ギャラリーノマルで、Three Phaseのイベントを見てきた。
名和晃平 (Draw)、.es (Sound)、稲垣元則 (View)
ライブペインティングに即興演奏に、ドキュメント映像撮影。
リアルタイムで映される映像がモニターで見ると、みるみる映像作品化していくのにびっくりした。
4時間をこえるイベントで、自由に出入りして休憩とってもよかったんだけど、目も耳も離せないイベントだったんじゃないのかね、これは!
イベントは、未完成のものが完成を目指す、というようなものではなく、作品が時間の経過と共に更新し続けるというにふさわしかった。

国際児童文学館で、「花ひらく<カワイイ>展」
竹久夢二、高畠華宵、中原淳一、手塚治虫、内藤ルネ…
意外と、これだけのオールスターの組み合わせをいっぺんにみたのは、はじめてかもしれない。

阪神百貨店で、スーパーキッズ大フェスティバル。
阪神春のキッズダンスショーを見てきた。
第2部だけ。
シャカラカバービー出てきて、気分上がった。
レインボー7やRONIガール大阪、EM DOLLもね!


BEARSで、自分BOX withララボンゴ、ひらちん(おにんこ)、pagtas,PIKA☆のライブを見てきた。全部女性。
パグタス、かつて高円寺20000Vで対バンしたことある人だった!おまけに、ゆすらごの台湾レコード鑑賞会でレコード紹介してた人だった!びっくり!



『ジョルダーノ・ブルーノと大使館のミステリー』
ジョン・ボッシーの『ジョルダーノ・ブルーノと大使館のミステリー』を読んだ。
1580年代のヨーロッパ、カトリックとプロテスタントの争いが広がる中でのお話。
フランス王アンリ3世からエリザベス女王に派遣された大使として、ミシェル・ドゥ・カステルノー候が8年間近くロンドンに暮らしていた。カステルノーは、エリザベス女王の虜囚であり、その後継者ともみなされていたスコットランド女王メアリーの自由確保のために尽力していた。メアリーを解放することで、フランスがスコットランドに対する支配力を取り戻すことができるとの思惑からである。カステルノーがメアリーと組んで何をたくらんでいるのかは、エリザベス女王の廷臣たちにとって非常な関心事であった。
さて、そのエリザベス女王の廷臣たるサー・フランシス・ウォルシンガムのもとに、ヘンリー・ファゴットという人物から、何回か手紙が届けられた。その内容は、カステルノー周辺に関わるスパイ文書だった。
ヘンリー・ハワード卿とフランシス・スロックモートンがカステルノーとメアリーの間のパイプ役をしていること。
その二人の訪問は常に夜であること。
裏切りもの、スパイの存在について。
本書の第1部では、こうしたスパイ、ファゴットの手紙からその行動を描き、第2部ではそのファゴットが誰なのか、という謎解きが行われる。
ファゴットが暗躍したのと同じ時期、同じ場所に滞在していた人物がいる。
ジョルダーノ・ブルーノだ。
著者は、ブルーノがファゴット、つまり、スパイなのではないか、と推理して、その論をすすめる。

我々はこれまで、1580年代のほぼ3年間、ロンドンとパリにおける二人の男(ファゴットとブルーノ)の経歴を追ってきた。その二人には、かなり多くの共通点があった。彼らは二人共イタリア人で、カトリック司祭だった。二人共1583年の4月頃に、ロンドンのカステルノー邸を訪れ、それ以降、そこに住んでカステルノーに仕えた。二人共ローマ教皇、スペイン、そしてイングランドのカトリック教徒の陰謀に激しい敵意を持っていた。二人共エリザベス女王自身に拝謁し、途方もない忠誠心をもって女王のことを記した。二人共1585年9月にカステルノーと一緒にイングランドを離れてパリに向かい、到着後すぐにカステルノーに仕えるのをやめた。1586年の間に、1人は永遠にパリを離れ、もう1人は消え失せた。


著者が二人を同一人物だとみなす推理のポイントはいくつかあって、たとえば、「ファゴットはそのスパイ文書の前にも後にも経歴のない人物であること」「カステルノーがロンドンを離れる前夜に、その邸には司祭が1人しかいなかったとの記録があるが、ファゴットもブルーノも司祭だった」「ファゴットの手紙にブルーノにたいする記述はなく、ブルーノもファゴットについて何も書き残していない」などなど。
以下、目次。

第1部 夜の犬
1.ソールズベリー・コート
2.河の上で
3.告白
4.対話篇と騒動
5.アルカディアでの最後の日々
6.火山のもとで

第2部 時の娘、真理
1.反対の一致
 Ⅰ大使館の司祭
 Ⅱ敵とのコミュニケーション
2.彷徨するブルーノ
 Ⅰロンドン
 Ⅱ不平家
 Ⅲパリ
3.ブルーノ再び捕わる
 Ⅰ人
 Ⅱ犬
 Ⅲ政治活動
 Ⅳ司祭
終章.火刑台のファゴット

第3部 テキストと覚え書
テキスト
カステルノー邸について
ジョヴァンニ・カヴァルカンティとそのローマ便りについて
ファゴットの筆跡とブルーノの筆跡について
ブルーノの筆跡の資料

本書で著者は、フランセス・イエイツへの批判を随所にちりばめている。たとえば、イエイツもブルーノがスパイであったとの見解を持っているが、それが、「反エリザベス工作」だとみなされたのに対して、本書では、こうだ。
確かに、彼のイングランドでのスパイ活動はそもそもイングランドのカトリック制度を覆すことに捧げられていたが、それはそうすることがエリザベス女王と彼女の統治下の政府を転覆させようと企てられた政治活動を押え込める限りにおいてであり…

つまり、カトリックの政治的積極行動主義者の野望を封じ込めるための行動をとっていて、あくまでもエリザベス側の人間だったことを言っているのだ。
また、イエイツは、ブルーノがイングランドに行った任務は、カトリックとプロテスタントの和解の促進だったと説いているが、本書では、それを真っ向から否定している。
本書で語られるブルーノは、自家撞着、一貫しない言動、プラクティカルジョーク好きな、一筋縄ではいかないひねくれものとして描かれる。(僕もそう思う)
その言動から、本当に彼が何を考えているのかを推し量ることは難しいのである。
一方、ファゴットは正体不明のスパイである。
謎のふたりを同定するのは、いきおい、多くを推論に頼らざるをえず、その分、いっそのこと完全に小説にしてしまったほうが、もっと大胆に論旨を推し進めることができたんじゃないかな、と思わされた。
パピーニの『逃げてゆく鏡』を読んだ。
パピーニは、先日読んだエリアーデの紀行文で訪ねた模様が書いてあり、俄然興味を持ったのだ。
以下、目次。作品のタイトルの後、簡単な内容まとめ。

「泉水のなかの二つの顔」
水面に映った7年前の自分との再会

「完全に馬鹿げた物語」
あの人物が読み上げた物語はわたしの生活の内面と外面とを余すところなく暴露したものにほかならなかった。

「精神の死」
意志だけで自殺を実行する男

「『病める紳士』の最後の訪問」
わたしを夢見てくれている人は誰なのか?

「もはやいまのままのわたしではいたくない」
わたしはついに自分以外にはなれないことに気づいた

「きみは誰なのか?」
ある日突然、誰もがその存在を認めなくなった男

「魂を乞う者」
平凡な人生を聞いて恐怖する男

「身代わりの自殺」
33歳にしておのれの才能が発揮できなかった者は、あるいは近い未来に向けて何らかの実績を約束できないような者は、恐ろしい義務を持っているはずだ。
と、他人の代わりに命を捧げようとする男。

「逃げてゆく鏡」
すべての現在は自分たちの手によって未来のための犠牲にされ、その未来はやがて現在となるが、またもや別の未来のための犠牲にされ、そのようにして最後の現在まで、すなわち死まで、引き延ばされてゆくであろう。

「返済されなかった一日」
若き日の1年を貸して、年老いてから、ちびちび返済してもらって、若さを楽しむ。


寺本幸代監督の「映画ドラえもん のび太のひみつ道具博物館」
ドラえもんじゃなくて、ポケモンを見ているかのような印象。

ファラー・カーン監督の「恋する輪廻 オーム・シャンティ・オーム」
ラスト、スタッフが祝福されつつカーペットを歩くのが、多幸感を呼ぶ。

ウォシャウスキー姉弟、トム・ティクヴァ監督の「クラウド・アトラス」
随所に出てくる人食いのモチーフ。


アリオ八尾で大阪春夏秋冬のライブ。
3回あったが、最後の午後7時の回だけ見れた。
1.イッツオーライ
2.学園天国
3.終わりとはじまり
4.ハルウタ
5.風が教えてくれたこと
メンバー7人のうち、5人が、この春から高校生!

椅子@studio21

2013年3月31日 演劇
京都芸術劇場studio21で、杉原邦生演出のイヨネスコ劇「椅子」を見てきた。
もとのイヨネスコでは、次々と出てくる登場人物が、椅子であらわされ、不在の人物との会話がかわされ、舞台上が椅子でいっぱいになるのだが、今回の演出では、椅子だけでなく、実際の観客に役を振って、セリフのない役者として椅子にすわらせていた。
面白い!
さらに、最後の最後には、イヨネスコが残した自由演技の部分で、とんでもないあつくるしさを見せてくれて、すごかった。開演前に場内にかかっていた音楽のセンスの悪さが、伏線になってたのか、と感心しきり。

歌姫ライブ春爛漫スペシャル@ORC200
午後1時過ぎから、弁天町ORC200で、歌姫ライブ春爛漫スペシャル

出演順に。

田中絢萌/ガーデン
山本真凛/フライングゲット
RiMi☆Cherry/サラバ、愛しき悲しみたちよ
渡 万依/ビリーブ
須磨日和/リフレクション
Aika/366日
斉藤友美/グッド・ファイン・デイ、ビリーブ
上出梨乃/キミがいる、ストーリー
大島由利華/マイ・ジェネレーション、おとしもの
遠藤早希/サディスティック・ラブ、告白予行練習
福本まなか/眠れぬ夜は君のせい、ちいさな足跡
樋口咲季/やさしいキスをして、やさしい青
Flashy (三木杏里&ダンサー)
1.Pretty boy
2.ダンスナンバー
3.Blank page
4.Not myself tonight
5.Starships
スタジオDIP (ピクシーズ)
安那/桜の雨、This song is myself
奈月/スタート・イン・マイ・ライフ、はらり
吉岡美保/やさしいキスをして、キューティーハニー
西川怜伽 /オーライ、スタンダップ・フォー・ラブ
村上夢歌&キューティードリーム/くちびる、フォロー・ミー
MOKA RIKA/気まぐれプリンセス、恋愛ハンター、まっさらブルージーンズ
吉村綾花/ネバー・ギブ・アップ、花 守りたいもの、セイ・イエス!
山内加奈/ベイビー・ドント・クライ
北村來嶺彩/フレンズ
井上紗希/みんな空の下
山口美優/flower
原田真由美/スタンダップ・フォー・ラブ
渚紗/歌舞伎町の女王
宮崎真穂/Dear Heaven
山本かのこ/きみ
田頭沙希/好きですか?

今回は、なぜか途中で1時間の空白時間があり、しかも終了時間が決まっているため、最後の方の錚々たるメンバーが1曲ずつしか歌えない、という変則的なライブになった。
Boedeker教授講演会「Early Greek Poets as/and Historians」@第9回ギリシア・ローマ神話学研究会~ロイヤルバレエライブビューイング「不思議の国のアリス」
午後3時から、大阪大学豊中キャンパスに行って、「第9回ギリシア・ローマ神話学研究会」 ブラウン大学のBoedeker教授の講演会「Early Greek Poets as/and Historians」を聞いてきた。発表1時間、質疑応答1時間半。
Boedeker教授の著作として、『The New Simonides』が紹介されていた。(未訳)
一般的な人名の訳語と、教授の英語式の発音のずれとか、ときおりはさまれるギリシア語とか、そんな細かいことを面白いな、とか思いながら聞いた。
こういう講演会には珍しく、教室いっぱいになるほどの盛況ぶりだった。

TOHOシネマズなんばで、ロイヤル・オペラ・ハウス・シネマ。
ロイヤル・バレエの「不思議の国のアリス」全3幕のライブビューイングを見てきた。
振付・演出はクリストファー・ウィールドン。
音楽はジョー・タルボット。
美術・衣装はボブ・クロウリー。
アリスはSarah Lamb、巨大なパッケージのような衣装で登場したりするハートのクイーンはZenaidaYanowski、タップダンスを取り入れたダンスを見せるマッドハッターはSteven Mcrae。
ルイス・キャロルも出てくるし、パロディもあるし、映像の視覚効果もふんだんに盛り込まれていて、堪能した。
休憩中は、ロイヤル・オペラハウスの客席が見れたりするのだが、このライブビューイングのお客さんの大半が女性だったのに比して、現地では男女が半々のように見えた。
世界各国からのツイッターでのコメントが休憩時にスクリーンに出るのも臨場感があって面白かった。
『フクシマの後で 破局・技術・民主主義』
ジャン=リュック・ナンシーの『フクシマの後で 破局・技術・民主主義』を読んだ。
序にかえて
I 破局の等価性――フクシマの後で
II 集積について
III 民主主義の実相
1 六八年―〇八年
2 合致しない民主主義
3 さらけ出された民主主義
4 民主主義の主体について
5 存在することの潜勢力
6 無限なものと共通のもの
7 計算不可能なものの分有
8 有限なものにおける無限
9 区別された政治
10 非等価性
11 無限なもののために形成された空間
12 プラクシス
13 実相
訳者解題

等価性と集積、というキーワード。
なるほど、としっくりくる。
「シュガーマン 奇跡に愛された男」~NEP She☆Stars「春休みSPライブ」@日本橋ラブコンシアター
「シュガーマン 奇跡に愛された男」~NEP She☆Stars「春休みSPライブ」@日本橋ラブコンシアター
マリク・ベンジェルール監督のドキュメンタリー映画「シュガーマン 奇跡に愛された男」を見た。
70年代にデビューしたが鳴かず飛ばずで消えたシンガー、ロドリゲス。
彼の歌は、南アフリカで本人のあずかり知らぬ間に大ヒットしていた。
ロドリゲスは、70年代当時にステージ上でピストル自殺したとか、焼身自殺したとか、薬漬けになって獄死したとか、噂ばかりが流れていて、消息がわからない。
いや~。本人が行方不明で不在であっても、作品が世の中を動かすことが出来るんだ、という事実をこうして見せつけられた1本。アーティストとしては、どんなに認められなくても作品を作ることに対して、希望が出てくる。
ほんと、作品と希望はセットなんだな、と実感した。
あと、ロドリゲスの実際の姿を見たときに、まあ、サングラスかけてる、というだけの共通点なのかもしれないが、nu thingsの阿木さんを想起した。なにかスピリットが通底しているように思えたのだ。

午後4時20分から、日本橋ラブコンシアターで、NEP She☆Starsの「春休みSPライブ」。
出演は、長谷川寿里・松本知香・森下華奈子・山口りな・三輪咲月・佐藤彩未・鈴乃亜紗の7人。MCはりな、さつき。
1.ネバー・エンディング・ロード
2.イン・ラブ・ウィズ・ラブ
3.クロスロード
4.セイ・グッドバイ
5.アイルビーゼア
6.ビリーブ・ユア・アイズ
7.ロンリー・オンリー
長谷川寿里が4月21日に卒業ライブを行うことが発表され、これで、ついに通天閣でお披露目された新生ファンタピースのメンバーが全員卒業してしまうことになった。今後の活動を期待したい。
『ヘレネー誘拐・トロイア落城』『絵と物語でたどる古代史』第2巻「ギリシア」
『ヘレネー誘拐・トロイア落城』『絵と物語でたどる古代史』第2巻「ギリシア」
講談社学術文庫の『ヘレネー誘拐・トロイア落城』を読んだ。
6世紀のコルートスの「ヘレネー誘拐」は、トロイア戦争の原因となった出来事について書かれたもの。
4世紀前半までに書かれたと思われるトリピオドーロスの「トロイア落城」は、トロイアの木馬の詳しい描写がなされている貴重な作品。
以下、目次

「ヘレネー誘拐」コルートス
1.ペーレウスとテティスの結婚
2.黄金の林檎
3.イーデー山に向かう三女神
4.パリスの判定
5.スパルタを目ざすパリス
6.誘惑されるヘレネー
7.捨てられた娘ヘルミオネー
8.まぼろしの母

「トロイア落城」トリピオドーロス
1.十年戦争の浮き沈み
2.エペイオス、木馬を作る
3.オデュッセウスの作戦解説
4.木馬に乗りこむ戦士たち
5.テネドスに待機する船団
6.シノーンの謀略
7.トロイアの城塞へはこばれたる木馬
8.カサンドレーの空しい叫び
9.木馬にささやくヘレネー
10.合図を送るシノーンとヘレネー
11.殺戮の夜
12.メネラーオスとヘレネーの再会
13.死ぬ者、生きる者
14.終戦

ロイ・バレル著、ピーター・コノリー絵による『絵と物語でたどる古代史』第2巻「ギリシア」を読んだ。
図版が多く、内容は、ホメロスの歌を聞いたり、当時の住人にインタビューした記事をのせたり、と読みやすくする工夫がこらされている。
以下、目次。

第1章 ミノア人
 ミノア人の伝説/アーサー・エヴァンズ卿/クノッソス宮殿/日常生活/宗教/牛跳び/マイケル・ヴェントリスと線文字B/アトランティス
第2章 ミケーネ人
 ホメロス/トロイア戦争/ハインリヒ・シュリーマン/シュリーマンとミケーネ文明
第3章 初期のギリシア人
 アカイア人とドーリス人/都市の出現/初期のアテナイ
第4章 ギリシア文明
 ポリスの政治/ソロン、クレイステネス、ペリクレス/日常生活/家族/美術と陶芸/船と貿易/神々
第5章 ペルシア戦争
 ペルシア帝国/ペルシアの王たち/マラトンの戦い/テルモピュライの戦い/サラミスの海戦
第6章 ペリクレスと黄金時代
 ギリシアの賢人たち/奴隷制/衣服/アクロポリスとその建築群/ギリシアの伝説/音楽/劇場/神託
第7章 運動と競技
 ペロプスの伝説/オリュンピア/オリンピック/その他の競技と娯楽
第8章 ペロポネソス戦争
 スパルタ/なぜ戦争がはじまったのか/戦士と戦闘/征服されたアテナイ
第9章 アレクサンドロス大王
 少年時代/軍隊/戦闘と包囲/ペルセポリス/アレクサンドロスの最後の戦い/征服者の死/帝国の分裂
第10章 征服されたギリシア
 ローマ人の襲来/ギリシア・ローマの属州になる/ギリシアの遺産
エウリーピデースの『タウリケーのイーピゲネイア』、特殊造型&特殊メイク展2@アートスペース亜蛮人
エウリーピデースの『タウリケーのイーピゲネイア』、特殊造型&特殊メイク展2@アートスペース亜蛮人
エウリーピデースの『タウリケーのイーピゲネイア』を読んだ。
1.プロロゴス
 イーピゲネイアが生贄にされる経緯から、アルテミスに救われ、タウロイ人の国に連れて来られるまで。
 一方、イーピゲネイアの弟、オレステースの狂気は、タウロイ人の国のアルテミス像を盗んでアテーナイに持ち帰れば解放されることが明かされる。
〔パロドス〕(コロス登場の歌と踊り)
2.第一エペイソディオン
 牛飼いに捕まった二人の若者、オレステースとピュラデースは、生贄にされることになる。
〔第一スタシモン〕(コロスの歌と踊り)
3.第二エペイソディオン
 イーピゲネイアが、囚われの若者が我が弟だとも知らずに、トロイア戦争の顛末について尋ねる。弟の生存を確信したイーピゲネイアは2人の内の1人に弟への手紙を託し、もう1人だけ生贄にすることにする。
 しかし、生贄になる方を引き受けたのは、弟のオレステースの方。
〔コンモス〕(区切り)
4.第二エペイソディオン(つづき)
 どちらが生贄になるかについてピュラデースは異議申し立て。
 手紙の内容が音読されて、姉弟の関係であることが判明する。
〔第二スタシモン〕
5.第三エペイソディオン
 イーピゲネイアは策略をこらし、アルテミスの像を盗んで、囚人とともに自分も逃亡しようと企てる。
〔第三スタシモン〕
6.エクソドス
 騙して船まで乗り込み、脱走しようとするが、大波と突風で船が岸に押し戻されてしまう。
 トアース王の追撃が迫る。
 ここで、デウス・エクス・マキーナーのアテナ女神が登場。
 オレステースが姉のイーピゲネイアを伴ってアルテミス像をギリシアへ運ぶのは、アポローンの神意であることを明かす。
 めでたし、めでたし。

作中で感嘆詞の使い方が面白かったので、パロドスより一部引用しておこう。驚きや悲しみをあらわす感嘆詞が3種類。

破滅です、わたしはもう破滅です。
父の館はなく、
オイモイ、わたしの血族は絶えました。
ペウペウ、アルゴスの国にとってはなんという苦難か。
イオー、神霊よ。

ペウペウ、なんて、ちょっと使ってみたい。

アートスペース亜蛮人で特殊造型&特殊メイク展2。
1階では特殊メイクの写真展示と、実演。
2階では特殊造型物の展示。
行ったときは、ちょうど実演が終わって、怪物が人間に戻りつつある最中だった。
なんば紅鶴で「コスプレ大喜利」
ストリートフェスタに便乗したイベント!
司会は、にしね・ザ・タイガー(うたのプリンスさま)とおがぴー(ブランカ)
審査員は僕一人。あと、お客さんの拍手。
〔Aブロック〕
片山ひでみ
みうマッカートニー
うてなゆき(勝者)
なめこ
〔Bブロック〕
DJヨーコ
丼野M美(勝者)
もみちゃんズ
河合カズキラングレー
〔Cブロック〕
メルヘンロリータカドマ
野中ひゆ
Bugって花井(勝者)
あるる

敗者復活拍手で、
もみちゃんズ、野中ひゆ。

決勝戦は、以下の5人で行われた。
うてなゆき(東谷小雪「ケロロ軍曹」)
丼野M美(聖闘士星矢)
Bugって花井(悪魔くん)
野中ひゆ(綾里真宵「逆転裁判」)
もみちゃんズ(夜叉姫「桃太郎電鉄」)

最後はお客さんの拍手で決め、
丼野M美が優勝。
準優勝は、もみちゃんズ。
決勝まで進んだ者には賞金があると知らされ、急にテンションが上がりまくるステージ。
この大喜利は、芸人さんのテクニックと、酔っ払いの「おとろしや」と、精神の迷宮などなどがくんずほぐれつの戦いを演じていて、めちゃ面白かった。
神戸電子音響音楽祭終わりで大阪日本橋に戻り、日本橋ストリートフェスタを楽しむ。
12:15から北ステージの「STOP!違法ダウンロードステージ」にアイドルグループ、NEP She☆Starsが登場。○×クイズのあと、ライブ。
1.ララルララルララ
2.ハッピー・フューチャー
3.オーバー・ザ・リアリティー
このステージに登場したのは、長谷川寿里、松本知香、岩崎百花、山口りな、三輪咲月、高野茉夏、新田りりさ、春日しおんの8名。

アメリカ村のLoop Aに移動し、ライブを見た。日本橋界隈が人多すぎで、移動に時間がかかり、クレアちゃんの1曲めに間に合わず。
北村來嶺彩
1.(間に合わず)
2.ゆずれない願い
3.フレンズ
4.ビューティフル
5.ゲレンデがとけるほど恋したい
「ビューティフル」は今回はじめて披露したレパートリー。先日のセルシーのキッズボーカルコンテストでも何人かチャレンジしていた曲で、Aikaちゃんは「ビューティフル」歌って総合優勝を受賞していた。この歌は歌のうまさをアピールできる恰好の歌なので、クレアちゃんの代表曲になるんじゃないかな、と感じた。

森本梨々子
1.はじまりのとき
2.情熱
3.あんた
4.チェンジ
5.声をきかせて
クレアちゃんの後で緊張したとか。3月末に、あのユニットのライブが!

りなんなん
1.ノンノンりなんなん
2.女々しくて
3.シークレット・オブ・マイ・ハート
4.NAO
5.赤いスイートピー
6.南海ダイブ
7.りなんなんこんなんなん?
僕は、今まで伊藤さやか~水谷麻里~宍戸留美、と好きなアイドル変遷があったが、その後を継ぐのは、村田寛奈、福本有紗、そして、りなんなん、なのかな、と思っている。だいたい、どういうタイプが好きなのかが、透けて見える人選である。

アリオ鳳でDream5の「HOP!STEP!ダンスツアー」
正午の回
1.シェキメキ
2.アイマイミーマイン
3.レディゴー
4.カモン
5.ドレミファソライロ
6.ホップステップダンス
自己紹介では、各メンバーが出身地を言ってた。
途中、イトーヨーカドーのダンシングッデイの服を紹介するコーナーもあり。
午後3時の回
1.イージーDOダンス
2.カモン
3.クレイジーゴナクレイジー
4.ウェイク・ミー・アップ
5.ドレミファソライロ
6.ホップステップダンス
2回目では、ももんがの16歳のバースデイを祝うイベントも。
Dream5のライブではmixが発動しないのが好感持てるところ。

23日(土)から24日(日)にかけて、電子音楽のオールナイトイベント。神戸電子音響音楽祭2013 (Kobe Electroacoustic Music Festival 2013) に行ってきた。アリオ鳳でDream5見ていた関係で、到着したのが檜垣さんのが終わって、岡本さんの演奏の真っ最中だった。
以下のタイムテーブルは当初予定されていたもので、多少の前後あり。
3月23日(土)
●第一部
17:00-17:26 檜垣智也(アクースマティック) 作品25分22秒
17:27-17:55 岡本久(アクースマティック) 作品27分
 「音のうつろい」
17:57-18:20 上原和夫(アクースマティック) 作品23分20秒
 「Assemblage 2004」「Meteora Ver.1.0」「3.11災禍の犠牲者に捧げる哀歌」
<休憩> live転換 15分
●第二部
18:35-18:55 RAKASU PROJECT.(Live)即興約20分
-- 小休憩・転換 10分
19:05-19:35 A.N.R.i(Live)即興30分
-- 小休憩・転換 10分
19:45-20:15 Eadonmm (Live) 即興30分
-- 小休憩・転換 10分
20:25-20:55 DUB-Russell(Live)即興+アクスマ(吉原)30分
<休憩> 15分
●第三部
21:10-21:22 林恭平(アクースマティック)作品12分
21:23-21:53 足本憲治(アクースマティック) 作品30分
21:54-22:24 仲條大亮(アクースマティック)作品30分
 「balancer 03:on the coastside of the Pacific Ocean」「声の変奏曲 第一番」
<休憩> 20分
●第四部
22:44-23:02 吉原太郎(アクースマティック) 作品18分
 「閉ざされた呪文」
23:05-23:35 柴山拓郎(アクースマティック)作品30分
23:35-00:05由雄正恒(アクースマティック) 作品30分
<休憩> live転換 25分 
●第五部
00:30-00:55 Shine On me(Live)即興20分~25分
-- 小休憩・転換 10分
01:05-01:35 Kishimoto Kazuhisa(Live)即興30分以内
-- 小休憩・転換 10分
01:45-02:15 中楯純(Live) 即興30分以内
<休憩> 25分
●第六部
02:40-03:10 牛山泰良(アクースマティック)作品25分
03:10-03:40 中田耕太郎+永松ゆか+石上和也(アクースマティック)コラボ作品30分
 「よみらくご~不器用な男女が不器用に~」 
(石上和也「yoiyoi~未完成」、中田耕太郎「抽象思考」、永松ゆか「言葉とコトバ ところにより」)
03:40-04:10 幻想音楽研究室(Live)即興30分
<長休憩>アンビエントタイム
3月24日(日)
●第七部
09:30-10:00 泉川獅道(尺八+アクースマティック)作品30分
 「朝勤行1.0」
10:00-10:25 かつふじたまこ(アクースマティック)作品25分
 「明日のあなたの時間に私はいない:第一章 行き違う、第二章 昨日の晩ごはん、終章 明日のあなたの時間に私はいない」
10:25-11:00 成田和子(アクースマティック)作品30分30秒
 「MUSICODRAMA 2012:1.コオロギと羊、2.扇風機、3.車から、5.ビン、7.先生の声」(4.ハエと6.CDG空港は今回演奏されなかった)

会場の場所がわかりにくいかと思ってたが、ほぼ1本道の迷路。ミノタウロスの迷宮みたいなものか。また、かなり寒くなるかと防寒の用意もして行ったが、喫煙のために出入りする人が扉を開けるときに寒風が吹きすさぶだけで、それほどでもなかった。会場内でフードも販売してて、ヤッサを食べた。カシワとタマネギのシチューと言えばいいのかな。アフリカ料理。


今村知也個展@キュービック・ギャラリー~少年ナイフ、おとぼけビ~バ~、ねじ梅タッシと思い出アンサンブル@京都メトロ
cubic galleryで、今村知也個展「INDEPENDENCE」
会場内では、1分強の映像がえんえんとループで流れていた。

京都メトロで、おとぼけビ~バ~のレコ発&少年ナイフのライブ。オープニングアクトはねじ梅タッシと思い出アンサンブル。
少年ナイフは、ヘヴィー&ハードな選曲でゴリゴリ。
1. Tomato Head
2. Economic Crisis
3. Muddy Bubbles Hell
4. Buddha’s Face
5. Pyramid Power
6. Flu
7. Giant Kitty
8. Cobra versus Mongoose

おとぼけビ~バ~は、ギャルバンの領域をギターの子の歪みで、一気に妖怪化してた!
意外な選曲のアンコールも面白かった。
『ホメロス』(文庫クセジュ)、『ホメロス-史上最高の文学者』
『ホメロス』(文庫クセジュ)、『ホメロス-史上最高の文学者』
ジャクリーヌ・ド・ロミーイの『ホメロス』を読んだ。文庫クセジュ。
以下、目次。

第1章 両詩篇の誕生
 1.トロイア戦争からホメロスまで
 2.口承詩
 3.最後にホメロスが現われた
 4.ホメロス問題
第2章 叙事詩の世界と歴史
 1.ホメロスの言語
 2.慣習と器者
 3.ホメロスと発見の実際
 4.歴史と詩篇
第3章 両詩篇の構成
 1.『イリアス』
 2.『オデュッセイア』
第4章 詩作の手順
第5章 神々と驚異
 1.神族
 2.神々の威厳
 3.神意
 4.神々の介入
 5.魔法と幻想
第6章 「神々に似る」英雄たち
第7章 「死すべき者」としての英雄たち
結び ホメロス以後

著者は本書執筆後に、失明したそうだ。ホメロスという語は、母方の故郷キュメでは「盲人」という意味である。出来すぎてる!

アレクサンドル・ファルヌーの『ホメロス-史上最高の文学者』を読んだ。「知の再発見」双書。
以下、目次。
第1章 神と人間と英雄の物語
第2章 ホメロスの実像
第3章 トロイアによる証明
第4章 ホメロス作品の分析的研究
第5章 ホメロスでたどる人類の歴史
(資料篇)
1.ホメロスの幻影
2.ホメロスの墓の発見
3.18世紀に広まった「ホメロスの生涯」
4.アキレイオン
5.ホメロス作品の翻訳
6.ホメロスと聖書
7.ホメロスとホメロス作品の足跡を題材とした著作
8.20世紀のホメロス
ホメロスを知るためのインターネットサイトと映画作品リスト
ホメロスの作品に登場するギリシアの神々と人物
年表
INDEX
出典(図版)
参考文献

文庫クセジュには、一切図版はなかったが、この「知の再発見」双書は、図版多数。
今回読了したこの2冊は、雰囲気づくりのために読んだものだ。
今日は、夜勤明けに、急いで大阪ルイード行って、Music Party Vol.7。
時間的に途中からしか見れないので、ギリギリまで行くかどうするか迷ってたけど、いろりん見るには、ここしかない、と決断。ありあちゃんのライブから見ることが出来た。
10:00 望月らいら
10:20 JSO
10:40 逢沢ありあ
1.うさぎのムーニー
2.ハナゴコロ
3.スマイル
声の調子は最悪だったが、愛らしさは抜群!

11:00 高杉みなみ
1.サブリナ
2.風を切って
3.ラブ・ライク・クレイジー
4.世界に感謝MAX
2曲目、途中で音が途切れて、仕切りなおし。

11:20 TAKE OFF
 言い訳メイビーとか、ハッピーサマーデイとか。

11:40 葉月
 長槍をふるうような、オーディエンスへのミラクルボイスは、今回はじめて聞いた。新兵器を編み出したとみえる。

12:00 Csli
 白い風とか、行くぜ怪盗少女とか、ルージュとか。

12:20 前田彩里
1.夢見る15才
2.初恋サイダー
3.都会っ子純情
4.スキちゃん
ホンモノの凄み!物販では写真と、たぶん1分間のトーク、握手のセット。ハロプロエッグのときは、公式の写真が出れば買い求めていたが、こうしてすぐ間近でおしゃべりできるなんて、まるで夢の出来事である。スリーチックスの頃から応援してるよ、と言ったけど、それは言わないほうがいい過去の歴史だったかも。スリーチックスのときから、すごかったんだから、誇ればいいと思うが。

12:40 SKETCH
1.ドレミファマジック
2.ドキドキ
3.雨のち晴れ
4.グリーンピース
元木のり子が長期休養中で、3人のSKETCH。いろりんの後で見劣りするか、と思ったけど、ダンスとか相当頑張ってて、なかなかやるな、と感心した。

13:00 Mary Angel
1.Like an angel
2.天使な小悪魔
3.Everyday Happy☆days
4.妄想少女メアリー
メアリーエンジェルもお年頃で、「華奢な女子」というイメージはなくなってしまったが、ダンスを見ても歌ってるときの表情を見ても、第一人者であることは間違いない。

13:20 Starmarie
ファンタジーユニットか。他のアイドルとは一風違う世界を構築していて、スターマリー劇場を見ているかの印象を受けた。面白い。

13:40 めあすけ
メアリーエンジェルとスケッチの合体。
1.虹色デイズ
2.恋するスナイパー

アンコール
1.エンジェルウィング


ライブ終わりで、ヤマダ電機のLABIゲートに移動。
たこやきレインボーのワンマンライブ。
(第1部はいろりんのライブ真っ最中でパス)
第2部彩木咲良生誕祭~咲良サク~の巻:OPEN14:30/START 15:00だけ見た。
たっぷり1時間。彩木咲良ちゃんは、2002年3月26日生まれ。ソロでギターを持って(弾かず)、「さくらんぼ」とか歌ってた。
1.最強パレパレード
2.返してニーソックス
大喜利「こんな誕生日はいやだ」
バースデイイベント(たこ焼きケーキ、色紙、メッセージ)
3.さくらんぼ(咲良ソロ)
さくら、親への手紙を読む。
4.また明日
4月7日のチームしゃちほこイベントの前座に出ることが決まっており、そのステージで何曲やるかを、黒ひげ危機一髪ゲーム的なもので決定。刺した本数が多いほど、曲数が増えるだけでなく、最後の1本までクリアしたら「チームしゃちほこ」を名乗ってもいい、と悪乗りしたのが後々まで尾を引く。
全部刺しても首が飛ばなかった、というオチだったが、最後のユニット名紹介を「チームしゃちほこでした!」と当意即妙にやってのけるメンバーたち。もちろん、やりなおしで、たこやきレインボーに落ち着く。
『夢追い漫画家60年 いつも明日見て…』『横尾忠則ラッピング電車故郷を走る』『ルネサンスの祝祭的生における古代と近代』
『夢追い漫画家60年 いつも明日見て…』『横尾忠則ラッピング電車故郷を走る』『ルネサンスの祝祭的生における古代と近代』
『夢追い漫画家60年 いつも明日見て…』『横尾忠則ラッピング電車故郷を走る』『ルネサンスの祝祭的生における古代と近代』
藤子不二雄Aの『夢追い漫画家60年 いつも明日見て…』を読んだ。
以下、目次。
プロローグ
1 電車通勤とお弁当
2 キャラクターでひきつける漫画
3 藤子・F・不二雄(藤本弘)氏との出会い
4 手塚治虫先生の『新寳島』の衝撃
5 デビュー作
6 新聞社の二年間
7 上京の決断
8 トキワ荘の絆
9 いろいろなジャンルに挑戦
10 もうひとつの夢を…
11 漫画家生活六十年をふりかえる…
100年後の皆さんへ 僕からのメッセージ

NHK-BSの番組「100年インタビュー/漫画家 藤子不二雄A」をもとにして作られた1冊。『まんが道』や『愛…しりそめし頃に…』などで、自伝的なストーリーは繰返し語られているが、この本もまた、その路線からはずれないもので、講談や叙事詩のネタみたいな範疇に入ってきたのかもしれない。
各章には、人生の教訓となるようなヒントもちりばめられている。
例をいくつか挙げておこう。
合作で漫画を描く時も、互いの批評などは一切しませんでした。それは、まずお互いの漫画を絶対的に認め合っていたからです。


面白い、面白くない…という読者の判断を漫画家は予想することは出来ません。また、漫画家が読者の人気を計算して作品を描いてはダメです。


漫画を描く上でやってはいけないと思っていることは、消去法です。どんどんそこにプラスしていかないと。「これじゃダメだ」ではなくて「こうしたら面白いだろう、ああしたら面白いだろう」ということ。



『横尾忠則ラッピング電車故郷を走る』を読んだ。織作峰子ほかのラッピング列車写真と、横尾忠則と、世田谷美術館館長の酒井忠康の文章。
このラッピング電車は2004年12月に登場し、2012年末の全般検査(8年に1回)で解体され、姿を消すことになった。
以下、目次。
序文 横尾忠則氏のラッピング電車に思う(酒井忠康)
1.見る見る速い
2.銀河の旅
3.滝の音、電車の音
4.走れ!Y字路
5.未完のラッピング電車
ラッピング電車について思うこと(横尾忠則)

各章の末尾には、ラッピング電車の原画、イベント写真、新聞記事が載せられてあり、ラッピング電車のページの脇には、地元や観光客などの短いコメントがつけられている。
第5章は、計画だけで実現しなかったラッピング電車「ターザンの雄叫び」「日本の文豪作家」は、実際に作られていたら、こうであったろう、という合成写真がシミュレーションとして掲載されている。一見、まったく違和感なく見れるのだから、おそろしいものだ。


アビ・ヴァールブルクの著作集第4巻『ルネサンスの祝祭的生における古代と近代』を読んだ。
以下、目次。

第1章 いわゆる「ハウスブーフの画家」の素描に見られる、国王マクシミリアンのブリュッヘ捕囚における二つの場面
第2章 中世の表象世界における飛行船と潜水艇
第3章 ヨーハン・アントン・ランブーの水彩模写に見られる、ピエロ・デッラ・フランチェスカの<コンスタンティヌス帝の勝利>
第4章 ウフィツィ美術館所蔵のフランドルのタピスリーに見られる、ヴァロワ朝の宮廷でのメディチ家の祝宴
第5章 一五八九年の幕間劇のための舞台衣裳―ベルナルド・ブオンタレンティの素描とエミリオ・デ・カヴァリエーリの出納簿
第6章 一五世紀のフィレンツェへの文化史的寄与
原註
補註
図版一覧
解題 ヴァールブルクとフランドルのタピスリー/加藤哲弘
解題 フィレンツェの市民生活と祝祭芸術/伊藤博明
あとがき
人名/著作名/美術作品名 索引

第4章でとりあげられるのは、つい先日読んだイエイツの『ヴァロワ・タピスリーの謎』でがぜん興味を覚えた、タピスリーそのものだ。1927年の講演をもとに書かれているもので、ざっとした解説だけだが、この奥にあんなに豊かな謎があると知ったうえでは、非常に面白い。
本の性質上、図版と註が充実していて、楽しく読むことができた。

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