は「萌え」〜オタクの「脳内恋愛」宣言
1.萌え系オタクの登場
2.考えるな、萌えるんだ!ウェルカム・トゥ・萌えワールド!
3.デジタルのメリットとアナログのデメリット
4.オタクこそは国の宝!
5.「電車男」に騙されるな!

第3章 「萌え」の力
1.萌えと鬼畜
2.萌えは進化する

第4章 「萌えオタク」こそ、これからの勝ち組
1.起こせ!「萌えレボリューション」
2.オタクの未来予想図
あとがき

ここに何が書いてあったかを要約しても、意味がない、と思う。
僕は以前『萌える男』を読んで、本田氏がだいたいどういう主張をしているのかを知っていて、それについて思うこともあったのだが、本書を読んでみて、それらのひっかかりは全部消えてしまった。
恋愛資本主義云々の結論だけを見ても、意味がないのだ。
それに至る途中の文章が面白いこと、面白いこと。
笑いながら読んでいたら、「あとがき」で著者のおいたちが語られて、ムードが一転して残酷物語になるあたりの大ドンデン返しも衝撃だった。

ちょっとした覚え書き
第2章より
「萌えの一番素晴らしいところは、二次元だから、顔・金・趣味・性格いっさいが関係ない、というところだ」
著者は漫画『ルサンチマン』からの
「現実を直視しろ。おれ達にはもう仮想現実しかないんだ」
などを引用しながら、以上の主張をしている。
僕がアイドルにはまっているのは、きっとこの「萌えの世界では、万人が平等に恋愛できる」ところにあるんだ、と思った。
しかも、アイドルだと三次元の姿であらわれて、会話だって握手だってできるし、手紙のやりとりだってできる。アイドルとなら、まさに「顔・金・趣味・性格いっさいが関係ない」のである。本田氏のアイドル観というのを知ってみたいな、と思った。

第2章より
「三次元恋愛とは、江戸幕府のようなものだ」
萌えの出現を黒船にたとえていて、明治維新の話につなげるあたりが面白かった。

第3章より
「バッファロー’66」について、こう言っている。
「ギャロが『バッファロー’66』で描いているリッチとは、実はギャロの脳内彼女なのだ!たぶん、ホントは等身大フィギュアを置き引きして持ち歩き、脳内で彼女と会話しているのだ」
全編こういう調子なのだが、想像すると痛快だった。これを想像して悲惨とか思うようじゃ、駄目なのだ。

第3章より
宮澤賢治と津山三十人殺しの都井睦雄をとりあげて、こう言う。
「萌えというものは、都井のような愛されない人間を救うために絶対に必要な信仰なのであって、なんぴともそれをキモーイなどと笑ってはならない」
そして、こう叫ぶ。
「自分が傷つけられていても、人を傷つけたくないから、オタクになったのだ!」
一方、第4章では、「萌えの超回復理論トレーニング」として、こう言う。
「まずは、三次元のアナログ女にわざわざ関わり合ってあえて傷つけられる」〜「傷ついた心に充分な萌えアイテムを投与して、魂の超回復をはかるのだ」
で、なぜ著者がこんなに恋愛にこだわるのかが、「あとがき」で説明される。
この流れは、見事。
ISBN:4488104061 文庫 井上 勇 東京創元社 ¥756
エラリー・クイーンの『フランス白粉の謎』を読んだ。1930年。
デパートのショーウィンドウで、壁に収納式のベッドのデモンストレーション時に、なんと、死体が転がり出てきた!
事件を推理するのは、前作に引き続いて、クイーン父子。
ネタバレしてるので、読む人はここまで。

ローマ帽子のときとは違って、今回はエラリーが完全に推理の主導権を握る。
細かな推理で、事件の真相があぶりだされていく。
ショーウィンドウ内に照明が無いことや、血の量から、犯行現場が別にあることを推理してみたり。
靴と帽子の収納の仕方から、それをしまったのは男であることを推理したり。
カミソリの刃が紛失していることから、犯人が男であることを推理したり。
犯人は建物上階の書斎で殺人を犯す。
そのままトンズラすればいいようなものだが、朝の9時になるまで、外に出ることができない。
しかも、9時にはこの書斎に人が来る予定になっていることを、犯人は知る。
犯人は、死体をショーウィンドウのベッドの中に隠す。
なぜ、9時に書斎で死体が発見されてはまずいのか?
犯人は麻薬組織の者で、書斎に置いた本に暗号を仕込んで、毎回取引場所などの伝達をしていた。
そして、その暗号がどうやら見破られているらしいことを犯人は知り、取引に行って警察に一網打尽にされることを防ごうとしたのだ。
だが、もしも9時に死体が発見されたら、犯人はそれを伝えに行く暇がない。
死体発見の時間を遅らせるために、死体を移動させたのだ。
つまり、犯人はデパートの関係者なのである。
犯人は、書斎のテーブルの血を拭き去り、血のついたブックエンドのフェルトを張り替える。さらには、その作業によってついたかもしれない指紋を、ご丁寧にも指紋採取用の粉を使って確認して、証拠を消すのだ。
結局、それが余計で、犯人が割り出されてしまう。指紋採取の粉なんて持っているのは、警察とか探偵に決まっているのだ。
これは、最初からかなり引っかかった箇所だった。
タイトルの「白粉」は麻薬の白い粉であると同時に、最大の手がかり、指紋採取の粉も意味していたのだ。

この本は、読者への挑戦が前作同様に入っていて、推理を積み重ねていくことで、犯人を指摘することが保証されている。強烈な要素は何もなくて、地味なのだが、「そんなアホな」と憤慨する要素もほとんどない。
また、最後の1行で犯人が判明する仕掛けが面白い。しかも、なぜか有名。

と、まあ、推理小説としての覚え書きはこんなもん。
読みどころは、まだまだある。

読者は、事件の真相をもちろん推理していくわけだが、真相をいちはやく直観した名探偵エラリーがとる一見不可思議な行動の意味を探る楽しみもある。
事件の謎よりも、探偵の行動の方が謎なのだ。
で、そんなに早い時点で真相を掴んでいるのなら、早く言え、ということになるが、それを隠しておく理由が、本書では語られる。

「ぼくが、それを申し上げないのには、ちゃんとした根拠があるんです。まず第一に、大いに考えうるのは、一連の偶然によって、ぼくがとんでもない見当ちがいの判断をさせられているかもしれないことです」

このあと、名探偵が真相をなかなか明らかにしない理由として、使いたおされる口実だ。これなら、ローマ帽子のときみたいに、事件に積極的に関わるつもりがない、というスタンスの方が、はるかに現代的だと思う。

本書は井上勇による1961年の翻訳で、やはり古めかしいところが多々ある。
「一日」を「いちんち」と書いているのがとても気になった。これは古さとは関係ないのかもしれないけど。
36章「時は来た」の訳注で、この「時は来た」についてこう書いている。

「リュイス・キャロルの民謡集にある『せいうちと船大工』のなかにある文句」

今なら人名は「ルイス・キャロル」が一般的だし、「民謡集」じゃなくて、『鏡の国のアリス』だということも、常識である。
第一の挿話の章立てではハンプティダンプティの詩が使われており、これもまた、『鏡の国のアリス』つながりだ。

そう、それと、触れておかねばならないのは、「第4の挿話」の扉に掲げられた引用だ。
その文章は、『千の木の葉』という本から引用されたと書いてある。
問題はその著者だ。
日本人で、その名は「タマカ・ヒエロ」!
『ローマ帽子』でもタマカ・ヒエロの名前は出てきていた。
しかし、「タマカヒエロ」なんて日本人が存在するのか?
「ホザン・ムネミョウオウ」という名の僕がこんなことを言うのはおかしいのかもしれないが、いくらなんでも「タマカヒエロ」はないだろう。
「田中英夫」を酔っぱらって言えば、「タマカヒエロ」になるかもしれない。
あるいは、「タマカヒエロ」じゃなくて「夕功匕工口」という漢字をカタカナと読み間違えたのかもしれない。「夕功匕工口」だってそうとうムチャクチャだけど。でも、日本語の文章は縦書きだと知らない人物が、うっかり横書き式に頭の文字を拾っていったなら、こんな漢字の組み合わせもありえたか。いやいや、そんな縦書きと横書きの違いもわからない人間が、どうやってタマカヒエロの本を英訳できたのか。
どうでもいいことを、あれこれ考えさせられた。
Video Game セガ 2004/02/12 ¥5,040 TV番組『ティンティンTOWN!』の人気CGアニメコーナー『リリパット王国』のファンタジーな世界を舞台にしたゲームだ。番組では、この王国で暮らす身長10cmほどのキャラクター「リリモニ」として、モーニング娘。の面々が声で出演している。 リリパット王国に迷いこんでしまったプレイヤーが、人間界へ戻るために「夢と希望のエネルギ…

ゲーム「リリパット王国〜リリモニといっしょプニ!〜」エンディングまで到達。終わってなおまだプレイ中。
体が小さくなって、リリパット王国に迷いこんだプレイヤーは、人間界に戻るため、店を開いて、「リム」をためていく。
途中でロールプレイング的冒険があり、また、リリモニからはメールが届き、ちょっとした恋愛シミュレーションも楽しめる。
店を拡大して、いろんなものを合成して売る育成の楽しみもある。
最初は適当に遊んでいたものが、ストーリーが進むにつれて、一生このリリパット王国で暮らしていたくなってきた。
リリモニは、モーニング娘。のキャラクター。
CGっぽい姿に違和感を感じるのは最初のうちだけで、もはやそのキャラクターが本人に似ているかどうかも関係なくなってくる。
普通、携帯電話になっちから「今なにしてるの?」とかメールが届いたりはしない。でも、この世界だと、入れ替わりたちかわり、その時々に仲の良いリリモニからメールが届くのだ。仲良くなると、一緒にアイテム探しの探検にもつきあってくれるし、店番を頼むこともできる。折り紙を見つけてリリモニに渡すと、「なにか折ってあげる」と言って、いろんなものを折ってくれる。
見つけて声をかけると「わあい!ぽらんだ!」と喜んでくれる。(「ぽらん」は僕がつけた主人公の名前。当然、僕の分身なのだ)
僕はすっかりモーニング娘。のメンバーたちとなかよくなった気分だ。
これぞ「嘘ハーレム」の極地!
最終的にリムをためて、絶望の花を退治して、ゲームはエンディングを迎えるのだが、これほど終わりたくなかったゲームも珍しい。
そう。終わらせてなるものか。エンディング手前でセーブしておいて、1回エンディング見たあとに、いつまでも遊んでしまっているわけだ。つまり、リムがたまっているのに、王にそのことを報告せずに、リリパット王国でいつまでも遊ぶことを選択してしまうのだ。
そんなわけで、ここ数日はリリパット王国の住人として、徹夜続きで、他のなにも手につかず、すっかり没頭しまくっていたのだ。
僕にもゲーム廃人になる要素があることを自覚した今日この頃だ。
みるくぷりん、聖インストアライブ
日本橋メロンブックスで、メイドさんバンド「みるくぷりん」のインストアライブ。
1回目(13:00〜)
1.ときめき☆たまご(キーボードバージョン)
2.センチメンタル・アリス
3.放課後I miss you
4.Getお兄チャンス!
〜おまけ〜
5.Getお兄チャンス!(オタ芸有りバージョン)

2回目(17:00〜)
1.ときめき☆たまご
2.センチメンタル・アリス
3.放課後I miss you
4.Getお兄チャンス!
〜アンコール〜
5.ときめき☆たまご
6.Getお兄チャンス!

1回目は、下の店舗に気遣って、ジャンプ無し、オタ芸無し、さらには拍手も控えめに、というライブだったが、最後の曲だけ「なんでもあり」で、椅子に坐っていた人も、ほとんど立ち上がってのライブになった。
「ときめき☆たまご」は、1回目はキーボード。2回目のライブではショルキーだった。
2回目は、最初からすべての禁止事項が解禁されて、後方ではオタ芸ありあり。でも、椅子に坐っている人は、最後まで立ち上がるきっかけがなく、坐ったままだった。
みるくぷりんは、ROSE ROOMというメイド喫茶のメイドさんによるバンドで、その歌は「お兄ちゃん」をモチーフにしている。
MCでは、お兄ちゃんネタだけじゃなく、メイドネタの歌もこれから歌いたいとのことだった。でも、既に歌詞の中に「赤い彗星入りま〜す」などメイドカフェネタはきっちり入っているようだ。
キャッチーなメロディに、萌え内容の歌詞、アニメ声、アイドル的振り付け、とツボをしっかり押さえている。それ以上に、どこから来るのか不明なのだが、あっけらかんとしていない屈折ぶりと、ほのかにアングラ色を出しているところも好感を持てた。

15:00からヤマダ電機LABI1なんばで聖(ひじり)のインストアライブ。
1.愛が教えてくれた
2.ギフト
3.約束

聖はヤマダ電機のイメージソングを歌っており、CMにも出演していた女の子。「愛が教えてくれた」は「MUSIC B.B.」と「Hz(ヘルツ)」のエンディングテーマになっている。
ラジオ大阪で「聖レベル」という番組も持っており、楽しいトークを展開してくれている。
このステージでも、MCの自然さや、歌のうまさは、さすがプロ、と感心させられるものがあった。
親しみのある関西弁と、聖のキャッチフレーズ「デジタルシンデレラ」があんまりしっくり来ないのだが。
聖はSTS出身で、現在STSダンススクールでユニットを作って活動している少女たちが、客席に応援に来ていた。
ライブ後にはCD購入者にサイン会、握手会、写真撮影があり、STSの少女たちも含めて、華やかなムードが満喫できた。

インストアライブとインストアライブの間に、なんばパークスにも寄った。
ここではいつも食のテーマパークみたいなことをしており、今は「おでん」「チーズケーキ」の2本立て。
名古屋の味噌おでんと、マンゴー&パインのチーズケーキをおいしくいただく。
また行く予定。

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