ISBN:4652086024 単行本 山田 正紀 理論社 2007/03 ¥1,470
恐竜が人を殺した?
と、いう話。
血の痕を見た恐竜学者が、無意識に恐竜の名前を間違えるくだりは、ヒチコックみたいで面白かった。
主人公の設定が、「ビューティフルドリーマー」を見て映画の道に進もうとしている女学生、ってのもいい。
ISBN:4061825399 新書 倉阪 鬼一郎 講談社 2007/07/06 ¥840
倉阪鬼一郎の『四神金赤館銀青館不可能殺人』を読んだ。
こんなムチャクチャなタイトルついた小説、ほうっておくわけにいかない。
ただごとではない。
内容も、ただごとではなかった。
ネタバレするので、興味のある人はまずご一読を。

横溝の長編かと思わせるほど、登場人物表に人名が並んでいるが、実際には大量殺人が起こるので、それほど複雑ではない。
それよりも、その人名たるや、これもまたすごい。
暗闇坂通
四代季初
西門武烈人
青木ヶ原首人
地蔵墓十三
いかにも新本格の作家がつけそうな名前が並ぶ。
副就(そえなり)なんて、まさに堂々と手がかりが示された名前も出てくる。
主人公は、新本格の作家。
彼がものした作品は『泉水館第四の秘密』で、館だと思ってたら潜水艦だった、というトリックを使ったものだ。
さらに、作家の見た夢の中では、館だと思ってたら、やっこ凧ならぬ館凧だった、というなんぼなんでもなトリックもあらわれる。
入れ子構造の作中作あり、男女トリックあり、腹話術トリックあり、折り句あり、日本人だと思ってたら外国人トリックあり、恋人だと思ってたら愛猫トリックあり。
よくぞこれだけ、詰め込んだ。
本作は、『りら荘』をほうふつとさせる女性の死体っぽい描写ではじまる。

四神波美は動かない
赤い血が、細い条となり…つ、と脇腹を流れる。白い肌を伝う。

実はこれは、僕の大好きなアノ描写だったことが判明したときのバカバカしさは大爆発級だ。
さらには、館ものの大トリックも、ダジャレすれすれの大馬鹿ぶりで、面白い。
折り句に関しては、これはしてやられた、と思った。せめて「ジル・マゴーン」あたりで気づくべきであった。
全体的にわるふざけがすぎる怪作だが、こういうむちゃくちゃなことを、なけなしのペダントリー使って大真面目に仕上げていないだけ、良心的とも言える。
いや、面白かった。
ISBN:4652086121 単行本 真瀬 もと 理論社 2007/09 ¥1,575
真瀬もとの『キューピッドの涙盗難事件』を読んだ。
ホームズもののパスティーシュ。
怪盗黒薔薇の賊。
こういう怪盗が出てくる話は、十中八九、怪盗のしわざに見せかけて親族が悪さを働いているのだが、まさに、この本もそのとおり!
強烈な謎でグイグイひっぱる物語ではなく、大河ドラマ的な物語の面白さで読ませていく小説だった。ある意味、コージー。
次回予告っぽい終わり方も実にドラマチック!
ISBN:4334076394 新書 石持 浅海 光文社 2006/08/22 ¥900
対人地雷をテーマにした短編と、デビュー作をおさめた短編集。
ネタバレするので、未読の方は、退散。
対人地雷の作品は、地雷に関するアイディアなどが面白く、ミステリーとしての興味については、わりとオーソドックスな解法を用いていた。
この夏、ピース大阪で見た地雷関連の展示を思い出した。

「地雷原突破」
地雷のデモンストレーションで、無害なはずの地雷が爆発。
どこに仕掛けてあるかわからない地雷をどうやって踏ませることができたのか?
ヤラセが真相だったとは、また今日的な。

「利口な地雷」
地中で分解してしまう地雷を作り、期間限定の用に役立てる。

「顔のない敵」
殴った痕跡を隠すために、地雷で顔を爆破する。
古典的解決。

「トラバサミ」
醜悪な日本人の目をさますために、男は地雷ならぬトラバサミを仕掛けた。
どこに?
それは、日本人が醜態をさらすところ。
花見の公園。

「銃声でなく、音楽を」
部屋のなかには、死体と社長。
犯人は社長ではない。
犯人の自殺を阻止するため、社長がとっさにロッカーに犯人をかくまったのだ。

「未来へ踏み出す足」
地雷を接着剤でかためて無効にする発想。
接着剤で顔全体をかためられて死んでいた死体。
頭をうった死体にギプスしようとして接着剤を使ったのだ。

「暗い箱の中で」
停電したエレベーターの中での殺人。
なぜ、そんなタイミングで殺人を?
犯人が別で行った殺人の犯行現場にみんなを行かせないため。
それにしても、殺さなくてもいいだろうに。
ISBN:4163680403 単行本 横尾 忠則 文藝春秋 2006/04 ¥1,700
不眠、便秘、ムチウチ、腰痛、飛蚊症、耳鳴りなどなど、横尾氏が今までに患ってきた身体の不具合について書かれた本。
自分の病気いろいろで1冊書けるってすごい。
自分だったら、と考えると、せいぜい1ページが関の山だ。
基本的に、「病は気から」という話になるのだが、治るきっかけになった事柄の面白さが、単なる闘病ものとは違う。
三島由紀夫の自決のニュース聞いて、急に歩けるようになったり。
またあるときは健康サンダルで快癒したりする。
1冊読むあいだに、こうした「クララが立った」感動が何度でも味わえる。
ぜんそくで咳き込んだときに火花が散らしたような模様が見える、といってはわざと咳き込んでみたりする、病気へのスタンスの取り方が、楽しい。
ISBN:4582829570 単行本 白崎 容子 平凡社 2001/05 ¥1,575
ジャンニ・ロダーリの『二度生きたランベルト』を読んだ。
古代エジプトの宗教について書かれた書物のなかの言葉「名前を呼んでもらっていれば命は不滅」から発想された物語。
死んでも、いつまでも人々の記憶にとどまるような人物であれば、その人は不滅なのだ、ということだ。
だが、ジャンニ・ロダーリは文字通りに解釈する。
93才のランベルト男爵は、人を雇って、1日中、自分の名前を連呼させる。
「ランベルト、ランベルト、ランベルト、ランベルト」
名前を呼んでもらっていれば、命は不滅なのだ。
ランベルト男爵は、日に日に若返って行く。
髪の毛がニョキニョキ。皺がのびていく。すべての病気は完治。
見た目はすっかり青年になり、アスリートの体力を有する。
さらには、あろうことか、切り落とした耳が再びはえだしたりする。
財産を狙う甥や悪人たちも、このランベルトの異常な力によって、かえりうちにあう。
最終的には、13才にまで若返ったランベルトは、第二の人生を謳歌しはじめるのだ。
いやー、面白い。
物語が開かれていて、読者に自由に続きを考えさせたり、書き込みが足りない部分を読者にまかせたりもしている。
今年の収穫はなによりも、このジャンニ・ロダーリだな。
去年のアルフォンス・アレに匹敵する!
さらにその前の年のミュノーナに匹敵!
今から予言すれば、来年はルネ・シャールかな。
ルネ・シャールは今年まとめて読んだけど、まだ感想を書いたりできない強敵なのだ。
でも、あいかわらず強敵のままのジーン・ウルフ同様、来年もおあずけかも。
ああ、ジーン・ウルフとルネ・シャールだけに没頭できる環境があればなあ。
ISBN:4480814914 単行本 山田 風太郎 筑摩書房 2007/07 ¥1,995
自作を「アイデアだけだ」と評されたことについて、何度も開き直っている。アイディアだけ、何がわるい。それが一番大事、という主張はまったくそのとおりだけど、山田風太郎は気にしてたのかな。
ISBN:4779500826 単行本 ウスビ サコ ナカニシヤ出版 2007/05 ¥2,625
あたりまえのことなんて、なーんにもないんだ。
ISBN:4798111635 単行本 守岡 桜 翔泳社 2006/10/04 ¥1,890
ゲームしてたらキレやすい性格になる?
ゲームがいかに忍耐を必要としているか、わかって言ってるのか、というような話。
ISBN:4652086113 単行本 牧野 修 理論社 2007/08 ¥1,365
澁澤趣味の小学生たち!
ISBN:486191163X 単行本 宮沢 章夫 白夜書房 2006/07/18 ¥2,000
番長エイドのために予習の意味合いで読んだ。
ピテカンを中心とした話。
埼京線開通による文化のうつりかわり説が愉快。
ISBN:4062705788 単行本 法月 綸太郎 講談社 2006/03 ¥2,100
ISBN:4344980573 新書 茂木 健一郎 幻冬舎 2007/09 ¥756
                         近藤  譲
 − ヨーロッパの現代音楽祭から −(3)
 ▽アルス・ムジカ・フェスティバル2007ほか
 <ドナウエッシンゲン現代音楽祭2006から>
「突然性」           ブライアン・ファーニホー作曲
                      (19分58秒)
           (ソプラノ)モニカ・マイア・シュミット
      (メゾ・ソプラノ)トルイケ・ファン・デル・ポエル
            (コントラルト)ジャネット・コリンズ
               (演奏)南西ドイツ放送交響楽団
                (指揮)アルトゥーロ・タマヨ
  〜ドイツ・ドナウエッシンゲン ドナウハレAで収録〜
                  <2006/10/20>
  (南西ドイツ放送協会提供)
 <アルス・ムジカ・フェスティバル2007から>
「スル・セーニョ」            ヤン・マレーズ作曲
                      (20分00秒)
              (演奏)アンサンブル・イクトゥス
           (指揮)ジョルジュ・エリー・オクトール
  〜ベルギー・ブリュッセル カーイテアターで収録〜
                   <2007/3/23>
  (ベルギー・フランス語地域放送協会提供)
「弦楽四重奏曲 第5番」      パスカル・デュサパン作曲
                      (18分24秒)
                 (演奏)ダネル弦楽四重奏団
  〜ベルギー・ブリュッセル カーイテアターで収録〜
                   <2007/3/24>
  (ベルギー・フランス語地域放送協会提供)
 <クラーラ・フェスティバル2006から>
「睡蓮〜秘密の花園3〜」       カイヤ・サーリアホ作曲
                      (20分07秒)
              (演奏)アヴァンティ弦楽四重奏団
  〜ベルギー・ブリュッセル パレ・デ・ボザールで収録〜
                   <2006/9/04>
  (ベルギー・オランダ語地域放送協会提供)
 <プレザンス2007から>
「ブラームス」              トマス・アデス作曲
                       (5分18秒)
               (バリトン)トーマス・バウアー
           (演奏)リエージュ・ハーモニー管弦楽団
                  (指揮)パスカル・ロフェ
  〜フランス・パリ オリヴィエ・メシアン・ホールで収録〜
                   <2007/2/16>
  (ラジオ・フランス提供)
ISBN:4840102899 文庫 石ノ森 章太郎 メディアファクトリー 2001/05 ¥725
ISBN:481138086X 単行本 井川 ゆり子 汐文社 2006/09 ¥1,575
                        近藤  譲
 − ヨーロッパの現代音楽祭から −(2)
 ▽ドナウエッシンゲン現代音楽祭2006ほか
 <ドナウエッシンゲン現代音楽祭2006から>
「アナモルフォシス」        アルベルト・ポサダス作曲
                      (22分21秒)
            (演奏)シェーンベルク・アンサンブル
              (指揮)ラインベルト・デ・レーウ
  〜ドイツ・ドナウエッシンゲン ドナウハレBで収録〜
                  <2006/10/21>
  (南西ドイツ放送協会提供)
「ピアノ協奏曲 第2番 第2部」   クリス・ニューマン作曲
                      (20分19秒)
       (ピアノ)クラウス・シュテフェス・ホーレンダー
             (演奏)アンサンブル・ルシェルシュ
             〃 フライブルク・バロック管弦楽団
                  (指揮)ルーカス・フィス
  〜ドイツ・ドナウエッシンゲン ドナウハレAで収録〜
                  <2006/10/22>
  (南西ドイツ放送協会提供)
「ダンツボドゥンロック〜バイオリン交響曲〜」
               マンフレート・シュターンケ作曲
                      (31分07秒)
           (バイオリン)バルバラ・リューネブルク
               (演奏)南西ドイツ放送交響楽団
                 (指揮)ハンス・ツェンダー
  〜ドイツ・ドナウエッシンゲン
             バール・シュポルトハレで収録〜
                  <2006/10/22>
  (南西ドイツ放送協会提供)
 <スロヴィンド・フェスティバル2005から>
「オカナゴン」           ジャチント・シェルシ作曲
                       (9分56秒)
     (演奏)アンサンブル・アクロシュ・ノートのメンバー
  〜スロベニア・リュブリャナ
            フィルハーモニー・大ホールで収録〜
                  <2005/10/10>
  (スロベニア放送協会提供)

壊れかた指南

2007年11月19日 読書
ISBN:4163248404 単行本 筒井 康隆 文藝春秋 2006/04/26 ¥1,650
ISBN:4925220225 単行本 樋口 ヒロユキ 冬弓舎 2007/07 ¥2,415
ISBN:4062879107 新書 相原 博之 講談社 2007/09/19 ¥735
ISBN:406270580X 単行本 乙一 講談社 2006/05/31 ¥2,100
ISBN:4393332644 単行本 切通 理作 春秋社 2007/10 ¥1,785

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