『落葉の柩』

2010年6月7日 読書
樹下太郎の『落葉の柩』を読んだ。1960年
第1章 斜面の宿
第2章 挫折の日
第3章 強くあれ
第4章 落葉の屍
第5章 被脅迫者
第6章 屍の手帖
第7章 大願成就

国立国際美術館で「豪日メディアアートミーティング」
アレッシオ・カヴァレロ、トロイ・イノセント、マリ・ヴェロナキ、グレッグ・モアによるオーストラリアのメディアアート状況を映像をまじえて。
久保田晃弘による バイオアート最新の現状報告など。
なんだかんだ言って、ステラークの腕にはえた耳のインパクトに圧倒されてしまう。

京都のLABORATORYで「フォトフォン」インスタレーション。
「今回のインスタレーションでは、グラハム・ベルが開発したフォトフォンの原理を使用して、音から光への、そして光から音への直接的変換を試みます。あなたは、あなたが聞いたものを見、見たものを聞きます」
とある。
オーストリアの現代音楽家、noid/aka arnold haberl、klaus filip、Tim Blechmanによる作品。

京都にいく途中で、午後6時になったので、淀屋橋で下車してNHK-FMの「現代の音楽」
                          猿谷紀郎
 − 音の現在(いま)〜デーヴィッド・ラング −(1)   
                              
「アンヴィル・コーラス(1991)」            
                  デーヴィッド・ラング作曲
                       (6分51秒)
  (アンサンブル)バング・オン・ア・キャン・オールスターズ
    <SONY CLASSICAL SRCR−1656>
                              
「ザ・リトル・マッチ・ガール・パッション          
         (マッチ売りの少女の受難曲)(2007)」
                  デーヴィッド・ラング作曲
                      (35分05秒)
       (声楽アンサンブル)シアター・オブ・ヴォイシズ
     (声楽アンサンブル)アルス・ノヴァ・コペンハーゲン
                  (指揮)ポール・ヒリアー
   <harmonia mundi HMU 807496>
                             
このままあと20分待っていたら、クラシック交響楽団による「タルカス」も聞けたのだが、京都を優先。

帰宅後、「ハーバード白熱教室」

MUSIC WAR COUNSIL

2010年6月5日 ライブ
千林大宮KinPouGeで「Music War Counsil」
このタイトルになってはじめてのライブ。
5月末から肺炎になって、声とか出さずにすむ演目を考えていったのだが、現場の雰囲気で、ついつい熱唱。
激富2010年度公演『激富10’ RINDOUMARU 〜鬼の瞳に涙〜』を見に行った。
当日券なしの満員御礼。
歴史の裏にひそむ暗闘を描いた作品。
石田アキラさん、染谷有香さんの達者な演技にほれぼれとする。
JK21の須田琴子ちゃの殺陣や演技も、堂に入ったもので、りっぱにヒロインを演じていた。JK21のメンバーも観覧に来ていた。
久しぶりに演劇見たけど、これは面白い。でも、おしりが割れそうだった。

『愛する人』

2010年6月3日 読書
樹下太郎の『愛する人』を読んだ。1961年
黄昏れよとまれ
真夏の女
孤独な脱走者
雪空に花火を
残暑
日付けのない遺書

『最後の人』

2010年6月2日 読書
樹下太郎の『最後の人』を読んだ。1959年
第1章 白いもやの奥
第2章 灰いろの夜の底
第3章 おそらくは黒い手帖
第4章 金いろのまひるの花
第5章 銀いろの砂

ティム・バートン版の、その後のアリス。
キャラクターの映像化は楽しいが、その内容はルイス・キャロルのアリスとは対極にあるもので、女の子も数年たって大人になると、考え方から何もかも変わってしまうんだな、と思った。
宗旨替えの激しかったのは、他にもイモ虫がある。
原作のアリスでは今ある状態こそがベスト、と断言してたイモ虫が、変化を促す180度転換の宗旨がえ。
ストーリーは、アリス物語というより、ジャバーウォッキー退治に焦点をあわせた、これもまた大鉈をふるった采配。
チェシャ猫の扱いも、姿を消すことのできる猫、というだけの役割で、原作本来のもつノンセンスは見られず。
家族で見るにはぴったりの映画で、また、ルイス・キャロルの世界に興味がない人向けと見た。
岡田鯱彦の『噴火口上の殺人』を読んだ。1958年。
「噴火口上の殺人」
「地獄から来た女」
1.彼の殺した女
2.二年前の犯罪
3.わたしは誰?
4.殺人の機会
5.復讐の誓い

「毒唇」
1.逢いびきの男女
2.奇妙な夫婦生活
3.女中お絹
4.自殺か他殺か
5.女の怪気焔
6.人形は語らず

「死の湖畔」
1.気にかかる男女
2.男の語る死の真相
3.女中の語る裏の真相
4.エピローグ

「偽装強盗殺人事件」
1.妻を殺しに
2.四頭身の怪物
3.殺人の遂行
4.闇の中に

「巧弁」
1.霧の湖上
2.旦那と知って
3.十年間の辛酸
4.一生の手柄話
5.こわれた珠

「目撃者」
1.彼女は殺される
2.用意の拳銃
3.一つの林檎、一本のナイフ
4.驚かないでね
5.真相

「愛(イロス)の殺人」
1.犯罪の場
2.醜貌の人
3.第一の犠牲
4.チンピラ女優の疑義
5.佐世画伯の偽証
6.第二の犠牲
7.第三の犠牲
8.血をふく額
9.「怪人荘」へ
10.今夜、仏浦へ
11.第四の犠牲
12.魔物の正体
13.殺人者の告白

午後2時30分から鶴見区民センター小ホールで第20回深新會関西作曲作品展
以下、演奏順に簡単なメモ。

松房美弥「水を蹴る人、跳ぶ人のための」〜弦楽四重奏とピアノによる〜
(1stVn.浦田彩、2ndVn.待谷翠、Va.杉之原つばさ、Vc.幸野久司、Pf.美越希)
競泳をテーマに、泳者の心境と動作を弦楽器で表現し、水の存在をピアノであらわしていた。
本作品に寄せて描かれた絵画も飾られてあった。

池上敏「トリプディム」〜2本のバスクラリネットとハープによる〜
(Bass Cl.青山映道、原田美英子、Hp.佐々木千恵)
タイトルは「儀式の踊り」を意味するラテン語。
緩急緩の三つの部分からなる楽曲で、三拍子など、数字の「3」にこだわって作られた。
この楽器の組み合わせは、アイディアがなかなか湧いて来ない難物であったことを作曲者が告白していた。

三鬼尚味「月の光2010」〜チェロ独奏のための〜
(Vc.多井智紀)
2000年に書かれた作品の10年後のリメイク。
10年という年月は作曲者にとって、同じ人間なのか、と思えるほどの変化をもたらしていたらしい。

吉澤ゆかり「桜・想う」〜ハープソロのための〜
(Hp.松村多嘉代)
少しずつ蕾が膨らむ頃、花が咲く頃、風に花びらが散る頃の三章にわけられていた。
ハープにも桜の蒔絵などがほどこしてあった。

大慈彌恵麻「Temperatureless♡2、R&C」〜ピアノソロのための〜
(Pf.金井亜沙美)
R&Cはロベルト・シューマンとクララ。
シューマンの作品をパズルのようにばらして組み立てた作品。
かつてビートルズの「ルーシーインザスカイウィズダイヤモンド」を素材に作曲したときの方法をシューマンにも適用してみた、とのこと。

中川佐織「青と白のアナーキー」〜クラリネットソロのための〜
(Cl.小谷俊介)
楽譜にしたがって演奏されるクラリネットと、街の中で採集された音の再生との偶然のセッション。タイトルの「青と白」にとくに意味はないとのことだったが、僕は勝手にディスプレイのブルー画面と、ホワイトノイズのことだと解釈していた。
あいにくと音の再生がうまく聞こえず、演奏途中で作曲家自身がステージにあがって再生あるいは、ボリュームアップしてやっと音が聞えはじめた。
これがアクシデントなら、作曲家としては顔面蒼白でまさに「青と白のアナーキー!」

土井智恵子「carnivorous」〜ヴィオラソロのための〜
(Va.辺見康孝)
タイトルは食虫植物。5曲の小品からなり、それぞれ食虫植物の虫のとりかたの特徴で作品が綴られる。作曲者の日記などからその特徴をあげると、こうなる。
ⅰdionaeaハエトリソウ(挟むタイプ)
ⅱnepenthesウツボカズラ(袋に落とすタイプ)
ⅲdroseraモウセンゴケ(ネバネバタイプ)
ⅳutriculariaタヌキ藻(吸込タイプ)
ⅴgenliseaゲンセリア(根っこと見せかけて葉っぱで吸収)
作曲者がステージでそれぞれの説明をしたのだが、「螺旋状になっていて一方にしか進めない。もがけばもがくほどがんじがらめになってしまって、死ぬしかない」(ゲンセリア属)などと微笑みながら美人が口にするのを聞くと、自分が虫になった気分がして背筋がゾクゾクッとした。

深新會コンサートの後は、午後6時からとんぼりジャック。
吉村綾花が登場するのは、これが最後。
1.Go my way
2.Keep my heart secret
3.Dear friends
4.赤い糸
5.Say yes!
昨日に続いてステージに綾花、客席に福岡絢香(元F.A.N.Y.)のダブルあやか。

同時刻、午後6時からNHK-FMで「現代の音楽」
                          猿谷紀郎
 − NHK交響楽団と現代音楽 −             
                              
「バイオリン協奏曲(1963年)から 第1楽章 モデラート」
                       外山雄三・作曲
                       (7分30秒)
                   (バイオリン)海野義雄
                  (管弦楽)NHK交響楽団
                      (指揮)岩城宏之
  〜東京文化会館で収録〜                 
                     <1964/10>
                              
「ピアノとオーケストラのための“空間の記憶”(1981年)」
                        一柳慧・作曲
                      (13分16秒)
                    (ピアノ)木村かをり
                  (管弦楽)NHK交響楽団
                      (指揮)岩城宏之
   <NHKサービスセンター キングレコード       
                    KICC−3039>
                              
「クラウド・ナイン(2004)」        望月京・作曲
                      (18分32秒)
                  (管弦楽)NHK交響楽団
               (指揮)ジェームズ・マクミラン
  〜東京オペラシティ・コンサートホール          
                タケミツメモリアルで収録〜 
                    <2004/7/4>
「ミュージック・トゥモロー」からの録音。
全曲、尾高賞を受賞している。
今年の「ミュージックトゥモロー」は6月22日(火)夜から東京で。仕事あるので、絶対に行けない。でも、このタイミングで放送したということは、ミュージックトゥモローの宣伝の意味合いもあったのかな。

同時刻、午後6時から「ハーバード白熱教室」第9回「入学資格を議論する」
「私がなぜ不合格?」はアファーマティブアクションについて。
シェリルホップウッド訴訟をもとに、差別の是正と権利の侵害について考える。
このとき、レガシーアドミッション(卒業生の子供は入学に際して有利)も取り上げられていた。
「最高のフルートは誰の手に」はアリストテレスの正義論をフルートの分配を例にとって解説する。ここでは、目的から論じるという視点が取り上げられている。
う〜む。毎回、興奮する。このワクワクは、WWEに匹敵するんじゃないか。
分配の正義が道徳的対価とは無関係である、とするロールズの正義論に対して、正義を道徳的対価に結び付けていた思想家として、アリストテレスが登場したときは、まるでロイヤルランブルでエッジが復活したときみたいな興奮をよんだ。
WWEといえば、WWEロウでバズ・オルドリンがホストで出てたけど、月面到着捏造問題で鉄拳制裁したシーンが流れて、それをプロレスラー相手に再現しようとしたり、リアルムーンウォークを決めたりしてたな。日本の宇宙飛行士もあれくらいの破天荒さがあれば面白いんだけど。
それと、WWEスマックダウンで、CMパンクの剃髪画像が出たとき、「オックスベイカーみたいだ!」と懐かしい名前が出てた。猪木とも戦った有名なレスラーだから、固有名詞だしてもみんなわかるよ!(日本語訳担当の人へ)

ほぼ同時刻、午後6時10分から「MUSIC JAPAN アイドル大集合SP」
アイドルいっぱい出てたけど、僕がこのなかで順位をつければ、ももいろクローバー、東京女子流、スマイレージの順でベスト3だな!

今日はNHKの当たり日だな!
午後8時から日曜美術館「ピカソを捨てた花の女」と題して、フランソワーズ・ジローが取り上げられていた。88才にして、魅力たっぷり!
「フランソワーズさん」と呼ぶ人と「ジローさん」と呼ぶ人がいて、ちょっと面白かった。

午後10時からETV特集「死刑裁判の現場〜ある検事と死刑囚の44年」
裁判員制度ってのは、言質をとるための制度だと僕は理解している。
ほんとは、一般市民の手にまかせるべきじゃないのだ。世論調査なるものをみても、こんなマスコミごときに左右されやすい人々に決めさせていいわけがない、と思える。
この番組見て感じたのだが、裁判員になって他人を裁いた市民は、土本検事のようにその後ずっと一生をかけて、判決をくだした被告に対して関わり続けるだけの覚悟と思いがあるんだろうか。実際に関わらなくても、ずっと心のどこかで、被告のことを考え、そのときの判断が妥当だったかどうか、今、被告はどうしているのかを思い続けることができるのか、ということだ。死刑じゃなくても、だ。

午後2時から、弁天町ORC200で歌姫ライブ新緑スペシャル。
僕は出遅れてスタジオDIPのダンス1回目の後半から見れた。
以下、出番順に、簡単なメモ。

スタジオDIP (1回目)
おなじみの音楽が流れると、あ、スタジオDIPだな、と結びつくようになってきた!

遠藤早希
http://ameblo.jp/sakihitomi/
1.密林少女
2.おわりのうた
聖子ちゃんにアニメ曲。アイドルの王道を歌い続ける彼女は、単なる可愛い少女じゃなくて、もうりっぱなアイドルです!

山本美優
http://ameblo.jp/xmiyuchinx/
1.カムバック
2.大声ダイヤモンド
全曲好きなAKB48にするつもりだったが、お母さんに言われて変更したとか。

楠 美香子
http://ameblo.jp/since2009musiccafe/day-20100505.html
コンテストでベストソング賞を受賞した「Part Of You」などオリジナル2曲。
ライブ後は京都に戻って大学の講義受ける。

濱田紗季
特別賞受賞の「me me she」など2曲。
ふだんは「Sugar」という名前でライブ活動しており、クラブマーキュリーで6月25日にもライブがある。

村田寛奈
http://ameblo.jp/vocaldance/
1.インフィニティ
2.北風と太陽
コンテストで特別賞を受賞したBe Your Wingsは歌わず。コンテスト後も変わらぬ日々を送ったというコメントが頼もしい。
ノドが不調だときいていたけど、歌を聞いているかぎり、何も翳りはなかった。
かつてモダンチョキチョキズでメインボーカルの濱田マリちゃんの独特の歌声を活かすために、まわりがどんなにすすめてもボイストレーニングを受けさせなかったことを思い出した。寛奈ちゃんを見ていると、なんだかこのエピソードを思い出してしまうんだなあ。

鈴木このみ
http://ameblo.jp/galapa-konomi/
1.トラヴェリング
2.プレシャス
おそらく、ORC200ヴォーカルクイーンコンテスト史上、最高の歌姫だと思う。
歌にこれだけ心を動かされる経験は、長い人生の中でかつてなかった、と言える。
ふだんのトークのときには、年令相応の少女になるところもいい。

スタジオDIP (2回目)
http://www.d-ip.info/
今度は最初からしっかりと見れた。
今やこのイベントに欠かせない存在。

CHaBaNA(平井さちな(Vo)・柴田千尋(cho)・高崎大輔(Key))
2曲。
楽器セッティングのため時間があいたのを利用して、食事とゲームをしながら聞いてしまったので、タイトルとか記せず。

CooL 2 Impact
真子1曲、真実1曲、2人で1曲。計3曲。
出番前にちらっと見たら、近寄りがたい美女のオーラが出ていた。
カノー姉妹ならぬコーノ姉妹。(失礼!)

吉村綾花withサポートダンサー
http://ayaka.vocalist.jp/
1.ゴー・マイ・ウェイ
2.キープ・マイ・ハート・シークレット
3.セイ・イエス!
ダンサー2人と歌い踊る。
彼女が今、手を伸ばせば届く場所にいること自体が奇跡のような体験なのだ。
SweetS時代の歌はライブハウスでないと聞けないのかな。

山口レイヤ
http://ameblo.jp/yamaguchi-reiya/
「あなたのキスを数えましょう」など3曲、好きな曲を選んで歌った。

山口美優
http://ameblo.jp/miumu-tanabata/
1.For You(アレンジ完成)
2.届きますように(未アレンジバージョン)
アレンジが完成して、楽曲として整ったオリジナル曲を披露してくれた。
こうなってくると、以前の仮アレンジバージョンのが妙に聞きたくなってくるから、ファンというのは勝手なものだ。

渡辺安那
オリジナル2曲。
おなじみの「アイ」は久しぶりに聞いたような気がする。
今まで気がつかなかったけど、彼女の服装見てると、友人の勝さん(テレビちちんぷいぷい)を連想させた。

宮崎真穂
http://ameblo.jp/maho-club/
1.Let it Go
2.雲は白リンゴは赤
彼女も久しぶりに見たような気がする。
ダイナミックな歌い方だった!

吉井香奈恵
http://ameblo.jp/blog-kanae/
1.君に会いたくなるから
2.Sad to Say
歌うまいね〜。
Sad to Sayという歌については、もう彼女の歌声とセットでないとニセモノのように思えてしまう。

田頭沙希
http://ameblo.jp/saki-tagashira/
トリは彼女。misiaなど2曲。
彼女の本領はもっと元気で軽身のある歌を歌うときに発揮されるのだが、僕が見るかぎりでは、最近の選曲では意識的にそういうのを避けているようにも思える。
脱皮をはかっているのか?


「ドラゴンクエストモンスターズジョーカー2」のストーリー部分をやっとのことでクリア。
ラストのバトルで1回全滅してから、再度戦いを挑むのに、不必要に時間を費やしてしまったようだ。だって、2回目の決戦ではわりとあっさり勝てたし!
クリア時間は約45時間。
ちょっとかかりすぎ。
で、これからもまだグランプリは続き、スカウトと配合、スキルアップに励む日々が続くのである。

鴨沢祐仁版画展「ちょっと、クシー君。」@workroom*A「作家とモデルさん」@CUBIC GALLERY
workroom*Aで鴨沢祐仁版画展「ちょっと、クシー君。」
ピカビアな夜などのカラフルな版画を数点展示してあった。
この展示の仕方がちょっとひねってあって、観葉植物越しに作品が見えたり、しゃがまないと見えない位置に展示してあったり。
クシー君の世界が、そうしたひょいとよそ見した場所や、簡単な屈伸運動で手に入る非日常の空間に実在していることを予感させる展示だった。
鴨沢祐仁の著作がテーブルに置いてあって、自由に読めるだけでなく、テレビ番組「Hama大国ナイト」での北原氏による鴨沢氏紹介と松野芳子によるクシー君朗読、富士急ハイランドCMでクシー君実写化した映像、オリジナルキャラクターのヒノキオが登場する檜工務店のCMなどをたっぷりと堪能させてもらった。
SHOPへなちょこではクシー君グッズの販売もあった。
キーホルダー、ミニタオル、マグカップ、メモ、ポストカード、冊子などいろいろあったが、僕は、ばんそうこうを購入。シャープペンシルもちょっと触手のびたけど。
http://www.workroom.co.jp/wr/works.html#exhibit

同じアトラスビルのCUBIC GALLERYで「作家とモデルさん」展
浅野真一、木村敏也、城田早苗、田中洋喜、柚口康二、谷敦志。
久々に谷さんの作品見たけど、大きな刺激を受けた。こういう世界にたまには訪れておかないと、浦島太郎になっちゃうな、と思った。

長谷部史親の『欧米推理小説翻訳史』を読んだ。
『翻訳の世界』に1989年から1992年に連載された部分に加筆、書き下ろしを加えたもの。
以下、目次。

アガサ・クリスティー
S・S・ヴァン・ダイン
ジョンストン・マッカレー
R・オースチン・フリーマン
ガストン・ルルー
フリーマン・ウィルス・クロフツ
フランス推理小説の怪人たち
J・S・フレッチャー
アルフレッド・マシャール
草創期の短篇作家たち
モーリス・ルブラン
エドガー・ウォーレス
ドイツ文化圏の作家たち
ディクスン・カー
G・K・チェスタトン

僕の今いちばんの興味は、綾辻ら新本格登場以前の探偵小説にある。
その振幅が強すぎて、戦前あたりの作品などが一番面白く思えてしまう状態だ。
もっとも、こういう傾向は幼い頃からずっとあったようだ。
中学の頃は偕成社のジュニア探偵小説シリーズを求めて遠くの本屋に行ったし、大学時代に選んだミステリーベスト10には、カミの名前が入っていたりした。
で、こういう本を読むと、今ではまったく流通していない作品がめちゃくちゃ面白そうに見えて困るのである。
ガストン・ルルーのルレタビーユ叢書とか(『ロシア陰謀団』『娘ナターシャ』『悪鬼の窟』『水中の密室』『都市覆滅機』)、地下鉄サムの全4冊本とか、ポンソン・デュ・テライユのロカンボール・シリーズ『遺産二千万』とか、春夢楼主人の『ジゴマ芸者』とか、フレッチャーの『謎の函』、マシャールの『鎖の環』とか、オーモニアの『暗い廊下』とか、セクストン・ブレーク譚『秘密の函』とか。
「ジゴマ」が教育上よろしくないというので、検閲が入ったことについて、作者はこう書いている。

たとえばポルノからマルチ商法に至るまで、とにかく「お上」に取り締まってもらわないかぎり収拾がつかないという日本民衆の精神構造、もしくは近代市民としての未成熟ぶりが、80年前も今も殆ど変わっていないことを示す一例と見ることもできよう。

本書が書かれた20年前から、多少状況は変わっている。
ディクスンカーの項でカーの不遇を解説した後、「今後カーの作品が新刊書店の店頭を賑わすようになるとは到底考えられない」とあるが、実際は未訳作品が次々と翻訳されていったことはご承知のとおり。
いい時代だ。
524(コニシ)ワンマンライブ@BEARS
本日のライブです。
保山ひャン企画「コニシワンマンライブ」
大阪難波ベアーズ
住所:〒556-0011
大阪市浪速区難波中3−14−5 新日本難波ビルB1
電話:06-6649-5564
地下鉄難波駅5番出口を出て、そのまま進行方向にまっすぐ、
信号3つ目を右に曲がったところにあります。
徒歩約8分。阪神高速の高架に沿って歩く感じです。
※駐車場はございません。 近隣の駐車場をご利用 下さい。
http://home.att.ne.jp/orange/bears/
開場18時 開演18時30分
前売り1500円 当日2000円(フライヤー持参または受付で「フルリレロ〜」と言うと前売り料金になります)
保山ひャン
邪王院弘
縛りやトーマス
天心和風乙女団ver.四神
アイマイなヨクボウ
丼野M美
NINJA_EXPRESS
No.305
サンセットタイガー
中田氏大百科
スープーメッセンジャー
佐伯誠之助
dark angel maria

今日は、降水確率100パーセントの日。
野外ライブだったら、伝説になりそうな感じです。
みなさん、ずぶぬれになってお越しください!

(追記)
雨はやみました!バンザ〜イ!
イベントは無事に終了しました。
上記のメンバーに加えて、めばちっ娘クラブが東京から駆け付けてくれました。
今まで、奇人変人大会とか、隠し芸大会とか、精神病院の開放治療場とかイメージのついていた僕のイベントでしたが、今回のライブをもって、いったん封印します。
僕のライブ出演は普通に継続します。
写真は天心和風乙女団ver.四神のみなさんと。

何もしない1日

2010年5月23日 日常
今日は、明日のライブに向けて、いろいろと準備。
主に、心の準備だ。
(つまり、人が見たらぼーっと遊んでるように見える。しかも実際、ぼーっと遊んでいた!)
読書はあいかわらず進まず。
録画などで、将棋やWWEプロレスなど。鋼の錬金術師は長い長いクライマックスが続く。
大相撲は横綱がひとりになって、これからずっとひとり勝ちの状態が続きそうだが、これでよかったのか、横綱審議委員会さん?
NHK-FMで「現代の音楽」
                          猿谷紀郎
                     【ゲスト】矢沢朋子
 − 矢沢朋子ピアノ・ソロから −(2)          
                              
「アンタイトルド(無題)                  
     〜ピアノとエレクトロニクスのための(2010年)」
                   ヨハン・ヨハンソン作曲
  ※世界初演                       
                       (6分43秒)
                     (ピアノ)矢沢朋子
「ラヴ・ゴッド(1996年)」   キャロリン・ヤーネル作曲
  ※世界初演                       
                       (8分08秒)
                     (ピアノ)矢沢朋子
「チャイナ・ゲーツ(中国の門)(1977年)」       
                    ジョン・アダムズ作曲
                       (4分38秒)
                     (ピアノ)矢沢朋子
「キッドA」               レディオヘッド作曲
                       (4分17秒)
                     (ピアノ)矢沢朋子
「アンタイトルド(無題)〜ピアノとエレクトロニクスのための 
     別バージョン(2010年)」ヨハン・ヨハンソン作曲
  ※世界初演                       
                       (6分00秒)
                     (ピアノ)矢沢朋子
  〜東京・杉並公会堂で収録〜               
                   <2010/2/27>
                              
「ウォーク・マン」              平石博一・作曲
                       (5分57秒)
                     (ピアノ)矢沢朋子
       <Geisha Farm MSM 60109>
レディオヘッドの曲とかやっちゃうんだ。
現代音楽というより、もっと若い感じのコンサートだった。
キャロリン・ヤーネルは永遠の25才だそうだし。
1曲だけCDからの曲があるのは、当日の演奏でトラブルがあったためらしい。

同じ時刻にNHK教育では「ハーバード白熱教室」第8回「能力主義に正義はない?」だ。
内容紹介をコピーしておくと、

アメリカの名門ハーバード大学で最も人気の授業を初公開。政治哲学を教えるサンデル教授の「JUSTICE(正義)」。今回は、分配の正義を考える。どんな原理にしたがって富や原理、機会を分配すべきなのか、ジョン・ロールズの議論を取り上げる。ロールズは、個人の成功は幸運、遺伝子、家庭環境など、恣意的な要素によるもので、それに基づく能力主義は公平ではないと主張する。2人の判事の報酬の差などを基に議論が深まる。

大学で教えていることだから、基礎の基礎なわけだが、自分の大学時代にも、白熱する面白い講義はあったので、もっとちゃんと講義受けておけばよかった、と思った。受講する科目が無いときでも、毎日大学には行ってたんだけど。(家よりも大学の方が楽しかった)
内容詳細での「2人の判事」というのは、一般の判事と、テレビ出演でギャラを稼いでいる元判事を比べている。
この「ジャスティス」の翻訳が本屋に並んでいるはずなので、番組のシリーズが終わったら、最初から読んでみるか、と考えている。
そうそう、大学の講義だと、90分が基本なのに、このハーバードでの講義は30分くらいでひと区切りついているように見える。これが、最後まで興味を途切れさせることなく、中味の詰まった講義をするポイントなのかも、と思った。

ドラゴンクエストモンスターズジョーカー2は、やっとのことで魔王の使いを配合して、ドロシーのクエストをクリアしたところ。つまり、やっとAランクのモンスターを仲間にすることが出来たのだ。
先は長い。

プロレスリング紫焔@四丁目劇場〜MUSIC PEACE PROJECT LIVE@音と料理の店『ら』
午後1時から四丁目劇場でプロレスリング紫焔のリング。
万葉からの選手なども加えて、6月の世界館大会への布石となる試合が行なわれた。
日本橋らしく、プロレスというよりは特撮ヒーローショー的試合もあった。

午後4時から「音と料理の店『ら』」にてMUSIC PEACE PROJECT LIVE
満員御礼!
出番順に。

保山ひャン
1.JUST アオアオ YOU
一種のキチガイである。

ひな
1.A HAPPY LIFE
2.プラチナ
3.action!
4.Candy Pop Sweet Heart
歌、うま〜!

栗原乃亜
1.最強○×計画
2.リブアリーズン
3.ステイウィズユー
4.スーパードライバー
観客をあたためる!

足立陸男 
1.バタフライ
2.夢光年
3.七転八起☆至上主義!
MEGA電波にも参加のギター弾き。

保山ひャン(2ステージめ)
1.3パーセンテスト
一種のボケ老人である。

みりん☆
1.初恋電子レンジ remix
2.静寂のセレナーデ
3.ちゅーんらぶ
4.アタラセカイ
ライブの模様をネットで見た人もいることと思う。
定番となった飲み物ネタも排した、熱いライブ。

TRIPLE CLICK
1.Heart on Wave
2.New Look
3.オンナのコ♡オトコのコ
4.Snowy Love
5.スイミング
6.Realize
7.Before Dawn
8.白いTOKYO
9.なんにも言わずにI LOVE YOU
10.Reality
(以下、アンコール)
11.リラックス
メンバーの1人が関節炎らしい。きっと関節ねずみって奴かな、と勝手に想像した。
ライブはそんなハンデを感じさせない楽しいステージだった。

写真はトリプルクリックの3人さんと。トリプルクリックにいただいたポップキャンディーを口に入れている。

宍戸留美成人式 ☆大阪編@天劇キネマトロン
天劇キネマトロンで「宍戸留美成人式 ☆大阪編」
台湾での撮りおろし写真(幅5メートルの巨大ルンルン)や
石田アキラ監督の20周年記念作品映像!!
なんと初公開!!!
秘蔵映像を見ながらのトークショーやミニミニライブ等
素敵な空間で素敵な夜を一緒に過ごしませんか?
歌あり♪トークあり♪朗読あり♪
勿論、宍戸留美デビュー20周年記念映画の上映あり
秘蔵映像なんかも上映予定♪
ゲスト/保山ひャン・松江慎司(acoustic guitar) ・石田アキラ ・CHAMI
と、いうわけで、参加してまいりました。
faire I’amourのPV上映後、ライブ。
1.faire I’amour
2.早く抱いて
3.たいせつな歌
「faire I’amour」はフランス語添削バージョンで、正しいフランス語での歌になっていた。今秋公開の「死刑台のエレベーター」で使われたのは元の誤ったバージョンらしい。そうそう。「死刑台のエレベーター」での北川景子と宍戸留美の邂逅というのは、セーラーマーズと、おんぷちゃんの出会いなわけだから、別な意味でも興味深いものがある。
ライブ後は、二十周年記念映画を上映。
小林有子ちゃんと染谷有香ちゃんも共演の、天劇キネマトロンを舞台にした映画。
食用人間がテーマ。
映画の後、着替えをすませた留美ちゃんがChamiちゃんを呼び込んで、女どうしのあれやこれやのトーク。
僕と石田アキラ監督、ギターの松江慎司さんも加わって、もう1本映画。
「初恋のきた道」
石田アキラ監督、宍戸留美、染谷有香、保山ひャンの出演で、即興で松江さんが音楽をつけた。これも20周年記念映画なのだが、ほんとに、これでよかったのか?特に僕の演技!
さて、その後は、宍戸留美デビューから現在までをぎゅっと凝縮した秘蔵映像上映。
作成に半年かけたという力作!
いやー、宍戸留美ちゃんって、いつまでも可愛いですね!
イベント後の打ち上げでは、おしゃべりに撮影に、と、まあ、楽しいことと言ったら。
今日は夜勤明けで、昼過ぎまで調べものがあって図書館行ってた関係で、HP(ヒットポイント)は残り少なくなっていたが、宍戸留美ちゃんは、一種のベホイミ効果があったようだ。
(最近、ずっとドラゴンクエストモンスタージョーカー2をやってるので、ついつい比喩はこうなる)


5月22日(土) 『MUSIC PEACE PROJECT LIVE』
詳細が出ました!
日時:2010年(平成22年)5月22日(土)
15:30 開場/16:00 開演
会場:大阪・東心斎橋 ≪音と料理の店 『ら』≫
大阪府大阪市中央区東心斎橋2丁目3−13 スターライトビル4F
☆大阪市営地下鉄千日前線・日本橋駅より徒歩5分
http://www.medic-web.jp/shop/s10002428/
http://mixi.jp/view_community.pl?id=4119135
TEL 080−3826−6073
入場料:¥2500 <飲食代別>
▼ゲスト
みりん☆ ≪ばーどちゅーん所属≫
http://mirin.birdtune.jp/
http://ameblo.jp/mirin-hoshi/
http://mixi.jp/view_community.pl?id=3528442
TRIPLE CLICK (アイドルユニット) ≪YU−KI・MISAKI・CHIYOMI/X−CUBIC≫
http://www3.hp-ez.com/hp/x-cubic/triple
http://mixi.jp/view_community.pl?id=3271578
ひな(腐響和音) ≪アイドル/帝国歌激団所属≫
http://mixi.jp/view_community.pl?id=4477050
moca(モカ) ≪アイドル/株式会社でんじぇる所属≫
栗原乃亜 (アイドル)
http://mixi.jp/show_friend.pl?id=16917605
http://mixi.jp/view_community.pl?id=3443259
足立陸男
http://gree.jp/adachi_rikuo/blog
保山ひャン(保山宗明玉) ≪モダンチョキチョキズ≫
http://diarynote.jp/d/49497
http://homepage3.nifty.com/hozan/
http://d.hatena.ne.jp/hozan/
http://mixi.jp/view_community.pl?id=868662

<敬称略>

※参加者募集中!!

【出演】
JOKER (ボーカリスト/帝国歌激団)
http://p1.avi.jp/jokers-bar/
http://mixi.jp/show_friend.pl?id=2427155
サルモア (ギターリスト)
http://mixi.jp/show_friend.pl?id=12842392


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22日のタイム・スケジュールです。
16:00〜16:05 保山ひャン(保山宗明玉) ≪モダンチョキチョキズ≫
16:05〜16:25 ひな(腐響和音) ≪帝国歌激団所属≫
16:25〜16:45 栗原乃亜  
16:45〜17:05 足立陸男
17:05〜17:10 保山ひャン(保山宗明玉) ≪モダンチョキチョキズ≫
17:10〜17:30 みりん☆ ≪ばーどちゅーん所属≫
17:30〜18:00 TRIPLE CLICK ≪YU−KI・MISAKI・CHIYOMI/X−CUBIC≫
18:00〜18:05 『負けないで』(ZARD)全員大合唱

芦屋から、歩いて行ける東心斎橋に変更になりました!
これは楽しみ!
あっ、僕、2回ステージがある!
北町一郎の『探偵大いに笑う』を読んだ。1958年。
ユーモアミステリー集。
陰惨な事件はないけど、人間の醜い部分から事件が発生しているものもある。
でも、多くは真相が狂言だったり、売名行為だったりして、とりかえしのつかない事態にはなっていないものが多い。犯罪を扱っているが、人情話も多くて、そういう意味では第8話みたいな、時代小説が作者の資質にはあっているんじゃないか、と思えた。
名探偵の名前は樽見樽平。第9話では「いくら語呂があうからって、樽見樽平なんて、あんな名前をつけた親の気が知れないわ」と秘書の矢木洋子が言っている。

まず、目次の順で、簡単なメモ。
第1話 マネキン刺殺事件
 ミス・ミス子/探偵樽見樽平/銀座の殺人/マダム・サユリ/アパートの声/ミス・チグサ
第2話 令嬢失踪事件
 銀座のカメラ/黒い冷たい目/令嬢失踪/華族の家/憲法と自由
第3話 樽平探偵ノート
 1、三人の秘密
 2、恋は色盲
 3、犯人はおれだ
 4、白い粉
第4話 死刑囚脱走
 垣を越える男/学生寮/婦人警察官/疑惑の女/探偵の内職/フクちゃん出張/母と子と愛
第5話 樽平探偵コント集
 1、新婚幽霊屋敷
 2、新聞広告
 3、集団見合
 4、火の舌
 5、胃痛患者
第6話 疑問の乳房
第7話 殺人株式会社
 闇に消えた女/東京探偵局/危機一髪/銀座のお俊/私はねらわれている/殺人株式会社/桃色社長/殺人/犯人はあなただ/次の縁談
第8話 恋の名月
 国のとっぱずれ/銚子で見る月/一足おそかった/竹二郎の行状/黒潮娘の恋/疑問の手紙の筆跡/今月今夜のこの月を
第9話 探偵売り出す
 ドライブコース/箱根の惨劇/ホテルの客/樽見樽平/ちょっとした手続/危機一髪/ABCの謎/冷蔵人間/裸体問答
第10話 泥棒劇場
 危機/旗あげ興行/暗雲/強盗の嫌疑/曇後晴
第11話 銀貨と宝石
 旧友/訪ねる家/キス・ミー・ショウ/銀貨うらない/ドラムの秘密

1、デザイナーとしての評判をねたんで、マネキン刺して罪をなすりつけようとする。
2、死んだはずの令嬢が歩いていた、というショッキングな話は、映画女優として売り出すための売名行為だった。
3、血なまぐさい戦闘シーンかと思いきや、実は野球の話だったり、殺人の話かと思いきや手術の話だったり。赤色が異常に好きな女性をおかしいとおもってたら、窓硝子の色でみんな赤く見えていただけだったり、逃げる犯人の包囲網かと思いきや伝染病の感染経路の話だったり、酒を作る粉と称するものを買ってしまう詐欺の話とか。
4、これはちょっと興味深い話だった。
囚人が脱走したが、まあ凶悪な囚人ならいざ知らず、模範囚もひとり脱獄していた。
なぜ、彼は脱獄したのか、というのがこの物語の謎。
真相は、その囚人は家族にひとめ会っておきたくて、脱獄したのだ。
他の脱走囚に、「今度刑法が改正になって、ギャングをやった奴は、服役中でもみんな死刑になる」と嘘の情報をふきこまれたのだ。模範囚だった彼も「どうせ殺されるんなら、逃げよう」という唆しに乗ってしまったのだ。
どうせ死刑になるんだ、と思ってしまったら、たしかに、ひとり殺すのも二人殺すのも一緒だ、という気になっちゃうのと似ているかな。
5、樽見探偵が書いた短いミステリー集。
幽霊屋敷だと思ったら、天井を這う青大将と、土管にいた食用蛙だった。
お金を受け渡しする新聞広告につられて喫茶店に集まる人々。宣伝効果。
集団見合いなるものをのぞいてみようという申し合わせが、実は見合いは自分たち。
放火は牛の小便が生石灰にあって自然発火。
胃痛が食塩水の注射でなおったと知らされた探偵。胃痛になったら「食塩水を注射してください」と乞うようになる。
6、風呂で見た娘の乳房は、男を知った女のようになっていた。職場で扱う薬品に女性ホルモンが多量に含まれていたのだ。
7、「助けて!」の悲鳴とともに行方不明になったミッちゃんを捜す綿貫堅造。
綿貫は終戦後のドサクサに倉庫を襲撃した罪で刑務所に入っていた過去がある。
殺伐とした世相(線路で轢死した上山事件など。「上山」だよ!)の中、必殺仕置人みたいな「殺人株式会社」の噂もたっていた。
犯人は倉庫を襲った綿貫のかつての仲間。
鉄道でのアリバイを主張するが、列車宛てにうった電報を受取っていないことがバレてアリバイやぶれる。
8、樽見執筆による立花右近を主人公とした「印籠右近捕物帳」からの時代推理。
横恋慕した男の偽手紙による陰謀と、バクチ仲間が身代金目当てに誘拐、軟禁した事件。
9、一本道で消えた自動車。
道をそれて断崖から落ちていた。
国際密輸団の陰謀を明かそうとしたが、罠にはまったのだ。
10、刑務所を出てよるべのない者や、家に帰れない事情のある者を預かって自力更生のきっかけを作る団体が劇団を作って、旗揚げ興行することになった。
地元のヤクザが興行権がどうの、とねじこんできたり、近くで起きた事件に劇団が関係してるんじゃないか、と思われたり。
人情話じゃありませんか!
11、宝石泥棒がレビュー楽団内にいると知って、楽団に入る。
宝石は、音の響きの悪いドラムの中にあった。
銀貨占い(インチキ)もストーリーにからんでくる。

『海底散歩者』

2010年5月17日 読書
渡辺啓助の『海底散歩者』を読んだ。1959年。
「海底散歩者」
 渡辺啓助お得意の「海底」もの。水着きた女性の描写など、非常にモダンな感じで、つい最近のアニメ「RD」などを想起した。現代的な娘みずほと成井教授2つの話が収められている。
第1話 ヴィナスと宝石
 行方不明の姉夫婦を捜す天宮みずほと、それに振り回される形で手助けする成井教授。
 沈没した英国船内で姉夫婦の死体が発見される。
 事件は、宝石類の隠匿品に絡んでいた。
第2話 女体
 ウンコ、オナラ、ゲロなどのジョーク玩具を作る男が失踪した。
 事の真相はやはり大人向けの玩具たる、精巧にできたダッチワイフに絡んでいた。

「密室」
1.雨の夜
2.白豚(ホワイトピッグ)
3.怪しいランプ
4.露台から覗く
5.警部補の解釈
6.静かなプール

雨にうたれて弱った捨て猫を傘で突いて殺すシーンから本作ははじまる。
ウヒャー!
生きてるんだか死んでるんだかあやふやな中途半端なのが嫌い、とか言う理由で。
どうせ今助けてもすぐに死んでしまうから、ここで殺してしまった方がいい、と言い訳しながら。
まあ、そのシーンが事件とどう関わってくるかは別として、強烈な印象を残した。
本作は、密室殺人が起きるが、乱歩の長編にでも出てきそうなトリックがまず推理される。
(事件の前後に運ばれたタンスの中に犯人は隠れていた、という悪魔の紋章的トリック)
ところが、真相は、スリが日常行なっているような、三味線の糸を使ってカギをあける、というきわめてミステリらしくないものだった。
一種の本格推理、密室ものへのアンチとして発想された内容になっていた。
ただ、現実に立脚しているからといって、それがミステリとして面白いかどうかと言えば話は別だ。
トリック云々よりも、子猫を平気で殺してしまうような人間を出すことで、人殺しにもリアリティーがうんと増して迫力満点。

「クムラン洞窟」
ユダの福音書、死海写本が発見されたのがクムラン洞窟。
キリスト教考古学と、贋物、という、今なら国際的な陰謀に発展する一大エンタテインメントの題材だが、さすが、渡辺啓助。一種の学園ものにおさめている。
純粋培養でキリスト教を素朴に信じ込んでいる女性教師を、「ユダは裏切り者ではない」という説をまくしたてて、ぺっちゃんこにしてしまった学生時代の思い出。
それを出発点にして、長じて起こる事件。

NHK-FMで「現代の音楽」
                          猿谷紀郎
                     【ゲスト】矢沢朋子
 − 矢沢朋子ピアノ・ソロから −(1)          
                              
「苦悩に満ちながらも晴朗な波(1976年)」        
                    ルイージ・ノーノ作曲
                      (13分55秒)
                     (ピアノ)矢沢朋子
「“夜のガスパール”から 第2曲“絞首台”(1908年)」 
                   モーリス・ラヴェル作曲
                       (6分32秒)
                     (ピアノ)矢沢朋子
「マンドラゴール(1993年)」 トリスタン・ミュライユ作曲
                       (8分15秒)
                     (ピアノ)矢沢朋子
「無常の鐘(2009年)」          権代敦彦・作曲
                       (8分18秒)
                     (ピアノ)矢沢朋子
  〜東京・杉並公会堂で収録〜               
                   <2010/2/27>

5月来週はイベントつるべうち!
21日(金)宍戸留美イベント@中崎町天劇キネマトロン
22日(土)ミュージックピースプロジェクト@芦屋
24日(月)「コニシ(524)ワンマンライブ」@BEARS
今はこれらのイベントの準備でおおわらわであります。
僕に興味ない人でもきっと楽しめますので、ぜひともご来場ください!

6月にもライブ決まってます。
とりあえず、5日の千林大宮KinPouGeは確定。
なんと、10月にも出演イベント決まってます。
また追って。
                             

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