ISBN:4048539779 コミック 吾妻 ひでお 角川書店 2006/07/06 ¥1,029
仕事がほとんどなくて、毎日本屋と図書館通い。失踪日記でなんとか息をつくまでの、鬱日記なのだが、毎日2冊ずつくらい本を読んでいるのがすごい。
鬱でもなんでもない僕が、3日に1冊くらいしか本を読めないのと比べて、なんという読書量、なんたる読書力。

OK?ひきこもりOK!

2007年3月7日 読書
ISBN:4838714394 単行本 斎藤 環 マガジンハウス 2003/05 ¥1,575
斎藤氏は、ひきこもりに対して中立の立場をとろうとしている。
無理やり引きずり出すのでもなく、すすめるのでもない。
ただ、抜け出したいのに抜けだせない人に対して、手助けをしたい、というスタンス。
ひきこもりから抜け出すために非常に有効なのが、年賀状なんだって!
メールじゃだめで、葉書の年賀状のもつ威力は凄いらしい。
僕も年賀状を出さなくなってしまったけど、葉書で私信を送るのは、復活させてもいいな、と思った。

星のひとみ

2007年3月5日 読書
ISBN:4001157144 単行本 万沢 まき 岩波書店 2003/05 ¥1,529
トペリウスの『星のひとみ』を読んだ。
この後に『〜のシルエット』とつけば少女漫画だけど、もちろん、中身は全然違う。
トペリウスはフィンランドのアンデルセンと呼ばれた国民的作家で、あまり日本では紹介されていないようなので、追いかけてみようかと思っている。
前に読んだ『シベリウス』の中でも、シベリウスがこどもにトペリウスの物語を読んで聞かせる描写があった。

以下、後日
東心斎橋FANJで、Candy Pop Beat vol.3

メアリーエンジェル
1.ドリームランド
2.オリジナルスマイル
3.TOMORROW
4.あいたかった
メアリーエンジェルの好きなものな〜に?のコーナー、お題は「好きな色」
リサは黄色
ゆうかはピンク
マヤはオレンジ

ペロペロキャンディーズ
1.スマイル
2.あんぶれら
3.キラキラ
4.パララ
5.ねぇわかんない

H@chi
1.スターウェイブ
2.ココロのちず
3.ドリームスカイ
4.パステルカラー
5.すき
6.夢だけみてる
あれ?1曲足りない?う〜ん、思い出せない。

ラストは全員登場で「でっかい地球に愛がある」
その前にメアリーエンジェルのマヤのちょっと早いサプライズ誕生祝いで、ケーキが出てきた!
前、TOUCHのゆうちゃんの誕生祝いのときは、サプライズでゆうちゃんが号泣だったが、マヤはいたって淡々。ここに個性が出る!
最後の挨拶のときも、まるで原稿が用意してあったかのように「素敵なサプライズありがとうございました」と言ってたけど、お客さんたちは、リアクションの無さにむしろサプライズしていたのだ。
でも、メアリーエンジェル、最強だ。
司会の石川奈々ちゃんが、やはり可愛い。
でも、それはアイドルの可愛さとは微妙に違っていて、恋愛がはじまる前の心の動き方に近い。
あぶない、あぶない。

ダイゴロー

2007年3月3日 アイドル
京都醍醐のパセオダイゴローで、アイドルイベント。

メアリーエンジェル
1.オリジナルスマイル
2.TOMMOROW
3.会いたかった
メアリーエンジェルの好きなものナ〜ニ?のコーナーは「好きなお菓子」
マヤはカントリーマアム
ゆうかはアポロチョコ
リサはハイチュウ

H@chi
1.ココロのチズ
2.笑顔の元気
3.スターウェイブ
4.スキ
5.パステルカラー
6.夢だけ見てる

今日は、なんと、僕の誕生日!
これといったバースデイイベントもなく、淡々と。
メアリーエンジェル、最高。
むーうぃんはボーカルの体調不良(インフルエンザ?)で、ビジュアル担当が司会で参加していた。
おなじく司会してた石川奈々ちゃんが、とても可愛い。
ISBN:4566014207 単行本 クェンティン ブレイク 評論社 2006/07 ¥1,470
お得意のラスト炸裂!
ISBN:4062575264 新書 正高 信男 講談社 2006/08/18 ¥819
ISBN:4566014223 単行本 クェンティン ブレイク 評論社 2006/02 ¥1,365

電波大戦

2007年2月27日 読書
ISBN:4872339835 単行本 本田 透 太田出版 2005/09/18 ¥1,554
DVD ハピネット・ピクチャーズ 2006/09/29 ¥3,990
映画館の招待券があったので、日本映画「天国は待ってくれる」を見に行った。
エルンスト・ルビッチの映画と同名だが、内容は大違い。
幼な馴染みの男女3人は、3人で手をつないで作る「聖三角形」の絆でつながれていた。
お互い好きどうしの男女が、もうひとりの男が同じ女性を好きになることで、生じるせつない心。
そうかと思っていたら、指輪を用意していた男が事故で。
まるで小学生が書いたかのような深みのないストーリーで、本当に僕は映画を見ていたんだろうか?と疑問に思うほどだった。
作中、喫茶店のオムライスが何度も出て来て、それを登場人物たちは大好きだ、という設定なのだが、そのオムライスが、まったくおいしそうに見えないのには困った。
「あ〜!また、あのまずそうなオムライスが出てきた!ゲー!」と指をさしそうになった。オムライスが大好きな僕でもちょっと手を出しそうにないオムライスだった。
ひとことで言って、屁のような映画だ。
特別、嫌悪感ももよおさないが、好感も抱かないし、空白の2時間を味わせてくれた。

せっかく久しぶりに映画館に行ったのに、テレビ見てる方が充実していたような映画を見てしまったせいで、帰宅後、ビデオで映画を連続して見た。次にあげる3本は、どれもよかった。

「皇帝ペンギン南極の春」は、「皇帝ペンギン」に先立って作られたテレビ映画で、これも映画館用じゃない、という意味では一緒だが、遥かに映画だった。
皇帝ペンギンだけでなく、アザラシやユキドリなどの映像もふんだんに見られる。
やはり、全体に、丸い。

「ルート225」は「皆殺しの天使」テーマで、親のいない世界に迷いこんでしまった姉弟の物語。
元の世界に戻るために、神社の階段を転げ落ちようと提案するシーンもあった。
だけど、異世界に来た姉弟が、元の世界に戻らずに、その世界を受け入れて生きていってしまうのは、新鮮だった。
また、多部の可愛さはまさに妖精のようだ。

「女を忘れろ」は小林旭主演の映画。
元ボクサーのドラマー。
浅丘ルリ子を助ける役柄。
もちろん、2人は最後には、結ばれない。
日本橋のザウルスとコトブキヤで食玩カード「プリンセス・オブ・プリンセス」のキャンペーン。
正午から1時間おきに2店で抽選会が行われ、当たると2店別々のスペシャルカードがもらえるのだ。
さらに1箱買うと、非売品の同人誌も手に入る。
このカードは古今東西のおとぎ話をモチーフにしたヒロインたちのバトルストーリーを題材にしている。
各回、グレーテルのコスプレイヤーが抽選のお手伝いをしていた。
このカードは1ヶ月ほど前から発売になったものだが、置いてある店があまり無くて、コレクションしている人もあまりいないようだ。
と、いうのは、各抽選会は先着50名になっていたのだが、僕は計4回抽選会に参加することができたからだ。
正午つまり1回目の抽選に早めに並んだが、ゆっくり行っても余裕だった。
でも、めったにカードを集めない僕でも、このカードはとても気に入って、今、集めているところなのだ。
とらのあなにも置いてあるようだが、コンプリートめざして、頑張ろう。
ついているクリームウェハースはブルボンのエリーゼで、食べていて飽きない。これもポイントの高い理由だ。

そのプリンセス・オブ・プリンセスイベントの間にディスクピア日本橋でミルキーハットのイベント。
午後2時。
1.ハットダンス
2.軌跡(新バージョン)
3.ダンデライオン(新バ−ジョン)
4.シノブ
5.ダイビング・トゥ・ラブ
6.歩いていこう
7.大航海ランドスケープ

CD収録にあたって、アレンジを変えた曲を中心にライブは構成されていたが、聞き慣れた以前のバージョンの方が、いいように聞こえた。
軌跡は元のアレンジの方が断然いいし、ダンデライオンは、僕が命名するなら「泣かないバージョン」だ。泣くほうがいいのかどうかは微妙なところだが、聞いているお客さんの側も、心の揺れ動き方が違った。
そんなわけで、一番楽しめた曲は「ダイビング・トゥ・ラブ」だった、という、CDキャンペーンとしては残念な結果になった。
と、いうより、久々のミルキーハットに期待が大き過ぎたのかもしれない。

今日は、オーキャットでは青森からりんご娘が来ていたが、グレーテルと重なっていて、見逃してしまった。
何度か日本橋から足を運んでみたのだが、うまいタイミングで遭遇できなかったのだ。

帰宅後、いつものようにNHK-FMで「現代の音楽」
ヤング100V CD インディペンデントレーベル 2006/12/06 ¥2,100
SOCIOあめりか村で、「ヤング100Vの臨界突破!〜CD虹が来る前リリースパーティ」
出演はもちろんヤング100Vに、東京ピーチ、A.SAILOR、キャプテン・エイジ、BGMにササグ。僕もちょこっと出演させてもらった。
ニューウェイブやテクノの香りのする面々。
僕がしたのはもはや古典芸能の趣きさえある、テクノポップ完全コピー。力技バージョンだ。
ヤング100Vはとても面白いバンドで、楽屋の段階からにこにこ笑わせてもらった。
買ってきたばかりだというテルミンが使い方も知らずに登場したりしてた。
客席にテルミンを突き出して、客に音を出させるようなパフォーマンスもあって、笑った。
東京ピーチは元気なピコピコ。
キャプテン・エイジはアコースティック音楽で、四半世紀の音楽を語り弾き。
A.SAILORは歌の力を迫力を見せた。
BGMのササグは、出演者の音楽をまじえながら、会場の雰囲気を統一あるものにしていた。
う〜む。
いいイベントだ。
僕が出演している、ということも含めて。

尼崎に行き、アマガサキ@DEEPA
秒殺天使や邪王院弘、悪魔ダイコン、片瀬ちゃんなどが出るオールナイトカオスパーティ。
魔ゼルな規犬が悪霊おばけとともに会場入り。
一応、オシャレとカオスの二本立てだったようだが、オシャレはカオスの調味料になってしまった。
すきすきエレポのpicorinのDJも、ラップも、カオスの仲間になってしまった。これは面白い現象だ。
オシャレといっても、余裕のあるオシャレはカオスにも対応できる、ってことなのか。
なぜかあちこちで乱闘騒ぎがあったりして、場外乱闘のお楽しみが味わえた。
先にSOCIOで燃料切れになっていたことや、花粉症だの睡眠不足だの尾底骨割れだの、身体がガタガタになっていた僕にとって、まさに肉体破壊のイベントになるに違いなかったが、そこはそれ、僕も大人。極力暴れるのをセーブして、なんとか朝まで持ちこたえさせた。
ISBN:4198607095 単行本 西村 醇子 徳間書店 1997/05 ¥1,680 インガリーの国では呪文や見えないコートや7リーグ靴は日常のこと。といっても、「荒地の魔女」とくれば話は別だ。 <p> この50年は何ごともなく過ぎた。しかし、魔女が再びこの国に災いをもたらそうとしているというウワサがあった。だから、動く黒いお城や4つの細い小塔から黒っぽい煙が地平線に現れたとき、誰もが、魔女がやっ…

ダイアナ・ウィン・ジョーンズの『魔法使いハウルと火の悪魔』を読んだ。
アニメ映画「ハウルの動く城」の原作である。
映画を見たときに感じたもどかしさを原作ではどう描いているのかを確かめたかった。
映像の力というものは恐ろしいもので、この本を読んでいる最中、ハウルといえば、あの映画のハウルが頭に思い浮かび、ソフィーも映画のソフィーが頭にあった。火の悪魔カルシファーも、カカシもそう。ただ、荒れ地の魔女はぜんぜん違ったし、戦争の張本人サリマンもぜんぜん違った。そもそも原作では戦争なんてしてないし!
で、読んでわかったのは、映画と原作とはぜんぜん別物だ、ということだった。
当然、原作のほうが遥かに優れている。
まず、1ページあたりの物語密度に圧倒された。
ライトノベルなら、この本の1ページで1冊本を書いてしまうと思う。
映画で感じたハウルの情けなさは、原作ではあまり感じなかった。(緑のねばねばを流しまくるけど)原作ではハウルはとことん軟派な奴なのに、度量の大きさや芯の強さを感じさせる。逆に、ソフィーの身勝手さやわがまま、ドジっぷりを感じた。トラブルのもとは全部ソフィーが巻き起こすのだ。
それに、全体にミステリーで感じるような、ジグソーパズルが次々とはまって大きな絵を描く快感があった。
ソフィーは3人姉妹の長女である。
この世界はおとぎ話のルールがそのまま生きているファンタジー世界で、長女は何をやっても失敗する前例に満ちており、ソフィーはその思いこみから抜けだせない。
妹たちは、自分のやりたいことをやるために、次女と三女の入れ替えを魔法で行っている。
こういう一見複雑な設定が、とても面白い。
ソフィーは実はそれと知らずに魔法の力を持っており、心に願ったことが、後に次々と実現していくことに気づく。
これもすごい。
たとえば、こんなシーン。

そのとき、灰色と真紅の服のことを思い出したソフィーは、うろたえたあまり階段から転げ落ちそうになりました。じゃあ、あの服にまじないをかけたのはあたしなんだ。あのとき確か「女の子を夢中にさせる服だね?」と服に話しかけたんだ。だから、そういう服になって、あの日果樹園でレティーをたぶらかしたのね。きのうだって、形が変わっても、アンゴリアン先生をたぶらかしかけたじゃない。ああ、どうしよう!あたしのせいで、ハウルに胸を焦がす娘が増えたんだ。

いろんな事件やエピソードが、ソフィーが知らず知らずのうちにかけた魔法が原因だったと判明するくだりがいくつも登場し、これこそ、ミステリーの快感。

さらには、荒れ地の魔女がいったい何をもくろんでいるのか、という謎が解明されると、これはもう島田荘司の『占星術殺人事件』も裸足で逃げ出すような動機があったことがわかる。
荒れ地の魔女がなぜソフィーに呪いをかけたのか、という謎だって、面白い!
ハウルの心臓がどこにあるのか、という真相も。
謎とミステリーのきわめつけは、呪文が実現する過程。
次のような呪文だ。

さあ、流れ星を捕まえてこい、
マンダラゲの根っこをはらませろ、
俺に話してくれ、
過去の歳月の居場所を、
誰が悪魔のひづめを割いたかを。
俺に教えてくれ、
どうしたら人魚の歌が聞けるかを、
嫉妬のとげより身を守るにはどうするかを。
そして見つけろ
どんな風が吹いたら
正直者に役立つのかを。

この呪文がソフィーのおせっかいやドジなどで、次々と実現して行き、その結果、魔女の呪文は完成してしまう。
あ、今のこの状況は、呪文のとおりだ!と気づいていく謎解きの快感は、見立て殺人や、「なぜエヴァンスに頼まなかったのか」に通じるものだ。
ちなみに、この呪文は、ジョン・ダンの詩の一節である。

一方、こんなシーンもある。

中では二人の少年が、窓際の大きなテーブルの上にのせた大小さまざまな魔法の箱の上にかがみこんでいました。たとえ吹奏楽隊に合わせて軍隊が入ってきても、顔を上げないと思われました。いちばん大きな魔法の箱は、階下の箱と同じように前面に硝子がついています。ただ、絵ではなくおもに文字や図形が出てくるようです。どの箱からも長くだらんとした白い茎のようなものがはえていて、根もとはすべて壁につながっています。

これ、少年たちがPCゲームをしているシーンだとわかる。ファンタジーの世界に住むハウルやソフィーには、こんな風に映った、という描写なのだ。
こんな風なお遊びもあり、本書は知的遊戯に満ち満ちた1冊になっている。
他の本もじっくりと読んでみたい。
ISBN:4897844002 単行本 ひの まどか リブリオ出版 1994/10 ¥2,100
ひのまどかの『シベリウス〜アイノラ荘の音楽大使』を読んだ。
今年はシベリウス没後50年で、NHK-FMでは「シベリウス・ウィーク」と題する特集番組が放送されたりした。だが、その評伝となると、あまり種類が出ていないようだ。本書は、その数少ないなかの1冊で、写真も多く含まれている。
以下目次

プロローグ
1.ハメーンリンナの落第生
2.青春のヘルシンキ
3.留学生活
4.「クッレルヴォ交響曲」
5.カレリア詣で
6.交響詩「フィンランディア」
7.カルペラン男爵の友情
8.アイノラ荘
9.フィンランドの独立
10.アイノラの静寂
そして、いま
あとがき

「アイノラ」とは、「アイノ」の里という意味で、「アイノ」はフィンランドの叙事詩『カレワラ』に出てくる乙女の名前であると同時に、シベリウスが愛した妻の名前でもあり、ODAカーニバルのアイドル「愛乃」の名前でもある。(最後のは無関係)
そのまま日本語だと「アイノ里」で「あいのり」みたいだ。
この、妻アイノが、非常によく出来た女性で、感心してしまった。
シベリウスはもともとヴァイオリニストになろうとしていたが、極端なあがり症で、ステージに立つとガタガタになってしまい、夢をあきらめて作曲家になった。
シベリウスは都会の誘惑にコロリと負けてしまって、酒と煙草に溺れ、芸術論を熱く語り合う日々を送り、浪費癖があった。
そんな生活能力に乏しいシベリウスに対して、妻のアイノは、結婚にあたって、次のようなことを堅く心に誓う。
「夫には前と変わりない創作生活を送ってもらおう。世間一般でいう、よい夫や穏当な社会人に変えようとは思うまい。変えようとしても、変わらないし!」
そうなのだ。
この本を読んで、シベリウスがどんな人だったのかが明らかになるにつれて、まるで自分のことを言われているような気がしてならなかった。
友人であり、援助を惜しまなかったカルペラン男爵によるとシベリウスは「甘やかされて増長した大きなこども」だったのだ。
身につまされた部分を以下、いくつか抜き書きしてみよう。

「ジャン(=シベリウス)は憂鬱なこと、不満に思っていること、作曲の進み具合、病の再発への不安、悪化する一方の経済状態等、気になっていることをすべて日記に書き付けた。
『あれこれ心配するより、仕事にかかれ。まだ命は長いぞ』
『地獄のようだ。酒は絶対に必要だ。しかしなくても仕事ができる強さを持たなくては!』」

「生活は借金でまかなわれており、時たま入る金は利子の穴うめに消えた。
ジャンは日記とは別に、借金だけを書き留めてある「黒い手帳」を作っていたが、それを広げるたびに深い絶望感に襲われた。
−金銭問題に苦しんだことのない人間には、この重圧感はわからないだろう。この苦しみは、どんな意欲をもくじいてしまう。」

「あの頃は、多くの夢と計画があった。その中でかなったものは、ごくわずかだ。心に血を流しながら作曲しても、それが認められるとは限らない。自分の人生はいったい何だったのか。44にならんとする自分はいったい何者なのか。あの頃と同じに、この体内には作曲への情熱がたぎっている。だが現実には何もやりとげずに生を終えるかもしれない。」

「私がいったい何をしたと言うのか!私は借金を払うためにこの世に送られてきたのか!私は破産するだろう。この苦しみは痛みをともなっている。」

このあたり、まったく鬱日記そのもので、僕の日常とまったく変わらない。焦燥と絶望と隣り合わせで、いつ自殺しても不思議ではない状態で、綱渡りしている。
シベリウスには彼を支えるアイノと、援助するカルペラン男爵がいる。非常にうらやましい。
まだまだ、「僕のことか!」と思わせる箇所が頻出する。

交響曲第4番を発表して、聴衆に理解されなかったとき。
「−たぶん私は人々より進み過ぎたのだ。だが人に合わさず、自分の道を行く、これは強さではなかろうか。
これ以降シベリウスは、「交響曲第4番」を他人を判断する際の踏み絵にした。すなわちこれを理解する人としない人との。そして理解した人のみを、音楽を語るに足る相手と見たのだった」

自分がパフォーマンスした後に、いつものように、これを感じる。
自分が面白いと思ったことが、客にまったく伝わらないもどかしさ。
小川真由美みたいに「百年たったらこの意味わかる!」と叫んでみたい。

「シベリウスはアメリカ再訪の計画をたてていた。それが実現すれば、一家の経済状態は飛躍的によくなるはずだった。セルビアでの事件は、その希望に暗い影を投げ与えていた」

アメリカ再訪は、オーストリア皇太子の暗殺〜第一次世界大戦によって、おじゃんになる。
一方、僕の場合は、モダンチョキチョキズの大阪公演のまさに当日朝、阪神大震災が起こり、何もかもぶっこわれ、コンサートはもちろん中止になり、現在のような貧窮生活への第一歩を踏み出すのだ。と、言い訳めいたことを考える弱さが、似ているかな、と。

シベリウスは、結局、人々の支援によって金銭的な問題をすべて解決し、酒や葉巻きなどの嗜好品も復活させて、91歳まで生きる。
これを幸せな人生と言わずして、何と言う!
僕もシベリウスにチョーなりたい。
略して「シベ超」だ。
ISBN:4568221277 単行本 ギュウチャンエクスプロージョン!プロジェクト実行委員会 ギュウチャンエクスプロージョン!プロジェクト実行委員会 2006/09 ¥2,940

篠原有司男の『早く、美しく、そしてリズミカルであれ』を読んだ。
篠原は1932年生まれの前衛アーチスト。ボクシングペインティングやオートバイ彫刻が代表作か。有司男が同じ「ウシオ」でも有司夫なら、「アルシーヴ」と振り仮名打てたのに。
この本は、篠原有司会男の対談集。

なぜ篠原有司男なのか?/長澤章生
VS田名網敬一vol.1
VS会田誠
VS宇川直宏
VS後藤繁雄
VS田名網敬一vol.2
VS赤瀬川原平
ギュウちゃん欠席裁判〜僕と篠原有司男の微妙な接点/山下裕二

面白かったところをいくつか。

田名網敬一の篠原絶讃ぶり。対談の醍醐味と言うよりも、ギュウちゃんの紹介を目的とした発言が多いように思われる。

VS宇川
ラメルジーをとりあげて「ゴシック・フューチャリズム」と宇川が言ったのを受けて
「おまえ、頭いいなあ!いろんな言葉知ってるね」
ギュウちゃん、自然体!

VS宇川
「早く、美しく、そしてリズミカルであれ」に替わる新しい三原則を言ってみる。
「威嚇、近眼、片道切符」
これだけ聞いても、何のことやら!

VS後藤
「黄金比は性欲みたいなもんなの。今、気がついたんだけど、性欲なんだよ」
「性欲!それはどうして?」
「知らねえよ。これから理屈つけるんだから。黄金比は人間をチャーミングにすんだよ」
断言魔人!

VS田名網
「俺の絵のモチーフはぜんぶ漫画からきてるんだよ」
ぜんぶ!?
ギュウちゃんの好きな漫画は、「嗚呼!花の応援団」「無用ノ介」「がきデカ」「北斗の拳」「メッタメタガキ道講座」らしい。確かに、このラインナップだと、破天荒な作風が醸成されるにちがいない。
Subterraneansで、Trevor Brown新作展「rubber doll」
ボンデージに、ゴムゴムSMフェティッシュの少女たちが主に描かれている。
痣や傷や拘束など、人間の活動を抑制するはずのネガティブなものたちが、逆に襲撃のためのアクセルとして作用している楽しさ。
トレヴァー・ブラウンのサイトの日記を読んだら、オープニングパーティに来ていた泰子興業のことが書かれていた。
「今回のお気に入りは、なんといっても泰子興業だ。
今までにもいろんなファンの人と会ってきたが、せいぜいが驚かされる、という程度だった。でも、泰子興業はそれどころじゃない。ブッ飛んでる。大気圏突破だ。
わたしの前を離れず、ギョギョギョと眼をむいて『カワイイ!』連発。被弾した私は蜂の巣だ」
と、原文にないところまでつけ加えての誤訳だが、こんな感じだった。
トレヴァー・ブラウン、きっと「キラキラアイドルリカちゃん」のDVDとかプレゼントしたら、大喜びするんじゃないか、と思った。まあ、僕がそのDVDを気に入ってて何回も見ている、ってことで、同い年のトレヴァーもきっと感性似ているんじゃないか、という類推だけど。

http://www.pileup.com/babyart/_top.htm
午後5時半から北堀江club vijonで「Redemption」
艶廓(アウェーの中でメタル炸裂!カッチョエ〜)

あぴす学園(可愛いったらありゃしない。言いたい放題のサディスティックな華燐はすごい!じゃんけん大会で僕は最後の3人にまで残ったけど、残念だった)
1,おジャ魔女どれみナイショ(おジャ魔女のいでたちの3人!めちゃくちゃイメージぴったり)
2,ミッキー(ゴリエのバージョン。おジャ魔女衣装を脱ぎ捨ててのダンス)

SPEAD(スピードのコピーユニット、今日で卒業!4曲ほどやったかな。MCも面白かった)

ペロペロキャンディーズ(リーダーが欠けた穴を埋めたステージ!でも、ちょっぴり余裕がなかった感じもする)
1.Pa-La-La
2.スマイル
3.あんぶれら
4.キラキラ(ホワイトピーチ)
5.ねぇ、わかんない?

高田屋鮎美(天然なのか?そうなのか?)
1.長い間
2. さくらんぼ

ゲーム大会(こういうグダグダなのが、アイドルイベントの醍醐味。創叡出身の西谷優梨と、宇賀仁美が司会。あぴすも登場してジェスチュアゲームと借り物競争。罰ゲームで、からし入りの毒まんじゅうを食べる高田屋と華燐、と、なぜか玲尹ちゃん)

chupi*chupi(賢そうに見える!6曲やったかな。前回のストリートライブで踊り狂ってたおじいちゃんが見に来ていて、「ピュチピュチ〜!」と大声で声援していた)

ここまで見て、タイムアップ。
店を出て、夕顔楼に直行。

午後10時から夕顔楼で鍵盤夜会。
アコーディオンのゴトウイズミ(違う世界に連れていってくれる)
キーボードの面黒楼卍(仮)(この世界を違うものにする)
ふたとおりの女の怖さを思い出すライブだった。
夕顔楼は久しぶりで、泰子興業や高西くんに会った。
夕顔楼はとても雰囲気のある店なので、できることなら普段着じゃなくて、それ用のファッションで行こうと思っていた。ちゃんとそれ用の格好も用意していたのに、北堀江から直行しないと間に合わなくて、着替えることができなかった。
いつもの色キチファッションが、夕顔楼の照明で、セピア色に蒸着する。押絵と旅する僕、という風情になって、いつになく「保山さんは落ち着いた」「おちついた」と、生まれてこの方言われたことのない絶讃を受けた。
ISBN:4775506994 単行本 矢尾 暢康 オークラ出版 2006/01 ¥2,300

ヤマダ電機LABI1なんばで、関西発アイドルユニット「ファンタピース」の芸名発表イベント。
曲は2曲。

waiting for
小さなてのひら

これらはラジオ番組ファンタスター学園や、テレビ番組天使らんまんで、聞ける歌。
さて、5人の芸名は

まほ→城 ゆかり
さえ→水城 さくら
みか→美華
みずほ→瞳 はるか
かづき→千 小町

どう?この統一感のなさ。
リトルキャットの増井万帆は、「麻酔魔法」みたいな名前で面白かったのに、城ゆかり、という、どこか演歌っぽい名前に。
愛川冴も、せっかくのいい名前が、水城さくらとは。
「水」「黄桜」では水と酒か。
千小町にいたっては、イロモノ決定である。
くれぐれも送り仮名をふったりして「千ンコ町」などと表記しないことを祈るのみだ。
あいにくと、もらった楽曲もあんまりよくなくて、ラジオ番組でうかがわれる彼女たちの魅力を出せていない、と思った。
実に、惜しい!
素質は申し分ないというのに!
このままでは、AKB48を狙った制服アイドルの亜流になってしまう。
とにかく、歌のイベントを多く展開して、独自の個性を早くみせてもらいたい。
中川翔子 Akiko Watanabe Shoko Nakagawa Shinnosuke Akihito Toda Hirokazu Tanaka 亜伊林 K-taro Takanami CD ソニーミュージックエンタテインメント 2007/02/14 ¥1,575ストロベリmelody

ららぽーと甲子園で、しょこたんのキャンペーンイベント。
大勢の人で、しょこたんは後頭部とか、脳天しか見えなかったけど、とても可愛かった。
3曲。
松田聖子へのオマージュ曲も。
もっと頻繁に関西に来てほしいなあ。
開催されたのが田舎だったせいか、オタクに免役のない客(地元の学生たち)が、いちいちコスプレやオタ芸に過剰反応していたのが、笑えた。
こういう大型商業施設があると、きっと地元の人は、ららぽーとを1つの国としてそこで生き、育ち、死んで行くんだな、と実感した。

そしおアメリカ村で、オールナイトイベント「ミノポピ」vol.2
テクノを極めるイベント。
僕も深夜に登場して、勝手にテーマソングを歌ったりした。
また、サウンドアーチストの安井氏とレコードコンサートの解説などを。
80年代初頭にかぎれば、当時大阪で入手できたすべてのテクノポップとニューウェイブは聞いてきた自負がある。
でも今となってはほとんど忘れていて、役に立たないことおびただしい。
第1部のライブも面白く、第2部のDJもはしゃいで遊んだ。
個人的にはもう少し踊って遊べばよかった、とエンジンかかるのが遅かったことを悔やんだけど、これはこれで、服が汗みずくにならなくてよかったとも言える。
いったん踊りはじめたら、あの音楽たちでは、赤い靴状態に陥っただろう。

皇帝ペンギン

2007年2月16日 映画
DVD ジェネオン エンタテインメント 2005/12/16 ¥4,935 「南極で皇帝ペンギンの生態を追ったフランスのドキュメンタリー。延々と行進を続けるペンギンたちが、たどり着いた営巣地でパートナーを見つける。やがて産卵を終えたメスたちは、体力を使い果たし、エサを求めて再び海へ。オスは卵を守りながら、ひたすら立ったまま2ヶ月。孵化した子どもとともに、メスの帰りを待つ。 どこか着ぐるみ…」

ペンギンは何かというと、よく行進するのだということがよくわかった。
よく更新するのは、「しょこたんブログ」だということもわかった。

ペンギンのドキュメンタリーなのに、これ、どうやって撮影したんだろう、というようなシーンもあって、近々見る予定の撮影日誌で確認してみようと思う。

ナレーションと歌の影響で、とても詩的な作品に仕上がっている。お笑い芸人がナレーションして、インド音楽が流れていたら、ぜんぜん印象の違う映画に仕上がっただろうと思うと、映画の演出って恐ろしいな、と思う。
ワイドショーですごく怖そうな音楽とともに伝えられるニュースだって、実はほのぼのとした出来事だったんじゃないか、と眉にツバしてかからねばならない。

ピングーたちの世界がこんなにも苛酷だったなんて、あのクレイアニメからはわからなかったなあ。

しかし、南極の極寒のすさまじさと言ったらなくて、ダイエットしようと思っていた矢先にこういう映画を見てしまうと、何はなくとも脂肪の鎧だけは身にまとっておかないと、死んでしまうな、と強く感じてしまう。
地球温暖化が叫ばれている昨今だが、よく考えてみると、現在は間氷期なのである。来るべき次の氷河期は、言うまでもなく、むちゃくちゃ寒くて、それに耐えられない生物から滅亡していくのだ。
われわれはマンモスを凌駕するだけの脂肪を蓄えておかねばならない。

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