新青年傑作選『君らの魂を悪魔に売りつけよ』
永遠の女囚/木々高太郎
家常茶飯/佐藤春夫
変化する陳述/石浜金作
月世界の女/高木彬光
彼が殺したか/浜尾四郎
印度林檎/角田喜久雄
蔵の中/横溝正史
烙印/大下宇陀児

お嬢キャラがいたり、妻の妹を愛したり、衆道、SMなど、変態性欲がちりばめられていた。
タイトルは浜尾四郎の『彼が殺したか』からの引用。
前後を加えて引用すると、こんな文章。

生命のいらぬ人々よ
君らの魂を悪魔に売りつけよ。
生命をもって価とせよ。
しからば君らには不可能ということはなくなるであろう。
正義よ、いくたび汝の名によりて血が流されたことであろう。

浜尾四郎ここにあり、といった文章。

アリオ八尾で今日も今日とてSI☆NAと岡田唯。
午後2時からSI☆NA
1.アドベンチャードリーム(この歌、途中からニャンギラスに変わってしまうふうによく歌ってたな)
2.SI☆NAのひょっこりひょうたん島
(大喜利コーナー)
第1問「卒業式、校長からの泣ける送辞」
第2問「占いで読んだちっちゃな不幸。あ、これか、と思い当たること」
それぞれの答えは、メンバーの名誉のために、今回は書きません。
3.王子様と雪の夜
4.海へ行こう
5.ほらね春が来た(僕のユニット、ラジオカセッツでさんざん使った曲!)
6.檄!帝国華撃団(SI☆NAなのです!て言うのかっこいいなあ)

午後4時から岡田唯
1.Yeh!めっちゃホリデー
(トーク)あややのこととか、エルダーのこととか。歌手になってなかったら美容系の職業についてたかも、とか。
2.タッチ
(質疑応答コーナー)
オリジナルたこ焼きに何入れる「タクアン」
簡単に作れる料理を教えて「肉じゃが」
シュークリームのうまい食べ方「クリームを先に全部吸っちゃう」
旅行いくならどこ「外国。南国」
大阪帰ってきたら必ずすることは「妹と遊ぶ」
友だちと遊んでたらエルボー誤爆の話とか。
3.最後の夏休み

帰宅後はNHK-FMで「現代の音楽」
 − アンサンブル・コンテンポラリーα演奏会から −(2)
「ニューヨーク・カウンターポイント(1985)」
                   スティーヴ・ライヒ作曲
                      (11分56秒)
    (クラリネット、録音テープのクラリネット)鈴木 生子
                   (音響操作)有馬 純寿
「テヒリーム(1981)」      スティーヴ・ライヒ作曲
                      (33分22秒)
      (アンサンブル)アンサンブル・コンテンポラリーα
            (合唱)ヴォクスマーナから稲村麻衣子
                   〃     岩下 晶子
                   〃     辻村 倫子
                   〃     矢ヶ部直子
                   (音響操作)有馬 純寿
                   (合唱指揮)西川 竜太
                     (指揮)夏田 昌和
  〜東京・すみだトリフォニーホールで収録〜
                  <2008/12/19>
今日は朝早くから例によってテレビとラジオ三昧。
ETV特集で「キューバ革命50年の現実」

楳図かずおの『漂流教室』サンデーコミックス版全11巻を読んだ。
読んだのは実に30年ぶりか。
完全版はさらに約180ページ増量らしい。
コミックスにすると1冊分くらい。
その日の朝/ゆれた教室/おびえる目/とざされた世界/狂気をよぶパン/6年3組の挑戦/862人の墓標/死の遠出/母の願い/壁の中からの叫び/いけにえ/一枚の木の葉/新リーダー・女番長/大和小学校国の門出/せまりくる大怪虫/捨て身の挑戦/小さな強敵/勇気ある一撃/死を呼ぶ渇き/黒い斑点/狂気のペスト禍/果てしなき暴走/しのびよる死の影/時をへだてて/失われた光明/未来植物の試食/のろいの教団/巨大な目/つめたい目/暗黒の世界/滅亡の記録/母の贈り物/闇からの脱出/恐怖の糸/失われた友情/危険な執刀/女番長の遺言/死の行進/危険な天国/飢餓集団/いつわりの告白/よみがえった友情/漂流の果てに
印象深かったのは「のろいの教団」の章で、一つ目教をつくり、へび女的変貌を遂げつつある美川(よしかわ)さんが、目をあけたまま眠っていたり、音楽室でピアノ弾きながら「ヒュ〜ッ」と歌っているシーン。
それと、「危険な天国」の章で、富士大レジャーランド・天国の案内用ロボット(マリリンモンローを模している)が「どうぞ…こちらへ…」と言いながら追いかけてくるシーン。このシーンは怖くて、はじめて読んだときからずっと悪夢のように記憶にこびりついていた。
今回再読してみて、「蠅の王」とか「皆殺しの天使」とか「火星年代記」などをちらっと想起してしまい、年をくって要らぬ知識が増えた弊害を感じた。

SI☆NA、岡田唯@アリオ八尾〜Aira Mitsuki@ディスクピア日本橋、「てなもんや東海道」
アリオ八尾でハロプロ縁日。ステージイベントがあったので、見てきた。
午後2時からSI☆NA
今日はあさみが学校行事のために欠席。
1.天使達のシンフォニー
2.バレンタイン・キッス(中山メインボーカル)
大喜利コーナー(ヒアリングできていないのでご容赦!)
第1問「バレンタインにチョコレートあげたら『変なチョコだね』と言われた。さて、どんなチョコ?」
岩嶋「おにぎりチョコ」
須磨「グリコの恰好のチョコ」
中山「ケチャップチョコ」(1つめの回答が受けなかったので、後でもう一つ答えたのがこれ。最初の答えは、、、忘れた)
第2問「あいうえお作文、お題はアリオ」
中山「アリオ八尾へ りんごを買いに おいでやす」
須磨「ありったけの りっぱなハート形のチョコを おとうさんにもらった。なんでおとんやねん!」
岩嶋「熱く甘い (聞き取れず) 大きな愛で受け止めて」
大喜利のウィナーは拍手の結果、須磨に。
3.小娘ハートブレイク/須磨
4.チャンス/中山
5.硝子のキッス/岩嶋
6.赤いフリージア
ライブ終了後は握手会。

午後4時から岡田唯トークライブ。
トークライブ、と銘打っていたが、歌も歌ってくれた!
1.Yeah!めっちゃホリデイ
(トーク)石川がこわい、と言ってたことについて。美勇伝が活動休止後、3人でディズニーランド行ったりして、前よりも仲良くなった、と言ってた。
エルダーライブについて。
2.恋のバカンス
(トーク)お客さんからの質問にこたえるコーナー。
「一発ギャグ」いっこく堂の声がずれる腹話術
「秘密兵器を使った一発ギャグ」こどもがいるので、今回はスルー
「大人になったと思った瞬間」酒!ソフトドリンクが好きだけど、飲むなら、熱燗。ファンの人たちと一緒に熱燗を飲む機会でもあればいいなあ、とか言ってた。
「好きなお菓子」麩菓子など駄菓子が好き
「腹話術」さっきのとは別ネタで。
「受験生にひとこと」勝負にカツ!とお客さんも一緒にエールを送る。
3.最後の夏休み
岡田唯はこれから関西を中心に活動していく、と宣言していた。
これは楽しみ。美勇伝の中では岡田唯が一番好きだったのだ。
できれば、ちゃんと衣装着て、しっかり振付けをして歌い踊ってくれたら、めちゃくちゃうれしいのだが。
ライブ終了後は、日本橋に向かう。

午後6時からディスクピア日本橋でAira Mitsukiインストアライブ。
ダンサー2人をしたがえてのライブ。
1.Valentine STEP
2.ロボット・ハニー
3.HiGH SD スニーカー
4.サヨナラ TECHNOPOLIiS
5.distant STARS(ダンサー引っ込み、1人で歌う)
6.カラフル・トーキョー・サウンズ・NO.9
こういうテクノって口パクなのかと思いこんでいたけど、彼女のライブの場合は、そうではなく、歌声を加工していたようだ。全曲そうなのかどうかはわからないけど。
と、いうのは、後ろで立ち見だったため、ちゃんと彼女の姿を見れず、前の客の動きにあわせて、腕と肩の隙間からのぞいて見ていたからだ。
振付けでPerfumeっぽい3人の動きもあったが、今回のインストア聞いてみて、Perfumeの二番煎じとか、似ているとかいう印象はお門違いなんだな、とわかった。はっきり言って、Aira MitsukiはPerfumeよりもよかったのである。
身体が自然に動いてしまう、というのは久しぶりのことだ。

帰宅後、四大陸フィギュアスケートなどを見る。
ジャンプのミスや転倒が目立った大会だったが、惜しくも入賞を逃したUSAのキャロライン・ジャンが素晴らしかった。彼女はまだ15才でジュニア選手になるわけだが、ミスらしいミスもなく、年齢にそぐわぬ表現力、若さを感じさせる感情のほとばしりなど、見ていて一番楽しかった。

見た映画は松林宗恵監督の「てなもんや東海道」1966年。
白黒のテレビサイズで登場したあんかけの時次郎(藤田まこと)と珍念(白木みのる)。
突き飛ばされてテレビサイズの枠から飛び出してしまった珍念が、「ワイドだよ、ワイドだよ、カラーだよ」とペンタックスのコマーシャル口調でサイズを拡げて、映画がはじまる。
いくつかの見どころを並べておこう。
梓みちよが歌う「ポカンポカン」。この歌、口ずさめるくらい覚えていたので、当時のヒット曲だったのだろう。
インチキ宗教、ふらふら教のフーテン仙人は上田吉二郎。信者は寺でモンキーダンスを踊っているのだ。インチキ奇蹟のサクラで、中風をよそおった平参平が、びっこひいて膝を叩いて前をキックするお馴染みのギャグをかます。この動き、僕も普段からよくしているアクションで、久しぶりに本家本元を見れた、と感激した。
それ以外にもギャグはいっぱい。マンガトリオの「パンパカパーン、今週のハイライト」とか、伴淳三郎の「いっぱいやっか」「ウシェ〜〜〜」とか
丹下完全(五体満足)が斬られて、丹下左膳になる。さらに斬られて、丹下不完全になる。
小政(なべおさみ)がぼろ家を見て言う。「国破れて山河あり。障子やぶれて桟があり」

黒い乳房、モンスター
今日は朝からNHK-FMで現代音楽が流れていた。
「“世の終りのための四重奏曲”より
           第3楽章“鳥たちの深淵”」メシアン作曲
                       (7分49秒)
          (クラリネット)リチャード・ストルツマン
               <RCA BVCC−8899>
「ファンタズマ/カントス」          武満 徹・作曲
                      (17分32秒)
          (クラリネット)リチャード・ストルツマン
             (管弦楽)BBCウェールズ交響楽団
                     (指揮)尾高 忠明
                <BMG BVCC−676>
夜勤明けの帰路で聞いたのだが、朝から現代音楽聞くと、やっぱり、高まるな〜。

今日は懐具合と相談して、イベントに行くのを見合わせる。
日本橋、難波あたりをうろうろした後、ネットカフェでmixiメッセージに返事書いたり。(僕のしょぼいパソコンではmixiメッセージに返事を出せない)

土居通芳監督の「黒い乳房」を見た。1960年。
音楽を松村禎三が担当していた。
清く貧しく暮らしている母と娘。
この娘(池内淳子)には、夜の商売している姉(小畑絹子)がいた。
母親が交通事故で入院する。小畑は母の遺言で、小畑の父親は殺人犯で網走におり、池内の父親は大会社の社長であることを知る。
だが、小畑は自分だけがそれを聞いていたことをいいことに、我こそは社長の娘だ、と名乗って、会社に乗り込んでいく。
池内は姉から「おまえの父親は殺人犯」と言われて、相思相愛の菅原文太と別れる決心をする。もちろん、姉(小畑)の画策で、小畑は菅原文太との結婚の約束を取り付けるのだ。
実の親を取り違える話は、今から見ると、おとぎばなしっぽくて面白い。
ストーリーは、この小畑が自分だけ幸せになろうと陰謀をはりめぐらせ、人殺しまでしてのしあがろうとする軌跡を描く。
最後には、邪魔になるから、と崖から落した腐れ縁のチンピラが生きており、小畑の結婚式にびっこをひきながらあらわれ、小畑を刺し殺してしまう。
このチンピラ、結婚式に乗り込んで、「俺と一緒に行こう」と小畑を誘うのだから、小畑の態度ひとつで「卒業」にもなった話である。崖から突き落とされていながら、一緒になろうとする、このチンピラは、乱暴者ではあったが、えらい純愛ではないか。
で、タイトルの「黒い乳房」が何を意味するのかはよくわからなかったが、小畑が自分の幸せのために犯罪にまで手をそめる、その暗い意志をあらわすのだろうか。「黒い腹」ならもっとわかりやすいか。
なお、テレビで「報道ステーション」見てたら、池内淳子が出てきた。テレビガイドの歴史にからめて、「女と味噌汁」のときの池内淳子も映っていた。
今いくつなのか知らないが、若々しくてきれいなのには感心した。

パティ・ジェンキンス監督の「モンスター」を見た。2003年。
連続殺人犯をシャーリーズ・セロンが演じ、逃避行に同行した同性愛者をクリスティーナ・リッチが演じている。シャーリーズ・セロンの鬼気迫る演技には圧倒されて言葉もないが、クリスティーナ・リッチ演じる同性愛者の底の浅い心のあり方も見事に演じられていた。
タイトルの「モンスター」は殺人鬼ゆえのネーミングかな、と何も知らずに考えていたが、映画を見ると、これが大観覧車の呼称であったことがわかる。
殺人犯アイリーンが子どもの頃に、こわくて乗れなかったのが、この大観覧車だった。
クリスティーナ・リッチが遊園地「ファンワールド」に行きたい、と言い出して、2人で大観覧車に乗るシーンが出て来る。シャーリーズ・セロンは目をつぶって乗っていたな。
すごく象徴的なシーン。

NHKの芸術劇場で「パトリシア・プティボン/ソプラノ・リサイタル」
途中でコントっぽいのしたり、客席に降りていったり、変な眼鏡や付け鼻使ったり、とサービス精神満点のステージ。
アンコールでの「さくら」は、音を消して顔だけ見てたら、何を歌っているのかわからないような、口の開け方してた。こりゃまるで、音がずれてる腹話術を見ているようで、興味深かった。


仮面魔

2009年2月5日 読書
仮面魔
久米元一の『仮面魔』を読んだ。サブタイトルは「謎のランプ」
以下、目次。

石なげのめいじん
あやしい人かげ
われないホヤ
五郎の発見
あらわれた文字
壁に耳あり
美しい青年
あや子の妙案
ごくろうさま
白か?黒か?
湖のぬし
いよいよ宝さがし
ふしぎな音
ふきだす水
しまった!
五郎の活躍
外人屋敷
悪魔はどこに?
あぶない いのち
猛犬タイガー
ガスピストル
むらさき覆面の団長
黒い帽子
僕が知っているぞ
身をすててこそ
行きがけのだちん
じいやのゆくえ
兄さんきたる
おや!へんだぞ
ふしぎな暗号
忠作じいや
鬼の洞穴
糸を切るな
だれが来たか?
鍾乳洞
とびこめ!
穴ぐらの中
さあ今だ!
消えた団長
まだランプをねらっている
じいやが団長だ!
無気味な足音
じいやの逆襲
二つの指紋
ランプの謎
一郎の大失敗
とどろく銃声
釜の中のラジオ
早いもの勝ち
湖底のたから
鉄の箱
五郎の潜水
水中の格闘
無念!
もうだめか!
消えた、たから
一郎の計略
仮面をぬぐ
五郎の大発見
勝つか?負けるか?
悪魔の最期
巨万の財宝
表紙絵:伊勢良夫、さし絵:阿部和助

少年冒険ものの定番、宝さがしだ。
ランプのホヤに財宝のありかが記してあった!
その文句は、こんなふうに書いてあった。
「満月の夜、舟を湖水にうかべて、もっとも深きところへいたれ。月が中天にかかる頃、月のかげのやどれるところへ、イカリをおろせ」
ところが、この文句は、舟に穴あけて湖で邪魔者を抹殺するため、悪人たちがでっちあげた文面だった!
この悪人たちがどんな奴らかというと。
合言葉は「悪魔はどこだ?」「悪魔は、おまえの胸に!」
団長は、黒いガウンにむらさき色のビロードの覆面をつけ、目だけのぞかせた男。ナゾーみたいな感じかな?
手下には、だるまに似たダル公などがいる。はしっこい少年に対して「まるでねずみ小僧、児雷也小僧みたいだな」なんて言う。
ガスピストルを発明している。
電殺装置を持っている。黒い鉄かぶとに長い電線がついたもので、「ちょっと見ると、女が髪をちぢらせるときにつかう、パーマネントの帽子のように見えた」
などなど。
さすが久米元一、と何度もうなった。
モールス信号の暗号を使ってみたりする推理興味、ピンチに次ぐピンチ、展開の面白さ。
悪漢たちが少年の使う空手のあてみや石なげでいとも簡単にのされてしまうのも痛快。

哲学探偵

2009年2月5日 読書
哲学探偵
鯨統一郎の『哲学探偵』を読んだ。
事件を解決するのは、競馬場にいる哲学好きで短歌が趣味の男。
4話までは『小説新潮』に掲載され、残りの4話は書き下ろし。
例によって、哲学と短歌の話題でページを稼いでいるが、それほど謎やその解明に関連しているわけではない。鯨統一郎のミステリは、多くの場合、雑学本として読めばいいんじゃないか、とも思えてくる。
ネタバレしかしていないので、要注意。

第1話 世界は水からできている(タレス)
第2話 汝自身を知れ(ソクラテス)
第3話 われ思う、ゆえにわれ在り(デカルト)
第4話 人間は考える葦である(パスカル)
第5話 純粋理性を求めて(カント)
第6話 厭世主義の暴走(ショーペンハウアー)
第7話 神は死んだ(ニーチェ)
第8話 存在と時間の果てに(ハイデッガー)

1、「何もかも 世界は水からできている 哲学の始祖 タレスの主張」
グラスを置いた水滴から、興奮剤入りグラスのすりかえを見破る。
2、「誰よりも 汝自身を知った人 本を書かない 智者ソクラテス」
死人には切断したはずの指がはえていた!
双生児
3、「われ思う ゆえにわれ在りデカルトの 『方法序説』は平易な著作」
人にバッグをあずけてトイレに入って行った男が個室で殺されていた!凶器はなんとあずけたバッグの中から発見される。
被害者に変装した犯人。
4、「人間は 弱い葦だがパスカルは 考える葦だと『パンセ』で看破」
死体を341ものパーツに切り刻んだ理由は?
指つめをカモフラージュ
5、「純粋な 理性をカントは批判した 二律背反にたどりつくまで」
事故死や病死とみられていたものに、犯行声明を出す宗教家。
本当に殺した人間を目立たなくするための行動。
6、「凶暴な 意志が見果てぬ夢を追う ショーペンハウアー 厭世主義なり」
密室で撲殺されていた男。
窓の外から気功で投げ飛ばした。
7、「ニーチェ説く ルサンチマンが生み出した キリスト教は死んでいるなり」
20年ぶりにあけたタイムカプセルには生首が入っていた。今まさに殺されたばかりの生首が。
粘土。
8、「死を自覚 しても間違うときがある ハイデッガーはナチス入党」
電話アリバイ。
子機。

恋と股間

2009年2月5日 読書
恋と股間
杉作J太郎の『恋と股間』を読んだ。
若い世代に送る恋愛指南。
以下、目次。

恋愛は断られたところからすべてがはじまる。
1章 どうしたら、彼女ができますか?
本当に彼女をつくるための、はじめの第一歩
 「生涯初彼女」を得るために
 困ったら、まわりの人を仲人にする
 「出会いがない」なんて寝言です
人前で弱みを見せるスキルを磨け!
 いけしゃあしゃあとした人たち
 早めに誰かのそばへ行き、「もうおしまいだ」とつぶやいておくこと
 弱みをカミングアウトする方法
 喜びも悲しみも、抱え込むのは危険です
 ヘコむことを「恥」にしないために
セックスの極意は「思いやり」にこそある
 どうして、専門学校がないんだろう
 みっちりと、畏怖の念を叩き込む
 お互いの存在が「異界」である
 無理をしてこそ広がる世界
命がけのリラックス、過激なスローライフ
 四十を過ぎてからのウルトラC
 「お金」には名前を書く欄はない
 ローテーションでお醤油を
 彼氏になれなければ不幸なのか
2章 それは童貞の悪い癖です
見た目に自信がない場合、恋愛は何で勝負をすればいいですか?
 まず、年上の女性に可能性を見出してみる
 戦いに参加できない悔しさ
 巨人的な視野を手に入れるために
 生まれた瞬間からタイタニック号の上
 「沈む」と「出会う」、どちらが早いか
「童貞」とは、いつ捨てるべきものですか?
 それはね、一軍にあがってからです!
 調子にのってると、「悲願」は達成できません
 誰かの軒下を借りて生きているということ
 童貞に「捨て場所」はあるのか
片思いの人への、ドラマティックなアクションの起こし方
 それは、童貞の悪い癖です
 告白されて怒り出す人
彼女のメアドを聞き出す「魔法のセリフ」とは?
 アクティヴな働きかけは無意味です
 「おカネがすべて」という価値観
 意外とビッグ・チャンスな時代
 「つづきはメールで」の極意
女性に対する「メールのNG」を教えてください。
 教えましょう、「文芸メルマガ」はよしておいたほうがいい、ということを!
 さらに、「ジョーク・メール」も禁止です
 必要なことを、過不足なく
 メールでは、恋愛の階段は上がれない
 「覚悟」と「リラックス」のダブル・プレー
理想は「おもしろくて、やさしい人」。女性がそう言うたび、イラッとします。
 「さんまさん」になる勇気を持てない人間
 ネタの豊富な寿司屋をめざして
「オナニーのときに誰が思い浮かぶか」というジレンマ
 二番手、三番手が登場するわけ
 のぞみ号か、こだま号か?
 いざというときにも平常心でいるために
世間ではみんな、AVのようなセックスを謳歌しているのでしょうか?
 最低でも七割は割り引いて考えよう
 「想像力」が開拓する、秘境へのルート
 解答の出ていない参考書を片手に
 オナニーは我と我が身を救う
告白したら「友だちでいましょう」と言われた
 「友だちって何かね?」と言い返しましょう
 「友だちからはじめましょう」もナシです
プレゼント、彼氏じゃなくても受け取ってもらえるものですか?
 高価でなければ、いいんじゃないですか
3章 彼女ができても日々是修行
「コイツは小さい」と思われてしまう男の行動とは?
 彼女の携帯を見る男は、小さい
 彼女の手編みのセーターを着られない男は、小さい
 ありったけの誠実さをこめたサービス
化粧を取ったら別人でした。だまされた気分です。
 それはね、偽装工作じゃありません!
 何がレギュラーで、イレギュラーなのか
 トラブルは、起きてあたりまえです。
「何をしてもいい」と言われた場合、本当にしてもいいのはどこまでですか?
 相手はかなりなことを望んでいます
 「わからない」から必死になれること
 恋愛に「職務質問」は許されない
一緒に寝るとき、彼女に背中を向けるのは失礼?
 セックスに、小笠原流はありません
 ハードボイルド・イン・ベッド
彼女が「昔のこと」を忘れてくれません。なぜ?
 死んだはずの怪人がよみがえっている
 動物界に反旗をひるがえした営み
彼女から別れを告げられました。男が発するべき第一声とは?
 「それはないだろう!」と食い下がります
 「歯ごたえがない男」という最低の評価
 「カッコわるい」はストレスにならない
彼女の浮気を知ってしまった
 「どうしてだ!?」と、パニック感あふれる取材をしてはいけません
 画期的に困っている人を助けるシステム
 浮気する人・しない人
「ストーカー」にならないための心得とは?
 正直に、率直に伝えること
 気持ちを表現するのは怖いことではない
 自分をメインにしない、ということ
 好きだったら本当に「しかたない」のか
 心の殺傷罪を適用されますよ、もう
おわりに 女性のみなさん、ご静聴願います。
「いい男」のイメージについて、再考を促したい。
 女性の話に、かたっぱしからうなずく男
 「わかってたまるか」の大切さ
 穴があることに気がつかない
 男らしさ、女らしさという「演技」
 何ということもなく、あったりするのかもしれない

笑いながら読みすすめられるが、意外とまっとうなことを語っているのには感心した。
これなら、ちゃんと迷える若き人々を間違った道に行かないように導けるんじゃなかろうか。
僕もかなりタメになった。
ローランド・サウンド・スパーク
なんばHATCHで「ローランド・サウンド・スパーク2009」
午後6時のロバート・マルセロからステージを見た。
マルちゃんはギターうまいな〜。
デンジャーデンジャーの人。
いや〜。ロバちゃんは素晴らしい。バカテクだ。
ハードロック、ヘビーメタル!
午後7時からバカウマロックふたたび。
横関敦、三柴理、関雅夫、そうる透の四人。
横関氏のソロアルバムからと、筋肉少女帯からの曲を中心に。
セロちゃんのライブの後で「バカウマ」を名乗るのは相当度胸があると見た。
あいにくとロバちゃんのあとではさすがの超絶テクニックも多少かすんでいたが、満足の小1時間でした。特に、三柴氏のキーボードは、やりすぎでよかった。
このイベントは入場無料で、しかもドリンクまでついて、ローランドの新作さわり放題、帰りにはお土産までもらえる、という夢のようなイベントである。
音のシャワー浴びて、すっかり気持よくなって、仕事に向かった。
ハイスクール・ミュージカル2
パークスシネマで「ハイスクール・ミュージカル2」の無料上映会。
前作につづき、ケニー・オルテガ監督。
トロイ(ザック・エフロン)とガブリエラ(ヴァネッサ・ハジェンズ)のラブストーリーを中心にした続編で、今回は夏休み版。
ストーリーが単純なのは前作同様だが、前作であんなに魅力的だったガブリエラが、ありきたりの女の子になってしまっていたのには驚いた。
シャーペイ(アシュレイ・ティスデイル)の画策によりトロイが特別扱いされていることに対して、素直に喜んであげられない。自分とのデートの約束の方が、トロイの将来よりも大切なのだ。凡庸!
挙げ句の果には、シャーペイの弟ライアン(ルーカス・グラビール)と仲良くダンスするところを見せつけてみたり、やめる!とバイトやめて帰ったり。そもそも嫉妬して喧嘩するような退屈な女だったか、君は!ガブリエラ!
それに比べて、役柄上は弟にもそっぽむかれて孤立無援のいじわる女になってしまうけど、シャーペイの魅力が爆発していた。僕がトロイなら、ガブリエラみたいな平凡で取り替えのきく女でなく、「最高」のシャーペイにのりかえてるな!その前に、僕がトロイになれるわけないって?おっしゃるとおり!トホホ。
でも、トロイって、かっこいいけど、田舎者のハンサムじゃない?だとすれば、ありきたりなガブリエラとお似合いだとも言えるわけか。
最後には皆わだかまりなく一緒にダンスして楽しく仲良く終わるのは見ていてハッピーになる。現実もこうでなくっちゃ。
ディグダグで「ハンドメイドカフェ」
野中ひゆ
恩地琳子
宮崎亜美
ピノコ
miyaCo
ピノコ緊縛
手作りケーキあり。
野中ひゆちゃんがイベントをリードしていて感心した。
僕のような適当な人間には、あんなに気配りしたイベント進行は無理だ。
恩地琳子ちゃんは「トラコネ」に出てる中学生アイドル。
しっかり振付けした歌をうたってくれてこれは素敵な贈物。
もう1回歌を聞きたければ、映画のDVDを参照。
宮崎亜美ちゃんは歌とショートコント。
不思議な雰囲気をかもし出すパフォーマンスだ。
直球なのにクセ玉投げているような。
ピノコは少年少女下ネタ劇場。
miyaCoはいつもと違って素の姿で登場しているらしい。
そのぶん、親近感が出た!
ピノコ緊縛はお得。
フェティッシュイベントではなく、こういうアイドルちゃんたちが出るイベントでSMショーをやることで、非日常性が強く出た。
これは組み合わせの勝利だ。
アットホームな中にも前頭葉から前立腺まで刺激するイベントでした。

パークスシネマでケニー・オルテガ監督の「ハイスクール・ミュージカル」
バスケのエース、トロイ(ザック・エフロン)と数学の天才、ガブリエラ(ヴァネッサ・アン・ハジェンズ)の青春ストーリー。
こりゃまたわかりやすい筋立てで、面白かった。よく出来たミュージカル。
昨日見た映画「チェ」もこんなふうに、今まで殺しあってきた敵と味方がいきなり仲良くなって歌って踊ってハッピーエンドになったりしたら腰抜けるほど笑ったことだろう。「チェ」はエンドロールの音楽さえなかったし。
この上映は近々上映の劇場版に先駆けて、ディズニーチャンネルで放送されていたオリジナルムービーを無料で上映していたもので、大画面で見ると迫力もあってたいへん面白かった。客席のほとんどは若い女性だった。

野村芳太郎監督の「花嫁募集中」を見た。三木鮎郎原作。1956年。
アメリカ帰りで花嫁を募集する森繁久弥、その娘でカタコトの草笛光子、夢のテレビショーを企画する佐田啓二、その恋人でダンスのうまい有馬稲子。
森繁は財産目当てで押し寄せる花嫁候補をものともせず、昔の知り合いとゴールイン。
佐田にひかれながら、有馬のために身をひく草笛。
そんな恋模様を描きながら、みどころは、全編にちりばめられたダンスと歌のシーンだった。いろんなタイプのダンスが用意されていた。
また、森繁が夢で時代劇やら西部劇やら若きバンカラ姿だったりコスチュームプレイを見せてくれて飽きさせない娯楽が詰まっていた。
「オーミステーク」「たよりにしてまっせ」「ゲルピン」「ドクターキンゼー」などなど時代を感じさせる単語にも事欠かない。
笑ったのは冒頭のシーン。飛行機に乗っている森繁が窓から外を見て「あっ、富士山だ」と言い、富士山が映ったかと思うと、それは松竹映画のタイトルに出て来る富士山。こういう笑いはかなり斬新。

映画の日だったので、2本だけだが映画を見た。
「チェ39歳別れの手紙」
「チェ28歳の革命」
スティーヴン・ソダーバーグ監督、ベニチオ・デル・トロ主演
この順番で見たのはある意味正解だったか。
ゲバラが死んだ後で、キューバ革命の話を見たのだから、帰る道は昂揚していた。
ほとんどが山の中の話で、ぜんそくの発作もあり、見終わったときはぐったりと疲れていたが、気分は上々。
この映画のおかげでゲバラ関連の本が出たり、新訳が出ているのに気づいたりしたので、ブームが沈静した頃に読んでみるか。
お客さんはけっこう来ていたが、こういう映画でもエンドロールがはじまったらぞろぞろと出ていったり、しゃべりはじめる人がいるのには驚いた。映画の途中でトイレに行く人もけっこういたし。僕はたいてい最前列で見ているので、客の出入りが気になって仕方がないのだ。

NHK-FMで「現代の音楽」
 − アンサンブル・コンテンポラリーα演奏会から −(1)
「ペンデュラム・ミュージック(1968)」
                   スティーヴ・ライヒ作曲
                       (7分18秒)
      (アンサンブル)アンサンブル・コンテンポラリーα
「バイオリン・フェイズ(1967)」 スティーヴ・ライヒ作曲
                      (20分51秒)
   (バイオリン、録音テープでのバイオリン演奏)花田和加子
                   (音響操作)有馬 純寿
「2重にされた昔の歌(2008)」      夏田昌和・作曲
                      (14分04秒)
      (アンサンブル)アンサンブル・コンテンポラリーα
                     (指揮)夏田 昌和
  〜東京・すみだトリフォニーホールで収録〜
                  <2008/12/19>
聞きながら外を歩いていたのだが、ライヒ聞いての外出は世界が違って見えてしまうなあ。

ETVで辺見庸の番組をやってた。
カミュの『ペスト』から絶望よりもおそろしいのは絶望に慣れてしまうことだ、とかいろいろ言ってたが、講演のときに秋葉原の「K」とかイニシャルで言ってたのは、明らかにカフカから話を持っていったものと推測される。
危機が分散されていて連携を欠いていることとか、パンデミックとか、いろいろ。
秋葉原を歩く辺見庸がメイドからチラシもらっているところが、みどころ。
この番組とか、今日見た映画とかでいろいろ考えるところは多くて、とにかく簡単なところから、「デフォルト」みたいなものの言い方、それにまつわる考え方は1回水に流してなかったことにしてみたい。
次回のETVはキューバ革命についてらしい。これも必見。

あと、今日は日曜なので、あいもかわらずテレビラジオでアニメと将棋と落語。


渡り廊下走り隊@千里セルシー〜プチ古書市@天3おかげ館〜チェ・ゲバラ写真展@アートギャラリーフジハラ
渡り廊下走り隊@千里セルシー〜プチ古書市@天3おかげ館〜チェ・ゲバラ写真展@アートギャラリーフジハラ
渡り廊下走り隊@千里セルシー〜プチ古書市@天3おかげ館〜チェ・ゲバラ写真展@アートギャラリーフジハラ
午後2時から千里セルシーで渡り廊下走り隊のキャンペーンイベント。
「初恋ダッシュ」
古今東西「テンションがあがる瞬間」「言われてみたい胸キュンなせりふ」「最近ブルーになったこと」(ラブ様罰ゲームで青汁。なぜか司会のおっちゃんも青汁飲んでリアクション確保)
アンコールで「初恋ダッシュ」
あと、握手会。
味楽るミミカの歌とかやってほしかったかな。
個人的には握手会なんてなくていいので、歌をもっと聞かせてほしい。

帰りに天3おかげ館でプチ古書市。
天神橋筋商店街は古本屋が多いので、数軒のぞいてみたが、やはりさがしている本はなかった。読めればいいのでどんなボロボロでもいいのだが、なかなか見つからない。

アートギャラリーフジハラで「チェ・ゲバラ写真展」
アルベルト・コルダ、リボリオ・ノバル、オスバルド・サラスによる写真パネルと、ゲバラのドキュメンタリー映像、そして上映中の映画のスチール、関連グッズ販売など。
人が多くてびっくり。
会場に貼ってあった「ゲバラを必要とする時代は云々」の文句は非常に恥ずかしい。


ここずっと読書ばっかりなのだが、その感想はいずれ時間のあるときにまとめて。
今日はSoho Art Gallery Cafeで「エロティック展」
人造人間/genome
赤組/寺山アキラ
Creator of Art/"yuki"
ちょっと気になっていた場所だったので、寄ってみた。
入場時に、各アーチストのポストカード、写真をもらった。
エロティック展とうたっていたが、僕のような変態にはもっと過剰な方がよかった。演出とか雰囲気とか、作品数とか。
2月1日に行けばボディペインティングのパフォーマンスもあるとのことだったが、その日は別の予定があった。でも、どうせ行くなら1日に行くべきだったかな。

テレビで「20世紀少年〜もう一つの第1章〜」を放送していた。
内容に関して言えば、漫画で味わったあのワクワク感はとくになくて残念。
ただ、ナビゲーターとして生瀬さんが出ていて、その「バハハーイ」はリアルタイムで「バハハーイ」を聞いてきた者の「バハハーイ」だった。コマーシャルで聞く「ともだち」が言う「バハハーイ」はなんだか違和感があるのだ。東京の人間が生半可な大阪弁を真似したときのような違和感が。
それを考えると、「てなもんや三度笠」で南利明や藤田まこと、白木みのるが言ってた「バハハーイ」も微妙だ。香取慎吾が「おはスタ」の「おーはー」を「おっはー」と言ったのにも似た微妙さ。時代を反映しているので、間違いではないけど、本家本元では明らかにない、あるいは知らないんじゃないか、と思わせるイントネーション。
あの時代を生きていた者としては、「バハハーイ」もよく言ったけど、「ギロギロバッチーン」もよく言ってた。ケロヨンの「バハハーイ」とブーニャンの「ブ〜ニャーン」の対決とか、鮮明に覚えている。自動車が異常に速度が遅かったこととか。食べても食べても減らないケーキの話とか。(でも、確実だと思ってた記憶が意外と間違ってたりするものだ。これぞ、20世紀少年のテーマの1つでもある)

関西クィア映画祭、今日見たのは、笹谷遼平監督の「昭和聖地巡礼〜秘宝館の胎内〜」
上映前に笹谷遼平、大黒堂ミロ、寺田正廣、シモーヌ深雪によるトークがあった。
監督はまだ若い人で、あとの3人は、秘宝館世代(?)。
秘宝館が失われつつあるというなら、どこかにまた作ればいい、と思うのだが、なかなかそうはいかないのだろうか。
監督が次に興味をもっているのが、見世物小屋にストリップ(花電車とか)だというのは、たのもしい。でも、せめて10年早く生まれていてくれたらもっといろいろ見れたのに、と感じた。
僕のような世代は秘宝館も見世物小屋も、ストリップもうんざりするほど味わった世代だ。性教育らしきものは、11PMと23時ショーと手塚治虫と、百科事典と愛苑から吸収した世代だ。ちょっと遅れて永井豪とか。失われつつあるものは、失われるべくして失われると思っている。だから、そういう快楽を享受できなかった新しい世代とはちょっと感じ方が違うのだ。
さて、映画。
秘宝館とか俗にパラダイスと呼ばれる場所は、時間と金が許すかぎり見て回っていたので、懐かしさでいっぱいになった。
特に、伊勢の国際秘宝館は素晴らしい。江戸川乱歩の世界だ。
映画にはとりあげられなかったが、エイズで檻にとじこめられた男の展示は、この撮影時にはもうなかったのだろうか。馬の交尾ショーも僕が見たときよりもだいぶくたびれていた、という感じ。
しかし、よくぞ記録して残してくれました。
ただ、秘宝館を芸術扱いするスタンスは違和感があった。あれは、猥褻だから価値があるんだ、と思ってる。まあ、芸術とか学術的価値をうたわないと、そっぽ向かれる、という事情があるのかもしれない。
街で秘宝館について通行人にインタビューするシーンで、「通報するぞ」と叱る大人が出てきた。監督には、ぜひ、その男を密着取材して、彼の一代記を撮ってもらいたい。さぞや屈折と鬱屈に満ちた人生が描けるんじゃないかと推察されるのだ。

帰宅後、録画しておいた「ドキュメンタリ宣言」を見た。
「精神病棟24時」と題して大正区の精神病院がとりあげられていた。
ひとごとではないのである。
ここでもまた、こういった施設の建築に対して住民の反対があったらしい。
住民、てのは研究にあたいする対象なのかもしれない。

朝はいつもどおり、ラジオで落語関係、テレビでアニメと将棋。
昼は大相撲の千秋楽。
横綱復活おめでとう、というか、こんなに絵に描いたような、というか、見事なドラマはなかった。
琴光喜の不戦勝や千代大海のつきひざで星をひろい、ふだんの精進と実績、実力に加えて強運も味方につけたかのごとき白鵬。ここまでほとんど横綱相撲。
それに対するはひじを故障したままで久しぶりに土俵にあがり、相撲カンも戻らぬまま薄氷を踏むがごとき相撲をとっていた朝青龍。マスコミはバッシングしきり。
本場所前には朝青龍は白鵬に歯がたたなかった。
それが、場所がはじまると、朝青龍がどんどん調子をあげて、勝ち続けた。
朝青龍が14戦全勝、白鵬1敗で迎えた千秋楽、ここでも白鵬の強運が発揮される。
朝青龍の思わぬ立ち会い失敗で、白鵬は楽々勝利する。
優勝決定戦に突入だ!
と、僕は今までいったい何を書いてきたのか。はっと気づいたら新聞でも読めば全部書いてあるようなことを書いているではないか。まあ、それだけ興奮している、ってことか。

HEP HALLで第4回関西クィア映画祭
午後7時からアンドレ・シェーファー監督の「ヒストリー・オブ・ゲイシネマ」を見た。2007年。
ジョン・ウォーターズやガス・ヴァン・サントなど多くの映画関係者がゲイシネマについて語る。
「ブロークバック・マウンテン」とか「8人の女たち」「エレファント」「オルランド」「マイ・プライベート・アイダホ」「ピンク・フラミンゴ」など有名な作品も引用される。
映画で描かれるゲイと実際のゲイは違っていることとか、ガス・ヴァン・サントが「ブロークバックマウンテン」の監督候補になっていたこととか(自分がやってたらあんなにヒットしなかっただろう、と言ってた)、あと、わりと真面目な発言が多かったなかで、やはりジョン・ウォーターズが1つ1つの発言で笑かしてくれた。
映画終了後、1時間トークあり。これも楽しかった。
山田創平、沢田眉香子、寺田正廣、シモーヌ深雪
上映作品にとりあげられた映画以外の話や、それぞれのパネラーとゲイシネマの関わり、日本におけるゲイシネマ受容の歴史など。
映画におけるジョン・ウォーターズの役回りはシモーヌがになっていたようだ。
シモーヌの発言はいちいち正鵠を射ていて、あるいは正直で、しかもとぼけていて面白い。この日のいでたちも異様ですごかった。

録音しておいたNHK-FM「現代の音楽」を帰宅後に聞いた。
                    【ゲスト】伊左治 直
 − 日本の作曲家・伊左治直 −(2)
「機械の島の旅(夜明け)(2004)」    伊左治直・作曲
                       (9分50秒)
              (モダン・チェンバロ)大井 浩明
「墜落舞踏綺想曲(1997/2002)」   伊左治直・作曲
                       (5分41秒)
                   (フルート)織田なおみ
                    (チェロ)北口 大輔
                    (ピアノ)中川 賢一
            <fontec FOCD−2565>
「活劇サイレント(2003)」        伊左治直・作曲
                       (6分21秒)
            (吹奏楽)高岡市立伏木中学校吹奏楽部
                     (指揮)木越 俊一
              <fontec FWJ−244>
「南蛮回路(2001)」           伊左治直・作曲
                       (9分03秒)
(吹奏楽)東京音楽大学シンフォニック・ウインド・アンサンブル
                     (指揮)汐澤 安彦
「伯剌西爾音頭(2001)」         伊左治直・作曲
                       (3分50秒)
                 (トランペット)曽我部清典
                    (ピアノ)中川 俊郎
       <ALM RECORDS ALCD−3057>

上方演芸ホールで「猫の皿」三遊亭王楽、「二十四孝」桂文珍
そうそう。体調は最悪。粥とうどんでかろうじてカロリーを保つ。


体調はおおむね回復した。
ただ、ときどきギュ〜〜〜〜〜とがまんできないほどの腹痛が走るので、油断はできない。食事は粥で。トイレに行っても、出すものはもう何もない。いや、それどころではなく、血が便器が真っ赤になるくらい出るのは何故だ。痔になったのか?
とにかく、おなかが痛くなるたびにトイレに行っていてはきりがないし、行っても血を吹き出すだけでいいことは一つもない。極力トイレには行かないことにする。

と、いうことで、午後2時からはワッハホールで島之内寄席。
雑俳/林家笑丸
奥野君の選挙/桂三金
替り目/笑福亭瓶太
狼講釈/露の新治
仲入
野ざらし/桂坊枝
不動坊/桂きん枝
「替り目」は関東だきを買いに行くまで。
「野ざらし」は骨を釣るまで。
「不動坊」は前半をはしょって、風呂屋のくだりは無し。
時間の関係であろうが、完全な形では聞けなかったのはちょっと残念。特に、「不動坊」の風呂屋のくだりは面白いので、聞きたかったな。

午後5時からディスクピア日本橋でBRIGHTのインストアイベント。
1.Theme of BRIGHT
2.So Long,Too Late
3.Watch Out
4.My Darling
5.I’ll Be There
ハーモニーもさることながら、感心するのは、ダンスだ。
だいたい僕は、歌のうまさは二の次で、ダンスとかステージパフォーマンスの見せ方に価値を見いだすタチのようだ。

いったん帰宅し、大相撲観戦。
以前、お笑いの実況のおっちゃんに朝青竜と呼ばれてから、僕は朝青竜のファンになっている。
今場所の朝青竜が全勝で突っ走っているのは非常にうれしい。
それにつけても、マスコミの朝青竜への態度の冷たさといったらどうだ。
今朝の読売の朝刊でも、朝青竜が勝ち続けていて、増長してる、的な記事が書いてあった。調子にのってる、と。誰かこの横綱をつぶせ、と言わんばかりの。まったくひどいものだ。故障をおして出てきた横綱に対して何か穴を見つけておとしめることしか考えていない。最低である。文句があるなら、土俵の上でつけろ。

午後7時からSOCIOアメリカ村で「SUN & COWS」
Strawberry Party、東京ピーチ、アリスセイラー、The Sun
腹痛のため、立って踊ったりできなかったが、楽しいライブだった。
昨日から、安井くんと、昔の関西ロックシーンの話を掘り起こしていて、いっぱい懐かしい名前が出てきたり、忘れていたことを思い出したりして、面白い。30年前から毎日のようにライブ見に行ってたことが、そのときの感動とともにぶりかえしてくる。(甦る、という感じじゃない、明らかに病的なのでぶりかえすのだ)

午後7時からなんばハッチでデヴィッド・バーンのライブ。
全席自由だったので、ギリギリに行ったけど、かなり前の方の席で1つポツリと開いているところを見つけて観戦。
イーノとコラボレーションで出したニューアルバムが中心になるだろう、と思っていたが、トーキングヘッズの曲もかなり多かった。ライブの最初にD・バーン自身が、日本のファンのためにトーキングヘッズ時代の曲もやる、と言って、会場は沸いたが、予想以上にトーキングヘッズ曲が多くてびっくりした。まるで、「リメインインライト」が出た後のライブだと言っても信じられるほど。
デヴィッド・バーンの頭髪はすっかり真っ白になっていたが、それだけではない。衣装が真っ白だった。メンバーも白づくめで、逆に考えると、この衣装にするために、髪の毛を脱色したんじゃないか、と思わせるほどだった。
アンコールは3回もあり、アンコールの定番「テイク・ミー・トゥ・ザ・リバー」をやってくれたときは、あいかわらずだなあ、とうれしくなった。(この曲自体は僕はあんまり好きじゃないけど)
ライブのみどころはなんといっても、ダンスにあった。
バンドやコーラス以外に、3人のコンテンポラリーダンサーが曲に応じて現れ、メンバーもダンスに参加したりする。これが、いい。すぐにでもコピーしてふだん踊りたいほどのダンスだった。
最後のアンコールで登場したD・バーン他メンバーは、全員がなぜかスカートをはいている。なぜ?いや、ただ面白いから!
いや〜、いいライブでした。
デヴィッド・バーンはちっとも枯れてなくて、若々しかったし。衰えはみじんも感じさせなかった。刺激的でした。

さて、昨日の午後から今朝にかけて、体調がひどくて弱った。
下痢がはげしく、悪寒が走り、全身の神経が剥き出しになったかのような痛み。
おなかがギュ〜ッとつかまれるように痛くて、声も出ない。
仕事終わりで帰宅する際も、ふだんなら10分で歩けるところを30分もかけてノロノロヨロヨロ歩いた。
帰宅時の体調ではとうていライブになど行けそうにもなかったが、家で4時間ほど寝込んでから、無理やりライブに出かけた。
すると、どうだ。
ライブ後には普通の速度で歩けるくらいには回復していたのだ。
軽症だった、ということか。
音楽には癒し効果がある、ということか。
こんなことなら、寝込んだりせず、音楽でも聞いて過ごしておけばよかった。
今日の朝刊で、二上洋一氏の訃報を知った。
追悼の意味もこめて、今日読んだのは、二上洋一氏編集による本より
大下宇陀児の「ダイヤの行方」(「幼年倶楽部」昭和7年7月〜12月)
青い封をした葡萄酒に隠されたダイヤモンドを狙う白いあごひげの老人と、めっかちの男。
本来の持ち主のもとにダイヤを戻そうとして活躍する少年。
別々の持ち主がもつ5本の葡萄酒のうち、どれにダイヤが隠されているのであろう。

[小見出し]
赤いがま口
大格闘
黄色い紙きれ
五本の葡萄酒
かわいい伝書鳩
冒険のはじまり
第一のびん
二人の男
地下室の足音
第二のびん
ふしぎな自動車
第四のびん
あやしい給仕人
第五のびん
第三のびん
鳩の手紙
大洋丸追跡
輝くダイヤモンド

言わずとしれたホームズもののアイディアで、以前読んだ「赤いレッテル」も同趣向だった。この「ダイヤの行方」では、悪党たちが使っていた伝書鳩までが、少年のところで助けられる、とことんハッピーエンドになっている。
なお、この作品は三一書房の『少年小説大系 第27巻』で読み、沖積舎の『少年小説傑作選』でも読んでみた。沖積舎の方は旧かなづかいで書かれている。二上洋一氏はそれぞれ別個の解説を書かれている。
ウォルター・サレス監督の「モーターサイクルダイアリーズ」を見た。2003年。
ゲバラの若き日の南米旅行の日記を映画化した作品。
ゲバラはガエル・ガルシア・ベルナル、旅に同行したアルベルト・グラナードはロドリゴ・デ・ラ・セルナ(本人がラストに出て来る)、恋人のチチーナはミア・マエストロ。
内容については説明不要だろう。
何か詩の一節を引用すれば、ロルカかそうでなければネルーダだろう、とあたりをつけられるシーンが愉快だった。
また、ゲバラがぜんそくで苦しむシーンには見ているこっちまで息がつまった。
まあ、旅であんな過酷な体験を見聞きすれば、なんとかしなくちゃ、とも思うだろうな、と納得できる。
個人的には、僕が作詞した歌に出て来る「マンボタンゴ」の由来が映像として見れたのが楽しかった。ダンスが得意でないゲバラが、かつて踊ったことがある曲だとだまされて、マンボの曲でタンゴを踊ろうとするのだ。

ジョン・ブアマン監督の「テーラー・オブ・パナマ」を見た。2001年。ル・カレ原作。
これも中南米の話。
パナマ運河をめぐる架空の話で国際的な大騒動に!
ピアーズ・ブロスナン、ジェイミー・リー・カーティス、ジェフリー・ラッシュ他、仕立て屋の行動につっこみをいれる役でハロルド・ピンターが出ている。ハリー・ポッターの子ども時代も。主役のピアーズ・ブロスナンはMI6の諜報員という役どころだが、女とみると口説くのだけがボンド風で、こっちは不良で悪役なのである。
ラストは狂躁的なカサブランカ、というテイスト。
架空のレジスタンスのリーダーにでっちあげられたアル中の男がよく口にするのが、ゲバラの「男なら自分の足で立て。決してひざまずくな」だった。
シリアスなシーンとコミカルなシーンが不思議なまじりあいをしていて、未読の原作がどんなだったか、確かめたくなってきた。

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