『花の遠景』

2010年6月26日 読書
下村明の『花の遠景』を読んだ。1963年。
2つの小説が収録されている。
まず、「花の遠景」
戦争中の悪事を戦後になって復讐される、という物語。
1章 四人の患者
2章 静かな予告
3章 死を招く花
夫婦の浮気調査をするうちに、浮かび上がる罪。
ことは戦時中、特患病室に入院していた4人に端を発する。
軍医で定められた病名は1番(コレラ)、2番(赤痢)、3番(腸チフス)、4番(パラチフス)、5番(発疹チフス)から61番(病名未定)まであり、終わりの方は58番(詐病)、59番(自傷)、60番(自殺)で、特殊患者に分類されるのは、そういう類いである。詐病は仮病のことだが、ほとんどがニセ気違いで、自傷は乱歩の作品でもとりあげられた、前線で戦うのがいやで自らを傷つけて「撃たれた」とか嘘をつくのだ。
当然、こういう特殊患者はいずれは軍法会議の裁きを受ける。
事件のもとは、「どうせ軍法会議にかけられる」と、特殊患者たちが看護婦を犯してしまうところにあった。
1日違いで特殊患者たちは裁かれることもなく 終戦を迎える。
また、もうひとつ、「黒血病」の家系のことが事件に関わってくる。
黒血病がどんな病気かというと。
「黒血病を持つ若い女性は、どれほど厚化粧をしても、宿命的なその肌の色を隠せない。笑った口の中も、水死人の皮膚みたいな、くろずんだ色をしているのだ。その悲しみに耐えかねて自殺した少女の肌には、信じられぬほど鮮やかな、緑色の綺麗な死斑がみとめられた。固く閉じたその唇の隅からは、醤油のような、うすぐろい血が流れていた」
「血が黒いだけで、他には異常はない」
のであるが、女性は黒血の系統を絶ちたいために、結婚もできず、必ず避妊してこどもを作らないようにするのである。
さて。
黒血病の血筋を受け継ぐ女性は、村を飛び出し、転落して池袋で街娼をしたあげく、麻薬で頭がおかしくなって死んでしまった。
特殊患者たちに犯されて殺された看護婦の妹は、復讐のために、黒血病の転落して死んだ女性の名前をもらい、その女性として暮らし、特殊患者たちを追いつめたのである。

「消された記憶」
言った覚えのないバーのマッチがポケットに入っていた。
そのバーに行ってみると、たしかに自分がこの店に来ていた、とバーテンダーは言う。
その他、日常生活で、記憶がぽろぽろ抜け落ちていることがだんだんわかってくる。
幻覚まで見るようになってきた。
さて。
これはもう言うまでもなく、彼を神経衰弱だと思わせて、挙げ句の果てには自殺の理由にまで仕立てようとした工作だったのである。
最後の最後に真相に気づくが、それは列車から突き落とされる寸前のことだった。
彼はあえなく列車から落ちてしまうが、殺人者の衣服のボタンを1個握りしめていた。


キャサリン・ハードウィック監督の「トワイライト〜初恋〜」を見た。2008年
ハイスクールを舞台にした、少女とヴァンパイアの美青年の恋物語。
原作を読んでいないのでよくわからないのだが、なぜ彼が不死の命をもち、長年生きているのに、あえて高校生の姿をとっているのか、という理由がよくわからなかった。ヴァンパイアになってしまった年令のまま永遠に生きている、というのではなく、好きな年令の恰好でずっといることができるようなことを言っていたのだ。まあ、そのとき言った理由が何であれ、いつまでも高校生であることに対する苦悩ももらしていたので、理由が理由になっていない、とも言える。僕なら絶対にティーンエイジャーの姿で永遠に過ごすなんてまっぴらごめんだ。
映画は全体に青白いカラーで、体調不良でぼんやりしている僕には、自分の具合が悪いせいなんじゃないか、と疑ったりした。
高校生というのはそういうものなのかもしれないが、少女が相手が年寄った吸血鬼だとわかったときにでも、彼に恋心を感じる、機微がいまいちよくわからなかった。外見にごまかされているのか?しかし、見た感じも、いけすかない男なのである。と、いうか、長く生きているわりに人生から何も学んでいない、心はまんま高校生なのである。しかし、実は自分の祖父よりも昔から生きていた男だとか、そういうことは抜きにして、恋は盲目とばかりに恋してしまったのだろう。
ミステリアスなのは、ヴァンパイアではなく、女心のほうである。
このトワイライトシリーズを喜んでベストセラーにしてしまう女性の心情も不可思議千万である。

『夫婦は他人』

2010年6月25日 読書
樹下太郎の『夫婦は他人』を読んだ。1962年。
夫婦間の物語が「夫婦は他人」にまとめられ、「風俗挿話」に当時の風俗ルポ的なものにストーリーを絡めた話を集めてある。ショートショートの味わいがある。
ネタバレしかしていないので、読みたい人は、まず読んでから。

*夫婦は他人
「雪子・夫」
新聞に『雪子ゆるすすぐ帰れ 夫」の広告。
幾人かの雪子がそれぞれの事情で離れていた夫のもとに戻って行く。それが自分に宛てた広告だと信じて。
実際に広告を出した男は、殺してしまった雪子が失踪しただけと思わせるために工作をしていたのだ。

「遺書計画」
夫婦円満の手段としてこれみよがしに遺書を書く、という手を教える人。
その遺書を利用して、偽装自殺をたくらんでいたのだ。

「イヤリング」
夫婦喧嘩のあと、必ずあるイヤリングをつける妻。
夫がこっそり鑑定をたのむと、相当な価値のあるものだとわかった。
妻は誰にこのイヤリングをもらったのか、と疑う夫。
妻は説明する。
これは拾ったイヤリングで、素晴らしい宝石なので、自分のものにしてしまった。喧嘩して夫と別れても、この宝石さえあれば寂しくない、と言い聞かせるためにつけていたのだ、と。
さて、実際は、このイヤリングは夫の上司からもらったもので、妻は夫から上司へと男をのりかえようとしていたのだ。

「自殺者の兄」
浮気相手の女の兄が会社にあらわれた。
女は自殺して遺書を残しているという。
その遺書には浮気のことが細かく書いてあった。
兄はその遺書を売り付ける。
さて、実は兄とは真っ赤な偽り。女の新しい情人でふたりでたくらんで金をまきあげたのだった。

「愛のメモ」
情事の現場を夫に見られた妻。
しかし夫は、風邪をひいたといってその場で寝てしまう。
もとより、夫はとうに妻への愛情などなくしていた。
後日、情夫を夫が脅す。
遺書としても利用できる文章を情夫に書かせたのだ。
だが、その行動自体を逆手にとって、情夫は立場を逆転。

「暗い窓の女」
電灯を消した家の窓から外を眺めている女。
野外で愛をかわすカップルを見て、自分の結婚を疑い、愛情が消えていることを憂う。
一方、野外で愛をかわしていたのは、家に姑が転がり込んできたので、おちおち家の中でいちゃつくこともできなくなった夫婦だった。
暗い窓から見ている女を見て、自分たちもあんな広い家に住みたいと願っていた。
ある日、野外の男が窓の女に声をかけ、むりやり家の中に入って犯そうとするが、抵抗される。
女は、そういうアバンチュールを望んではいるが、それは、家の中で犯されることではなく、野外で犯されることにあったのだ。

「うちのひとが」
妻の寝言『駄目よ、うちのひとが』を聞いて、妻が浮気しているんじゃないか、と疑う夫。
実は、夫にプレゼントしたウィスキーの瓶の形について話した会話が頭に残っていたのだ。
妻は角瓶を選んだが、酒屋の店員が『瓶は丸くてもすごくいいウィスキーがあるんですよ』と言ったのに対して、『駄目よ、うちのひとが四角い顔をしてるのに、丸い瓶なんて喜ぶはずないわ』と返事したのだ。

*風俗挿話
「テックへ行こう」
多摩テックの会員になって、ふだんのおとなしい運転の殻を破る青年。

「ヌード・モデル」
裸の写真で脅迫

「東京夜船」
戦時中、お守りとして女性の陰毛を貰った男。
20年ぶりに会ったふたりはお守りを返し、同時に美しい思い出もこわしてしまう。
おまけに、男はすぐに事故死してしまう。
お守りの効果はあらたかだったのだ。

「サーカスの汗」
サーカス団員だった男は戦争で足を負傷した。
どうせまける戦だったのなら、その足をサーカスに捧げたかった、と思う。

「オレンジスリップ」
派手なスリップを見つけた兄は、まるでパンパンガールみたいだ、と激怒する。
妹はだれのためでもなく、自分の隠れたおしゃれとして派手なスリップを着けていたにちがいない。
妹は兄の激怒のなかに、男の獣性をかぎつけて、出て行き、しばらくして妊娠したあげく自殺した。
と、ここまでは反省する兄の推論。
私は妹の転落にもっと強烈な動機があるのではないかと推測する。
妹は兄には内緒で肌を許している相手がいたのではないか。
そして、しゃれた下着のムードに酔ってしまい、男を欲したのではないか。


『夜の巣』

2010年6月24日 読書
樹下太郎の『夜の巣』を読んだ。1962年。書き下ろし長編。
静かなバー「真珠貝」の定連、木之内覚は店の前で女性から紙包みを渡される。彼女も真珠貝の定連で、2人は名前も素性も知らないが、ただ顔を見知っている程度の間柄だった。女は耳の大きな男に追われており、とっさに木之内に包みをあずけたのだ。
木之内は家に帰って包みの中味を確かめると、なんと札束が入っていた。
1週間後に真珠貝で女に返す約束はしているが、木之内は札束を自分のものにしようという誘惑に勝てなかった。
そして、札束を預けた女が、遊園地で死体となって発見される。
「著者のことば」の中に、「私の従来の作品にはムードに流れすぎるという欠点があった。この作品では極力それを押えようとつとめたのだが、果して成功しているかどうか」と書いてある。
樹下太郎作品では夫婦といえば必ず裏切りの不安がつきまとうが、この作品も例外ではない。こんな文章があった。

青空を仰いだ。
物干竿に、さだ恵(妻)の巨大なズロースがひるがえっていた。
左登子(愛人)のパンティにはレースがついていて、刺繍がほどこされていた。

そりゃ、裏切る気にもなろうというものだ。
その他、「いないよりはまし」扱いされる女が出てきたり、浮気相手の妻に情事の現場に踏み込まれて足蹴にされたことを恨んで殺害計画をたてる女の怨念が描かれていたり、男女の愛憎がこれでもかと暴かれる。
札束の争奪戦になるのかと思いきや、意外と殺害者をはじめ、登場人物たちは札束に執着しない。金がほしくて行動したわけではない、という信念があったり、うっかり札束を取って、そこから足がつくんじゃないか、とおそれる小市民的恐怖にとらわれているのだ。
著者が言うように、ここにはとびきりの悪人が登場するのではなく、主人公たちは誰もが平凡な人たちなのだ。

樹下太郎の『目撃者なし ホワイトカラー殺人事件』を読んだ。1961年
ネタバレするので要注意。
本の裏表紙に書いてあるあらすじからまとめると、こんな話。
水品尚策はサラリーマンの生活を愛していた。
美しい新妻しのぶとともに、世間並みの、ささやかではあるが平安な人生を送ろうとひたむきな努力を続けていた。
しかし、ある日、妻しのぶが自動車にはねられたことによって、一切が狂いはじめる。
妻の傷は幸い軽くすんだが、妻はなぜそんな時刻に、そんな場所にいたのか。
理由を聞こうとしたら、妻は「十日間待って」の電話を残して姿を消してしまう。
彼女の愛は偽りだったのか?
そして彼が10日めに見たものは?
と、いうサスペンスものみたいな筋書きだが、これがまあ、面白かった。
主人公のサラリーマンが汲々と保身に走る姿は一種異様である。
合理化の波で、ムダを排除し、新しい機械やシステムを導入することに対して、主人公は恐怖を示す。字がきれいに書けることや、そろばんの能力には自信があるが、さて新システム導入の話になると、その責任者になり、まかされることを極端におそれるのだ。
絶対に失敗などせずボロを出さずにサラリーマンで在り続けることに、主人公は異様な熱情を抱いている。
あらすじだけ読むと、平穏な生活に亀裂が入ったような印象を与えるが、ことの真相が明らかになると、最初から平穏とはほど遠い、恐ろしい亀裂の上で日々を過ごしてきたことがわかる。
実は主人公は学歴を詐称してあこがれのサラリーマンになっていた。
幼な馴染みの会社員がはずみで人を殺してしまい、その死体の隠匿に手を貸したところから、その秘密をネタに、社員として雇ってもらっていたのだ。
殺された男を愛していた女は、事の真相を探るため、重要容疑者の勤める会社の一員たる主人公に接触を試み、結婚までした。主人公の妻しのぶは愛する人の行方、ひいてはだれが殺したのかを探るために主人公と交際していたのだ。
妻が10日後に夫の前に戻ってからはどんでん返しの連続で、死体がまた増えて行くことになる。本書は夫と妻がそれぞれの視点で順番に事件を描いているが、それがうまく活かされている。
樹下太郎といえば、推理小説とサラリーマン小説との区別がつかない作品を多く書いた人、という感想がよくなされるが、僕が今まで読んだ本に関しては、初期作品から読んでいるせいか、純然たる推理小説ばかりだ。

『砂の中の顔』

2010年6月22日 読書
下村明の『砂の中の顔』を読んだ。1960年。
ネタバレするので、読みたい人は、まず読んでから。
以下、目次。

捕虜の歌
野性の熊
司令部通報
死の翳
黒い手の主
手紙
復員祭
死は繰返す
消えた彼
招かぬ客
架空の情事
青い獣
白雨
火唇
落人祭
砂の中の顔
ひとつの断層
時間の詐術
天国の門
復活
夜更けの知人
死を呼ぶ仲間
疑惑の影
死者と伝票
頭文字
中と外
血の湖
花とY
仮面
平凡な終章
五瓶高彦軍曹が終戦直後から復員して帰国し、別府で職を得るまでに起こる3つの事件を描いている。事件はそれぞれ別々だが、最初の事件で無実の罪で死んだ男の身内が次の事件の容疑者になったり、最初の事件で死んだと思われていた真犯人が最後の事件で復活して、最初の事件の真相をネタにゆすられていた、とか、多少の関連はある。
まず終戦直後、中国で起こった看護婦長殺害事件。
婦長は自分が殺されるかもしれない、と不安を抱いていた。
ある兵士が味方の兵士を殺した瞬間を目撃していたのだ。
生前、婦長はその兵士の名を明かさず、わずかな手がかりは、殺害者がゴボウ剣をさげていた、ということだけ。
婦長の死体を発見した男に嫌疑がかかり、逮捕に抵抗したため、銃殺されてしまう。
真犯人は別にいたのだ。
スポーツをしていて体力もあった婦長を殺すことができたのは、その締め技から柔道の使い手と見抜かれ、ある下士官が犯人として浮かび上がる。
味方の兵士を殺したとき、この下士官はまだ昇進していなかったので、軍刀でなくゴボウ剣をさげていたのだ。

復員後、田舎で起こった「千姫」とあだなをもつ女性殺害事件。
砂丘に顔を突っ込んだ形で死体が発見された。これがタイトルの「砂の中の顔」だ。
千姫と結婚の約束をした男も殺される。
その日は落人祭で、村人はみんな頭巾をかぶって祭用の衣裳を着ていた。
発見されないと思われていた凶器は頭巾に砂をつめて鈍器にしたものだった。
また、時計を30分遅らせることで、アリバイも作っていた。
だが、なぜ二人は殺されなければならなかったのか。
実は殺された二人は、血のつながりのある兄妹だったのだ。
それを知る二人の父親が、血の悲劇を知る前に天国に送ってやろうとして、殺害したのだ。

オキシフルを注射して自殺したと思われていた男。
いつもはゼドリンやヒロポンを1日に2本打っていたが(この頃、市販の覚醒剤には他にホスピタン、アゴチン、ネオアゴチンなどあったらしい)、その中味をオキシフルにすりかえられていたのだ。
捜査をすすめるうちに浮かび上がる頭文字「T」「Y」と、さらに殺された女が残した「花」の文字。
実は、大陸で婦長を殺した犯人が今は「花房」と名乗り、パチンコ店「ヤング」を経営していた。殺された男は花房を強請っており、事件の真相を知る高彦(T)があらわれたことを告げていた。

この物語で描かれる世代は、例外なく暗い青春を送っており、それは大正末期に生を享けて、狂った時代に人生の開花期を迎えた、戦後の二十代すべての不幸であった。それを吐露した部分があるので、引用しておこう。

彼らの記憶は、楠正成のメンコや、乃木大将の絵本にはじまる。日の丸、桜、菊の花、そういった神国日本的な雰囲気に包まれて、彼らの大和魂は、申し分なく発育した。木口小平や、一太郎やーいの軍国美談に胸躍らせ、やがて、彼ら自身も壮丁となり、単発の歩兵銃を担って祖国を立った。送る者は、無事を祈る千人針を渡しながら、一方では「お国のために立派に死ね」と、わけのわからぬ歓呼を送った。
訳はわからないが、世界中が敵だということで、事実その通りだから、悲壮感はたっぷりあった。彼らは勇み立ってよその国に上陸した。こっちが泥棒であることは棚に上げ、もっぱら相手を泥棒と決め込んで、天皇陛下万才を連呼し、万国無比と称する自殺的な肉迫攻撃をいたる所で繰り返した。蚊や蠅の命より簡単に、そのたびに、無数の青春が砲火に散った。
そして生き残った青春が、丸腰の捕虜となって本国に送り還された。ここでも、新しい戦場が、彼らを待っていた。戦況は、これまでに経験したどの戦場よりも悪かった。彼らは武器も食糧も持ち合わせず、歴戦の敵を相手に、いきなり素手で闘わされる羽目になった。平和の戦場は泥んこで、彼らの敵はゲリラのように執拗だった。

マンデラの名もなき看守
ビレ・アウグスト監督の「マンデラの名もなき看守」を見た。
投獄中のネルソン・マンデラと、言葉がわかるという理由で検閲の任務を与えられ、マンデラ担当になった看守との物語。
最初は完全に白人側のものの見方だった看守が、マンデラに出会って徐々に心が変わっていく。
心は変わるんだ。
この映画は実話にもとづいているらしい。
さもなければ、こんなことは実際にはありえない、と思ってしまうくらいに、僕は人間の心の変わらなさに絶望している部分があった。
そうか。心は変わるんだ。
LABI1なんばでSTS沖縄アクターズスクールのライブ。
体調不良のため、第2部の午後4時の回だけを見る。
昨日とは曲順も違うし、レパートリーもじゃっかん違っていた。
Rinoはコールミーを歌った。
ダークチェリーの出番はなく、ボーイズ&ガールズメンバーによるクレイジーゴナクレイジーがとってかわる。
オープニングで客席うしろからステージに集まっていく演出もあった。

ハーバード白熱教室、最終回。
最終回は、結婚を議論しながら、正義と善の問題を考える。サンデル教授は「正義について議論するうえで、善や意図、目的について論じることは避けられないことであり、必要なことである」と主張する。そして、原理と具体例の間を、相互に往復しながら考えていくという道徳的論法の重要性を説く。
当たり前のことなのかもしれないが、この番組見てて感じたのは、学生たちが述べた意見をサンデル教授がわかりやすくまとめて議論をすすめていく手つきの素晴らしさだ。学生の名前をきちんと覚えているのもすごい。

「N響アワー」は下野竜也指揮による最近の定期演奏会から。
ベリオ編曲〜ベートーベン〜バーバー〜ブリテンの「B」くくりで。
ブリテンの「シンフォニア・ダ・レクイエム」はよかったなあ。

「現代の音楽」
                          猿谷紀郎
 − 東京混声合唱団 第221回定期演奏会から −(1)  
                              
「“うた”から“さくら”」      日本古謡、武満徹・作曲
                       (2分59秒)
                   (合唱)東京混声合唱団
                      (指揮)田中信昭
                              
「“うた”から“小さな空”」       武満徹・作詞/作曲
                       (4分46秒)
                   (合唱)東京混声合唱団
                      (指揮)田中信昭
                              
「“うた”から“死んだ男の残したものは”」         
               谷川俊太郎・作詞、武満徹・作曲
                       (6分24秒)
                   (合唱)東京混声合唱団
                      (指揮)田中信昭
                              
「混声合唱とピアノための組曲“Z境(ぜっきょう)”     
 (2009)から“Z境(ぜっきょう)/告解(ハジマリ)”」
              水無田気流・作詞、篠田昌伸・作曲
                       (4分33秒)
                      (ピアノ)中嶋香
                   (合唱)東京混声合唱団
                      (指揮)田中信昭
                              
「混声合唱とピアノための組曲“Z境(ぜっきょう)”     
           (2009)から“世界同時多発トロ”」
              水無田気流・作詞、篠田昌伸・作曲
                       (3分21秒)
                      (ピアノ)中嶋香
                   (合唱)東京混声合唱団
                      (指揮)田中信昭
                              
「混声合唱とピアノための組曲“Z境(ぜっきょう)”     
                  (2009)から    
       “時間凍結弾(タイム・フリーズ・ミサイル)”」
              水無田気流・作詞、篠田昌伸・作曲
                       (5分55秒)
                      (ピアノ)中嶋香
                   (合唱)東京混声合唱団
                      (指揮)田中信昭
                              
「混声合唱とピアノための組曲“Z境(ぜっきょう)”     
  (2009)から“Z境/突然変異(ミューテイション)”」
              水無田気流・作詞、篠田昌伸・作曲
                       (4分11秒)
                      (ピアノ)中嶋香
                   (合唱)東京混声合唱団
                      (指揮)田中信昭
  〜東京文化会館で収録〜                 
                   <2010/3/20>
  (カメラータ・トウキョウ提供)             


LABI1なんばでSTS沖縄アクターズスクールのライブ。
体調を考えて、第2部の午後4時の回を見る。
オープニング
ジャングルダンス
キューティーハニー
ミュージックメイクユールーズコントロール
スーパーレディ
ジュニアダンス
スムーズクリミナル
小学生メンバー
フィナーレ

RinoのCDカップリング曲が聞けたのはうれしい。

午後7時30分からなんば白鯨で「スクール水着向上委員会」
司会と、ゲーム進行などをした。
火のないところに煙をたてるようなイベントではあったが、なんとかイベントとして成立した。
第3回も行なわれるとのことで、まずは、めでたい!
The Raincoats Japan Tour 2010@FANDANGO
The Raincoats Japan Tour 2010@FANDANGO
十三ファンダンゴでThe Raincoatsの来日ライブ。
30年待ってた!という感じ。
まず少年ナイフが登場し、約1時間ライブ。
レインコーツに少年ナイフを配した、というのが、実に絶妙で、少年ナイフは「初期少年ナイフはレインコーツに大きく影響を受けていました」といって、比較的初期の曲を中心にライブしていた。
続いてはじまったレインコーツも、1曲めからレインコーツの世界どっぷりで、アンコールでも主にファーストアルバムからの曲を選んでやってくれた。
僕は「In Love」という曲が大好きなのだが、いきなりそれがはじまって、鳥肌が立った。
なぜ今まで日本によばなかったのか不思議なくらいだ。
ライブ前もライブ後も、メンバーが普通に客席におりてきてしゃべったりしていて、変にアーチストと客のあいだに境界を作ろうとしていないところも素晴らしい。

『不眠都市』

2010年6月17日 読書
樹下太郎の『不眠都市』を読んだ。1962年。
都市の物語を「周辺」「片隅」「裏街」の3つに大きくわけて描いている。

周辺
「殺害翌日」
夫のいないあいだに殺害した死体をなんとかこっそり埋めて隠そうとする女。
死体はなんと、犬だった。

「無分別」
虚栄心の強い女は不本意な相手との間に身ごもったことを隠すため、それ相応の相手をハントして、その相手と無理心中をしようとする。
すきま風を感じていた恰好の相手を見つけて心中しようとしたが、男は睡眠薬を吐き出し、眠りこける女を見て、何かおかしいと悟って、逃げてしまう。
そこにあらわれた、もともとの「不本意な相手」。女が寝ているのをいいことに同衾するが、女があらかじめセットしておいた練炭中毒の罠にかかって、女と共に死への旅へ。

「死体挿話」
ひょんなところで発見した死体が、かつての上官に似ていたことから暴露される人間関係。
発見者の妻はその上官に強姦され、そのときの子供が甥という名目で紹介されていたのだ。
発見者が甥のことをどうしても好きになれなかったのは、上官に似ていたからだった。

片隅
「夜の噴水」
妻はバリバリ働いて会社の実権を握るまでになり、仕事の疲れで夫の相手もできない。
夫の方はホステスに愛情の飢えを癒してもらおうとするが、結局はホステスも金目当てでしかなかった。
娘がチンピラと結ばれようとしているのを止めようとしても、チンピラにもすっかりなめられてしまって聞く耳もたない。
おまけに何度か命までこのチンピラに狙われていたのだ。

「嫌いな町」
いままでよりもっとましな生活をしたいと切望する女。
内職のかたわら、インスタント2号になって、別の場所に連れて行ってくれることを期待するが、男は人事異動でもう通ってこれなくなった。
女はそれでも決然とこの町から出て行くことを実行する。

「冬の人びと」
男を突き落として殺した、と女に容疑がかかった。
男はもうひとりの女とのあいだで三角関係を築いていたのだが、もうひとりの女にあっさりふられて、自殺したのだ。
女こそ本当は自分を突き落としたいのだろうな、と感じながら。

裏街
「昨夜のつづき」
拐帯の嫌疑をかけられている兄が失踪した。
兄の腕時計をはめている男を発見し、兄の生死を気遣う妹。
なんのことはない。やっぱり兄は金をくすねて隠れていただけだった。

「孤独な脚」
ビッコのため、結婚相手からも逃げられた男。
やっと相手が見つかったと思ったら、彼女は完全な娼婦だった。
『どうしたの?お兄さん、お金持ってるんでしょう。なにぐずぐずしてんのよ。あたいはビッコだからって余計もらったりしないんだよ』

「秋の雨」
渋谷に出てきて、大金入りのカバンを盗まれた男。
青年にだまされて金まで盗まれた女。
男は女を助けるが、女は再会した青年に再びだまされる。

「結婚して」
妻子もちの男性を好きになってしまった女。
ついに妻に直談判に行こうとする女。
実は結婚を迫られるのがいやで、嘘をついていた独身男性であった。

今日はSOCIOあめりか村で「電脳ピーチカフェ」に出演。
リハーサルに間に合うように家を出たつもりなのに、体調が最悪でたどりついたらかなり時間が過ぎてしまっていた。
頭も肉体も回らないなか、なんとか今の自分に出来ることをひねりだして、オープニングアクトをつとめた。
仕事があったので、ほとんど他の人のライブを見ることができなかったのが残念。
水木しげるの『屁のような人生』を読んだ。
生誕88年記念出版。
以下、目次
第1章 テーノーと呼ばれて 落第生の頃
第2章 軍隊はコッケイなところだった 二等兵の頃
第3章 金がないから散歩ばかりしていた 紙芝居の頃
第4章 ふくふくまんじゅうが生き甲斐だった 貸本漫画の頃
 幽霊一家 墓場の鬼太郎
 悪魔くん 蛙男の謎
 河童の三平(抄)
 鬼軍曹
 鬼軍曹 ちょいとスリル
第5章 奇妙な人がやけに多かった 「ガロ」の頃
 丸い輪の世界
 ハト
第6章 妖怪イソガシに追い回されて 「マガジン」「サンデー」の頃
 テレビくん
 墓場の鬼太郎 おばけナイター
 河童の三平 幽霊の手
第7章 漫画はオモチロくなければイカン 青年漫画の頃
 百点鬼 魔女花子のいじわるな一針(草稿)
 一陣の風
 イースター島奇談
第8章 妖怪サンに描かされているんです 画業60年をこえて
第9章 お化けを追いかけてシアワセになった 「怪-kwai-」とともに
第10章 幸福は80を過ぎてからです 家族とともに、妖怪とともに
 花町ケンカ大将
 落第王
 余生
参考資料 水木しげる年譜と昭和史
あとがき
(エッセイ 水木しげるの思ひで語り)
(あの頃の水木しげる 武良宗平、武良幸夫、武良布枝、桜井昌一、村澤昌夫、荒俣宏、京極夏彦、水木えつこ) 

この本の中で水木しげるは、たいていの病気はスイミンでなおる、と書いていて、僕はそれを藁にもすがるつもりで、睡眠を極力長くして、体調の復帰を待つ。            

マザー・テレサ

2010年6月14日 映画
マザー・テレサ
ファブリツィオ・コスタの「マザー・テレサ」を見た。2003年。
オリビア・ハッセー主演。
もっとも貧しい人々の中で活動するマザー・テレサ。
私は神の鉛筆です。とか言う。
こういう映画を見ると、自分の中にまだわずかに残っている善人の部分が刺激される。

「モーニング娘。の青春コレクションTV」見て、原点回帰。地下アイドルのイベントばかり見ていてマヒしてしまった感覚を取り戻す。

今日も今日とて寝込む日々。
どこがどう悪いのかというと、せき、たん、頭痛、肩こり、発熱、という程度なので、たいしたことなさそうなのに、これがもうほとんど水平生活を強いられるひどさなのである。
ふだんの4倍以上睡眠をとっているが、それがアダで頭を枕につけると、まるでその部分が寝過ぎで内出血でも起こしているように痛むのだ。体を動かすたびに激しく咳き込み、体力が削られてしまう。
と、いうわけで、今日は外出もできず、テレビとラジオだけで過ごす。

「ハーバード白熱教室」内容紹介をそのまま書くと。
アメリカの名門ハーバード大学で最も人気の授業を初公開。政治哲学を教えるサンデル教授の「JUSTICE(正義)」。今回は“われわれには集団の構成員としての義務がある”というコミュニタリアニズムの思想を取り上げる。家族や共同体に対する義務が、人間に課せられた普遍的な義務と衝突したらどうなるのだろうか? 愛国心に代表される忠誠心から生まれた義務は、正義の普遍的な原理を越えるのか、白熱の議論を展開する。
肉体は消耗しているが、頭脳はほとんど使っていないので論旨を追ったりするのには支障はない。
NHK-FMで「現代の音楽」
                          猿谷紀郎
 − 音の現在(いま)〜デーヴィッド・ラング −(2)   
                              
「ハウ・トゥ・プレイ(祈る方法)(2002)」       
                  デーヴィッド・ラング作曲
                       (9分55秒)
            (アンサンブル)リアル・クワイエット
        <NAXOS NAXOS 8.559615>
                              
「ピアスト(2007)」      デーヴィッド・ラング作曲
                      (13分51秒)
            (アンサンブル)リアル・クワイエット
(アンサンブル)ボストン・モダン・オーケストラ・プロジェクト
                    (指揮)ジル・ローズ
        <NAXOS NAXOS 8.559615>
                              
「フォー・ラヴ・イズ・ストロング(愛は強いので)      
           (2007)」デーヴィッド・ラング作曲
                      (11分20秒)
       (声楽アンサンブル)シアター・オブ・ヴォイシズ
     (声楽アンサンブル)アルス・ノヴァ・コペンハーゲン
                  (指揮)ポール・ヒリアー
   <harmonia mundi HMU 807496>
                              
「スウィート・エア(1999)」  デーヴィッド・ラング作曲
                       (8分49秒)
         (アンサンブル)センティエリ・セルヴァッジ
    <cantaloupe music CA21013>

録画しておいた第38回ローザンヌ国際バレエ・コンクールを見た。
21ヶ国85人が第二次審査に進み、この決勝に進出したのは20名。
まず、クラシックバリエーション。
アクリ瑠嘉「ラ・フィーユ・マル・ガルデ」から(音楽:ヘルデル/振付:ゴルスキー)
フランシスコ・ムンガンバ・レイナ「眠りの森の美女」から第3幕デジレ王子のバリエーション(音楽:チャイコフスキー/振付:プティバ)
アレクサンドラ・ヴァラヴァニス「コッペリア」から第1幕スワニルダのバリエーション(音楽:ドリーブ/振付:サンレオン)
ルイス・ターナー「ジゼル」から第2幕アルブレヒト王子のバリエーション(音楽:アダン/振付:コラリ、ペロー)
ギリェリメ・ドゥアルテ・デ・メネゼス「海賊」から(音楽:アダン/振付:マシリエ)
ヨ・ギヨウトウ「ラ・バヤデール」から影の王国第1ソリストのバリエーション(音楽:ミンクス/振付:プティバ)
ヴィトール・ドゥアルテ・デ・メネゼス「ラ・シルフィード」から第1幕ジェームスのソロ(音楽:シーヴェンスヨルト/振付:ブルノンヴィル)
アーロン・スミス「ドン・キホーテ」からバジルのバリエーション(音楽:ミンクス/振付:プティバ)
カイトリン・スタワラック「ライモンダ」から第1幕夢の場ライモンダのバリエーション(音楽:クラスノフ/振付:プティバ)
リョウ・タクテイ「海賊」から(音楽:アダン/振付:マシリエ)
ヨウ・エイキ「コッペリア」から第1幕スワニルダのバリエーション(音楽:ドリーブ/振付:サンレオン)
チン・チンイ「ジゼル」から第2幕アルブレヒト王子のバリエーション(音楽:アダン/振付:コラリ、ペロー)
マルチェリーノ・サンベ「ラ・フィーユ・マル・ガルデ」から(音楽:ヘルデル/振付:ゴルスキー)
木ノ内周「海賊」から(音楽:アダン/振付:マシリエ)
リョウ・ソウ「眠りの森の美女」第3幕オーロラのバリエーション(音楽:チャイコフスキー/振付:プティバ)
ジョナサン・デ・アラウジョ・バティスタ「ドン・キホーテ」からバジルのバリエーション(音楽:ミンクス/振付:プティバ)
アーロン・シャラット「眠りの森の美女」から第3幕デジレ王子のバリエーション(音楽:チャイコフスキー/振付:プティバ)
クリストファー・エヴァンズ「ラ・フィーユ・マル・ガルデ」から(音楽:ヘルデル/振付:ゴルスキー)
佐々木万璃子「ラ・バヤデール」から影の王国第3ソリストのバリエーション(音楽:ミンクス/振付:プティバ)
クリスティアン・エマヌエル・アムチャステギ「ラ・シルフィード」から第1幕ジェームスのソロ(音楽:シーヴェンスヨルト/振付:ブルノンヴィル)

つづいて、コンテンポラリーバリエーション
アクリ瑠嘉「コメディア」(音楽:ストラヴィンスキー/振付:ウィールドン)
フランシスコ・ムンガンバ・レイナ「コンティヌウム」(音楽:リゲティ/振付:ウィールドン)
アレクサンドラ・ヴァラヴァニス「ポリフォニア」(音楽:リゲティ/振付:ウィールドン)
ルイス・ターナー「リベラ・メ」(音楽:ストラヴィンスキー/振付:マーストン)
ギリェリメ・ドゥアルテ・デ・メネゼス「キャプテン・アルヴィング」(音楽:デーヴ・マリック/振付:マーストン)
ヨ・ギヨウトウ「トレーセス」(音楽:ヤン・ティルセン/振付:マーストン)
ヴィトール・ドゥアルテ・デ・メネゼス「コメディア」(音楽:ストラヴィンスキー/振付:ウィールドン)
アーロン・スミス「コンティヌウム」(音楽:リゲティ/振付:ウィールドン)
カイトリン・スタワラック「ポリフォニア」(音楽:リゲティ/振付:ウィールドン)
リョウ・タクテイ「コメディア」(音楽:ストラヴィンスキー/振付:ウィールドン)
ヨウ・エイキ「トレーセス」(音楽:ヤン・ティルセン/振付:マーストン)
チン・チンイ「コメディア」(音楽:ストラヴィンスキー/振付:ウィールドン)
マルチェリーノ・サンベ「リベラ・メ」(音楽:ストラヴィンスキー/振付:マーストン)
木ノ内周「コンティヌウム」(音楽:リゲティ/振付:ウィールドン)
リョウ・ソウ「トレーセス」(音楽:ヤン・ティルセン/振付:マーストン)
ジョナサン・デ・アラウジョ・バティスタ「リベラ・メ」(音楽:ストラヴィンスキー/振付:マーストン)
アーロン・シャラット「コメディア」(音楽:ストラヴィンスキー/振付:ウィールドン)
クリストファー・エヴァンズ「キャプテン・アルヴィング」(音楽:デーヴ・マリック/振付:マーストン)
佐々木万璃子「トレーセス」(音楽:ヤン・ティルセン/振付:マーストン)
クリスティアン・エマヌエル・アムチャステギ「カリバン」(音楽:ジュールズ・マクスウェル/振付:マーストン)

さて、受賞順に。
プロ研修賞:ルイス・ターナー(17才イギリス)
スカラシップ:クリストファー・エヴァンズ(15才アメリカ)
プロ研修賞:アーロン・シャラット(17才アメリカ)
スカラシップ:カイトリン・スタワラック(18才オーストラリア)
コンテンポラリーダンス賞:ルイス・ターナー
第3位(スカラシップ)佐々木万璃子(15才日本)
第2位(プロ研修賞):フランシスコ・ムンガンバ・レイナ(17才スペイン)
第1位(プロ研修賞):クリスティアン・エマヌエル・アムチャステギ(18才アルゼンチン)
ベストスイス賞:アレクサンドラ・ヴァラヴァニス(15才スイス)
観客賞:クリスティアン・エマヌエル・アムチャステギ

今回の特徴は、20人中、男性が14人と多かったこと、それと、受賞は逃したが中国から決勝に進んできた者が多かったこと。僕はよく知らないけど、中国のバレエ団ってのはレベル高いんじゃないだろうか。
佐々木万璃子が出演してインタビューにこたえていたが、普通に会話していると、あどけなさ満開で、いっぺんにファンになってしまった。


『乱歩の軌跡』

2010年6月12日 読書
5月末からずっと体調が悪い。
今日は銭ゲバでイベントがあったのだが、どうしても寝床から出ることが出来なかった。
のどが渇いているのに体を起こすことも出来ず、このまま死んでしまうんじゃないか、とあやぶんだほどだ。
と、いうわけで、かろうじて読み終えた本だけを書いておこう。
『乱歩の軌跡』平井隆太郎
江戸川乱歩全集の月報に連載された文章に該当する『貼雑年譜』のページや写真等を配したもの。
以下、目次。

平井隆太郎先生と「貼雑年譜」/戸川安宣
1.貼雑帖事始
2.支那密航
3.帝国少年新聞
4.オルレアンの少女
5.加藤洋行
6.鳥羽造船所
7.社内報「日和」
8.続「日和」
9.学問ノ夢
10.三人書房
11.「東京パック」編輯長
12.智的小説刊行会
13.レコード音楽会
14.日本工人倶楽部
15.「二銭銅貨」
16.初めての原稿料
17.「心理試験」朗読
18.神楽坂時代
19.筑陽館
20.閑静美室交通至便
21.身辺多事
22.終の栖
23.怪人二十面相
24.続貼雑帖
あとがきに代えて
解説/浜田雄介
江戸川乱歩自筆年譜

佐野洋の『ミステリーとの半世紀』を読んだ。
佐野洋の作品、評論はかなりの数を読んでいるはずだが、その作品数はまだまだ多い。文章がすらすらと読みやすいのは、論理の持って行き方がスムーズで面白いせいでもあろうかと思う。
以下、目次。
数学・天文学・探偵小説
隠れファン
旧制一高とミステリー
趣味は探偵小説
札幌中央署のソファー
新聞記事とミステリー
三十歳までには…
札幌で出会った短編
だらしない奴
Dノート
『銅婚式』入選
怪物・江戸川乱歩
『銅婚式』の批評
乱歩さんとのこと(一)
乱歩さんとのこと(二)
乱歩さんとのこと(三)
乱歩さんとのこと(四)
三好徹さんとの出会い
新聞社を依願退職
探偵作家クラブ
他殺クラブの発足
他殺クラブの活動
推理作家協会への改組
三好徹さんの災難
三好徹さんの戦い
「推理小説特集」の初め
協会賞受賞のころ
冷や汗二題
『虚無への供物』及び講演旅行
乱歩さんの死
乱歩さんとのやりとり
長編と短編
生島治郎さんのこと
推理作家協会賞 よもやま話
協会理事長としての松本清張さん
寄り道(小説の題材)
理事長就任のころ
原稿料問題
協会書記局の移転
ミステリーの難しさ
シリーズ小説の裏側1
シリーズ小説の裏側2
協会賞の各部門
ミステリーと映像
作家のテレビ出演
論争あれこれ
ちょっとした自慢話
森村誠一さんの怒り
夏樹静子さんの知的好奇心
都筑さんとの「名探偵論争」
事件の論評
最終回にあたって

全体として非常に面白い本だったが、なかでも、書き留めておきたいことがいくつかあったので、ここでご紹介。

(ペンネームの由来)
最初、ミステリーをもじって「御洲輝夫」を考えたが却下。
新聞社の先輩「佐藤清彦」、同期の「平野」、総局長のご長男の「洋」それぞれからとった名前「佐野洋」が出来上がった。
まるで「サノヨイヨイ」みたいだという奥さんの言葉に「いいんだよ、その方が、覚えてもらい易いから」と、言っているうちに、ひらめいたことがあった。
「それに、小説を書いていることがばれた場合に『社の用』もちゃんとするつもりでつけたペンネームだと言えるから」

(生島治郎のペンネームについて)
本名の小泉太郎「KOIZUMI TARO」にUをつけ加えて「IKUJIMA TORU」とアナグラムし、既に三好徹が「トオル」を使っていたので、名前は「JIRO」にした。

(推理作家協会賞受賞の『華麗なる醜聞』について)
題名の「華麗なる」は、本人は「華やかな」にしたかったが、編集長の伊賀氏のすすめで「華麗なる」にした。
評者の大井氏は「もっとスマートな題のつけかたはなかったかと思うね」と評した。
佐野洋の作品で、文語体の題名をつけたのは、これだけだ、とのことである。

最初に書いたように、佐野洋の本は何冊も読んでいるはずなのに、なぜかすべて忘れてしまっている。近いうちに佐野洋を集中的に読んで、なんとかザル脳にきざんでおきたい。

『夜の挨拶』

2010年6月10日 読書
樹下太郎の『夜の挨拶』を読んだ。1960年
第1章 新製品委員会
第2章 夫の会社
第3章 聴取
第4章 傾城
第5章 二人目の死
第6章 夜の挨拶

ミネハハ

2010年6月9日 映画
ミネハハ
ジャクリーン・ビセットが出てる。
「エコール」と同じ原作から作られた映画で、年令の設定などは原作にあわせてちょっと高め。
「エコール」とは違う映画とみるべきで、これはこれでドラマがしっかりしていて、楽しめた。
岡田鯱彦の『幽溟荘の殺人』を読んだ。1955年
読者へ挑戦も入ったカー的趣向満載の本格。
クライマックスでの二転三転にはもじどおり腰を抜かしそうになった。
「死者は語るか」はダイイングメッセージもので、なぜラジオは処分されたのか、などの手がかりの出し方は泡坂妻夫級。

「幽溟荘の殺人」
1.美しい阿佐緒夫人
2.幻影の恐喝
3.恐るべき陥穽
4.名探偵の定義
5.第一の犠牲
6.半開きの裏木戸
7.夫人のアリバイ
8.意外な急展回
9.殺人第二号
10.毒コーヒー事件
11.美しい死顔
12.悪魔の使い
13.生きた証人
14.動かし難い物的証拠
「死者は語るか」
1.美しい姉の死
2.夫婦の生活とは?
3.官能的な魅力
4.誰かに殺される?
5.怪しい事実
6.解剖の結果
7.探索Ⅰ小沢乙彦
8.探索Ⅱ花田實
9.探索Ⅲ飯島・佐久良・萩村
10.探索Ⅳ湯の湖の宿
11.恐るべき殺人方法
12.『手の輪』の秘密

< 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 >

 

最新の日記 一覧

<<  2025年6月  >>
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293012345

お気に入り日記の更新

日記内を検索