内田樹。
ブログ読んでるくせに、この人の本をまだほとんど読んでいない。
いずれ、まとめて読む予定。
「おお、そういう使い方しますか」
「なるほど、そういう考え方もありか」
と思わせてくれた本。
内容以上に、そんな動かされる感じが楽しい。
「華麗なるアリバイ」
先週も見に行った映画、2回目。
先週見たときは、はっきり言って、あまりの「ノー推理」な展開にあぜんとして、いくら論理的推理興味の乏しいクリスティー作品にしても、これはひどすぎる!クリスティー生誕120年が泣くぞ!(百才以上の老人の行方がわからない、というニュースがさんざんマスコミをにぎわしていて、クリスティー120才なら、きっとまた失踪してるかもな、とかいらぬことを考えた)と思ったのだが、何かひっかかるところがあって、感想を書かなかった。
で、原作の『ホロー荘の殺人』を読み、この映画に再チャレンジしてみたのだ。
原作はこりゃ学生時代に読んでもちんぷんかんぷんだったろうな、という物語で、思いのほか、面白かった。
映画は、ポアロの出てこない戯曲版をベースにしているみたいなので、そっちを未読のため、なんとも評価しようがないので、それはまた『ミステリマガジン』で戯曲読んだら追記することにしよう。
舞台はフランスに移されているため、名前なども全部変わっている。
なんとなく主人公な作家(原作ではエドワードにあたる)は酒のせいで記憶もはっきりしない、きわめて現代ミステリらしい設定になっている。この男を演じるのはジャック・ドゥミとアニエス・ヴァルダの息子。
で、原作読んでから見ると、なかなかミスディレクションも工夫されていて、フランス映画でございます、という映像も堪能でき、さらに、最初見たときに「何しに出てきた?」と思ったミュウミュウが、原作のルーシーを見事に演じているのにビックラこいたのだ。
なにより、そろそろ眠くなってきたかな、と思った瞬間、銃声が鳴り響いたり、電話のベルが鳴ったりして、意識をシャキッとさせてくれるタイミングのよさもありがたかった。なにせ、夜勤明けに見に行ってるので、眠くてしかたなかったのだ。
なお、タイトルの「華麗なるアリバイ」は、真犯人にとってミスディレクションを誘発した心理的仮面のことを「アリバイ」と称している。原題どおり言うと「大アリバイ」で、それならまだわかるのだが、哀れで同情を誘う、原作で言えば頭が鈍いと人に思わせる仮面を「華麗なる」と言われても、なんだか納得できないのである。

(追記)
「ミステリマガジン」掲載の戯曲版で確かめたかったのは、ラストの「最大のアリバイは云々」のセリフがあるのかどうか、ということ。
今日、読んでみて、やっぱりそんなセリフはなかった。
今、映画のことを思い出すと、原作にない第二の殺人以降がよくあるサスペンス映画みたいになっちゃったかな、ということと、プールから裸で出て来た女優の肉体が熟していて、強烈な印象として残っていること。
『ホロー荘の殺人』
後日
「21エモン宇宙いけ!裸足のプリンセス」「涙の愛嬌者」
「21エモン」は「雲の王国」と併映だった短編映画で、公開当時に映画館で見ているが、内容などまったく覚えていなかった。
ローマの休日の設定で、あとは「モジャ公」の「アステロイドラリー」の話をくっつけたもの。無銭でホテルに宿泊し、皿洗いでなんとかしようと思ったら、「百年かかる」と言ってたのが驚いた。(「モジャ公」の原作では「半年」)ちょっとの間に半年が百年にインフレしてる!

「涙の愛嬌者」は無声映画。
貧乏で草野球チームのユニホームも買ってもらえず、バットは木を削って作る少年。冒頭のシーンは刃物がギラギラとアップになるギョギョッとする出だし。その刃物を研いで、バットを削るんですけどね。
父親は玩具を作り、まだ幼い娘が町に売りに出ている。
父のリウマチの具合で雨をいちはやく予知して、少年は傘を売りにいく。
貧乏ゆえのお涙ちょうだいシーンもあるが、結局、お金持ちの子がユニホーム新調して、おさがりをもらえる、という結末。
現実はこんなもんかもしれない。
「嫌われ松子の一生」、ポンバシwktk学園@PLATZ
ラストの階段のぼるシーンで、妹の髪型見て、泣いた。
面白い映画だったな。

久しぶりのwktk参戦。
アイドル度高し。

くわしくは時間があれば追記。
今日も今日とて午後3時30分から海遊館ホールでESSEアカデミーのサマーライブ、今日はPart2。
1.Jazz
2.リルチル(ルナ&チヒロ)
3.Jazz
4.ヒップホップ
5.ロック
6.キャラメルリボン/虹色
7.ソロ。アツコ
8.ソロ。メグ
9.エブリバディ
10.パステル/ラスター
11.ソロ。モエミ
12.ロック
13.エンディング
寿々歌がいないとか、レパートリーなど、昨日の方が、僕向けのプログラムだったように思えたが、それでもじゅうぶんに楽しめた。

通天閣でファンタピースのファミリーライブ。
午後5時開演だったが、電車の乗り継ぎがうまく行かず、到着したときには、1曲めが終わって、自己紹介の最中だった。でも、あわてない。先週と同じ流れなら、1曲めをもう1回歌ってくれるはずだからだ。
自己紹介、ついたとき、ちょうど長谷川寿里がロンダート決めた瞬間だった。
以下、聞けた自己紹介分。
中原莉奈:ギターが得意だけど、ギター重くて持って来なかったのでエアギター。
片瀬ふみな:Y字バランス
笹川結衣:開脚して体ベチャー
鈴木由佳:歌が得意だということで、エブリシング歌うが、途中で歌詞が変わる
井口奈波美:裏拍手
山崎佑奈:スケッチブックも使ってダジャレを披露。ダジャレのネタ帳には多くのネタが書いてあるらしい。「ニラがにらんだ」「マスカラ塗ってますから」うまい!あと、息を吸って小鼻を畳む技も見せた。
竹村美緒:絵が得意で、エヴァ劇場版のキャラクターを描いたのを見せてくれた。
以上。
今回のMCは山崎佑奈と竹村美緒だった。
人数数えてみると、13人で、自己紹介聞けなかったのは、東京香、鞠谷ふうか、山口りほ、清本晏名、中村菜摘。キョウカとナツミの2人は先週出ていなかったので、ぜひとも自己紹介を聞きたかったのだが、遅れた僕が悪い。
オーバーザリアリティーの振付け指導のあと、1曲めをもう1度。よかった。
1.オーバーザリアリティー
2.ミラーオブトトゥルース
3.君だけに…ラブユー
今回は13人のメンバーだが、マイクは2本だけ。これはトークでも暴露していた。
ライブ後は、サイン&握手会と、撮影会、2ショット撮影会。
2ショット撮影は、今回、清本晏名。チェキに書いてくれた名前はニックネームで「あんこ」だった!2ショット2枚目からは1枚500円だったので、あと何人かお願いしてもよかったか、と思ったが、そんな簡単なことに気づいたのは、帰路についたあとの祭り。
ファンタピースは2回目だが、いいですねえ。
22日のライブには行けないのが残念なのだが、この通天閣のライブはもう毎週でもやってもらいたいくらいだ。毎日でもいい。

通天閣で、NHK-FMの「現代の音楽」を聞こうとしたら、なんと、今日は一日プログレ三昧やってた。
痛恨!
ESSEアカデミーとファンタピースをキャンセルするわけはないが、昼から夕方6時頃までの約6時間、30曲は聞き逃したことになる、と思うと、ああ、耳が2つあればなあ、と思った。あっ、耳は2つあった!
全部で75曲流れたが、僕の好きなイシルドゥルスバーネ、アネクドテン、マンドラゴラ、オズリックテンタクルズ、ペッカポーヨラ、エルドンなどはかからず、入門編かな、まだ聞き足りないな、という思いがつのった。
午前1時までの放送を聞いて、かろうじて録音できた3時間分(アルタードステイツ最高!)をもう1回聞き直している。ああ、最初から聞きたかった。

サントリーミュージアムに「印象派とモダンアート」を見に行った。
アヴァンギャルドの観点から印象派〜モダンアートを概観する展示内容だった。
約百点に及ぶ作品を3つのテーマにわけて展示。大きなテーマの部屋へと通じる途中にもテーマを設けて作品が並んでいた。
「光との対話ー印象派の試み」
では、モネ、ピサロ、シスレー、ルノワール、セガンティーニ、ロワゾーの作品が並ぶ。
(彫刻の部屋)
ジャコメッティ、ヘップワース、マンズーなどの現代的作品。
「具象の領域ー20世紀美術の一断面」
ルドン、ルソー、ボナール、ヴュイヤール、ルオー、ボーシャン、マルケ、デュフィ、ドンゲン、キルヒナー、ユトリロ、マリー・ローランサン、シャガール、キリコ、モランディ、国吉康雄、キスリング、スーチン、ヘンリー・ムア、ベン・シャーン、ワイエス。
(花束の回廊)
花を描いた作品を集めた。ルドン、マティス、ルオー、ボーシャン、デュフィ、ローランサン、キリコ、シャガール、キスリング、スーチン、ビュフェ。
「色と形の冒険ー20世紀美術の新しい表現」
カンディンスキー、クレー、ピカソ、レジェ、ブラック、ミロ、ニコルソン、フォンターナ、ブラウネル、ヴァザルリ、スタール、サム・フランシス、カステラーニ、ホックニー。
まあ、間違いのない教科書的な展覧会、という感じで、お客さんの大半はやはり女性だった。
同じサントリーミュージアムで開催されていた「Art Camp 2010」は、4人の作家の作品が美術館のあちこちに展示されていた。
塩見友梨奈は大阪生まれ、布を使った作品。
藤本絢子は大阪生まれ、距離をおいてみると「あっ、金魚」
久保田万絵は兵庫県生まれ、羊毛。
花岡伸宏は広島生まれ、タイトルまんまの作品をつくる。
「印象派とモダンアート」でも現代の作品、たとえば1980年代のホックニーの作品が印象派よりも結局一番よく思えた僕にとっては、この21世紀の作家たちの作品の方がしっくり来た。

海遊館ホールで午後3時30分から「EXCITING DANCE MANIA Vol.10」のESSEアカデミーsummer LIVE part1。
ナビゲーターは飯星勇耶、Pastel(セリナ、カナ)
1.マッドフェーズ(?)かっこよくてセクシーな4人。
2.ボーカルダンス1(鎮西寿々歌含む)木村カエラの「BANZAI」で歌い踊る
3.レモンズ「chuしようぜ!」
4.トリッキー
5.JAZZスペシャル(寿々歌含む)
6.キャラメルリボン「虹色」
7.ソロ。テツヤ
8.ソロ。ユウヤ
9.ボーカルダンスチーム2
10.エンディング
エンディング後に、鎮西寿々歌やキャラメルリボンからメッセージあり。
去年までは野外ステージだったが、今回のようなホールでの発表会だと、席のすわりごこちもいいし、よく見えるし、涼しいし、実に快適。

午後6時40分から、千林大宮のKinPouGeで「Music War Counsil」
今回の出演は、出演順に、保山ひャン、Renka×Yua、夢野さくら、蒼奇勇。
僕は全体の司会などもしたのだが、今回のライブはすごくよくて、かなりたかまった。
午前中から美術館行ったり、ESSEアカデミー見たり、あいだに読書したりして、それらが全部当たりだった効果もあるかもしれないが、いや、このライブはよかった。
来月も第一土曜日に開催されるが、この調子で行けば、いいのに!

帰宅後は、録画がたまっている格闘技を朝まで見てすごす。
J-kickとかUFCとかKrushとか。

テレビで放送してた映画を見た。同じ時間帯の放送だったので、片方は録画しておいて、後で見た。地上波放送はエンドクレジットを割愛したりするので、映画の楽しみを大きく削ってしまうのだが、ならば劇場に見に行け、という気にさせてくれるので、これはこれでよしとするか。
「HACHI 約束の犬」を見た。
作品の世界に入ってしまうまでは、ほとんど馬鹿にしていたと言ってもいい映画だったが、そして、見終わって数時間たった今、やっぱり馬鹿にしていい映画だと思えてきたが、ツッコミ入れたりする斜に構えた鑑賞じゃなく、普通に楽しめた作品だった。
ハチ公とか、岸壁の母とか、日本人は戻ってこない人を待ち続ける話が好きなんだな、と思ってたら、これはラッセ・ハルストレム監督の作品。随所に日本、アジアに対する神秘的な先入観が見られるものの、同様の感情があるんだな、と思わされた。
映画の出来はさておき、自分もひょっとしたら、どこかでかわした約束をすっかり忘れていて、だれかをえんえんと待たせているんじゃないか、と思わされた。

「サマーウォーズ」を見た。題材からして、いろんな言説が編まれるような作品だが、そっちはまったく追ってなくて、よくわからない。昔ながらの伝統にんにく卵黄な家族、田舎の夏休みなものと、現代のネット社会との共存を描いた作品で、言い訳ともとれる作品なのだが、その意図は白魔術なんじゃないか、と思った。人工衛星と原子力発電と軍事(AI開発、GPS)という、平和のために発展してきたはずのものが、最大の危機を招く、てなベタな話への目配りもあり、プレイヤーのスキルが特定のキャラクター、スーパーヒーローを生まざるを得ない格闘ゲームから、カジノ(花札)ゲームでのあっけない蕩尽にのめりこんでしまう、RPGやってたらついついはまりがちな罠を逆手にとった展開とか、ピンチのときの元気玉とか、きっとどこかで誰かが書いているはず。だから、ここでは簡単に転がっているこうしたテーマについては深めないことにする。どうもそれら、語りやすい事柄は、罠のように思えるのだ。
でも、この闘いが、そして共闘が「サマーウォーズ」つまり、夏限定のものであるとした細田監督の感覚は、よくわかるのである。
なんだかんだ言っても、田舎とか家族って、うっとうしいしね!
うっとうしいと言えば、コマーシャルが多くて長いのにも閉口した。やっぱり、この映画は劇場で見るべきだったな。


楳恐は展覧会というよりも、テーマパーク的な催しだった。
と、なれば、HEPでは狭すぎる気がしてきた。
それより、貸本時代の作品をほとんど読んでいない(高額なので)のが、なんとも歯がゆい。マンガ喫茶に行けば置いてあるかな。
それと、昔、赤ん坊少女のタマミちゃんと会ってしゃべったこととか、思い出した。
今日は図書館と、古本屋と、古書即売会をハシゴして、少しずつミステリーを仕入れた。生きてるうちに読み切れるかな?
後日
後日
垂水作品第2弾。
腹いせに飼い犬を拉致誘拐したら、そこの一家は遺産相続をめぐってどろどろしてた、という話。面白かったので、詳しくまた書けたらいいのに。

映画「華麗なるアリバイ」は次週にもう1回見て、簡単な感想書いてみた。

『紙の墓標』

2010年8月3日 読書
垂水堅二郎の『紙の墓標』を読んだ。1962年。僕が読んだ昭和37年発行の浪速書房分では、本文入る前のタイトルと奥付の書名が『紙の墓碑』になっていた。第7回江戸川乱歩賞に応募した際は、この『墓碑』のほうのタイトルだったようだ。ちなみに、このとき乱歩賞をとったのは、陳舜臣の『枯草の根』。垂水堅二郎は後に芳野昌之と改名して『ミステリマガジン』で翻訳時評「What is your poison?」を連載したり、クリスティーの解説書いたりしている。
ネタバレあり。要注意。とにかく、めちゃくちゃ面白かった。
まず、目次。
第1部 ある男の出所
 第1章 陽気なBG
 第2章 せむしの工員
 第3章 狂った主婦
 第4章 野心的な事業家
第2部 ある男の行方
 第5章 三谷亜津子
 第6章 岩西初衛
 第7章 見出された糸
第3部 追及
 第8章 最後の男
 第9章 最後の女
 第10章 望月富美子

巻頭、男が出所するシーンが描かれるが、それがいったい物語とどういう関連があるのかわからないまま、この物語の探偵役を演じる「デイリー・ルポルタージュ社」の面々が紹介される。
疋田秋人(痔の手術で入院してた。なお、物語と痔は結局無関係だった)
細永春也(痩身長躯。おしゃれで蝶ネクタイ結んでいる)
貞方夏次郎(細永とは対照的に、肥満。いつもよれよれの服で精力的)
扇町冬子(有能な新入り)
ネーミングに四季をとりいれている!
事件は、それぞれバラバラと思われた連続殺人事件。
まず、猪飼まり子(陽気なBG)。
彼女は会社の上司の秘書にして愛人で、ヒステリーと色仕掛けで専務をいいように操っている。
「一生を滅茶滅茶にしておいて!」「あたしをこんな目に合わせたのは一体どこのだれなの!」「殺してやりたいわ」「またごまかそうというのね」「それならきょうのところは許してあげるわ」と、ヒステリーを爆発させた後、「あたしお願いがあるのだけどな。悪いなあ、いっちゃおうかしら。来月はまり子の誕生月。何もおねだりしません。でも、たった一つ、指輪がほしいの」と、甘い声でねだる。
まり子は指の爪の三日月形の弧が欠けていることに気づき、何かの凶兆を感じ取る。
そして、何者かにずっと見られていることに気づく。
正体不明の人物に、黒いリボンでくくった造花をプレゼントされたりもする。
まり子は、逢い引きのために入った旅館の風呂で、何者とも知れぬ女に襲われて、ガス中毒死する。胸にはりついていた紙には「ロ0928」とマジックインキで書かれていた。
次の犠牲者は獺口昌助(おそぐち・しょうすけ)(せむしの工員)。見習い工員や女工員から「獺口昌助さんはなんで背が低い」とはやしたてられ、からかわれる毎日。手先が器用でなく、後から来た新入りに技術的に次々と追い抜かれていく。頑張ってもつい失敗してしまい、まわりから叱責をくらう。家に帰ると、義姉が半人前扱いをし、ガミガミ怒る。
唯一の心の安らぐ場所、水族館で魚を見ていると、「兄に似ている」と声をかけてくる女がいた。彼女の兄もせむしで、水族館に来るのが好きだったというのだ。思わぬ女性からのアプローチに、たちまちのぼせる獺口。水族館出たあと、「散歩しましょう」と持ちかけられて、ホイホイと裏山までついていく。足場の悪い山登りで体がきつくなってきたときに、女は獺口の向こうずねを力まかせに蹴りつける。獺口は激痛のため、口もきけないでいると、女は「ごめんなさい、そんな気はなかったの」そのとき、獺口は、彼女の名前も聞いていない、そして教えてくれないことに気づく。追いすがろうとする獺口は、異様に冷たい女の気迫に押されて後ずさりし、野井戸に転落。頭蓋の割れる音。女は、マジックインキで「ロ0930」と書いた紙をひらひらと落とす。
さて、次の被害者は、大場まつ枝(狂った主婦)。我が子を抱いて銭湯にいるときのこと。つい赤ん坊を泣かしてしまうと、湯槽から「ひどい人だよ、あの人は」と聞こえよがしに声がした。「ひどい人だよ、あの人は」「ひどい」「あの人は」「あの人は」「ひどい人だよ」「ひどい」
脱衣場で乳児用ベッドに赤ん坊を寝かそうとして、小女にタオルを敷いてくれと頼むが、小女も手いっぱいでなかなかタオルを広げることができない。
「タオルをひろげてちょうだいっ!」「今、手がはなせません」「この子が寒がるじゃないの、早くして」「だって手がはなせないのよ」「その子を置いてやってくれたらいいじゃないの」「置けませんわ」「なぜ置けないの」「そういってる間にタオルぐらい自分でひろげられるわよ」みたいなやりとり。
「こどもがかわいそうね」「あれじゃあねえ」「あれじゃあ」と声が聞えてきて、まつ枝はきっと振り向いて「あたしの子だから放っておいて!」と叫ぶ。

「なんですか?」比較的落ち着いた声がたずねた。
「あたしの子だといってるのです」
「それが、どうしたのですか?」
相手がたたみかけてたずねてきた時、大場まつ枝の怒りは絶頂に達したのである。
「蔭口はやめてよ」
「蔭口ですって?」
「そうよ。蔭口ですとも」
「だれも貴女の蔭口はきいていません」
「この耳で聞いたからいってるのよ。たった今その口でいったばかりじゃないの。いけ図々しいったら」
「いやなこといわないで。うちの親類のこどもの話をしていたのですよ」

外に出ると、腕白な子供たちが乳母車に乗って遊んでいた。「何をするの!」と怒って子供を追い払い、市場に行くまつ枝。そこで、「お買い物が終わるまで、乳母車見ていてあげるわ」と申し出る女に出会う。まつ枝は、女に乳母車をあずけ、市場でさんざん値切りに値切りたおして買い物をし、試食品を全部食べて、出てくると、女の姿もわが子の姿もない。乳母車だけがもみくちゃの状態で発見された。
さんざん探すが、赤ん坊も女も見つからない。
家に帰ると、「その女は何者だ。いったい何だってそんな女にこどもをまかしたのだ。ばか者め!」と罵られる。
こどもは、死体となって発見される。「ロ0932」と書いた紙片があった。
こどもの死体を見たまつ枝は、ついに発狂して、工事現場から墜落して死んでしまう。
さて、次の被害者も、女に殺されてしまう。それぞれの被害者をつなぐ共通点はなかなかわからない。ただ、紙片に記された謎の記号だけが手がかりになった。
このあたり、正体不明の女の殺し屋、謎の紙片、それぞれ厄介な被害者、とサスペンスは盛り上がり、さながら、こわい映画を見ているような気分になった。
三谷亜津子の死の状況も面白かった。つわりのため、食べ物などの匂いに敏感になっている彼女は、妊娠していることをまだ知らない夫にとっては、わがままばかり言う、どうしようもない妻としかうつっていない。出世のチャンスになる出張の話をしても、彼女は家でひとりきりになることを嫌って、「行かないで」と懇願する。
夫は、「君は最近わがままだぞ。好き嫌いは強いし、口ごたえはするし、同僚を連れて帰ればいい顔をしない。少しは考えたらどうなのだ。靴だってそうだ。いわなきゃ磨かない。いつまでもお嬢さんのつもりでお高くとまってられた日にはかなわないよ」
さらに「とにかく、だ。主人の栄達をよろこばぬ妻がいるとはきょうの日まで考えたこともなかったよ。時代はかわったものだ」「おれの母親は偉かったよ。無教養で女学校も出ていなかったが、かゆいところに手の届くように親父の世話をやいていたからなあ」「おれは不幸だ、実に不幸だ」と、出張に出かけてしまう。
そもそもこの家は、夫の先輩が海外駐在員になったのでその留守番がわりに住むようになった家だった。他人の家具の中で住むことの落ち着きのなさを亜津子は感じており、また、妊娠を自覚して敏感になってからは、深夜にみしみしと柱のはぜる音がしたり、原因不明の家鳴りが聞えたりするのが、妙に気にさわっていた。
夫は、家でひとり留守番するのを極端にいやがる妻のために、弟に連絡して、出張中いてやるように指示していた。だが、この弟というのが、酒びたりで見知らぬ飲み仲間を連れて帰ってきたり、雨に濡れて泥だらけのまま家にあがりこもうとしたり、亜津子の寝室のある2階に勝手にあがりこもうとしたり、亜津子の神経にさわることばかりするのだ。
おまけに彼女に慣れない、嫌いな飼い犬がいたりする。
そんなとき、義弟が酔いつぶれている夜中に、素性の知れない飲み仲間が、2階に上がろうとしていた。亜津子は、われを忘れて絶叫し、置き時計を投げ付けて、男を階段から落としてしまう。彼女は、隣家の電話を借りて、救急車を呼ぼうとして、外に出た。
うるさくする飼い犬は、錠をはずして外に追いやっていた。
空は暗く、ついさっきまでは大雨が降っており、今は強い風だけが吹きつのっている。
隣家の灯は消えており、どこに家があるのかもわからぬくらい真っ暗。

彼女は手さぐりで庭をぬけ、門までたどりついた。その時、亜津子の手は木の戸でないもの、何か柔らかなものに触れたような気がした。生温かい手ざわり…。人が立っていた。
黒っぽいレーンコートの女の姿が浮かんでいた。亜津子の呼吸は今にもとまりそうだった。つわりの嘔吐がまるで節足動物のように胸のなかをはいのぼってきた。
亜津子は本能的に自家の方にむきを変えて、2、3歩もどりかけた。しかしすぐに泥に足をとられて前のめりに倒れた。
泥のなかから顔をあげようと亜津子は必死になって藻掻いた。だが、後髪をつかんでしっかりと押しつけてくる狂暴な力に抗しきれなかった。苦痛にゆがんだデスマスクを泥のなかに押しつけられたまま、亜津子の体は動かなくなった。

こわい!
記号の正体は、商品券の番号であることがわかった。
被害者は、岩西という男が商品券を送ったリストに全員入っていたのだ。
だが、卒中でよだれをたらして「あウ、あウ」しか口をきけなかった岩西もまた殺されてしまう。

岩西初衛の老妻は障子を張りかえていたが、母屋の伜夫婦が誘いに来たので中風の老人を一人残して安物あさりに出向いていった。30分後に一人先にもどってきて、病人の横にのりの刷毛が投げ捨てられてあるのを見た。にじり寄ってみると、岩西初衛の鼻口にうず高くのりの塊がぬりつけられ、始終よだれを流しっ放しの口は和紙がべっとりはりつけられて呼吸をふさいでいたのである。苦悶を刻みつけたまま窒息死した怖しい形相

岩西が商品券を送った7人は、みんな地方検察審査会員であったことが判明する。
そして、相川という男の選挙違反から業務上横領の罪をあばきだしていたのだ。
ここで、巻頭、刑務所を出てきたのが、相川であったことがわかるのである。
いったんは検察によって不起訴となっていた相川の罪を、地方検察審査会が問題視し、結局は有罪を宣告させるにいたるのだ。
岩西は、多数決の評をとるために、会員に商品券をおくって、相川を有罪にしようと画策していたのだ。
じゃあ、今回の連続殺人は、相川がやったのか、と思いきや、相川も出所後、すぐに死んでいたことがわかる。
じゃあ、相川の妹が、復讐のためにやったのか?
いや、妹も死んでいた。
これはいったい!
相川という男のどこまでも罪深い正体とか、相川にだまされて踊らされた男女たち、真犯人判明後も、最後の最後までどんでん返しは続くのである。

なんばBEARSで、「FBI」(ファインディング・ベアーズ・アイドル)のアイドルオーディションイベント。僕は審査と司会をした。
F.B.I.プレゼンツ「10minutes」第1回予選会
http://home.att.ne.jp/orange/bears/FBI.html
会場:なんばBEARS
日時:8月2日(月)午後6時開場/午後6時30分開演
料金:前売1500円/当日2000円
司会:保山ひャン、Bカシワギ
[エントリーライブ](各10分以内。敬称略、いろは順)
いちご組
PECO
丼野M美
ちーたん
dark angel maria
Yua
紗希
MiKi

[ゲストライブ]
蒼奇勇
松前公高

[本日の審査員]
ナンシー山野(少年ナイフ)
しばたあつし(TOMATO HEAD)
松前公高

[フード出店]
銭ゲバフルト

得票数最多で決勝への切符を手にいれたのは、
「ちーたん」
でした。
審査員特別推薦枠で決勝戦に駒を進めたのは、
「いちご組」
でした。

出演者のみなさん、審査員のみなさん、スタッフのみなさん、来ていただいたお客様、ほんとうにありがとうございました。
おかげさまで、いっぱしの楽しいアイドルイベントをお届けすることができた、と自画自賛しています。
来月は9月18日(土)、10月は10月31日(日)に予選会を開催します。
お楽しみに!
今日は映画の日。
なんばパークスでリー・アンクリッチ監督の「トイストーリー3」を見てきた。2010年。
最初に短編「デイ&ナイト」
違いに悩み、対立し、お互いのよさを認めあい、ジョイントする、という経緯を描いたアニメで、よく出来た作品だった。
さて、本編。
こどもの頃、おもちゃと一緒に遊んでいたアンディも、いよいよ大学に進学して、おもちゃの行き先を決めねばならない。
母親というものはみんなそうなのだろうか、処分しろ、と子供時代の価値など認めない。(僕も母親に勝手に大切なものをどれだけ捨てられたり、壊されたりしたことか!)
さあ、おもちゃたちは、捨てられてしまうのか、屋根裏に保管されるのか、それとも、アンディと一緒に行くのか。
アンディはウッディだけは一緒につれていこうとしていたが、他のおもちゃは屋根裏行きになった。しかし、母親は屋根裏行きのおもちゃを、ゴミとして捨ててしまう。
ウッディの冒険で、なんとかバズたちは救出されるが、ここで新たな選択肢として、保育園への寄付でこどもたちとずっと遊ぶ道が示される。一見、それはおもちゃにとっては最善の行き先であるように思えた。
しかし、その保育園は、持ち主に捨てられたショックで暗黒の心を持つようになったぬいぐるみが支配するおもちゃ地獄であり、新入りのおもちゃは、おもちゃを大切に扱わないこどもたちが、壊したり汚したりして遊ぶ「いもむし組」に編入されるのだった。
地獄保育園から脱出を試みるおもちゃたち。
と、いうわけで、トイストーリーの1、2は大ヒットしたが、僕はどこかで「この気持は母親とか女性(つまり、大人)にはわからないんじゃないか」と思っていた。ところが、この「3」はストレートなアクション冒険物語の色が強くて、そのぶん、一般性を獲得したと言えよう。
でも、やっぱり、クライマックスでは号泣してしまうんだなあ。
おもちゃの中にトトロがいるのにはびっくりした。トトロも何か映画的に役を与えられれば面白かったのに、と感じた。
なお、この映画、きっと混雑すると予想できたので、ネット予約しておいたのだが、その際に電話番号を入力ミスして、映画館に行って、発券しようと思ったら、機械に弾かれた。
「しまった!何か入力ミスしたか、パスワードを書き写しそこねた!」とわかったが、家に戻って確認するだけの時間がない。
結局、映画館のスタッフの人に言って、無事発券してもらったが、その直前までは、予約していた映画を見損ねるショックが激しくて、自殺を考えた。「番号間違えて、玩具の映画見れませんでした」と遺書を残すつもりだったが、人間、こんなことでも首吊りを決行できてしまうのだ。おそろしい話だ。

午後3時から日本橋4丁目劇場で「ポンバシアイドル学園」公開収録。
収録後のライブが楽しみ。
深愛りんなと、上実ねねが1曲ずつ交代で歌う。
りんは、「タッチ」「二宮くん」「うる星やつら」
ねねは、「ハルヒ」「とらドラ」「愛してねもっと」
いや、しかし、暑くて溶けそうだったけど、アイドルの2人は、衣服が汗で濡れている、というようなところを見せなかった。すごい!

午後4時20分から日本橋信長書店で、石原啓子バースデイイベント。
MCはエンジェル萌。
出演順に。
石原啓子/ふわふわDay
REINA(P☆B-RW)/銀河鉄道999で、トレイン周遊
はぴすた(コスミアズサ&なぁこ)/会いたかった、君のことが好きだから、と、女の子に言ってほしいことが、タイトルに集約されてる!

ここで、いったん信長書店を後にして、通天閣へ。

午後5時から通天閣3階でFanta Peace☆おひろめライブ。
1.オーバー・ザ・リアリティ
自己紹介
順不同で書いてみると、
山口りほ(最年少の12才。得意のダンスを披露)
清本晏名(この子も12才。バレエを踊ってみせる)
長谷川寿里(側転とロンダートを披露!)
中原莉奈(アンプにつながないエレキギターで1曲)
片瀬ふみな(笑うと目がなくなる癒し系、かと思いきや、開脚してみせる)
笹川結衣(高速鼻ヒクヒク)
井口奈波美(背中で手をあわせて拍手できる)
鈴木由佳(加藤ミリヤの「あいたい」歌う)
鞠谷ふうか(スキューバダイビングの説明、空手の型を披露)
MEGUMIKO(以上の皆さんでお送りします、おいおい、一人忘れとるやろ、的ポジション。トリックスターとしての活躍が期待される)
今回は、以上の10人の選抜メンバー。
「オーバーザリアリティ」の振付け指導のあと、再度、1曲めを歌う。
2.オーバー・ザ・リアリティ
3.ミラー・オブ・トゥルース
4.君だけにラブ・ユー
ライブは以上。
全員がその場で書くサイン色紙と、握手、2ショットチェキ1枚がサービスでプレゼントされた。
僕は、最年少の山口りほちゃんと2ショット撮ってもらう。チェキの機械がうまく動かなくて、「はい、ポーズ」を4回ほど繰り返す。チェキは1枚だけど、得した気分。(と、いうことは、僕がチェキ一番乗りだったんですよ!)
さて、新生ファンタピースの感想はというと、
「最高!」
だった。
以前からちょくちょく見かけたことのある長谷川寿里(15才)が、水を得た魚のごとく魅力を発揮している。歌のときも比較的センターをとっている彼女だが、とにかく、歌がはじまり、ダンスをしだすと、長谷川寿里から目を離せなくなってしまうほどの磁力があった。それと、きっと練習熱心じゃないMEGUMIKO(19才)の圧倒的な存在感も貴重だ。歌詞を覚えているかどうかも疑わしい、とふんでいる。色紙のサインだって自分流のサインをちっとも考えてきてなくて、その豪快さに惚れてしまいそうだった。小学生の山口りほ、清本晏名の2人も才能たっぷりだ。今回、山崎佑奈(15才)や、写真見た感じでは相当好きになりそうな中村菜摘(14才)が出演していなかったのだが、全員揃ったら、どれだけ魅力的なユニットとしてわれわれの眼前にあらわれるのか、と鳥肌がたった。これはすごいアイドルユニットが登場したものだ。

通天閣を後にして、信長書店に戻る。
その道すがら、NHK-FMで「現代の音楽」を聞く。
マイケル・ガンドルフィの「出発点」を聞きながら、信長書店に到着、建物内に入ると、すっかり聞こえなくなってしまった。実質、聞けたのは10分程度か。
先週は東京女子流を見ていてラジオ録音しそこねたし、実に残念な感じ。

信長書店での「石原啓子バースデイイベント」
ちょうど「サスペンス劇場」がはじまるところだった。
アイドルイベントの楽屋、裏側を舞台にした、サスペンス。
これがまあ、ミステリ好きの僕が見ても、よく出来たドラマで面白かった。
最後のどんでん返しの連続には、くらくらきた。

石原啓子/青い珊瑚礁、17才
今年も無事に17才の誕生日を迎えられた、ということで、17才歌う。

いちごのつぶトーク
めぐ登場で、設問にそれぞれ答えて、いちごのつぶの仲良し度をはかる。
設問は、「相方の好きなところ」「相方のいやなところ」「相方の悩みを知っているか」「二人の最終目標」
それぞれ、メモ程度に再現すると、
好きなところ:ケークピー「音楽のセンス」めぐ「可愛くて、自分が好きなこと」
いやなところ:ケークピー「メールが短い、時間にルーズ」めぐ「好きな異性のタイプがあわない」
悩み:ケークピー「人間関係」めぐ「以前、お嫁さんになりたいとよく言ってたけど、最近言わなくなった」
2人の最終目標:2人「おばあちゃんになっても、いちごのつぶ」

いちごのつぶ(ライブ)
1.海と子犬と夕焼けと
2.いちご畑
3.キラキラ星

エンディングでは、バースデイケーキも登場。
物販タイム。僕はエンジェル萌のチェキを1枚購入。エンジェル萌が衣裳をいきなり破ってそのままだったこととか、おしゃべりが面白くて、ついつい。
あと、ケークピーと2ショットチェキを撮る。2枚撮って、1枚は僕の分。もう1枚はケークピーの分。
石原啓子バースデイイベントは大成功に終わった。
こんなに楽しいイベントって久しぶりだし、帰宅してからもしばらくは「ああ、よかったな」と感慨にひたることができた。

いよいよ、明日です。
「FBI」(ファインディング・ベアーズ・アイドル)のアイドルオーディションイベントで、僕は審査と司会をします。
F.B.I.プレゼンツ「10minutes」第1回予選会
http://home.att.ne.jp/orange/bears/FBI.html
会場:なんばBEARS
日時:8月2日(月)午後6時開場/午後6時30分開演
料金:前売1500円/当日2000円
(当日、受付で「フルリレロ〜」と言えば前売り扱い)
司会:保山ひャン、Bカシワギ
[エントリーライブ](各10分以内。敬称略、いろは順)
いちご組
虹色蝶
PECO
丼野M美
ちーたん
幼女A
dark angel maria
Renka×Yua
FAIRY☆PRINCESS
紗紀
Miki
ジョジョ川

[ゲストライブ]
蒼奇勇
松前公高

[フード出店]
銭ゲバフルト

各演者の持ち時間は10分間。
お客さんの投票により、最多得票を獲得した人と、審査員特別推薦の人が、3月初旬に行なわれるグランプリ大会に出場の権利を得ます。
予選会はほぼ毎月行なわれます。
グランプリ大会で優勝した人には、オリジナル曲を提供します。
予選会で得票が一番でなかった人も、何度エントリーしていただいてもかまいせん。
出場に関するエントリー料、出演料はいっさい無料、ノルマもありません。当日、音源(CD、MD、あるいはバンド)を用意してご来場ください。
当日、午後4時以後から簡単な音源チェック程度のリハーサルを行ないます。
審査、集計の時間には毎回ゲストによる特別ライブがあります。
時間があれば終演後に、物販タイムも設けます。
審査員や、オリジナル楽曲提供予定者は、かなり豪華です。
HPで確認ください。
日本橋のアートスペース亜蛮人で「黒き血の宴〜幻想耽美展」
出展作家は、アイノ、江村あるめ、木村紗由香、木村友美、坂上アキ子、城景都、Toru Nogawa、鳥居椿、中井結、Nos、古川沙織、町野好昭、みそら、横田沙夜
http://blackblood2009.blog35.fc2.com/
ひとつひとつの作家の作品だけを見ていると、だれそれの影響が強すぎるんじゃないか、とか、モデルの選択に問題があるんじゃないか、とか、やたら放尿しすぎ、とか、いろいろ言いたくなってくるけど、これだけ集まると、もう、アートスペース亜蛮人はりっぱな幽霊屋敷だ。ギシギシと2階にあがって中井結の鉛筆画を見たり、町野好昭の作品などを見ていると、自分がここに集まった才能と世界を今まで見過ごしていた不明を恥じるばかりである。
そう感じて下に降りてくると、また1階の展示も最初見たときとは違った容貌で迫ってくる。
きっと、僕は、取り憑かれてしまったのだ。
炎天下の昼間にこの展示を見たが、それはまるで江戸川乱歩の「白昼夢」みたいな雰囲気だった。

弁天町ORC200で、歌姫スペシャルライブ。
シンガーは基本、2曲ずつのライブ。
出演順に。
スタジオDIP(ダンス)

濱田紗季
シュガー名義でも活動している彼女、この後、クラブマーキュリーでライブがあるらしい。
オリジナルの「ねこ」など。

山口美優
1.Brand new way(北乃きい)、2.届きますように(オリジナル)
2曲目のオリジナルはアレンジができ上がったばかりのホヤホヤ。

遠藤早希
今、セーラームーンにはまっているらしい。衣裳は普通の黒の服だったが、「ムーンライト伝説」歌う。でも、1曲めの振付けがありえないくらいに可愛かった。

村田寛奈
1.空へ、2.君がいるから
ファンが着実に増えてきており、本人も成長いちじるしい。

鈴木このみ
2曲め「会いたくて会いたくて」(西野カナ)。園まりの歌は「逢いたくて逢いたくて」
ダンスも歌も安心して見ていられる。

楠美香子
2曲め「Part of You」はオリジナル。民謡を得意とする彼女の個性を全面にうちだしたライブだった。

スタジオDIP(ダンス)
衣裳もダンスも、レベルアップしていた。

吉田文(ゲストライブ)
今春、上京した彼女だが、歌姫ライブのために帰ってきてくれた。
キーボードひきがたり。2曲めはオリジナル「夏服」

河野真実(ゲストライブ)
この歌姫ライブには出演してくれるが、全体的にライブを減らす、とか言ってた。
2曲めは「YURA YURA」でアップテンポな選曲がうれしい。

ESSEアカデミー(ゲストライブ)
キャラメルリボン/くいしんぼう横丁のテーマ
レモンズ/チューしようぜ!
パステル(セリ&カナ)/ラスター
キャラメルリボン/虹色
パステルはメンバーが2人になった。キャラメルリボンは今日ライブで披露した2曲を収録したCDシングルを近々リリース。でも、ORC200で天保山マーケットプレースの「なにわくいしんぼ横丁」の宣伝曲聞くのって、不思議な感覚だった。

宮崎真穂
君のとなりで、など歌う。

三木杏里
1.Broken hearted Girl(ビヨンセ)、2.I don’t care
2曲めには3人のダンサーが登場した。
もう、かっこいいの何のって!今回の歌姫ライブでは他を圧倒しての一人勝ち状態。

田頭沙希
1曲めはオリジナルの「つらくても」をキーボードひきがたりで。
エレクトーン習ってた幼稚園以来、と言ってたが、なんとか大丈夫でした。
2曲めはアップテンポでダンスつきのいつもの田頭沙希ちゃんが降臨。素晴らしい。

ライブ終了後、逆瀬川のオレンチェに行こうか、と考えていたが、2日のイベントの件であちこち寄るところがあって、キャンセル。

DDhouseの25周年イベント「メイドプレミアムライブ」
アルカディアから、ゆずは、こなた。アトリエミミから、らび(司会進行)、のあ、宮崎亜美、あと、マリン・ザ・ボイスのとんぼりエンジェル(TB-A)、虹色蝶など。1億円あたったらギターにつぎこむ、とか言う人もいて、愉快愉快。
カラオケで歌ったり、早口言葉したり、ペットボトル回して受け止めたり、テーブルクロスひきしたり。
宮崎亜美がお笑いに徹していて、独特の世界を展開しており、今回のイベントでは一番面白かったかな。いつか宮崎亜美ワンマンとか見たい。
フリードリンク、フリーフードだったので、あさましくもおなかをすかせて行ったが、フードはあんまり種類が残ってなくて、からあげとペペロンチーノ、サラダをいただく。
いろんな人に会えたのが収穫で、敬称略で、今回のイベントの主催の人や、50回転ズの人、デジタルケイタ、サキノハカ、2009年ミス道頓堀、山田ジャック、No305、ぶたお、Bカシワギ、ジョジョ川、ちやじ、リーナクリニック、ムヤニー、え〜と、これくらいあげておけば、かなりの人に会えたってことがわかるかな。まだまだいろいろ会えたけど。でも、このメンツよく見てみると、あんまりメイドカフェで遭遇しそうにない感じだなあ。
このイベント行く前に、図書館と古本屋をまわったりした。収穫はとくになし。しかし、天王寺といい、梅田といい、駅周辺が工事中で、目的地に到達するために迂回を余儀なくされたり、何も面白くない塀を見ながら歩かされたりするのには閉口する。それでなくても、歩道は観光客と、歩道を走る自転車と、違法駐輪と、歩行喫煙者によって自分のペースで歩けない場所になっているのだ。観光客はいいとしても、自転車と煙草はどうにかならないものか。

アンマ来日プログラム@神戸国際展示場
神戸国際展示場で、アンマ来日プログラム「Embracing the World 2010」
関西では29日と30日の2日間開催で、1日めの午後の部をちらっと覗いてみることにした。
インドのマーター・アムリターナンダマイー・デーヴィはアンマ(お母さん)と慕われるスピリチュアルリーダー。訪れる人をひとりひとり抱擁(ダルシャン)する行為で知られる。世界中で3千万人以上の人を抱擁して、癒しと愛を捧げてきた。
午後の部ではアンマのスピーチと、バジャン(インド伝統音楽)、ダルシャンが予定されており、ひとりひとり抱擁するため、終わるのは深夜になると思われた。
僕は夜勤があったので、ギリギリまで粘っていたが、結局、スピーチの途中で会社に向うことになった。
会場には、フードスペースがあったり、アンマの本やCD、DVDを販売するブース、アクセサリーを販売するブース、インド占星術のブース、リラクゼーションコーナー、アンマの活動を紹介する展示などが並んでいた。
肝心のダルシャンもインド音楽も体験できなかったのは残念だが、スピーチは久々に精神世界の説法を聞いた実感がわくもので、来てよかった、と思わせた。
宗教のスピーチで特徴的な、たとえ話を多用する内容で、聞いていて飽きさせることがない。いずれ、アンマのスピーチは日本MAセンター、アムリタブックスで出版されるものと思われるが、その内容で、どんなたとえ話が語られたかだけをちょっと覚え書きに残しておこう。

*家族のために宝石店に指環を買いにきた男。店員がすすめる指環の値段が不満で、もっと安いのはないのか、を繰り返す。ついにあきれた店員は、鏡をもってきてその男に向けて言った。
「この店で一番安いのは、これです」

*面接に合格して職を得た男。お祝いの宴をひらき、神に感謝の祈りを捧げた。各方面への祈りを全部すませた、と思っていたが、こどもがこんなことを言い出した。
「あと1つ、祈りが残っている。今回の面接で不採用になった人全員が適職につけるように祈りましょう」

*路上でヴァイオリンを奏でる男。足をとめる人はほとんどおらず、音楽に聞き入ろうとする子供の手をひっぱって「そんなの聞くのは時間のムダ」と言い放つ親までいる。
投げ銭を数えると、わずかの金額にしかならなかった。
ところで、この男は、世界的にも優れたヴァイオリニストで、高い料金を払って多くのお客さんが聞きにいく価値のある演奏をしていたのだ。

*川を渡ろうと急いでいた男が、船着場に走る。船が既に川岸を離れたところだ、と判断した男は、船に飛び乗ろうとして、川に落ち、なんとか船にひきあげられる。
「やれやれ、びしょ濡れになったけど、船に乗れてよかった」と満足げな男。
だが、この船は、岸を離れたところではなく、今から岸に着こうとしていた船だったのだ。

*船が転覆して、乗客は水中に投げ出された。
金をいっぱい詰めたカバンを大事に手から離さなかった男は、そのカバンの重みで海底に沈んで行った。

あと、智恵を肝心なときに使えない例として、「マハーバーラタ」のカルナのことを言っていた。これにはちょっと血沸き肉躍った。
カルナは不死身の男で、主人公アルジュナのライバル。
アルジュナは「バガヴァッドギータ」で一族どうしで血を流しあって闘うことに疑問を呈していた現代的な青年。クリシュナに説得されて、「そうか」とまた戦争に向う。
カルナはクシャトリアなのにバラモンと偽って修行したことがばれて、「いざというときに必殺技を忘れてしまう」という呪いをかけられていた。
で、実際にカルナが一撃必殺のブーメラン武器、ブラフマーストラを使おうとしたとき、真言をど忘れして使えなかった。しかも、バラモンの牛を殺してしまったときにかけられた呪いで、戦車の車輪が溝にはまって動けなくなってしまい、「ちょっとタンマ」とか言ってるうちに、まあ、背中から襲うみたいな卑怯なやり方で、アルジュナに殺されてしまうのだ。このあたり、アルジュナは権謀術数にたけたクリシュナのいいなりで、僕などはカルナ頑張れ、と応援したくなるくだり。アルジュナも必殺のパシュパタという武器を持っていたのだ。(ランディ・オートンのRKO対エッジのスピアーくらいの「どっちが強い?」感)だが、結果的にカルナは呪いの数々によって負けてしまうわけだ。
アルジュナもいいけど、カルナも魅力的なキャラクターで、ここはアンマもカルナにキャラ萌えしてるんじゃないか、と思えて、親近感が増した。(キャラ萌え!?まさか!)

樹下太郎の『暗い道 コンサルタント殺人事件』を読んだ。
章が変わるごとに、視点が変わる、樹下太郎おなじみの構成。
ネタバレするので、要注意。
以下、目次にメモ。
第1章 船村孝男
 船村はごく普通のサラリーマン。暗い夜道を歩いていたら、いきなり酒に酔った暴漢に襲われる。抵抗したら、暴漢は下水溝に転落。ほうっといて帰宅。翌日、下水溝で死体が発見されたことがニュースになっていた。死体の身許は、コンサルタントの甲村進。船村はもののはずみとは言え、人を殺してしまったのではないか。だが、船村の情婦の坂峯子は、そんな事故で死んだのではない、とうすうす感づいていた。
第2章 甲村進
 甲村はコンサルタント。ある同族会社の合理化をまかされた。成果をあげるために、人事にも関わるなど、強い態度と権力でことにあたる。社長から、「なんとかうまく辞めさせたい」と思っている社員が2人いる、と告げられる。特に名前は聞かなかったが、1人は川口常務、1人は吉川係長であることが判明。
第3章 吉川勇吉
 吉川は、なぜか出世コースからはずされた負け犬係長。あまりにも不遇なため、ひねくれた根性が身についている。社長としては、やめさせたいが、仕事に何の落ち度もないので困っている存在。甲村コンサルタントが殺された事件で、真っ先に嫌疑をかけられる。
第4章 毛利貴久代
 毛利は社長秘書で、社長の姪にあたる。吉川と不倫関係にある。坂峯子とも友人で、甲村殺しに船村という男が関わっている事実を知ったが、また船村が真犯人でないこともよくわかっていた。甲村殺しの真相を探るため、甲村の部下の檜コンサルタントに色仕掛けで接近を試みたりする。
第5章 雪森朝美
 雪森は、船村の婚約者。船村の親が強引に決めた縁談で、2人のあいだに愛情らしきものは存在していない。その証拠に、船村には坂峯子という愛人がおり、また雪森にも愛する別の男性、森元俊の存在があった。
第6章 坂峯子
 坂峯子は船村の恋人。甲村コンサルタント殺しの真相を探る。船村は真犯人の罠にかかったのだと推理している。
第7章 暗い道
 真相。甲村を殺したのは雪森と森元の共犯。
 甲村は森元に会いに来た雪森を犯し、それ以来雪森、森元カップルの殺意をかっていたのだ。コンサルタントとか、会社の合理化が動機じゃなかったのか!
 雪森は愛情を感じていない婚約者の船村を容疑者にしたてるような計画をたてる。船村を夜道で襲ったのは森元で、船村の抵抗に対してあっさり下水溝にとびおりて、倒れたふりをしていた。暗かったので、暴漢の顔などよく見えなかったのだ。船村が去ったあとに、かねて襲撃しておいた前後不覚の甲村を下水溝にセットし、とどめをさす。
 雪森にとっては、憎い甲村を殺し、また、邪魔者だった船村を事件の容疑者として逮捕=破談によって晴れて森元とくっつくことができるのだ。
 だが、森元の方は、良心のかけらが残っており、自首する、と言い出す。雪森は、何のために!と悲しむ。
第8章 再び吉川勇吉
 吉川は辞表を提出する。そして、社長に問いただす。
「ぼくは一係長です。無能で、おまけに少々怠け者だったことは認めますが、しかしそれだけでは一係長が社長の眼触りになる理由としては薄弱すぎるように思えるのです。社長のお気に召さなかった決定的ななにかがぼくにあったと思うのです。参考までに教えていただけないでしょうか」
 これに対する社長の答がビックラ。社長はかつてある男をひどいめにあわせたことがある。その男に吉川はうりふたつだったのだ。本人のせいじゃなくて、ある男性に似ていたから、なにかとうっとうしく思えて、会社を辞めてもらいたくなったのだ。
 似ているからって!あれ?同じような動機を最近、どこかで聞いたような。「4匹の蠅」だ!
「あとがき」で、作者は、権力的なコンサルタントは実在しており、現に知人がコンサルタントの圧力で退職させられた、と語る。でも、殺人の動機は、別だったことをお忘れなく!


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