DVD メディアファクトリー 2006/06/23 ¥9,240
午後1時30分から、ヤマダ電機LABIゲートで「Candy Pop Beat」
石川なな
1.桃色片想い
2.ストロベリーメロディ〜ブリリアントドリーム
3.空色デイズ
4.HAPPY
あやや〜しょこたん〜久住、というラインナップは、アイドルとしてはお手本のような選曲だ。アニメの主題歌になっている曲もまじえているし。
今日、ななちゃん見てて、高橋愛に似ているかな、と思った。
のどが弱い、ということで、給水タイム(相方、と言ってたかな)あり。
のどが弱くて、途中で給水する、というのを逆に売りにする方法もあるな、と考えた。
もう歌えない、とうずくまるななちゃんに、給水隊があらわれて救出する、みたいな。(JBみたいな感じ)

香里
1.七色の明日
2.恋のつぼみ
3.タイヨウのウタ
4.雪星
歌が安定してきた、と思う。

AYA
1.チェリー
2.ハロー、アゲイン
3.OK
4.クローバー
5.ツキアカリ・シークレット
特徴のあるボーカリスト出現後、その歌唱法が物真似というレベルでなく、1つのパターンというかジャンルとして定着してしまうことがある。デヴィッド・ボウイとかミック・ジャガーとかブライアン・フェリーとかプレスリーとか氷室とか。YUKIの歌唱もその1つに数えられ、AYAはその流れを受け継ぐ1人なのだと思う。「脱ユキ」をめざすのでなく、今のままの路線で自分の歌いたいことを思いっきり歌った方が、AYAちゃんにはいいんだろうな、と思う。

White White
1.明日に向かってレッツゴー
2.TOKIO
3.年下の男の子
4.LLファンタジー
ホワホワ出てきたときに、「あっ、ポンポン持ってくればよかった!」と思った。
以前、制服向上委員会のライブ見に行ったときに、どう見てもモップにしか見えないくたびれたポンポン持って踊る中年ファンを見た。ホワホワのポンポンは、なんといきいきとして、たわわに実っていたことか!

appeal
1.やっぱ好きやねん
2.スタート
3.サバイバルダンス
4.ラブ&スマイル
5.チュ
6.サンシャイン
客とのコミュニケーションのとりかたも堂にいったもので、アマチュアの大会にプロがゲストで出て来たと思わせるほどの、スキルの差を感じさせた。
素晴らしい。

cara’t
1.ダンス
2.アイ・ウィル
3.マイ・ハート・ゴーズ・アウェイ
4.プレシャス・デイ
5.フライ・ハイ
(アンコール)
6.フライ・ハイ
自己紹介は、マクドナルドのすきな3点セットを報告しながら。
アリナ(てりやきバーガー、サラダ、ファンタ)、チナミ(ダブルチーズバーガー、ポテト、コーラ)、アツキ(チーズバーガー、ナゲットマスタードソース、バニラシェイクS)
勝手にビリーズブートキャンプ、モキュモキュエクササイズなどのネタも。

Mary Angel
1.会いたかった
2.リアリティー
3.ムービンオン
4.ミラーボールナイト
5.エンジェルウィング
(アンコール)
6.ビンゴ
(Wアンコール)
7.めぐる恋の季節
メアリーエンジェル最強。
穴を見つけるのが難しいほど、完璧。
本人たちがアイドルであることに飽きないかぎり、No1の座はゆるがないものと思われる。

物販はどこも人がいっぱいで、参加せずに帰宅。
昨日のFANJのときは、おそれおおくも涼子ちゃんママが僕のリュックの番をしてくれて、物販に参加したのだが、今回は、長蛇の列にめげた。
そうそう。ライブ中に、たまたまヤマダ電機に買物に来ていたブービーちゃんに声をかけられた。可愛さは健在だが、とっくに人の妻である。

帰宅後、NHK-FM「現代の音楽」これを聞くために早めに帰ったのである。
 − アンサンブル・ノマド創立10周年記念演奏会 −(1)
「タンブラー」          アレハンドロ・ビニャオ作曲
                      (16分50秒)
                   (マリンバ)宮本 典子
                  (バイオリン)甲斐 史子
「メモ〜バイオリンとカセット・レコーダーのための〜」
              ミシェル・ヴァン・デル・アー作曲
                      (10分50秒)
   (バイオリン独奏、カセット・レコーダー操作)野口千代光
「 木 」             ルイ・アンドリーセン作曲
                      (13分00秒)
            (テナー・サクソフォーン)菊地 秀夫
                   (マリンバ)宮本 典子
                    (ギター)佐藤 紀雄
                    (ピアノ)稲垣  聡
  〜東京オペラシティ・リサイタルホールで収録〜
                   <2007/10/4>
ルイ・アンドリーセンの「木」にはたまげた。ずれをそのまま音楽にしてしまう。これに歌詞をつけて、モーニング娘。の新曲として発表したら、モーニング娘。は世界に名を轟かせるだろう。この曲にどんなオタ芸が打たれるのかが、みものだ。
テレビでN響アワー見る。
「ブロムシュテット 円熟のシベリウス」と題して、インタビューもまじえて、2曲。
「交響詩“四つの伝説”作品22から トゥオネラの白鳥」   
「交響曲 第2番 ニ長調 作品43」
インタビューで、ブロムシュテットが、シベリウスは音を色として感覚していた、と言っていた。共感覚ってやつだ。
どこかでこの話題聞いたな、と思ってたら、先週の「現代の音楽」でメシアンがまさにその共感覚の持ち主だということを解説されていたのだった。
他にも共感覚の持ち主はナボコフ、スクリャービン、ランボー、ムンク、カンディンスキー、リムスキー=コルサコフなどがいるらしい。シベリウスがそうだ、というのは知らなかった。

見たビデオは杉山慶一監督の「銀色の髪のアギト」2006年
崩壊後の世界が舞台。この世界では森が人間を襲う。
崩壊前の時代から眠り続けていた少女が目覚め、世界を元に戻そうとする。
世界をリセットして、生態系を元に戻す装置が存在したのだ。
いかにもアニメなストーリーで、懐かしさも感じる。ああ、昔、こんな名作アニメ、見たな〜と。そのデジャブのような感覚は、以前、ドラゴンクエストが大ヒットした後に、雨後の筍のようにRPGが続々と発売されたときのことを思い出させる。似たような設定で似たような話だけど、こういうのが好きなんだから、しかたない!という感じ。つまりは、よく出来た同人作品のような印象なのだ。懐かしいアルバムをひらくような楽しさがあり、こういう路線でGONZOには「あるあるアニメ」をシリーズで作っていってもらいたい、と思う。
ペロキャンファイナルライブ「スマイル:)」〜Girls Panic
vijonでペロペロキャンディーズファイナルライブ「スマイル:)」
このライブをもって、1年半にわたるペロキャンの活動はピリオドを打つ。
最初に見たのは信長書店店頭でのキャンペーン(ライブなし)だった。メイド喫茶などを巡回したようだが、僕が見たのは、この信長書店前の分だけ。5人がオレンジの衣装であらわれたあの日、単独ライブで大勢の人に惜しまれながら解散した今日。2つの光景が頭のなかで交互にうかんでくる。
ステージにあらわれたメンバーは、久々に4人そろった。オレンジの衣装。
1.スマイル:)
自己紹介。この1年半で成長したところを報告しながら。かな「自分の意見を言えるようになった」あかり「ダンスが好きになった」あゆ「1人で何でもできるようになった」あすぴ「涙づよくなった」(涙もろい、の反対語らしい)
2.あんぶれら
3.キラキラ/白桃娘
4.大嫌いの反対/白桃娘
5.ピーチ/あゆ
6.桜チラリ/オチビーズ(制服)
7.スカートひらり/オチビーズ
映像1周年記念ライブ。あゆ子が出て来てクイズ。スマイル:)のときのせりふ「行きますよー」は、1周年ライブでは、あすぴとカナ吉が言葉を変えて言っていた。さて、どんなふうに?答えは。あすぴ「1歳になりました」カナ吉「バブー」
4人揃ったところで後半戦。衣装はシルバー。
8.Pa-La-La
9.ねぇ、わかんない?
以下、アンコール
10.ズッコケ男道
11.スマイル:)
ライブ後の物販は、メンバーとのおしゃべりは1分の制限時間つき。
今後もなんらかの形でアイドルとして活動してくれるのだろうか。
ユニット名からして、イロモノっぽいアイドルなのかな、と最初思っていたが、実際にはオリジナル中心にライブを展開するところや、衣装、グッズ、定期的なライブなど、関西のアイドル界を牽引してきた、まぎれもない正統派アイドルだった。
昨年後半から、今年にかけて、関西アイドルは1つのピークを迎えているんじゃないか、と考えていた。アイドルのライブの多さと、そのライブ料金が、たぶん頂点を記録したんじゃないか、と。
関西のアイドル界をひっぱってきた双璧は、このペロキャンと、今月をもって解散するH@chiにちがいない。この2つのユニットが、奇しくも同じ時期に解散することに、新しい時代の到来を感じてしまう。関西のアイドル層の厚さをこの2つのユニットが用意し、去ったあとは、それぞれが最強をイメージさせる群雄割拠の戦国時代がやってくるのだ。

FANJでGirls Panic〜IDOL〜今回は7組登場。
いつも思うことだが、FANJの客席はとても暗くて、メモをとるのがたいへんだ。セットリストとか、あとで読んでも何を書いてあるのかわからないことが多々ある。と、いうことで、判読できた分だけを書き残しておこう。

山口満里奈
1.(不明)
2. プラネタリウム
3.ボーイフレンド
4.ふたつ星
5.マイフレンド
前髪を切り過ぎた、と言う。登山で帽子をかぶらねばならず、目にかかるので切った結果らしい。
ミューズのときももちろん素晴らしかったが、今、ソロで歌っているのを聞いていると、とても自然で、マリナは本来、こういうスタンスで歌に取り組んで行くのが、ベストなんじゃないか、と思った。なにを隠そう、STSの中で誰が一番好きなのか、と言えば、ミューズ解散まで常にマリナだった。キュートな顔だちと、天使の歌声は、今も健在どころかパワーアップされていて「健全すぎる」というくらいのマイナス点しか見出せない。
物販でカレンダーを購入。

Yesss!
1.メドレー(WINKからディザイアー、なんてったってアイドル、フレンズなど。ボーカルでコトミちゃんが参加)
2.もってけセーラー服(ダンス)
3.愛の意味を教えて(新レパートリー)
4.夏の扉
Yesss!の自由さと気さくなところは驚異的だ。物販のときのおしゃべりでも、ついつい友達としゃべるときと全く同じ調子でしゃべってしまいそうになる。ライブ会場だけで会って、しゃべっているなんて事実が信じられないほどの親近感を持っている。
物販でチェキを撮った。
この日は、関東からアイドルオタクが見に来ていたようで、Yesss!あたりから「ライブインマジックみたいだ」「地下の香りがする」などと評していた。地下アイドルっていうのは、悪口ではなく、地下ほど熱いってことなんだろう、と僕は考えている。メジャーになることには一長一短があって、いろんなことが規模のうえでも技術のうえでも可能になる一方、制約や、漂白がつきまとって、本当に面白いものが生まれにくくなってしまう。
それと、ひとつ言いたかったのだが、FANJは階段をあがった2階にライブハウスがある。地下というより、階上アイドルと言うべきだろう。

appeal
1.やっぱ好きやねん
2.サバイバルダンス
3.サンシャイン
4.スタート
5.ラブ&スマイル
6.はじめてのチュウ
7.サンシャイン(2回目)
コミュニケーションアイドルappealが本領をあらわしつつある。アピールタオル持参のファンが増えてきており、ステージ前にファンが集まった。
アピールの良さは、毎回、何か趣向をこらしていたり、新しい試みに挑戦しているところだ。何かチャレンジして今回披露するはずだったことがあるらしい。会場の都合で次回にまわされたが、そのあくなき向上心は素晴らしい。向上心のない僕にとってたいへん励みになる。今、ふっと思ったのだが、アピールは演劇と親和性が高いのかもしれない。
物販で「宝石箱」を購入。

Pinkish
1.七夕
2.電車ごっこ
3.こゆき降る夜のコギツネ
4.花火
5.ゴール未来への光
童謡アイドル。さいたまから来ており、ブロッサムで見て以来になる。
自己紹介のときに、「大阪といえば」をそれぞれが言っていた。
ミナ「グリコ」マミ「たこ焼き」ハルナ「かに道楽」カオリ「一方通行」
大阪城を作ったのは誰か、という話題など。
アレンジした童謡でダンスするライブは、何度見てもストレンジな感じで面白い。

雅千夏
1.(不明)
2.(不明)hitomiの歌だったかな?
3.心がとまらない
4.桜並木ダッシュ
5.テノヒラ
雅千夏ちゃんと、Saori@destinyのみ撮影禁止で、駆け付けた多くのファンがステージ前でスタンディングで応援する。FANJといえば、椅子が用意されており、カメラ撮影のファンも多く、いわばファミリー席のように立たずに見るライブが多かった。アイドルのライブでみんな席について聞いているのは、制服向上委員会ぽくて好きなのだが、ここにきて、会場はライブハウス本来の熱気につつまれる。
熱気はいいが、みんなが立ったために、背伸びしたり見える場所まで移動したりしたけど、雅千夏ちゃんの姿はあまり見れなかった。「はらぺこ亭」でもチェックするか。
ライブは、雅千夏を知るための3か条とかやってたけど、前回のライブにくらべると、仕込みがじゅうぶんじゃなかったかな、という印象。

Saori@destiny
ミステリアスアイドルと自称していた。
立って、かなり前の方でライブを見ていたので、曲目がぜんぜん思い出せない。
赤いフリージア、Destiny’s Warは歌ったはず。
テクノに乗せて歌うところは、秋葉原っぽい。
なお、撮影禁止の旨を説明するためにあらわれた男性が「サオリ・アットマーク・デスティニー」と発音していたのには驚いた。記号の部分の読み方にはじゅうぶん注意しないと「つのだ・ほし・ひろ」とか言い出しかねない。

Marry Doll
1.大きな愛でもてなして
2.baby star
3.ラブ&ジョイ
4.ハレ晴れユカイ
5.ホントのじぶん
(アンコール)
6.大きな愛でもてなして
マリードール史上最高の盛り上がりをみせる。僕も前の方で振りとかやってた。
客席の熱気とマリードールがうまいぐあいに乗って、大きな波を作った、という感じ。
客席の盛り上がりと、ライブの素晴らしさは単純にはイコールでは結べないけど、今回のは大成功と言えるだろう。
汗だくだ。ライブに行けば着替えが常に必要なほど汗をかいていた若かりし日のことを思い出した。それはほんの数年前のことか。じゃあ、そのときも既に若くない。ほっといてくれ!
お人形さんのようなマイミと甘えたのリョウコが、ひとたびトークをはじめると、現代っ子の女子高生になるのが、面白い。
Yesss!のところでも、気さくで友達のように接してしまう、と書いたけど、このマリードールの場合も、そう。と、言っても、一番友達のように接してしまいそうになるのは、涼子ちゃんのお母さんにだ。このお母さんには不思議な魅力がある。ふだんは「小学生が一番可愛い」と言ったりしている僕が、どうしたことだ。
物販で写真購入。

帰宅後、録画しておいたK1を見る。つまらない、というほどではないが、地味な気がした。ヘタなドラマ作りをして、試合はあっけない最近の傾向にくらべると、マシだけど。そうか。試合がどんなに面白くても、選手にスター性が欠けているのかもしれない。
ISBN:4062705818 単行本 山口 雅也 講談社 2006/11/09 ¥2,625
ケラリーノサンドロヴィッチ監督の「グミ・チョコレート・パイン」を見た。大槻ケンヂ原作。
80年代の青春と、現代の中年になった現実とを描いている。
サブカル好きにはたまらない豪華チョイ役陣がひとつのみどころになっているが、ほとんどが本筋とは関係ないので、印象が散漫になってしまった、と思う。僕はケラさんとは何の面識もないのだが、そのくせ、「みのすけの役は、僕に話をもってきてくれたらよかったのに」とか思った。面識ないのにね!
ただ、音楽関係では、ゲイリー芦屋さんとか、お世話になった人の名前がいくつか見られる。
さて、映画の内容だが、原作には現代のストーリーは語られていないはずなので、その部分はケラさんの創作になる。で、原作通りにストーリーが運ぶ部分と、ケラさんがつけ加えた部分が、あまりにもはっきりと、「ここは大槻ケンヂ、ここはケラ」と色分けできた。1つの映画の中でオムニバスを見せられているような気分だ。
なお、映画の中で、今関あきよし監督の「フルーツバスケット」が一瞬映るシーンがある。劣化したビデオっぽい映像だった。今関監督といえば、素直に少女映画撮ってればよかったのに、チェルノブイリがらみの社会派映画を撮ってしまったがために、どこかの誰かさんに目をつけられて社会的に葬られてしまった悲劇の監督だ。誰か、フルーツバスケットを上映してくれないかな。

読んだ本は山口雅也の『ステーションの奥の奥』
ネタバレするので、未読の人は、まず読んでから。

前半は東京駅をめぐる帝都物語。(これがかなり面白い)
後半は吸血鬼ジュブナイル。
密室での首切り殺人、という本格推理マニアには垂涎もののシチュエーションが、吸血鬼という要素を盛り込むことで、ファンタジーにすりかわる。
「なぜ、首を切ったのか」のどに残る噛み痕を消すため。
「凶器はどこに消えた」血液をかためて作った杭が凶器だったので、バスタブで溶けて流れてしまった。
「密室からどうやって逃げた」コウモリに化けて。
ただ、本格推理っぽい面白さで言えば、夏なのに被害者がなぜ冬ものの制帽をかぶっていたのか、という謎を解くくだりがいい。
明らかに帽子と服装はチグハグで、ファッションに気をつかう女性被害者が適当に帽子を選んだはずもない。
さて。
この帽子の手がかりからわかるのは、つまり、被害者は、帽子を着用した姿を鏡で確認することができず、チグハグさに気づかなかったからなのである。
なぜ鏡を見なかったのか。
被害者も吸血鬼で、鏡に自分の姿が映らなかったからだ!
ワーオ!
ISBN:4061825348 新書 山田 正紀 講談社 2007/09 ¥945
ケーキバイキングで特定の人物を毒殺するためには、どこに毒を仕込んでおかねばならないか?
また後日書きます。
ISBN:4061825100 新書 鯨 統一郎 講談社 2006/11/08 ¥840
今日は夜勤明けの帰路にNHK-FMでシチェドリンの「ピアノ協奏曲第4番」
ピアノ/ニコライ・ペトロフ、管弦楽/ロシア・ナショナル管弦楽団、指揮/ミハイル・プレトニョフ。
ハチャトゥリアンやプロコフィエフ、カリンニコフも流れたが、やっぱり、シチェドリンのが一番。
帰宅後、ひきつづきFMで現代邦楽。
「太鼓の曲」                 杵屋正邦・作曲
                       (8分42秒)
                     (太鼓)望月 晴美
                    (三絃1)山本 普乃
                    (三絃2)上原潤之助
「“みだれ”による変容−十七絃のための−」  広瀬量平・作曲
                       (8分28秒)
                    (十七絃)高畠 一郎
「十七絃と小鼓のための二重奏曲」       杵屋正邦・作曲
                       (9分43秒)
                    (十七絃)高畠 一郎
                     (小鼓)望月 晴美
読んだ本は鯨統一郎の『タイムスリップ水戸黄門』
あいかわらずのスピード感あふれるコメディなのだが、今回は政官財の癒着をなんの衒いもなく正面からとらえる社会派だった。
江戸時代から水戸黄門が現代にタイムスリップ。なんと、現役の政治家と瓜二つだった。
テレビでは「ニセ黄門」が出てくる回があるが、これは逆パターンだ。
この現役政治家が、言わば悪代官みたいなタイプ。
この悪代官が自家用車撲滅のテロ集団に拉致されてしまい、急遽水戸黄門が替え玉に抜擢される。ところが、悪代官が強引におしすすめていた高速道路建設案を水戸黄門は白紙にもどしてしまう。
痛快な物語だった。
ゼネコンとか族議員とか、賄賂とか接待とか談合とか、誰でもが「よくない」と思っていることをどうやってもやめさせられないのは何故なのか。
僕の暮らす大阪日本橋周辺でも、常にどこか工事したり、建て替えたりしている。快適な暮らしを考えるなら、工事なんかやめてくれたほうが、騒音もないし、塵もないし、通行止めもないし、遥かにいいのに。
なお、カバーイラストは、荻野アサミちゃんではないので、お間違いなきよう。

痙攣的

2008年1月29日 読書
ISBN:4334924565 単行本 鳥飼 否宇 光文社 2005/04/20 ¥1,890

なんだ、これは!
いかにも「イカモノ」な後半の展開は、素晴らしい!
後日、詳しく書きます。
マッコイ斎藤監督の「ピューと吹く!ジャガーTHE MOVIE」を見た。うすた京介の漫画の実写映画化。2008年
「ルイ14世の長っ鼻」というお宝ものの珍笛を強奪するクライムコメディ。
と、いうか、ギャグ映画なので、ストーリーはあまり関係ない、と言ってもいい。
主演の要潤の好演が光った。
一番笑ったところは、笛をカチカチ打ち鳴らしながら歌うシーンで、これはジャガーがやるシーンと、ビジュアル系バンド「ジュライ」がやるシーン、どちらも面白かった。
漫画の映画化は、それぞれ別物と考えてもいいのだろうが、この笛を打ち鳴らすシーンは原作のギャグだ。
映画ならではの、乱闘シーンがミュージカルになるギャグも面白かったが、原作の持つ「こいつ、何考えているんだか」という不思議なギャグの味わいに匹敵するものはなく、ちょっと残念。

そして、今日は僕の企画するライブ「恋の学級崩壊」の日。
昨日は好きなアイドルライブも我慢して、家で練習したり、いろいろ考えたりしていたが、結局、一夜漬けで中途半端なものになってしまったかもしれない。
今日になって、自分の出番に何をやるかを決め、「カラモン」のコスチューム(ダンボールでこしらえる)を作った。
思ったとおりのものが出来たが、客観的に見て、素晴らしいステージになったかどうかは、わからない。
以下、出番順。

保山宗明玉
No.305
悪魔大根
少女崇拝
丼野M美
有害
カラモン
邪王院弘
進(SIN)
野中ひゆ
Dr.博士
ちやじはん

カラモンの衣装を工作するのに忙しくて、カラモン前の出番の人のは、ほとんど見れず。ただ、リハーサルを見て、「ああ、こんなことをするんだ」と楽しむ。
いつも、僕のライブは「キチガイがつどう」と銘打っているが、よく内容を見ていると、「病んだ人間の開放治療場」と言う方が近いんじゃないか、と思った。
冷たい雨が降るなか、多くの人に来ていただき、たいへんありがたかった。
出演者のみなさんにも、持ち時間が短く、ギャラが保証できないという悪条件で、こころよく出演いただき、たいへん感謝している。
まあ、それぞれ、他ではめったに見ることのできないパフォーマンスばっかりで、刺激されることしきりである。
次回のライブは、2月22日(金)なんばBEARSで「HELP!バレンタインだよ全員自決!」アイドルイベント。
DVD コニービデオ 2004/11/21 ¥3,990
なんばロケッツでPONBASHI NIGHT vol.2
正午からの第1部を見に行く。
いつもは後ろの方で観覧するのだが、今日はちょっと前の方まで行って見ることにした。

Cubic Sound Factory
RPGめいたゲームっぽいストーリー仕立ての構成。
黒ナースが歌うのはテクノや、アンビエントな歌。
モニタでVJのような映像効果も使っていた。

瀬RA美EE
1.淋しい熱帯魚
2.クローバー(秋休みのカバー)
3.大好きすぎて
4.さくらんぼ
乗せる乗せる。
グラビアアイドル的魅力では並ぶものはいない。
その魅力で歌をきっちり歌っているんだから、その威力たるや相当なもんだ。

唯×実〜ユイみの〜
殺陣にはじまり、同人誌的世界が展開される。
ヘッドバンギング!
彼女らも、乗せる乗せる。ステージ上から頭つかまれた。
今回の出演者のなかで、もっともオタクのシンクロが高かった。

白桃娘
1.Pa-La-La
2.あんぶれら
3.キラキラ
4.だいきらい!…の反対
5.ねぇ、わかんない?
なるほど、最前列にいれば、ステージ上のメンバーがニコリと笑いかけてくれたりするんだ。2月2日の卒業ライブ後、あゆは北海道に戻ってしまうんだろうか。もったいない。

4 leaf clover
1.ダンス
2.エンプティ・ワールド
3.オール・マイ・トゥルー・ラブ
4.カラー・オブ・シーズン
5.シャイニン・ウィアー
エンプティワールドのときに、メンバーが輪になって中心に向かって踊るところがあるが、僕はそのダンス見ると、軽い感動に襲われる。
黒のセクシーな衣装。
MCの自然さも含め、次々と新しいことに挑戦して自分のものにしているのを見るのは楽しい。第2部では新しい衣装だったらしいが、どんな格好で出てきたんだろう。物販のときの萌えエプロン(?)も可愛かった。

Marry Doll
1.会いたかった
2.baby star
3.大きな愛でもてなして
4.ハレハレユカイ
5.ホントの自分
本番直前に2人が抱擁しあうのが可愛い。
第2部は違う曲を歌うらしく、第2部も見ようか、と誘惑に負けそうになった。ラブ&ジョイとかチューリップとか歌ったのかな?
おしゃべりを控えめに、との方針のライブ。会場内に姿を見せて、ファンの人とも気さくにしゃべっていた。マリードールのもっている「人を自分の陣営にひっぱりこむ魅力」は他の追随を許さない。
入場時に、babystarのプロモーションDVD(サイン入り)をもらった。ありがたい!

Milky Hat
1.Divin’ to Love
2.歩いていこう
3.We Love Sweets
4.軌跡
5.大航海ランドスケープ
6.グレープフルーツ
久々に、mixありのライブ。メンバーを欠いた状態だが、ダンスのフォーメーションに問題は無さそうだった。
いやしかし、彼女たちのダンスは迫力があって圧倒されてしまうなあ。
ステージをあれだけじゅうぶんに使いこなすのは、並み大抵のことじゃない。
トリをとるだけのことはあって、格の違いみたいなものを感じてしまった。

ライブ後は物販タイムがもうけられていたが、特にどのブースに寄ることもなく、大阪府知事選挙の投票に行く。そう言えば、ライブ中は、マリードールのお母さんとしか会話していない!
投票に行く途中でヒロこてんに会った。遠くからでも僕とわかったらしい。
ちょうど昨日、自分が中学生のときに考えた、自分のテーマソングというのを思い出していた。その歌詞のなかに「5キロ先からにおいでわかる」というくだりがあった。それを何となくまた思い出す。

帰宅後は、大相撲中継をくいいるように見る。
そして、午後6時からはNHK-FMで「現代の音楽」
今日はメシアンの音楽だった。メシアンは1908年生まれなので、生誕100年にあたる。
最後の大作「彼方の閃光」素晴らしい!
現代音楽聞いていると、「サスペンス映画のサウンドトラックとどこが違うのか?」と思うときがある。
それはある意味、悪口だと思っていたのだが、よく考えてみると、ストーリーも映像もないのに、音楽だけで心を動かされてしまったということなのだ。
音楽はみんなそういうものなのかもしれないけど、安易に「映画のサントラでしかない」なんて言わないことに決めた。

見た映画は亀井文夫の「戦ふ兵隊」1939年
先日まで「ビデオランデブー」展で上映されていたものだが、期間中に見ることができず、以前ケーブルテレビで放送したのを録画したおいたのを思い出して、見た。
見た、というが、これ数日前から何度も見ようとしては、途中で眠ってしまった映画なのだ。
中国大陸を進む陸軍のドキュメンタリーなのだが、とにかく、映る兵隊が疲れ果てている。楽しいことなど何もないようだ。その映像を見ているだけで、こっちまで疲れてしまい、眠ってしまうのだ。
後半、焦土の中で、早くも生活をはじめる庶民の姿が映し出される。
戦争によってズタズタボロボロにされた中で、庶民は暮らし、こどもは遊ぶ。
それに比べて、兵隊はもはや人間を辞めてしまい、砂のように味気なく、魂が抜けた状態になっている。なんのために戦っているのか。まあ、人間やめないと、戦えないのかもしれない。
ISBN:4062879018 新書 小野 俊太郎 講談社 2007/07/19 ¥798
小野俊太郎の『モスラの精神史』を読んだ。
もう1回モスラ見たくてたまらなくなる、面白い本。
以下目次と、各章の説明あるいは引用。

プロローグ−モスラの飛んだ日
 ?961年7月30日、モスラは飛んだ。本書はモスラの謎を解き明かす書である。

第1章 三人の原作者たち
 モスラの原作を書いたのは、中村真一郎、福永武彦、堀田善衛という三人の文学者だった。映画のテーマを弱小民族の問題にとり、自然主義リアリズムを脱け出すために三人は怪獣映画の原作に関わる。コクトーの影響もあった。
三人は、モチーフの分担を中村が「変形譚」、福永が「ロマンス」、堀田が「ヒューマニズム」として執筆した。

第2章 モスラはなぜ蛾なのか
 モスラは養蚕と深い関係をもっている。
カイコガ、養蚕は「日本」「女性(母性)」と結びついている。「モスラ」の物語は冷戦下のアメリカとの複雑な対立関係を含んでおり、日本的なモスラはぴったりなのだ。

第3章 主人公はいったい誰か
 原作の主人公は言語学者で、インファント島の言語を解読する。そして、新聞記者と協力して、アカデミズムとジャーナリズムの連携でことをおさめようとする。
一方、映画の主人公はわかりやすく、活動的な新聞記者に設定された。

第4章 インファント島と南方幻想
 「『インファント島』は、時には水爆の実験で汚染されて放射能遮断服なしには訪問不能な島、また、時には『そっとしておいてやりたい』、守りたいユートピアの島である。この2つのイメージのあいだにインファント島は揺れている。これは、そのまま日本が内部に抱えた不安や願望を投影しているともいえる」

第5章 モスラ神話と安保条約
 モスラは発光妖精の小美人を救出するために、インファント島からやってくる。一方、小美人を連れ出したネルソンは外交特権を悪用して、治外法権的扱いを受ける。
「非常事態にいったい誰が誰を守るのかをめぐって、『モスラ神話』と『日米安保体制』がもつ価値観がぶつかる」

第6章 見世物にされた小美人と悪徳興行師
 弱小民族の怒りのテーマ。
「この映画は、小美人の公演を導入してレビューの雰囲気を伝えるとともに、そもそも映画自体が関与している『興行』というしかけそのものを二重写しにする」
 興行、東宝(東京宝塚)ならではのレビューシーン、舞台で見せる演目としての映画、ネルソンを演じた日米ハーフのジェリー伊藤。

第7章 『モスラ』とインドネシア
 モスラの歌はインドネシア語だ。
「この歌は、カロリン諸島から、スマトラ沖までの広い地政学的な幻想をまとめ、しかも、日本文化の基底層にある神話から軍政支配までの歴史を圧縮しているのだ」

第8章 小河内ダムから出現したわけ
 モスラは内陸のダムからあらわれる。そして、明治神宮や皇居をたくみに避けながら、東京タワーをめざす。
「モスラは最終的には空を飛ぶのだから、一種の大きな飛行機ともいえよう。空から攻撃する怪獣とは爆撃機にほかならない。そして、幼虫モスラによる小河内ダムから東京タワーへの突進は、成虫となって飛ぶための滑走となった、いわばカタパルト発進の発射台として東京タワーが必要だったのである」

第9章 国会議事堂か、東京タワーか
 原作ではモスラは国会議事堂に繭をつくる。原作者には、安保条約によってアメリカ軍に出動を要請し、安保反対の群集が取り囲み、国連ではソ連が日米安保の発動に拒否権を申し出る、など、政治的展開まで考えられていた。
東京タワーにかわった理由は3つ。1、当時、もっとも高い建物だった。2、塔のもつ宗教的、呪術的誘蛾灯の意味。3、映画をおびやかすテレビ塔だったこと。(この映画ではほとんどテレビを見るシーンが出て来ない)

第10章 同盟国を襲うモスラ
 モスラは「ロシリカ国」(ロシア+アメリカ。映画ではロリシカ)にネルソンを追って飛ぶ。これは日米合作映画のため、コロムビア映画の要求で、アメリカの観客のためにアメリカにモスラを飛来させたのだ。

第11章 平和主義と大阪万博
 続編以降、モスラは平和主義のシンボルになる。
田中友幸プロデューサーは大阪万博で三菱未来館のイベントプロデューサーとして活躍。
太陽の塔内部の生命の樹に展示されていた造形物は、円谷プロが作った。
モスラは大阪万博のリハーサルのひとつだったのではないか。

第12章  後継者としての王蟲
 ナウシカに引き継がれるモチーフ。
原作者堀田善衛が大きく影響を与えた宮崎駿との関係。

エピローグ−「もうひとつの主題歌」
 同時上映「アワモリ君売出す」の主題歌は坂本九の「上を向いて歩こう」だった。
「1961年8月という鎮魂の時期に、大平洋戦争を始めて20年を迎えようとした節目に登場した二つの作品が、それぞれのジャンルで日本を越えてアメリカを中心とした世界に届く作品となったわけだ」

以上。後半に行くにしたがって展開される牽強付会の方が興味をひいた。知識や情報よりも、着想に興奮してしまう僕の癖だ。

フィリップダン監督の「目かくし」を見た。1965年
ロック・ハドソン演ずる精神科医は、国家安全保障局の「将軍」に目かくしで「X基地」に連れてこられる。天才科学者の心の病を治療するためにだ。
クラウディア・カルディナーレは科学者の妹。兄が拉致監禁されていると思って、ロック・ハドソンに接近する。
そんなとき、CIAの局員と名乗る男が、「将軍」はくわせものだ、と情報をくれる。
いったい誰を信じればいいのだ?
映画のみどころは、目かくしされて連れていかれたX基地を潜在意識と推理によって特定していくところ。
大勢の人がパーティで笑い声をたてている、と思っていたのが、実は渡り鳥の雁の声だったとわかるところは感心した。マネキン人形に化けて検問を突破するシーンは、いかにもで笑える。
音楽はラロ・シフリン。すぐに「ラロ・シフリンだ!」とわかる音楽
京マチ子名作映画まつり「鍵」「穴」、「スタジオはてんやわんや」「金環蝕」
千日前国際シネマで、京マチ子名作映画祭り
市川崑監督の「鍵」と「穴」の2本立て。どちらも面白いことは確実。
「鍵」は谷崎潤一郎原作。
登場人物全員、一癖も二癖もある。京マチ子の眉メイクは非常に魅力的。
殺しの計画が交錯するのが面白い。
しかし、みんな、死ぬときの演技うまいこと!

「穴」は京マチ子が変装しまくるクライム娯楽編。
頭の回転早いアクションが面白い。
ドアノブに電線巻いて、地面に金属板置いて、感電させる、とか。
駅の一時預かりで他人の物をだまし取る作戦とか。
「鍵」で色盲で人殺しの老婆を演じた北林谷栄が、この映画では、バリバリやり手の女性役で出ていた。「鍵」の役のたぶん半分くらいの年齢設定かな。

帰宅後、ビデオで引き続き、京マチ子映画見る。
「スタジオはてんやわんや」
前半はインタビュー、後半はファンのためのステージで、大映のスター勢ぞろい。
東京の撮影所とは違って、京都の撮影所の風景になると、とたんに時代劇の役者が多くなるのが面白い。
京マチ子はほんのちょっとしか出て来ない。

「金環蝕」は石川達三原作、山本薩夫監督の作品。?975年。
政財界の癒着、汚職を描く。
政治の世界を描いているためか、登場人物はほとんど男。京マチ子は爆弾として登場。
「鍵」のときも思ったが、仲代達矢の演技のすごさは鬼気迫るものがある。

青騎士

2008年1月24日 読書
青騎士
1912年に刊行された年刊誌『青騎士』を読んだ。
以下目次

精神的な財宝/フランツ・マルク
ドイツの「野獣派」/フランツ・マルク
二枚の絵/フランツ・マルク
ロシアの「野獣派」/ダヴィード・ブルリューク
引用(ドラクロワ)
仮面/アウグスト・マッケ
歌詞との関係/アルノルト・シェーンベルク
詩/M・クズミーン
絵画における再生のしるし/ロジェ・アラール
引用(ゲーテ)
音楽におけるアナーキーについて/トーマス・フォン・ハルトマン
ロベール・ドローネーに見られるコンポジションの手段/エルヴィーン・フォン・ブッセ
オイゲン・カーラー/カンディンスキー
スクリャービンの「プロメテウス」/レオニード・サバネーエフ
自由な音楽/N・クリビーン博士
フォルムの問題について/カンディンスキー
引用(ローザノフ『イタリアの印象』より)
舞台コンポジションについて/カンディンスキー
「黄色い響き」(舞台コンポジション)/カンディンスキー

楽譜付録
「心のしげみ」M・メーテルランク/アルノルト・シェーンベルク
「灼熱の人」アルフレート・モンベルトより/アルバン・ベルク
「君らは炉辺に歩みよった…」シュテファン・ゲオルゲ/アントン・ヴェーベルン

図版目録

編者による序文草稿および第二版まえがき
年刊誌『青騎士』/カンディンスキー、フランツ・マルク
青騎士/フランツ・マルク
第二版まえがき/カンディンスキー、マルク
計画された『青騎士』第二巻のための序文/フランツ・マルク

絵画、音楽、演劇をカバーする総合芸術について、芸術家自身が発言する。
ドラクロワの発言「大方の芸術論は、芸術家でない者たちが書いている。それゆえ、考え方や判断が皆まちがっている」をはじめ、批評家に対する不信感がありありと出ている。
「空虚なことばによって、享受者に橋を架ける代わりに、その前で壁を築いている」
「芸術批評は芸術のもっとも厄介な敵である」等々。
批評家が駄目なのは、彼らが既存のフォルムの分析から論をはじめるからだ。
序文草稿は「偉大な時代がはじまる、そればかりか、もうはじまっている」と、新しい芸術の到来を力強く宣言している。
古い時代の既存のフォルムの分析からはじめると、欠陥、誤謬、剽窃のあらさがしに終始してしまう。
新しい時代の総合芸術の基盤となるものは、カンディンスキーの『フォルムの問題について』で語られる、内的必然性の概念だ。
それにあわせて、多数の図版はルソー、ピカソなどの近代絵画だけでなく、アフリカやアジアの民族芸術、こどもの絵などが入り交じっている。
約百年前の本だが、その中で語られている事柄は、今でも芸術家の気持を代弁しているように思う。
現代ではどうかというと、ネット上での発言、マスコミの発言が芸術家自身による発言を隠しているように思う。ほとんどの芸術家はネットやマスコミなどの評価など気にもしていない、と思いたいのだが、芸術を商売にうまく展開できることも、芸術のうち、みたいな風潮がある。もちろん、金になるならそれにこしたことはないのだが、それでいいのか、と、貧乏芸術家の僕は、あえて噛みついてみる。
ISBN:409387655X 単行本 大山 誠一郎 小学館 2006/06 ¥1,470
大山誠一郎の『仮面幻双曲』を読んだ。
戦後まもない時代に起きた殺人事件。
被害者の男を殺したのは、一卵性双生児の弟!しかし、その弟は整形手術で別人の顔を手にいれているらしいのだ。弟はだれになりすましているのか!?
と、まあ、そんな話。
新本格というジャンルがあるなら、これは「新古典」だ!
カーの小説からの引用があるし、事件の真相もカーをほうふつとさせる。
ネタバレするので、未読の人は、読んでから。

古典っぽく、中盤にいたるまでの物語は、尋問したり捜査したりして、少しずつ事件の全容を明らかにしていくもので、今どきこんな小説を書く人はあまりいない。読み捨てのノベルス作家の作品にはまだ残っているけど。
そして、ラスト50ページで明かされる事件の真相は、たんたんとした今までのちゃぶだいをひっくり返すだけの充実度がある。なるほど、推理小説の醍醐味だ。
最後に犯人が毒を飲むのもうれしい。?
ただ、回収される多くの伏線がとても薄いのが気になった。
厳密な論理によって名探偵が推理していないのだ。
名探偵は、事件を解くきっかけを次のように言う。

「黒木氏が最後に武彦を見たのは、今から3年前、昭和?9年の10月のことでした。そのとき、人込みの中を、武彦が国民服を着て独りで歩いている姿を見かけたということでした。僕が引っかかったのは、この証言でした。この証言はどう考えてもおかしいのです」
「どこがおかしいんだ?」
「いいですか。文彦氏と武彦氏は一卵性双生児のはずです。ならば、遠くから見ただけでは区別がつかないはずではないでしょうか?」

これを根拠に、名探偵は事件の真相に近づいて行く。2人は二卵性双生児だったんじゃないか、と。ところが、一卵性双生児を親友に持った人なら誰でも知っていることだけど、区別がついちゃうんです。実際には。こんな、どっちともとれるような内容を根拠に、推理は積み重ねられていく。
突き指したはずの右手でちゃんと箸を使っていた。→別人
とか。
実は違う顔をしていた犯人(双子の弟)が、兄と同じ顔に整形していた、というのがこの事件の真相だった。
じゃあ、誰に化けたのか、というところでの消去法も、不思議だった。

「文彦氏は一重まぶたでした。したがって二重まぶたである安藤さんは除外されます」
「文彦氏は獅子鼻をしていました。したがって、丸い鼻である出川巡査は除外されます」

じゃあ、誰か、となったときにあげた人物は、文彦氏とは似ても似つかぬ顔の人物だった。だが、その人物は、変装していたというのだ。

結局、その双子の犯人は、共犯の女によって殺される。第2の事件だ。
崖上から死体を発見した複数の人間が、崖下に移動するまでに、死体をすりかえる。
下にあったのは、既に死体になっていた第1の被害者の生首を使ったカカシで、琴糸を使ってひっぱりあげ、車のトランクに隠してあった死体をザザーッと崖の下に落したのだ。
よく同じ姿勢で死体が発見されたものだ、と奇跡を感じずにはいられない話だが、そこは、「たまたま全く同じ姿勢で死体は崖下に止まった」でいいとしよう。問題は、その第2の被害者(双子の弟)は、第1の事件の被害者(双子の兄)と、整形によって同じ顔になっているはずだ。いくら変装していたからと言って、警察がそれに気づかぬはずがない。
崖上に1人でも残っていたら、すりかえも出来なかった。
この犯人は、やることなすこと、間が抜けている。
アリバイ作りのために、特急ひばり4号なみに、食事を1時間ずらして被害者に食べさせ、犯行時刻を狂わせようとするが、胃の内容物の消化ぐあいから得られた時刻はわりと正確に(犯人の思惑通りに)算出されるが、それ以外の要素は、いろんなことが重なってはっきりせず、アリバイが成立する。
不確定要素が多すぎる。
部屋に誰か隠れていないか、と探したときも、人が1人まるまる隠れることができる衣装トランクを、まさかこんなところには隠れていないだろう、と探さなかったりする。まさしく、その衣装トランクの中に人が隠されていたのだ。
ご都合主義が過ぎないか。
そして、ちゃんと読めていないのかもしれないが、ふにおちないところがあった。
なぜ犯人を双生児の弟だと考えたのかというと、1人の女をとりあった末に、その女が死んでしまった恨みを抱いていたからだ、とする動機面でのストーリーが語られていた。
しかし、それはまったくの嘘だった。
女は今回の事件の動機をでっちあげるために、殺されたのだ。
じゃあ、動機は何だったかというと、真犯人の女性が、仕事面で表に立ちたかったからだ。女性に対する労働面での差別が動機で、犯人は4人も殺したのだ。
納得できる?
また、一卵性双生児が実は顔の違う二卵性だったのがことの真相だが、じゃあ、いっそのこと双生児でもなく、まったくの別人が整形手術でなりすましていても事件の解釈としては成立するんじゃないか。
われわれ読者は、犯人らしき男が整形医師を殺すシーンを読んでいるからいいけど、名探偵はどうやって、犯人は別人でなく双生児だと断定できたんだろう。
犯人は二卵性で、顔も血液型も違う。動機の面でもなりすましているかぎり、誰でも成立するはず。
要するに、名探偵は1つの仮説の上に推理を築いてみせたが、それが真相である決め手は、推理では得られない。別の可能性が多すぎて、どれとも決められないはずなのだ。
これが犯人がすべてを告白した結末なら、まあ、犯人の言うことなんだから間違いないだろう、と思うが、探偵がいったいどうやって多くの可能性のうちで1つにきめることが可能だったのか、不思議でしかたがないのだ。

魔王

2008年1月22日 読書
ISBN:4062131463 単行本 伊坂 幸太郎 講談社 2005/10/20 ¥1,300
伊坂幸太郎の『魔王』を読んだ。中編が2つ入っている。
「魔王」
他人の口を借りてしゃべる能力(作中では「腹話術」と呼んでいた)を持つ男。
彼はまた「冒険野郎マクガイバー」にならって、いつもとことんまで考える癖がついている。
そんなとき、ある政治家が立候補した。
魅力ある政治家に惹かれる大衆、それにファシズムの芽をみてとり、危惧する彼。

「呼吸」
「腹話術」の男の弟が主人公。
彼は10分の1までの確率でならはずすことのないツキを持っている。つまり、ジャンケンすれば必ず勝ち、10頭までの競馬なら必ず勝ち馬を見抜く。
彼は兄の遺志を継ぎ、憲法改正によって危険な道に進もうとしている日本を何とかしようとする。

と、いうわけで、これはすごい。
新本格というジャンルがあるくらいだから、これを新社会派と呼んでもいいんじゃないか、と思う。
いろんな面白い文章があったので、いくつか書き残しておこう。

「たとえばさ、隣の家の人から自分ちが荒らされた時、お父さんは、確かに『我が家に何すんだ』って乗り込んでいくべきだけど」
「けど、何」
「いや、それは正しいと思うんだけど、その時に、そのお父さん自身は何もしないで、奥さんとか子供たちに、『行け、戦ってこい!』って言うのはどうかと思わない?」

「兄貴、俺さ、『今まで議論で負けたことがない』とか、『どんな相手でも論破できる』とか自慢げに話している奴を見ると、馬鹿じゃないかって思うんだよね」
「どうしてだ」
「相手を言い負かして幸せになるのは、自分だけだってことに気づいてないんだよ」

「ファシズムは行動だ。ということは、原始的ってことだ。で、その行動に何か問題があるのか。俺には問題があるようには思えない。仮に、自分の国に対する意識を強くし、国民であることを自覚し、その結果、集団の結束が固まったとして、何か問題があるかな」
「ヒトラーは600万人を虐殺しましたよ」
「では、民主主義は善か?民主主義は何人殺したんだ?社会には、甘やかされて傲慢な若者と、自分のことにしか興味のない人間ばかりが生まれた。インターネット経由でしか、社会に接続することができない奴らばかりだ。情報で頭を麻痺させている。住宅街では、ひっきりなしに、少年少女が拉致されそうになり、十代に性病が蔓延している。果たして、この世は正しいか?」

「たとえばさ、普段は、平気で、ゴミをポイ捨てしたり、他人の迷惑も省みないで『別に法律に違反してないじゃんか』って列に割り込んだりしている人たちがさ、こういう時だけ、国際社会の一員としての義務、とか知った顔で言い出すのが、わたしには気味悪いんだよね」

「この国の人間はさ、怒り続けたり、反対し続けるのが苦手なんだ」
「怒り続けるのが、ってどういうこと?」
「初回は大騒ぎでも、二度目以降は興味なし、ってことだよ。消費税導入の時も、自衛隊のPKO派遣の時も、住基ネット開始も、海外での人質事件も、どんなものだって、最初はみんな、注目して、マスコミも騒ぐ。ただ、それが一度、通過すると二度目以降は途端に、トーンが下がる。飽きたとも、白けたとも違う。『もういいじゃないか、そのお祭りはすでにやったじゃないか』っていうさ、疲労感まじりの空気が漂うんだ」
「潤也君?」
「だからさ、もし、俺が政治家だったならば、こうやるよ。最初は、大きな改正はやらないんだ。九条は『自衛のための武力を保持する』とその程度にしか変えない。『徴兵制は敷かない』と足してもいい。〜(中略)〜そして、たぶん憲法は変わる。大事なのはその後だ。時期を見計らって、さらに条文を変えるんだ」

あとがきで、「この話を考え、書いている現在、国民投票法はまだ定まっていないようです」と書いてある。小説は2005年に発表されたものだ。
言うまでもなく、国民投票法は2007年に決まり、2010年から施行される。まったく小説の中の絵空事ではすまされないのである。
BEARSで「ゆとり教育なれの果て」
見たのは、The人、自分BOX with ララボンゴwith Y’s、北村早樹子、トンボの4組。
それぞれ、自分の世界を展開していて、面白かった。
ザワザワしていた客席をしーんと釘付けにする力は並み大抵のものではない。

見た映画は2本。
衣笠貞之助監督の「大佛開眼」1952年。
助監督に三隅研次。
京マチ子、長谷川一夫主演。
奈良時代、大仏建立に携わる者と、それを妨害する者とのせめぎあい。
こうした足のひっぱりあいを見ていると、人間にとって物理的に不可能なことなど何もなく、それが実現できないのは全部身内の妨害によるものなんじゃないか、と思えてくる。
京マチ子は感情のままに生きる激しい女の役。
嫉妬心から大仏建立妨害の手先にもなるが、最後はすべてを明らかにして、大仏の掌の上で幸せに狂う。

もう1本は蔵原惟繕監督の「この若さある限り」1961年。
浜田光夫主演。タイトルには本名の「浜田光昿」が使われていた。石坂洋次郎の『夏の陰画』が原作。
女教師に恋した高校生。
気持ちを抑えられずにラブレターを書いて、家を訪ねる高校生!
この女教師が吉行和子で、そりゃ、高校生、クラッと来るわな。
隣に住む同級生が吉永小百合。
恵まれた環境に育ちやがって!
大人の恋に触れてみて、自分の幼さに気づき、吉永小百合との青春恋愛物語に復帰する主人公。
あんな男のどこがいいのやら!
最初は生徒と教師の壁を感じていた吉行和子も、ついに浜田に心を許すようになるし、吉永小百合は浜田が好きだし、その友人の女性も浜田にアタックする。
これは時代を越えたハーレム願望の萌え映画だったんじゃないか?
この項も後日。
ワンダフルハーツのハロプロエッグ選抜に、いろりの姿はなかった。残念。
ライブは最高。
アイ〜ンはちょっとどうかと思った。まるで罰ゲームみたいだ。
流転の王妃は、京マチ子ブームの一環。
マイティジョーは、「黒い牡牛」からの続き。
DVD (有)マグネット/(株)トーン 2007/10/01 ¥525
この項も後日。
「子鹿物語」は「黒い牡牛」からの続き。
VHS CICビクター・ビデオ 1995/12/01 ¥3,038
「黒い牡牛」の続き。
オーソン・ウェルズの「イッツ・オール・トゥルー」を見た。
と、言えば、もうおわかりでしょう。
脚本のロバート・リッチの問題です。
詳しくは、後日。

大阪市立近代美術館心斎橋展示室で開催中の「ビデオランデブー:映像の現在」で、ヨハン・グリモンプレの「Dial H-I-S-T-O-R-Y」を見た。
ハイジャックにはじまり、飛行機事故の映像で終わる、テロとアクシデントのニュース映像をザッピングで編集している。
これも後日、もうちょっと詳しくつけくわえるか。

アメリカ村のKiss FMのサテライトで、ハロプロ関西の須磨と中山が出演するのを見に行く。
インタビューに答えながらのトークのみ約20分間。
中山のとばしっぷりが顕著。
須磨は具なしのスパゲティを作って食べたそうな。
まあ、2人ともなんて可愛いらしいんでしょう!
客席にはいつものことながら、スケッチブックが林のごとく立ち並ぶ。
これも後日つけくわえる。
ISBN:4846007529 単行本 深町 眞理子 論創社 2007/10 ¥2,100
クリスチアナ・ブランドの『ぶち猫』を読んだ。
2007年はブランド生誕100年だったのだ。

「コックリル警部」
コックリル警部を紹介するエッセイ。

「最後の短編」
電話の手がかり。
ある番号に電話して、そのあと受話器をはずしたままにしておくと、相手先の電話はずっと話中のままになる、という仕組み。
これはかつて読んだトリックの本などでもよく使われていたが、中学時代に実際に試してみると、既にそんな仕組みにはなっていなかった。
ましてや、携帯電話の時代では、ピンと来ない内容なんじゃないか。

「遠い親戚」
男女トリック

「ロッキングチェア」
人違いの愛

「屋根の上の男」
雪の上には発見者たる警官の行き来した痕だけ。
そして、現場は密室。
解決はわりと常識的な線に落ち着いたけど、さて、それは真相なのか?

「アレバイ」
アリバイ崩しショートショート。
見事に決まりました!

「ぶち猫」
戯曲。夫と妻に捧げる犯罪を描いている。

見たビデオは、アービング・ラパー監督の「黒い牡牛」1956年。
なにげなくチョイスした映画だったが、これ、いろいろと面白い。
ストーリーは単純。ところはメキシコ。
貧しい家にうまれた少年。
冒頭、飼っていた牛を奪われそうになって父親はこう嘆く。
「これ以上、何を失っても驚かんよ。それが人生だ」
クー、ツライね〜!
落雷で木の下敷きになって牛は死んでしまうが、その子牛だけはなんとか奪われずにすむ。
この映画は、この牛と少年の物語である。
少年は牛を可愛がっているのだが、いつのまにやら牛は連れ出されて、闘牛場に引きずり出されてしまう。
これはつまり、牛が公開処刑されてしまうようなものだ。
少年はなんとか牛を助けようとする。
少年の頭に閃いたのは、学校で教わった、大統領の話。
メキシコ先住民初の大統領、ベニート・フアレスは「常に人々の声に耳を傾けました。どんな貧しい者の話でも彼は聞いたのです」
大統領に会って、牛(ジターノ、という名前)を助けてもらおう!
でも、ベニート・フアレスは歴史上の人物で、現在の大統領は別人。大統領に会おうと思って少年が駆け付けた城は、既に大統領の住む家ではなく、博物館になっていた。
それならば、と現在の大統領の住む場所まで移動するが、門前払い。
少年は車のトランクに隠れて中に忍び込み、大統領に直接会い、「わかった。命令はできないが、頼んでみよう」と、大統領から書き付けをもらう。
闘牛場に駆け付ける少年!
ほんのひとあし違いで、間に合わなかった!
そこからの闘牛シーンは圧巻だ。
さて、闘牛を残酷だ、と言うアメリカ人女性に対して、ある登場人物は、こう答える。
「米国人はリングで殴り合うし、
英国人は集団で犬を使い、1匹のキツネを狩る。
闘牛だけが残酷なのかな?」
「君らには分かるまい。
我々メキシコ人は古い人種だ。
人生の痛みも、死の身近さも知ってるが、君ら(米国人)は痛みに大騒ぎするし、死に対しても法律で禁じかねん」
さて、勇敢な牛ジターノは、15分にわたって疲れ知らずに闘い続け、観客からは「恩赦」コールが起こる。
20年ほど前にも「恩赦」で牛の命が助けられたケースがあったのだ。(実話)
ジターノは恩赦が認められ、少年と牛はずっと一緒に暮らしていける、となったところでエンドマーク。
この映画の興味深いところは、さらに深いところにあった。
映画を見ていて、特に興味をひいた部分が2ケ所ある。
1つは革命の英雄、ベニート・フアレス大統領をとりあげる手つき。
もう1つは、教会で動物たちが祝福を受けるシーン。
この2つのシーンが妙に頭に残るなあ、と思っていたが、それには理由があったのだ。
それはまた後日。
ISBN:4797495588 文庫 日日日 新風舎 2005/02 ¥590
この日日日の小説ってのはライトノベルじゃないな。
近作ほどライトノベルに接近してるけど。
幽霊を見たい、と暴走して、本当に幽霊を見れるようになるちーちゃん。
学校やクラブ活動でのつまらない人間関係に関する描写が面白い。
ハッピーなのかどうかよくわからないが、ハッピーエンドだと感じさせる最後のサプライズがカタルシスをもたらしてくれる。
ISBN:4562040998 ハードカバー 倉阪鬼一郎 原書房 2007/09/20 ¥1,890
倉阪鬼一郎の『留美のために』を読んだ。
前回に続いて、これも暗号小説。
いかにも叙述トリック仕掛けますよ〜と言わんばかりのタイトルだが、このタイトルに大きくヒントが出ている暗号は、まあ、IQサプリでも見ていれば簡単に解けそうな内容である。これは、作者があらかじめ簡単な暗号をわざと仕掛けたものと考えていい。
かなりのページ数にわたって、暗号は続くのだが、読者は最初の2ページほどでからくりを見抜く。その後のページは、作者がいかに物語中に暗号を仕掛けているかを楽しみながら読めるようになっているのだ。
もちろん、あえて簡単な暗号を仕掛けたのには他にも理由があって、それ以外にも仕掛けてある別の暗号を隠すためでもあるのだ。
暗号は暗号に隠せ、なのだ。
そのもう一つの暗号も、難易度は高くないが、ページを元に戻って確認しないとわからないような内容だった。
僕のような怠惰な読者は、作者の仕掛けを確認しながら再読しよう、なんて考えない。ページを前に戻って、「ああ、この描写にはこんな二重の意味があったのか」とか確認することは、まずない。そういう意味で、大仕掛けのトリックが比較的簡単だったことには作者の心配りがきいていたものと判断する。
でも、最近の若い人は、絶望先生のアニメみたいに、もう1回見ることを前提にした作りを楽しんでいるようなので、若い読者による評価はまた違ってくるのかもしれない。

見たビデオは番匠義彰監督の「クレージーの花嫁と七人の仲間、乱気流野郎」
クレージーキャッツ結成7周年の映画。
森永スパークショーというテレビ番組を舞台にしており、その中でミッキーカーチスがコーラの缶に穴をあけて飲んでいるコマーシャルシーンがあった。プルタブのまだ無い時代だったのだ。
ザピーナッツや中尾ミエ、中島潤など、歌が満載で楽しい。
三木のり平による国定忠治の名場面も出てくる。これって、リアルえどむらさき。
もともとこの映画は「クレージーの花嫁と七人の仲間」のタイトルで公開され、その後、「乱気流野郎」とタイトルをつけかえて再公開されたものだ。どっちのタイトルも、内容と無関係なのが面白い。
内容は、女に翻弄される男たち、という感じ。
その裏にさらに悪い男がいるのも、お決まりのパターン。

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