『過去からの手紙』
岸田るり子の『過去からの手紙』を読んだ。
ありがちなタイトルだと思ってたら、これが事の真相に関わってて、びっくり。
死んだ子供のために命日になると必ずタンシチューを作る母。
書置きを残してそんな母がいなくなってしまった。
ごみ箱には捨てられたタンシチュー用の肉が!
そうこうするうちに、なんと母が記憶喪失で発見。何があった?
死んだはずの子供が幽霊になって解決の手助けをしたりする、とくに効果的とも思えない展開があったり、母が浮気をしたのかどうなのか、とか、いろんな複雑な関係が入り乱れる。
以下、目次
第1章 シチュー用の肉を捨てて母は消えた
第2章 崖とモク
第3章 幼なじみの呪縛
第4章 記憶は失われていた
第5章 探偵団結成
第6章 捨てられた肉の謎に迫る
第7章 <べろにく>での口論
第8章 記憶のピース
第9章 UFOか人魂か?
第10章 口論の原因
第11章 肉を捨てた理由
第12章 手紙の正体
第13章 見落としていた真相
あなたの肖像-工藤哲巳回顧展プレ・イヴェント@国立国際美術館~大井浩明ピアノ・リサイタル「藤倉大とシュトックハウゼンによる初期ピアノ曲群」@山村サロン
あなたの肖像-工藤哲巳回顧展プレ・イヴェント@国立国際美術館~大井浩明ピアノ・リサイタル「藤倉大とシュトックハウゼンによる初期ピアノ曲群」@山村サロン
国立国際美術館講堂に行って、工藤哲巳回顧展プレ・イヴェントを見てきた。
研究報告
「工藤哲巳のハプニングについて」島敦彦
「工藤哲巳と高松次郎-初期作品をめぐって」桝田倫広
「工藤哲巳の宇宙論」中井康之
「工藤哲巳と津軽」池田亨
「工藤哲巳とヨーゼフ・ボイス-エコロジーをめぐって」福元崇志
映画上映
「脱皮の記念碑 工藤哲巳の記録」
映像では、1969年から1970年にかけてのオールナイトイベントで、瀧口修造がコンドームに入ったカルピスみたいなドリンクを飲んでたりする楽しげなシーンも見れた。
しかし、工藤哲巳の回顧展がはじまるのは、11月なのである。せめて、映像「脱皮の記念碑」だけでも、見れるようにしてくれないかなあ。
http://www.nmao.go.jp/special/index.html

芦屋の山村サロンに行って、大井浩明ピアノ・リサイタル「藤倉大とシュトックハウゼンによる初期ピアノ曲群」を見てきた。
藤倉大の作品は
「2つのエチュード 1、フローズン・ヒート 2、ディーペンド・アーク」
「もろもろ」with有馬純寿(電子音響)
「リターニング」
「ジュール」
「ミリアンペア」(トイピアノ独奏)
「2つのピアノ小品 1、セクセク(けんけん遊び) 2、綾取り」
シュトックハウゼンの作品は
「クラヴィア曲1~11」
クラヴィア曲10は、指、掌、拳、手首、腕、ひじを使う作品。大井氏は手袋着用で上着を脱いでピアノと格闘していた。
クラヴィア曲11は、巨大な紙に印刷された19の断片を、目に入ったものから順に弾いていく作品。
アンコールはトイピアノで。

http://www.y-salon.com/event.htm

『ぼくが探偵だった夏』
内田康夫の『ぼくが探偵だった夏』を読んだ。
浅見光彦が少年だった頃の軽井沢での事件。
穴を掘るのは何のため?
死体を埋めるためなのか。
警察立会いで掘り返してみたら、犬の死骸が出てきたよ。
でも、それはホントかな?
ジョン・グリシャムのセオ・シリーズにも通じる、育ちのいいおぼっちゃまの冒険譚で、少年少女向けの推理小説の正統派だと思った。
ヤングアダルト向けの、いじめやら家庭内暴力の問題が取り上げられる、読んでいてつらい小説に比べて、本書のさわやかさったら、ないのである。その理由としては、悪い奴は、はっきりと、悪者だからなのだ、と思う。仁木悦子の少年少女向け推理小説を読んでいても、そういうところが安心できる面だった。わるいやつは、麻薬の取引をするような、明確な悪人なのだ。
以下、目次。

第1章 妖精の森
第2章 緑の館
第3章 怪しい穴掘り
第4章 夜の冒険
第5章 ルポライターvs.刑事
第6章 大発見
第7章 永遠の思い出
ぼくが少年だった頃

寺山修司映像詩展「実験映画集1」、グランド・マスター
寺山修司映像詩展「実験映画集1」、グランド・マスター
大阪・九条のシネ・ヌーヴォで開催の「寺山修司・映像詩展」
「実験映画集1」プログラムを見てきた。
3本同時上映の「青少年のための映画入門」
映像の上をカタツムリが這ったりする「疱瘡譚」
読む映像「マルドロールの歌」
でも、今回のお目当ては、次の2本。
映画の登場人物に挑発された観客が実際に映画の中に入ってしまい、
身ぐるみはがされて追い出される「ローラ」
お客さんたちがスクリーンに釘を打つ「審判」
この2本は、なかなか体験できないので、貴重。
もちろん、僕は真っ先にクギ打ちに行きました!
http://posterharis.com/2013_terayama_eizoushiten

14日はtohoシネマが安い日だったので、映画を1本だけ見た。
ウォン・カーウァイ監督の「グランドマスター」。
ブルース・リーの師匠、イップマンを中心にした20世紀前半のカンフー歴史絵巻。
引退を決意したカンフーのグランドマスター(ワン・チンシアン)が継承者に選んだのは、一番弟子のマーサン(マックス・チャン)でもなく、娘のルオメイ(チャン・ツィイー)でもなく、イップマン(トニー・レオン)だった。
マーサンはグランドマスターを裏切り、ルオメイはマーサンを倒す復讐の道を選ぶ。ルオメイとイップマンとの密かな恋。また、組織を抜けて新たに弟子をとりはじめたカミソリ(チャン・チェン)の動向もあり。
時代は1930年代中国から1960年頃の香港。戦争やあるいは国によって翻弄される彼らの姿も描かれている。
トニー・レオンはイップマンの直弟子から4年にわたってトレーニングを受け、チャン・チェンは中国のカンフーの大会で優勝までしている。本物でんがな!
こりゃ、ドニー・イェンの「イップマン」も見たくなってきたな。

http://grandmaster.gaga.ne.jp/index.html

『闇の喇叭』

2013年6月13日 読書
『闇の喇叭』
有栖川有栖の『闇の喇叭』(理論社版)を読んだ。
講談社版は、加筆修正があるらしい。
昭和ならぬ召和の時代、日本に3つめの原爆が落された、もう一つの日本での話。
時は平世(not平成)、北海道はソ連の統治下に入っており、日本では北海道を「北」と呼んで敵視している。
この世界においては、国によって一切の探偵行為が違法とされている。
そんな世界で起きた、1つの日常的な謎(足跡トリック)と、死体の謎(墜落トリックで、そのトリックを使えた人物が1人だけだった、という絞込みで犯人が確定)。
僕は、本格推理小説で、トリックによって犯人を絞り込むのは、アンフェアぎりぎりだと思っている。なぜなら、トリックはたいていの場合、他に方法が絶対にありえない、という状況を論理的に設定できないからだ。作者側としては、トリックが見破られないかぎり、読者が真犯人を推理するのは不可能、ということになる。作者にのみアドバンテージがあるのは、本格派として、どうなんだろう、という思いがしている。
とは言え、最後まで真相が確定できないのは、読書の楽しみでもあるので、読者としては、アリ。
以下、目次。

序 章 分断
第1章 スパイと天使
第2章 怒りの日
第3章 誰も知らない男
第4章 海慧鼻の死
第5章 男と女
第6章 落日の喇叭
終 章 ソラへ

『僕はお父さんを訴えます』
友井羊の『僕はお父さんを訴えます』を読んだ。
第10回『このミステリーがすごい!』大賞で優秀賞を受賞した作品。
愛犬を何者かに殺された中学生の少年が、犬殺しの犯人として実の父親を訴えた!
裁判を起こすにあたってのいろんなこととか、法律とか、近所の司法試験浪人生に教えてもらいながら、事件の真相に挑んでいく。
少年が父親を裁判にかけた理由というのは、厳しい父親と対峙するにはそうするしかなかったと考えたから、という感じなのだが、真相はあまりにも悲しいものだった。
面白く読めるが、気分は晴れ晴れとしない。とってつけたようなハッピーエンド風のエピローグも、まさに「とってつけた」感じで、ことの真相の悲しさに負けてしまってる感じがした。
以下、目次
1.器物損壊
2.訴訟の準備
3.第一回口頭弁論期日
4.判決
エピローグ
NEP she☆stars@日本橋ラブコンシアター
午後7時から日本橋ラブコンシアターで、NEP she☆starsの水曜日サマーナイトライブ。
1.Let’s Party Time(山口りな・三輪咲月・鈴乃亜紗・中川愛理・中川聖菜・新田りりさ)
2.Depend on You(同上)
3.スタートダッシュ(Sugar Sisters=佐藤萌美・佐藤彩未)
4.メガトゥインクル(同上)
5.Give Me Love(6人)
トークのお題は、「プールが好きか嫌いか」
6.ロンリーオンリー(全員)
7.ハッピーフューチャー(同上)
もえPのアイドル度の高さに感心した。
『私と悪魔の100の問答』
上遠野浩平の『私と悪魔の100の問答』を読んだ。
少女が人形のハズレ君とかわす問答。
問答しているだけではなく、ストーリーがあり、流れによる問答が展開されるので、あらかじめ100の設問がされていて順番に答えるわけではないのだが、うまい着想だな、と思った。
目次に並んだ100の質問を見ていると、思春期のプラトンに思えてきた。
ブギーポップの世界での物語ではあるが、とくに気にせずに読める。読んでも登場人物とかまったく覚えていない僕が面白く読んだのだから、間違いない。
以下、目次。質問に対する答えを考えてみることで、ストーリーは違え、何かが見えてくるかもしれない。

FIRST SESSION「なんとなく、嫌悪することについて」
Q01青空と聞いて連想することは
Q02自分と他人どちらを軽いと思うか
Q03簡単でないことはなぜ簡単でないのか
Q04他人はどれくらいに分けるべきか
Q05悪い印象ばかり抱きがちなのはなぜか
Q06不潔と清潔の差とは
Q07普通とは好ましいことか
Q08人に用があるときの基準とは
Q09綽名はどこまで譲歩すべきか
Q10進歩と放棄は両立しうるか
Q11疑問はそのまま目的たりうるか
Q12侮辱を感じるときはどれくらい錯覚か
Q13記録されているときは気にすべきか
Q14危険を察したときどうすべきか
Q15日々の生活に安全を感じているか
Q16人生は保証されているか
Q17人並みとは本当に平均的か
Q18嫌いな者と一緒にされて耐えられるか
Q19変態をどう扱うべきか
Q20ボケとツッコミの役割とは
Q21ウケを狙うことと天然は相反するか
Q22気まぐれをどれくらい容認すべきか
Q23汚れると価値は落ちるか
Q24義務から逃げるべきか
Q25何を頑張ればいいのか

SECOND SESSION「おおむね、威張ることについて」
Q26教育と他の業種の差異は考慮すべきか
Q27公平はどこまで徹底されているか
Q28何かに守られている気はするか
Q29理解しがたい他人の気持ちになれるか
Q30やる気とは、結局なんなのか
Q31自覚することに深い意味はあるか
Q32不良ぶることに価値はあるか
Q33格好良さと恥ずかしさの関連性とは
Q34危ないと感じる基準はどこか
Q35目的のための手段は目的たりうるか
Q36人間は何からできているか
Q37他人に対する敵意の源はなにか
Q38嫌えないのは嫌われたくないからか
Q39素直さは美徳か悪徳か
Q40誰にも答えられない問いとは何か
Q41人を不幸にするものとは何か

THIRD SESSION「ぼんやりと、流行りのことについて」
Q42レンタルに精神性はあるか
Q43無駄な努力をするのも個人の自由か
Q44特別なときと普通のときの境目とは
Q45人間と動物の違いとは
Q46恋愛はトラブルの元になるか
Q47離婚式はなぜ一般的でないか
Q48生理的な好き嫌いに実用性はあるか
Q49人の本能は壊れているのか
Q50ニワトリが先かタマゴが先か
Q51流行は他人の物真似か
Q52歴史上でもっとも流行したものは
Q53中世の人間と現代人の差異は何か
Q54国家とはなにか
Q55人権とはなにか
Q56ダサいと思われるのは怖いことか
Q57歴史の重要性はなぜ軽んじられるのか
Q58怖いもの知らずという人は実在するか
Q59女子の怖がりはすべて演技か
Q60安心しているとはどういう状態か
Q61エクソシストとオーメンの違いは
Q62微妙なものをどこまで信じるべきか
Q63ずっと解けない錯覚は真実になるのか
Q64事実と解釈の間にあるものとは
Q65悪いこととは結局なにか
Q66神は悪魔と本当に戦っているのか

FOURTH SESSION「おそらくは、怠けることについて」
Q67馬鹿につける薬はあるか
Q68疲れてるときに眠らず仕事をすべきか
Q69悟りの心境とはなにか
Q70人間の行動はどこまで計算できるか
Q71人が人を褒めるときの主要因はなにか
Q72選ばれたものは他と何が違うのか
Q73歴史に残るものの条件とは
Q74ミロのビーナスは本当に美しいのか
Q75人の想像力は何に刺激されるのか
Q76危険に見合う収入の基準とは
Q77生命の危険はどこに存在しているか
Q78他人の期待に応える必要はあるか
Q79人と人をつないでいるものとはなにか
Q80どうして戦争はなくならないのか
Q81そんな無茶な、と思うときの基準とは
Q82人でなしをどう扱うべきか
Q83社会は個人を疎外するか
Q84『人間失格』は何が失格なのか
Q85矛盾はどこまで矛盾か
Q86教師の採点を信じるべきなのか

FIFTH SESSION「かろうじて、根拠について」
Q87人形はなぜ怖いのか
Q88幽霊や祟りが怖いのはなぜか
Q89占いをつい信じてしまうのはなぜか
Q90不安はどこまで「気のせい」か
Q91冷静な人物は人生を損しているか
Q92暴力には暴力で対抗すべきか
Q93無我夢中とは偶然と同じ意味か

SIXTH SESSION「きっと、自由について」
Q94同情とは弱気の表れなのか
Q95不自然なものには必ず理由があるか
Q96なぜ親の説教は面倒くさいのか
Q97妥協しないために何をすべきか
Q98説得力の有無は何に期待してしまうのか
Q99どうして他人に期待してしまうのか
Q100自由とは、結局なんなのか

『昆虫探偵』

2013年6月10日 読書
『昆虫探偵』
鳥飼否宇の『昆虫探偵』を読んだ。文庫版。
「蝶々殺蛾事件」
「哲学虫の密室」
「昼のセミ」
「吸血の池」
「生けるアカハネの死」
「ジョロウグモの拘」
「ハチの悲劇」
ある朝めざめたら虫になっていた主人公が、昆虫の世界での謎の事件に挑む。
挑む、と言っても、解決するのは、別の虫。
それぞれの作品は有名な推理小説のタイトルをもじっている。
「ジョロウグモの拘」は文庫のための書き下ろし。

『れんげ野原のまんなかで』

ジラメイト

2013年6月9日 アイドル






『片眼の猿』

2013年6月5日 読書



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