HESOMORI

2012年5月30日 映画
入谷朋視監督、脚本の「HESOMORI」を見た。2011年。
とにかく谷村美月が可愛い。
時の穴を守る一族。
幕末の武士と現代の少女の間に芽生える淡い愛。
なんというか、SF的な設定がありながら、過激なことをやったり言ったりするわけでもない冒険話で、安心して見れる。
感覚としては、天才てれび君の「天てれドラマ」を見ているような気分。

『ジャック・ルーボーの極私的東京案内』
『ジャック・ルーボーの極私的東京案内』を読んだ。
ジャック・ルーボーは、ウリポの作家で、この本も、通常の意味での東京案内にはまったくなっていない。
以下、本書の構成。

山手線各駅俳文
TOTO
てんとう虫
大名時計博物館
公園と庭

作中、いろんな説が出てきて、それが面白かったので、引用しておこう。

英語の音には、非英国人にとっては格別に再現しにくいものがある。

それは「th」、たとえば「this」や「that」のような語に出てくる音である。さて、高名な言語学者の解説によると、これとほぼ同じ優秀な結果を得るためには、舌の位置をフォワグラを食べるときと正確に同じにすればよい。あるいは(彼はつけ加えて曰く)ゼリーを食べるときと同じにすればよい、と。
このちょっとした指摘のおかげで、私はイギリスにおけるゼリーの起源を発見することができた。実際、知らぬ者のない事実だが、フォワグラの生産地は14世紀にはイギリス王室に属しており、当然の結果として例の「th」の音が英語の音声に導入された。その後、ジャンヌ・ダルクやそれに続くもろもろが登場した結果、英語はその固有言語の正しい発音のために欠かせないフォワグラをすぐに安値で入手する道を長期間にわたって絶たれてしまった。そこで、ある天才的な料理人がゼリーを発明したのである。


あるいは、たまたま何度か車窓から見る機会があったときに、富士山が見えなかったことから、富士山は存在しないとする「富士山問題」をぶちあげる。
「あれは万葉の詩人たちが日本観光局と共謀してでっちあげたものなんです」

また、TOTOのカタログを自動翻訳にかけてトンチンカンな説明にしてしまう。
たとえば、フラッシュバルブが「紅潮弁トイレ」と翻訳される愉快さなどが淡々と並べられ、「ビデ」の項はこんな翻訳
ちょうどボタンのプッシュで、ノズルは及びますわずかに前にノズル開口の数から、難しい温水洗浄をする直腸洗っている立場の。

便器のふたの項では、こんな説明が。

遅い終わりの席とふたは、大きい爆発音を防ぎます。たとえあなたが彼らを降ろすとしても、ふたと新しいWashlet Gアルファのシートはゆっくり閉まります。

メランコリックな宇宙 ドン・ハーツフェルト作品集
メランコリックな宇宙 ドン・ハーツフェルト作品集
第七藝術劇場で「メランコリックな宇宙 ドン・ハーツフェルト作品集」を見た。
7つのアニメーション短編。
オヤシラズ
人生の意味
リジェクテッド
ビリーの風船
きっと全て大丈夫
休憩3D
あなたは私の誇り

残酷な内容だが、登場するのは、ゆるキャラのような一見稚拙に見える線で描かれた人物たち。
すごく気に入った。
きゃりーぱみゅぱみゅ@千里セルシー~NEP☆SheStars山口りほ生誕祭@日本橋ラブコン~檜垣立哉×岡本源太トークセッション@ジュンク堂難波~東風@シネリーブル梅田
きゃりーぱみゅぱみゅ@千里セルシー~NEP☆SheStars山口りほ生誕祭@日本橋ラブコン~檜垣立哉×岡本源太トークセッション@ジュンク堂難波~東風@シネリーブル梅田
きゃりーぱみゅぱみゅ@千里セルシー~NEP☆SheStars山口りほ生誕祭@日本橋ラブコン~檜垣立哉×岡本源太トークセッション@ジュンク堂難波~東風@シネリーブル梅田
正午から千里セルシーで、きゃりーぱみゅぱみゅのライブ。
1.CANDY CANDY
2.みんなのうた
3.つけまつける
こんなに大勢のお客さんがつめかけるなんて、きゃりーちゃん、よかったね!ほんと、うれしいよ!

午後3時半から日本橋ラブコンで、NEP☆SheStarsのライブ。
山口りほの生誕ライブである。僕はその第2部だけを見れた。
MCはKYAM(清本晏名と吉田美穂)
1.甘えてみせて(りほホン、あんこ、みほ、ももか、かなこ、りんか、じゅりりん、ふうか、さつき)
2.ユーアーマイスター(同上)
3.サンサンサンシャイン(あんこ、みほ、ももか、かなこ、りんか、ふうか、さつき)
4.ダンス~オレンジノート(じゅり、りほ)
5.ビリーブ(同上)
6.ラムのラブソング(さつき、もも、かな、みほ)
7.パジャマじゃまだ(同上)
8.フラジャイル(山口りほ)
9.ディペンド・オン・ユー(じゅり、あんこ、りんか、ふうか)
バースデイイベント
10.デイ&ナイト(全員)
11.ギブ・ミー・ラブ(全員)
以下、アンコール
12.その未来へ(全員)

りほホン、誕生日おめでとう!
時間の都合で(開演が遅れたため)、ライブ後のコミュニケーションタイムには参加できなかったけど、第3部も盛り上がったらしくて、よかった。
ダンスも思う存分踊っていたし、曲名が読めなかったけど、しっとりと歌も聞かせてくれた。
ただ、こういうことは書かない方がいいのかもしれないが、明らかに手を抜いているメンバーが見られた。新人というわけでもなく、毎回のようにちゃんとステージに立っていて、人気もある子だっただけに、振り付けに手をぬいたり、間違えたりするのが多くて目に余り非常に残念だった。

午後5時からジュンク堂難波店で、檜垣立哉と岡本源太によるトークセッション。
檜垣教授は近刊に『ヴィータ・テクニカ』があり、岡本講師は『ジョルダーノ・ブルーノの哲学』がある。フレンチセオリーを専門とする檜垣教授と、岡本講師のジョルダーノ・ブルーノとでは、どう話がかみ合っていくのか、と興味があった。
質疑応答などで、それぞれの語り方が対照的だったのが興味深かった。岡本講師は明晰でわかりやすく、頭の回転の早さを感じさせた。一方、檜垣教授は、一度に言いたいことが常に複数存在しているようで、エクリチュールであれば括弧とか注釈を多用して思う存分書けただろうが、話し言葉だと、「ああ、文章の最後に行く前に、これだけは言っておきたいことが、われもわれもと口に殺到している!」というような印象があった。それぞれ、面白い。

シネリーブル梅田でゴダールの「東風」を見た。1969年。
「ウラジミールとローザ」が裁判劇のファースを見せてくれたように、この「東風」は西部劇を茶化している。見ていて飽きない。
Negicco@タワーレコード難波店~歌姫ライブ新緑スペシャル@ORC200~MASONNAワンマン@BEARS
Negicco@タワーレコード難波店~歌姫ライブ新緑スペシャル@ORC200~MASONNAワンマン@BEARS
正午から、タワーレコード難波店で、Negiccoのインストアライブ。
1.パーティー・オン・ザ・プラネット
2.ニュートリノ・ラブ
3.圧倒的なスタイル
年齢とともに、大人っぽい歌を歌うようになったなあ、と感慨しきり。

午後1時40分から、弁天町ORC200で「歌姫ライブ新緑スペシャル」
村上夢歌
http://ameblo.jp/dreamrunrun/
1.Be…
2.さくらんぼ

渕口綾音
http://ameblo.jp/ayane-koneko/
1.ワンデイ
2.ハナミズキ

MOKA RIKA (浅田萌花& 小西梨花)
浅田萌花
http://ameblo.jp/moka213/
小西梨花
http://ameblo.jp/rikatti-freedom/
1.Bang!
2.We will win
3.Fight together
4.Charge & Go

遠藤早希
http://ameblo.jp/sakihitomi/
1.オリビアを聴きながら
2.PONPONPON
きゃりーの歌は、「歌詞に意味がないので、下手でも大丈夫」と言われて歌うのを決めた、とか。

比奈多しょうこ
http://ameblo.jp/hinashoko222/
1.星間飛行
2.少女たちよ
今回の歌姫ライブでは、彼女の魅力の発見が一番の収穫だった。なんと愛らしい!

山本美優
http://ameblo.jp/lsc014/
1.大声ダイヤモンド
2.ハピネス

奈月(渡辺奈月)
http://ameblo.jp/fu-natsu-jo/
1.ハナミズキ
2.yksk(約束)

黒田沙耶華

スタジオDIP(ダンス)
http://www.d-ip.info/

井上紗希
http://www.so-on-project.jp/member/inoue_saki.html
1.エブリシング
2.カブトムシ

吉岡美保 ※第16回VQコンテスト「店舗会賞」受賞
1.魂のルフラン
2.ららら

SAORi(今村紗央里) ※第16回VQコンテスト「ORC200イメージソング賞」受賞
http://ameblo.jp/i-saori-music/
1.情熱
2.触れたくて~your heart~

山内加奈
http://ameblo.jp/boheamia/
1.ボンズ
2.ラブストーリー

山口美優
http://ameblo.jp/miumu-tanabata/
1.そこまで歩いていくよ
2.君からのメッセージ

久伶愛(戸島久伶愛)
http://ameblo.jp/jin-0716/
1.ブルームーン
2.コンフリクト

原田真由美 ※第15回VQコンテスト「ORC200準グランプリ」受賞
http://ameblo.jp/mama-moe/
1.もらい泣き
2.One moment in time

斉藤友美
http://ameblo.jp/tomomi11o2/
1.I will always love You
2.秋桜

山本かのこ ※第16回VQコンテスト「特別賞」・「ベストソング賞」受賞
http://ameblo.jp/kanopyi/
1.風をつかまえて
2.未来

渚紗(太田渚紗) ※第16回VQコンテスト「ORC200準グランプリ」受賞
1.WHY
2.あなたのキスを数えましょう

宮崎真穂
http://ameblo.jp/maho-club/
1.(椎名林檎の歌)

田頭沙希 ※第14回VQコンテスト「ORC200準グランプリ」受賞
http://ameblo.jp/saki-tagashira/
1.タイム・ゴーズ・バイ
2.(「空色」と曲名紹介で聞こえたけど、自信ない)

イベントの途中で、2回、歌姫オリジナルCD争奪じゃんけん大会があって、2年前のアルバムを勝ち取った!田頭沙希ちゃんからCDを受け取ったが、けっこう、それで舞い上がってしまい、イベント最後の方の曲名は不確かなものに。

午後8時からなんばBEARSで、MASONNAワンマンライブ。
金環日蝕を見に来るような気分で集まったお客さん多数。
太陽を肉眼で見てはいけないのと同様、MASONNAも耳栓なしでは聞けないのか、と覚悟していたが、意外と普通に耳を傷めることもなく、聞くことができた。
ライブの時間は、2分26秒。
この2分26秒のノイズ爆発を見聞きするために、みんな2千円なにがしの金を払ったのである。ノイズ界の金環日蝕、かっこいいドブ、MASONNNAワンマン、次はいつ地球上で見れるんだろう。

『若おかみは小学生!~花の湯温泉ストーリー』5、6
『若おかみは小学生!~花の湯温泉ストーリー』5、6
令丈ヒロ子さんの『若おかみは小学生!~花の湯温泉ストーリー』5巻と6巻を読んだ。
5巻は霊感師がきて、鈴鬼くんがいぶりだされる。
6巻ではスランプ中の占い師と、ウリケンにうりふたつの少年が登場。
毎回、おっこの早とちりなどにハラハラしながらも、安心して読める。
アンマ来日プログラム
梅田ステラホールで、アンマ来日プログラム。
午後6時30分からインド伝統の歓迎入場式。
アンマのお話
~特別プログラム 世界平和を祈るインド伝統儀式(アートマ・プージャ)
お話はたとえ話を多用した、わかりやすいお話。
儀式では、「パラーシャクティェィ ナマハ」などマントラを唱えたりした。
このイベントに参加するのあたっては、とくに料金がいるわけでもなく、名前や住所などを残さねばならないわけでもない。だから、僕みたいな興味本位の人間でも気軽に参加できるのである。
アンマの話や儀式にも、気分をリラックスできるようなユーモアがふんだんにあって、それが毎年のようにこのイベントに参加してみようか、と思わせる動機になっている。
イベントは、その後、メインとも言えるダルシャン(抱擁)があり、僕は整理券ももらえたのだが、整理券を求めて行列ができており、時間が深夜にまで及びそうだったので、係りの人に整理券をあずけて、帰った。
また、全員に配られた「アンマのパワーが入った水」は、飲んでもいいし、普通の水の使い道としてはどう使ってもよかったのだが、紫外線で荒れている手指につけることにした。
このパワーが込められた水は、持って帰って、たとえば2リットルのペットボトルの水にまぜたりして使っても、効力は薄まらないそうだ。パワーは波動だから、水で薄められるものではないのだそうである。
その水の効果かどうか、手指のあれが改善されたような気がする。
『料理少年』『料理少年Kタロー オムレツ勝負』『料理少年Kタロー Kタロー対社長少年』『料理少年Kタロー ポップコーン作戦』
『料理少年』『料理少年Kタロー オムレツ勝負』『料理少年Kタロー Kタロー対社長少年』『料理少年Kタロー ポップコーン作戦』
『料理少年』『料理少年Kタロー オムレツ勝負』『料理少年Kタロー Kタロー対社長少年』『料理少年Kタロー ポップコーン作戦』
令丈ヒロ子さんの『料理少年』『料理少年Kタロー オムレツ勝負』『料理少年Kタロー Kタロー対社長少年』『料理少年Kタロー ポップコーン作戦』を読んだ。
1巻目では、Kタローは「いよっ、ミスター味っ子!」とクラスメートに言われたりする。
4巻目ではKタローも中学生になり、恋もいよいよ本格的になってきて、キャー!というところで、5巻目が書かれてないんじゃないだろうか。よく調べてないのでわからないけど。
ありきたりの映画
ゴダールの「ありきたりの映画」を見た。1968年。
五月革命の闘士たちが、野原で総括の議論をしている。
戦闘的ストライキを行ったフランの労働者と、新左翼の中心、ヴァンセンヌ大学の学生。
彼らが撮影していた当時の映像がはさまれ、五月革命の息遣いが感じ取れる熱い熱い映画。
これもシネリーブル梅田での「ジャン=リュック・ゴダール+ジガ・ヴェルトフ集団WEEK」の1本。
この特集でゴダールの映画を4本見たが、この「ありきたりの映画」が一番面白かった。

『江南の鐘』

2012年5月23日 読書
『江南の鐘』
ロバート・ファン・ヒューリックのディー判事シリーズ『江南の鐘』を読んだ。1958年。
半月小路暴行殺人事件(阿弥陀仏講和)
仏寺の秘事(汪大伊火焚宝蓮寺)
鐘の下の白骨死体(九命奇怨)
の3つの事件。
最近、ディー判事ものの映画を見たので、未読の本も読んでいこう、と思ったのだ。
しかし、罪人たちの末路の強烈な最期は特筆もの。
ウラジミールとローザ
ウラジミールとローザ
ゴダールの「ウラジミールとローザ」を見た。
フライヤーには1971年の作品と書いてあるが、リュミエール叢書だと1970年の作品とある。はたして?
ドイツのテレビ局テレ=プールのための映画。
シネリーブル梅田での「ジャン=リュック・ゴダール+ジガ・ヴェルトフ集団WEEK」の1本。
笑かしてくれる裁判劇。

『ファウスト』

2012年5月22日 読書
『ファウスト』
ハリー・クラーク絵、荒俣宏翻訳、ゲーテの『ファウスト』を読んだ。
ジョン・アンスターの英語訳からの翻訳。
なぜ、あえて英語訳から翻訳しているかについては、本書あとがきを参照。面白い。
以下、目次。

芝居の序曲
天上の序曲

門の前
ファウストの書斎1,2
ライプツィヒのアウエルバッハの地下酒場
魔女のキッチン
ストリート1
夕方
散歩道
隣人の家
ストリート2

サマーハウス
森林と洞窟
マーガレットの部屋
マーサの庭
井戸
市壁-小さな神殿
夜2
大聖堂
ワルプルギスの夜
ワルプルギスの夜の夢 あるいはオーベロンとティターニアの金婚式
曇れる日-野原にて
夜-広野
牢獄

本書は、ゲーテがはっきり言わなかったことを、英語訳の時点であからさまに描いている。それはほとんどデフォルメに近いもので、訳者も註でこう書いている。

ムッツリのファウストと茶々を入れるメフィストフェレスの掛け合いは、吉本新喜劇か漫才のようである。

ファウストとメフィストフェレスの漫才を、さらに訳注でツッコむ、というスタイルになっている。
どこまで文章がくだけているか、というと、こんな例がある。
魔女のおおげさなオカルト儀式に対して、ファウストは辟易し、「これぞ汚らわしいナンセンス、狂乱のジェスチャー、無意味の奔流、みだらで不潔でおぞましい不正行為のきわみだ」とまで罵る。ここまではまあ普通だが、魔女が呪文を唱え続けると、こう叫ぶ。
「ナンセンスだ。意味がない。頭蓋骨が割けそうだ。もう正気を失いそうだ。疲れを知らぬ百万人のバカどものレイヴ・パーティーに参加したみたいだ」

さらに、訳注を読んでいて、納得したことがあった。こんな訳注があった。
メフィストフェレスは高潔なファウストを堕落させられるか、主と賭けをした(天上の序曲)。つまり、オナニストだったファウストが女性とのリアルなセックスに夢中になれば、その時点で勝ちとなる。「カモ」にしたというのはその意味においてである。
だが、メフィストフェレスとファウストとの魂の契約は「瞬間よとまれ、おまえは美しい」という類の言葉が出ない限りは成立しない(ファウストの書斎Ⅱ)。そこに向かう道筋は、堕落のベクトルとは逆である。矛盾ではないか。
またゲーテの死の直前、四半世紀を隔てて刊行された第二部は、執筆自体が矛盾解消を意図したものと思われるが、肝腎のそのラストで、ファウストはメフィストフェレスの意図を誤解し妄想を展開してこの言葉「瞬間よとまれ、おまえは美しい」を呟く。安寧の心境の根拠が妄想とは、ファルスの結構そのもの。おまけに奪われる筈のファウストの魂は意味不明に救済されてしまう。ドラマの体を成していない気がする。

『ファウスト』のあらすじを人に伝えるときなど、決して間違えてはいない、と思っているのに、あれ、おかしいな、と首を傾げてしまう理由がわかった。

また、寺山修司がシュペングラーからの引用としてよく使っていた言葉が、実はゲーテの『ファウスト』がモトだった、と高取英の本で知ったが、本書ではその部分はなかったのだろうか。ぼさっと読んでいるせいか、見つけることができなかった。似たような意味合いの文章が、わりと最初のほうにあったので、一応引用しておく。
「夜」の章で、ファウストが言うせりふ。
「過ぎ去った時間というやつは、おれたちにとってはミステリアスな書物みたいなものじゃないか」



令丈ヒロ子さんの『ブラックダイヤモンド』1、2を読んだ。
ゴシック・ロマン!
堺市立人権ふれあいセンターちぬが丘大ホールで、
将棋名人400年祭・第25回阪田三吉名人杯記念大会特別企画 
■第1部(13時~) 
講 演
「阪田三吉師の魅力」 内藤國雄九段
■第2部(13時40分~) 
記念対談
久保利明九段、谷川浩司九段
(進行:村田智穂女流二段)
トークだけでなく、記念対局があれば、より面白かったんだろうが、講演、対談も面白かった。
イベント後、舳松人権歴史館ものぞいた。
阪田三吉記念室の他、舳松の住環境を再現していたり、歴史が紹介されていた。
舳松の昭和40年頃の住環境は「劣悪」とあったが、自分の小中学生時代の友人の家などと、そんなに変わるものではなかった。子供なのでわからなかったが、あれは、劣悪だったんだ。
映画『へんげ』関西上陸記念!スペシャルトークライブ@なんば紅鶴~music non stop, technopop@nu things
映画『へんげ』関西上陸記念!スペシャルトークライブ@なんば紅鶴~music non stop, technopop@nu things
午後1時から、「10minutes Movie Factory Presents 映画『へんげ』関西上陸記念!スペシャルトークライブ」
出演 /大畑創(『へんげ』監督)、森田亜紀(女優)、信國輝彦(俳優)、寒河江弘(特撮スタッフ)
MC/花井なお、安斎レオ

渋谷では異例の7週間ロングランヒット!超話題の映画『へんげ』が遂に関西上陸!
その公開を記念して東京から大畑創監督をはじめ、スタッフキャストが「なんば紅鶴」に大集結します!!
大畑監督×寒河江弘(へんげミニチュア製作)が『へんげ』特撮の魅力を語りつくします。
森田亜紀(主演・門田恵子役)、信國輝彦(坂下役)の『へんげ』出演俳優二人による裏話も必聴!
また『へんげ』特技監督の田口清隆監督作『DUST#3』他、ゲスト関連作品も一挙上映!
特撮ファン、自主映画ファンは見逃せないイベントです。皆様是非!


上映作品
『DUST#3』(2011/監督:田口清隆) 美術造形:寒河江弘
『わたしの赤ちゃん』(2010/監督:磯谷渚) 主演:森田亜紀
『ラップ現象』(監督:大畑創)
その他、覆面上映もあった。
「へんげ」を見ていないのだが、期待がますます高まった。
寒河江さんや、「鉄ドン」の星野さんなど、自主上映イベントが熱かった時代の友人にも会えて、久闊を叙した。
上映イベント後、深夜喫茶「銭ゲバ」で打ち上げ。
ガンダム講談の七井コム斎さんが乱入したりして、面白かった。


阿波座のnu thingsで、テクノポップイベント「music non stop, technopop」
LIVE:lotus 123 / axolotl / machonar / animalvideo
DJ:いぬ、ビッキー(東京ピーチ)
TALK:あさと;安井麻人&保山ひャン
http://nu-things.com/
この店は、ロックマガジンの阿木譲さんが作った場所で、僕は学生時代に『ロックマガジン』で原稿を書いたり、編集のお手伝いをささやかながらさせてもらったり、翻訳をしたりしていた。その後も折にふれて阿木さんや、モデルの雨宮ユキさんにも会っていたが、nu thingsでお会いするのははじめて。久しぶりにお会いしたが、阿木さんもユキさんも、変わらぬたたずまいで、背筋がのびる思いがした。
で、そんな感じなのに、僕と安井くんがトークでしゃべったのは、将棋の話と、ルー・ビーチ。将棋はともかく、ルー・ビーチは面白いきっかけをもらい、ルー・ビーチの作品などを後で見たり、読んだりして、にわかにルー・ビーチのマイブームが到来中である。
千日前味園ビルで、「魔ゼルな規犬vs保山ひャン」
保山ひャン
魔ゼルな規犬
TASKE
マジカルエミちゃん
スープーメッセンジャー
丼野M美
Syadoooo+ミルク
野中ひゆ
パンチョリーナトドロキ
一点のあいまいさも許さない。さすがロゴス

僕とTASKEは2回ステージ、飛び入りでチコピドー、夢野さくらも出演。
東西の変人たちが好き勝手に大騒ぎ。
なお、東の魔ゼルなチームは、「変人」
西の保山チームは「アイドル」
一応は紅白、東西対決だったけど、最後の「一点のあいまいさも許さない。さすがロゴス」は、途中でケンカがはじまってイベント中止、会場の外で路上でパフォーマンス(警察のごやっかいにならないうちに収束)にまで発展した。
最近、こういうカオスなイベントが減ってきているように思う。
たまには、こういうのも見ないとね!
『ルイユから遠くはなれて』
レーモン・クノーの『ルイユから遠くはなれて』を読んだ。
ちょっと前に「ル・アーヴルの靴みがき」という映画を見たが、このレーモン・クノーはル・アーヴル出身なのである。
主人公の青年には妄想癖がある。
映画を見たら、そのヒーローは自分が演じているものとして見える。
他人を見たら、勝手にその人になりきって、人生をふりかえったりする。
最初読んでるとき、落語「延陽伯」のお風呂のシーンみたいな可笑しみを感じた。明らかに、本作の主人公のほうが行き過ぎではあるが。
七年だか八年だか前にさかのぼってみる。するとたちまち、彼はオランダ軍の大尉になる。工場長になる。北京の大使館員に、銀行員になる。それから道化師(有名な)、画家(有名な)、古文書学者、海軍士官(最後の帆船に乗船)、自転車競技の選手(ツール・ド・ヨーロッパの覇者)、チェスの世界チャンピオン(ロモーヌ・ギャンビットとオープニングの定跡f2-f3、h7-h5の考案者)、オーストラリアの大農場主(どれだけウサギを退治したことか)、バーテンダー(ホテル・リッツの)、天文学者(太陽系外で最も近い惑星で、ケンタウルス座アルファ星の衛星のひとつを発見)、代議士(フランスで最年少の)、ジャーナリスト(多方面の陰謀事件を次々にスクープ、剛毅果断)、軽業師(はずみをつけずに後方六回転宙返りを初めて成功させる)、水晶玉占い(ジプシーの老婆にありとあらゆる占いの秘儀を授けられた)、医者(精神分析医)、医者(鍼師)、医者(整骨師)、医者(指圧療法師)、医者(歯科外科医)、探検家(つまり宇宙飛行士、でなけりゃどこを、何を探検するってのか?)、黄金探索者(当然ながら金持ちになる)、宝物探索者(古い城館ばかりか海底でも宝物を発見)、英国貴族(養子縁組による)、高位ラマ僧(化身による)、ニカラグア共和国大統領(選挙による)、コスタ・リカ共和国大統領(革命による)、グアテマラ共和国大統領(占領による)。どんな野心があったのかもう忘れているが、ほかにもたくさんある。ローマ三頭政治の執政官、ポーランドの槍騎兵、鉛管工、古代の四分領主、古代の網闘士、ペルシャの国王、贋塩つくり、白象(魔法で変身した)、不実なキリギリス、中国の時代劇、角砂糖、溶けた石鹸のかけら…。

こんなふうな、感情移入過多な彼の実際の物語と、空想の物語が、渾然となってストーリーは進み、ついにそんな自分にいやけがさしてからは、極端に「謙遜」する人間になってしまう。
物語の後半では、彼と関係をもった、と言い張る女性があらわれ、この女性がまた妄想癖のある女で、紆余曲折の人生を聞かれてもいないのにまくしたてる。
この女性の妄想の源泉は、日夜読みふけっている大衆娯楽小説にあって、したがって、彼女の話は波乱万丈でありながら、いかにもセンセーショナルな昼メロの域を越えないのである。いつ見ても波乱万丈!
あと、なぜか物語のあちこちで「シラミ」の話題が出てくるのには笑った。

孤島の王

2012年5月16日 映画
マリウス・ホルスト監督の「孤島の王」を見た。ノルウェー映画。
大阪天満宮で「人形祭」
雨が降ったが、午後3時からの人形奉謝祭を見に行った。
日本人形、フランス人形、ひな人形から、最近のぬいぐるみまで、多くの人形が並ぶなか、祝詞があげられた。
祝詞の一部を紹介すると。

風の音の遠き昔 掛けまくも畏き菅原大神の遠津御祖の神なる野見宿禰命には 恐くも垂仁天皇の御代までの習いと為せる殉死の定めを改めて 人形の埴輪に替えて葬り奉る古事始めて 年々の大祓には諸人の過ち侵せる罪穢れの有らむをば人形に依させ給いて祓い却る神事仕え奉る由を以て 又 桃の節句に雛の人形を以て愛し児達の身代わりと為し疫病の神と相共に流し給う神事の世に広く慣習いと為す他に 我子達の生い立ちを祝ぎ愛で請ひ願ぎ白してある随に あるは人々の心和め、あるは子達の友がらとなりてその家々に迎えられし人形達も其の務めを終へぬれば棚の飾りも事止みて 今より行く先留置く事も畏き事なれば 今し各々家より持ち寄り参集りたる是れらの大き恵みを謝び奉り忝奉り御霊を神上げ奉らむと(中略)
諸人に仮初めにも悪しき御霊の取り憑きて祟る事無く 知り敢えぬ物の怪の障る事無く 愈々恩頼を蒙しめ給いて御子達をも家人をも守り恵み幸へ給へと 今日の齋主大阪天満宮神職請ひ祈み鎮み奉らくと 恐み恐みも白す

< 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 >

 

最新の日記 一覧

<<  2025年6月  >>
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293012345

お気に入り日記の更新

日記内を検索