ヒッチコック『裏窓』ミステリの映画学
2008年4月3日 読書
加藤幹郎の『ヒッチコック『裏窓』ミステリの映画学』を読んだ。
ヒッチコックの「裏窓」を見て、僕はびっくりした。
それは、本当に殺人があったからだ。
これはミステリーとしては大失敗作ではないか。
そういう疑問に、この本はこたえてくれる。
「この映画のなかで中年男が妻を殺したということを客観的に証拠立てるものはなにひとつないのです」
中年男は「間違えられた男」だったのだ。
なるほど!
1冊でも推理小説を読んだことのある人なら、映画を普通に見ていて、本当に中年男が殺人を犯したのだ、と信じる人は、一人もいないだろう。
主人公だけが中年男の部屋で殺人事件が起こった、と勘違いし、実際には中年男以外の別の部屋で犯罪が進行していた事実が明らかになる、というのが、普通だ。主人公はすべてを見ていながら、中年男に気をとられていて、犯罪を見逃していたのだ。
うん。これなら、普通のミステリーとして成立する。
中年男が本当に殺していたなんて、事実でならありうる凡庸な結論だが、映画や小説などの虚構の世界では、あってはならない結末なのだ。小説は常に事実より奇なるものだからだ。
本書では、ヒッチコックの映画がもつ、「外見と内実の乖離」を中心に、説かれている。
映画のなかの主人公以外、観客も監督も全員が、中年男が殺人など犯していない、と信じるなかで、一見、映画が中年男の殺人を証して終わることが腑に落ちず、ヒッチコックの作品のなかでも傑作と呼ばれている理由がわからなかったのだが、やっと氷がとけた思いだ。
ヒッチコックの「裏窓」を見て、僕はびっくりした。
それは、本当に殺人があったからだ。
これはミステリーとしては大失敗作ではないか。
そういう疑問に、この本はこたえてくれる。
「この映画のなかで中年男が妻を殺したということを客観的に証拠立てるものはなにひとつないのです」
中年男は「間違えられた男」だったのだ。
なるほど!
1冊でも推理小説を読んだことのある人なら、映画を普通に見ていて、本当に中年男が殺人を犯したのだ、と信じる人は、一人もいないだろう。
主人公だけが中年男の部屋で殺人事件が起こった、と勘違いし、実際には中年男以外の別の部屋で犯罪が進行していた事実が明らかになる、というのが、普通だ。主人公はすべてを見ていながら、中年男に気をとられていて、犯罪を見逃していたのだ。
うん。これなら、普通のミステリーとして成立する。
中年男が本当に殺していたなんて、事実でならありうる凡庸な結論だが、映画や小説などの虚構の世界では、あってはならない結末なのだ。小説は常に事実より奇なるものだからだ。
本書では、ヒッチコックの映画がもつ、「外見と内実の乖離」を中心に、説かれている。
映画のなかの主人公以外、観客も監督も全員が、中年男が殺人など犯していない、と信じるなかで、一見、映画が中年男の殺人を証して終わることが腑に落ちず、ヒッチコックの作品のなかでも傑作と呼ばれている理由がわからなかったのだが、やっと氷がとけた思いだ。
ローズウォーターさん、あなたに神のお恵みを
2008年4月2日 読書
カート・ヴォネガット・ジュニアの『ローズウォーターさん、あなたに神のお恵みを』を読んだ。ネタバレなので、要注意。
億万長者が恵まれない人々に金を惜しみなく分け与える。
彼、エリオットには子どもがなく、遠縁の親戚を見つけだした悪人の罠にはまる。
彼を狂人に認定し、財産を奪い取ろうとするのだ。
さて。
この作品については、日記に何回かとりあげたので、ここでは手短かに。
ヴォネガットお得意の、エピソードを積み重ねた一代記もので、ドストエフスキーの『白痴』を思い出した。ちょっと違うけど。
本書では、ところどころに詩(オリジナルもあれば、引用もある)や歌が出てきて、それがまた面白かった。
たとえば。
エリオットが助成金を出したアル中の調査研究の報告書を受け取ったとき。エリオットはぐでんぐでんになっていて、詩を読む。
たくさんの、たくさんの良いものを、
ぼくは買いとった!
たくさんの、たくさんの悪いことと、
ぼくはたたかった!
エリオットには暗記したくなるほど感心した唯一の詩がある。それは、ビヤホールの男子手洗所の壁に書いてあったという。その詩は、
おたくの灰皿にションしたりはしない、
だからうちの便器に吸いがら捨てないで
酔っぱらいのピーチという男がうたう。
おれは淋病持ち、おまけにタマが張っちっち。
淋ちゃんは痛くないけれど、タマの野郎があっちっち。
さて、財産を奪われそうになったエリオットは、すばらしい方法で、しっぺ返しをする。
エリオットのもとには、山のように「あなたの子どもを生みました」なんていう隠し子の申告が寄せられている。明らかに、金目当ての嘘である。エリオットは、そのデタラメな申し出を全部認知するのだ。
これで、エリオットには一度に多くの子どもがいることになり、当然、財産は彼らでわけることになるのだ。遠縁の親戚に勝ち目はない。
億万長者が恵まれない人々に金を惜しみなく分け与える。
彼、エリオットには子どもがなく、遠縁の親戚を見つけだした悪人の罠にはまる。
彼を狂人に認定し、財産を奪い取ろうとするのだ。
さて。
この作品については、日記に何回かとりあげたので、ここでは手短かに。
ヴォネガットお得意の、エピソードを積み重ねた一代記もので、ドストエフスキーの『白痴』を思い出した。ちょっと違うけど。
本書では、ところどころに詩(オリジナルもあれば、引用もある)や歌が出てきて、それがまた面白かった。
たとえば。
エリオットが助成金を出したアル中の調査研究の報告書を受け取ったとき。エリオットはぐでんぐでんになっていて、詩を読む。
たくさんの、たくさんの良いものを、
ぼくは買いとった!
たくさんの、たくさんの悪いことと、
ぼくはたたかった!
エリオットには暗記したくなるほど感心した唯一の詩がある。それは、ビヤホールの男子手洗所の壁に書いてあったという。その詩は、
おたくの灰皿にションしたりはしない、
だからうちの便器に吸いがら捨てないで
酔っぱらいのピーチという男がうたう。
おれは淋病持ち、おまけにタマが張っちっち。
淋ちゃんは痛くないけれど、タマの野郎があっちっち。
さて、財産を奪われそうになったエリオットは、すばらしい方法で、しっぺ返しをする。
エリオットのもとには、山のように「あなたの子どもを生みました」なんていう隠し子の申告が寄せられている。明らかに、金目当ての嘘である。エリオットは、そのデタラメな申し出を全部認知するのだ。
これで、エリオットには一度に多くの子どもがいることになり、当然、財産は彼らでわけることになるのだ。遠縁の親戚に勝ち目はない。
藤子・F・不二雄の『キテレツ大百科』を読んだ。
昨日読んだ『毒ガス帯』、とくに「分解機」がきっかけになった。本箱に入っていたFFランド版全4巻を引っぱりだしてきた。
第1巻
ワガハイはコロ助ナリ
脱時機でのんびり
しん気ろうでやっつけろ
キッコー船の冒険
聞き耳ずきん
片道タイムマシン
モグラ・マンション
江戸時代の月面図
公園の恐竜
キテレツの団体(「こどもの光」昭和49年4月号〜50年1月号)
第2巻
冥府刀
一寸ガードマン
チョーチンおばけ捕物帖
地震の作り方
サイボーグキンちゃん
潜地球
水ねん土で子どもビル
うらみキャンデー
失恋はラブミ膏
らくらくハイキング
念力帽子(「こどもの光」昭和50年2月号〜12月号)
第3巻
如意光で引っこし
植物人間リリー
わすれん帽
物置でアフリカへ
宇宙怪魔人
動物芝居を作るナリ
地獄へいらっしゃい
海底の五億円
ネパール・オパール
ボール紙の町(こどもの光昭和51年1月号〜10月号)
巻末読切:ぼくのオキちゃん(小学四年生昭和50年11月号)
第4巻
枢破天狗
おもい出カメラ
空地の銀世界
ままごとハウス
遊魂帽
超鈍速ジェット機
仙鏡水
唐倶利武者
さらば大百科(こどもの光昭和51年11月号〜52年7月号)
巻末読切:ボクラ共和国(小学五年生昭和50年7月号)
キテレツでのジャイアン役は「ブタゴリラ」なのだが、読切の「ボクラ共和国」に出てくるガキ大将は「フトマムシ」だった。五文字の名前が多いな。「ボクラ共和国」では主人公(その正体は!)は花田マサルだった!
キテレツ読んでると、小学生の頃に学研の「科学」と「学習」を読んでいた頃の、こども目線でのSF興味が甦ってきて楽しかった。特別な能力や、未来からの輸入によらない秘密道具の存在には、ワクワクして、自分でもひょっとしたら作れるんじゃないか、と思わせてくれた。
それと、各巻にはA先生の「ウルトラB」が連載されていて、これがもう、怖いのなんのって。
なお、写真はテレビ版で、コロ助の頭部(まり)の色は薄く、ガチャ目になっていない。原作バージョンの方が、はるかにいいな!
昨日読んだ『毒ガス帯』、とくに「分解機」がきっかけになった。本箱に入っていたFFランド版全4巻を引っぱりだしてきた。
第1巻
ワガハイはコロ助ナリ
脱時機でのんびり
しん気ろうでやっつけろ
キッコー船の冒険
聞き耳ずきん
片道タイムマシン
モグラ・マンション
江戸時代の月面図
公園の恐竜
キテレツの団体(「こどもの光」昭和49年4月号〜50年1月号)
第2巻
冥府刀
一寸ガードマン
チョーチンおばけ捕物帖
地震の作り方
サイボーグキンちゃん
潜地球
水ねん土で子どもビル
うらみキャンデー
失恋はラブミ膏
らくらくハイキング
念力帽子(「こどもの光」昭和50年2月号〜12月号)
第3巻
如意光で引っこし
植物人間リリー
わすれん帽
物置でアフリカへ
宇宙怪魔人
動物芝居を作るナリ
地獄へいらっしゃい
海底の五億円
ネパール・オパール
ボール紙の町(こどもの光昭和51年1月号〜10月号)
巻末読切:ぼくのオキちゃん(小学四年生昭和50年11月号)
第4巻
枢破天狗
おもい出カメラ
空地の銀世界
ままごとハウス
遊魂帽
超鈍速ジェット機
仙鏡水
唐倶利武者
さらば大百科(こどもの光昭和51年11月号〜52年7月号)
巻末読切:ボクラ共和国(小学五年生昭和50年7月号)
キテレツでのジャイアン役は「ブタゴリラ」なのだが、読切の「ボクラ共和国」に出てくるガキ大将は「フトマムシ」だった。五文字の名前が多いな。「ボクラ共和国」では主人公(その正体は!)は花田マサルだった!
キテレツ読んでると、小学生の頃に学研の「科学」と「学習」を読んでいた頃の、こども目線でのSF興味が甦ってきて楽しかった。特別な能力や、未来からの輸入によらない秘密道具の存在には、ワクワクして、自分でもひょっとしたら作れるんじゃないか、と思わせてくれた。
それと、各巻にはA先生の「ウルトラB」が連載されていて、これがもう、怖いのなんのって。
なお、写真はテレビ版で、コロ助の頭部(まり)の色は薄く、ガチャ目になっていない。原作バージョンの方が、はるかにいいな!
コナン・ドイルの『毒ガス帯』を読んだ。
以下、目次
毒ガス帯
1、フラウンホーファー線のくもり
2、死の潮流
3、毒の海に沈む
4、死にゆく者の手記
5、死の町を行く
6、すばらしい目覚め
地球の悲鳴
分解機
「毒ガス帯」は、地球がエーテルの有毒帯の中に突入してしまう話。
冒頭からしばらく、チャレンジャー教授のところに向かう面々の珍道中のような描写が続く。ジョン卿は「野牛やインドの王様についての長ったらしい話をしてくれたが、その話ははじめもなければ、終わりもないもののように思われた」マローンはフットボールの話をえんえんと続け、サマリー教授は動物の物真似をいつまでも続ける。チャレンジャー教授は、家政婦の足首を噛んで、追い出したりしている。
なんじゃ、この喜劇は?と思って読んでいたら、実はこういう狂気の沙汰はすべて有毒ガスのなせるわざだ、ということが明らかになるのだ。
チャレンジャー教授は、地球をひとふさのブドウにたとえてこう言う。
「一房のブドウを想像してみてくれたまえ。それはきわめて微少ではあるが有毒な細菌に覆われている。園主はそれを消毒液にくぐらす。つまり、わしの考えでは、わが宇宙の園主は太陽系全体をいままさに消毒液の中に浸そうとしているのであり、その結果、われわれ人類という細菌、つまり、地球の外殻上でのたうちまわっている微少な人間という病原菌はたちまちのうちに殺菌され、死滅してしまうだろうよ」
チャレンジャー教授は、酸素ボンベによって命を長らえさせることができることを知るが、いずれにせよ、ボンベにも限界がある。
地球を救う方法はあるのか?
ない!
ないのだ!
地上は死屍累々。
こんなことがあっていいのか!
小説は、地球の終わりに際しての、考察をいろいろ展開する。
で、こんな大悲劇、どう結末つけるのか、というと。
みんな仮死状態でした!生き返りました!
ナヌー。
「地球の悲鳴」は、地球をウニにたとえる。
「このウニは地球の模型、つまり、原型ともいうべきなんだ」
「この外側の硬い外皮の表面をはいまわっているとても小さな虫がいるとしよう。ウニはいったいそれらの虫ケラの存在に気付くだろうか」
「地球の注意を求めている−いや、注意を要求している人間が少なくとも1人いるということを地球に知らせてやりたいと思うんだ」
チャレンジャー教授は、地球に穴をあけて、突き刺し、地球に存在をアピールしようとする。地球の中心核にまで穴を掘り、突き刺す、というのは大がかりなプロジェクトだ。で、その目的が、こんなこととは!
さて、結局、地球をプツッと刺して、地球は、ブチュッと黒くて臭い液を噴き出し、傷口の穴はふさがれてしまう。やったー、地球に存在をしらしめた!
全体的に、何をやっとるんじゃ、という話で、その結果のどうでもよさも極上。
「分解機」は、物体を原子に分解して、それをまた組み立て直す機械の話。
これは生き物にも適用される。
実験でマローンもチャレンジャー教授も実験される。
これが軍事に使われると、大いなる脅威になる。
チャレンジャー教授は、だまして発明者のラトビア人を原子に分解し、「よき市民としていちばん大切な義務は、殺人を予防することなんだ」と言って、元に戻さない。この精神を持っていてくれれば、戦争で多くの人命を救えたのに!
以下、目次
毒ガス帯
1、フラウンホーファー線のくもり
2、死の潮流
3、毒の海に沈む
4、死にゆく者の手記
5、死の町を行く
6、すばらしい目覚め
地球の悲鳴
分解機
「毒ガス帯」は、地球がエーテルの有毒帯の中に突入してしまう話。
冒頭からしばらく、チャレンジャー教授のところに向かう面々の珍道中のような描写が続く。ジョン卿は「野牛やインドの王様についての長ったらしい話をしてくれたが、その話ははじめもなければ、終わりもないもののように思われた」マローンはフットボールの話をえんえんと続け、サマリー教授は動物の物真似をいつまでも続ける。チャレンジャー教授は、家政婦の足首を噛んで、追い出したりしている。
なんじゃ、この喜劇は?と思って読んでいたら、実はこういう狂気の沙汰はすべて有毒ガスのなせるわざだ、ということが明らかになるのだ。
チャレンジャー教授は、地球をひとふさのブドウにたとえてこう言う。
「一房のブドウを想像してみてくれたまえ。それはきわめて微少ではあるが有毒な細菌に覆われている。園主はそれを消毒液にくぐらす。つまり、わしの考えでは、わが宇宙の園主は太陽系全体をいままさに消毒液の中に浸そうとしているのであり、その結果、われわれ人類という細菌、つまり、地球の外殻上でのたうちまわっている微少な人間という病原菌はたちまちのうちに殺菌され、死滅してしまうだろうよ」
チャレンジャー教授は、酸素ボンベによって命を長らえさせることができることを知るが、いずれにせよ、ボンベにも限界がある。
地球を救う方法はあるのか?
ない!
ないのだ!
地上は死屍累々。
こんなことがあっていいのか!
小説は、地球の終わりに際しての、考察をいろいろ展開する。
で、こんな大悲劇、どう結末つけるのか、というと。
みんな仮死状態でした!生き返りました!
ナヌー。
「地球の悲鳴」は、地球をウニにたとえる。
「このウニは地球の模型、つまり、原型ともいうべきなんだ」
「この外側の硬い外皮の表面をはいまわっているとても小さな虫がいるとしよう。ウニはいったいそれらの虫ケラの存在に気付くだろうか」
「地球の注意を求めている−いや、注意を要求している人間が少なくとも1人いるということを地球に知らせてやりたいと思うんだ」
チャレンジャー教授は、地球に穴をあけて、突き刺し、地球に存在をアピールしようとする。地球の中心核にまで穴を掘り、突き刺す、というのは大がかりなプロジェクトだ。で、その目的が、こんなこととは!
さて、結局、地球をプツッと刺して、地球は、ブチュッと黒くて臭い液を噴き出し、傷口の穴はふさがれてしまう。やったー、地球に存在をしらしめた!
全体的に、何をやっとるんじゃ、という話で、その結果のどうでもよさも極上。
「分解機」は、物体を原子に分解して、それをまた組み立て直す機械の話。
これは生き物にも適用される。
実験でマローンもチャレンジャー教授も実験される。
これが軍事に使われると、大いなる脅威になる。
チャレンジャー教授は、だまして発明者のラトビア人を原子に分解し、「よき市民としていちばん大切な義務は、殺人を予防することなんだ」と言って、元に戻さない。この精神を持っていてくれれば、戦争で多くの人命を救えたのに!
プラネット短編映画祭2日め〜岡本玲
2008年3月30日 アイドル
プラネット短編映画祭2日め。司会はもちろん、宍戸留美ちゃん、黒田恵子ちゃん!今日もプログラム1だけ見る。
Abnormal Weather/hinotori
学校を辞めます−51才の僕の決断−/湯本雅典
エレファント・マド/HAMU
河合さん/井村剛
1/33/卜部敦史
今日も、現実や運命を前にして、具体的に解決策が見えない状態での無力感を覚える作品が多かった。こういう感想を抱いた映画で強烈に印象に残っているのは、オリヴァーストーン監督の「サルバドル」だったかな。テーマがテーマだけにレベルが違うのだが、どうせなら「サルバドル」くらいに思いきった速度で壁にぶちあたってもらいたい、と思った。
イオンモール鶴見リーファで、岡本玲のインストアライブ。
と、いってもシングル曲1曲のみのライブで、あとはトークと握手会。
1.teenage days
関西弁がいいね!
レインボウパークとかmix、トイザらス巡って、この手の大型ショッピングセンターによくある、無料のコーヒー飲んで、帰宅。
帰宅後はNHK-FMで現代の音楽。
イサン・ユンの2日め。これは聞きごたえたっぷり。
今日はなんと臨時で夜勤に入ることになったので、プラネットに戻るとか、他のイベントに行く、とかできなかった。準備して、仕事へ。
ただし、仕事の休憩時間に、録音しておいた「現代の音楽」をもう1回聞き直した。
すごい音楽を耳にしながら食べるパンは、ものすごい代物のように見えた。
Abnormal Weather/hinotori
学校を辞めます−51才の僕の決断−/湯本雅典
エレファント・マド/HAMU
河合さん/井村剛
1/33/卜部敦史
今日も、現実や運命を前にして、具体的に解決策が見えない状態での無力感を覚える作品が多かった。こういう感想を抱いた映画で強烈に印象に残っているのは、オリヴァーストーン監督の「サルバドル」だったかな。テーマがテーマだけにレベルが違うのだが、どうせなら「サルバドル」くらいに思いきった速度で壁にぶちあたってもらいたい、と思った。
イオンモール鶴見リーファで、岡本玲のインストアライブ。
と、いってもシングル曲1曲のみのライブで、あとはトークと握手会。
1.teenage days
関西弁がいいね!
レインボウパークとかmix、トイザらス巡って、この手の大型ショッピングセンターによくある、無料のコーヒー飲んで、帰宅。
帰宅後はNHK-FMで現代の音楽。
イサン・ユンの2日め。これは聞きごたえたっぷり。
今日はなんと臨時で夜勤に入ることになったので、プラネットに戻るとか、他のイベントに行く、とかできなかった。準備して、仕事へ。
ただし、仕事の休憩時間に、録音しておいた「現代の音楽」をもう1回聞き直した。
すごい音楽を耳にしながら食べるパンは、ものすごい代物のように見えた。
今日はいくつものイベントをハシゴ。
まず、プラネットステーションで「プラネット短編映画祭」
プログラム1を見る。
ふりっじす/田辺富士男
夏の終わり、君と/相羽誠聡
bridge/山田園子
開ケルナ/具志堅浩二
月の華/村上聡
宇宙人大襲来!!/石田アキラ
Undo/Jean-Gabriel PERIOT
それぞれ違う監督が違うテーマで違った手法で作っているのだが、全体をとおして、あるイメージが湧いてくる。それは、現実や運命を前にしたときの無力感だ。
「ふりっじす」は、不要になった冷蔵庫は捨てられてしまう、という現実から結局逃れられない。「夏の終わり、君と」は子供たちの事情におかまいなく、少女は親と一緒に帰ってしまう。などなど。無力を自覚したあとの模索を暗示する作品もあり、無力であることをオチにする作品もある。
それと、決定的なラストシーンをあえてうつさず、その直前でエンドマークが出る作品が多かった。1つの手法なんだろうが、こう連続して見ると、もっと他のやり方はなかったのか、と思う。たとえば、やたら長いラストシーンとか。「開ケルナ」で言えば、悲鳴をあげて終わるのではなく、えんえんと砂時計と悲鳴のシーンが続く、なんてどうだろう。少なくとも5分くらい。
休憩時間に、観客として来ていたChamiちゃんと一緒に、宍戸留美ちゃん、黒田恵子ちゃん、石田章監督のいる楽屋にお邪魔する。
鶴見はなぽーとブロッサムでさちまゆライブ。
1.大切な心
2.天使と悪魔
3.ドア・トゥ・ザ・ドリーム
4.ドールズ
5.恋遊び
6.ハピネス・ウィズ・ユー
ライブ前には、メロンブックスでのイベントの模様を取材した番組のVTRが流れた。
さちまゆの歌は、ロシア民謡を思わせる哀切なメロディのものが多く、あんまりノーテンキな感じではない。オタクのどまんなかストライクでもなく、女の子が好きなダンスミュージックでもない、隙間をついたような曲調なのだが、それがなんとも言えぬもどかしさを感じさせる。場数踏めば、こんな思いもなくなるはずなので、さちまゆにはもっともっとライブしてもらいたい。
ORC200で「歌姫スペシャルライブ」
このイベントはちょこっとのぞくくらいの時間しかなかった。
行ってみると、BabyBlackのFukumiが歌っていた。
なに?フクミちゃんが歌っているということは、既にクライマックスなのか?
続いて、笑撃武芸団の時代劇ショー。なんだか観光地に来たような気分。
次にスタジオDIPのキッズダンス。
ダンスを見終わったところで、タイムアップ。
スタジオSTSで「STSスペシャルライブ」
1.nothing’s gonna change my love for you/ナオセレクト
2.No.1/トゥインクル☆ペタル
3.COLOR OF SEASON/トゥインクル☆ペタル
4.ふたつ星/山口満里奈
5.ボーイフレンド/山口満里奈
6.History/スーパーバブルス
7.プラネタリウム/岸本華和
8.センチメタルボーイ/あいな&ひより
9.めぐる恋の季節/あいな&ひより
10.GO AHEAD!!/プリッツ
11.KING & QUEEN/プリッツ
12.SAVE MY SOUL/クランベリーズ
13.LOVE IS A MELODY/クランベリーズ
14.オープニングダンス/TOUCH
15.Love like candy floss/TOUCH
16.ラヴ☆ラズベリージュース/TOUCH
17.アプリシェ/TOUCH
18.GARNET MOON/ブラックベリーズ
19.sexy.naughty.bitchy/ブラックベリーズ
20.深紅/クランベリーズ
21.ネバーエンディングストーリー/全ユニット
各ユニットと野球グッズ争奪ジャンケン大会
くじびきで各ユニットと写真撮影タイム
各ユニットについての覚え書き。今回は曲だけでなくトークもあった。
トゥインクル☆ペタルはマイブームについて。ダックスフントの乾いた鼻をクシュクシュするのがマイブームとか。
マリナはトークで「STS最高!」
岸本華和の歌唱力!留美ちゃんに見せてあげたかった。
あいな&ひよりのレパートリー「めぐる恋の季節」は、ダンスがSTSオリジナル。メアリーエンジェルとレパートリーがかぶっているので、ついつい比べてしまった。で、どうだったかと言うと。ふだんから僕は「メアリーエンジェル最強」の印象をもっていたのだが、この「めぐる恋の季節」に関しては、あいな&ひよりの方がかなりよかった。と、いうことは、今度からは「あいな&ひより最強」ってことになるのか?ムムム?
TOUCHは新年度を迎えての抱負。ユウキ「身長を伸ばす」アヤカ「頭をよくする」リサコ「スタイルをよくする」ミナコ「デビューする」キエ「頭もよくして、背も伸ばしてetc」いつのまに、アヤカはこんな天然なボケボケキャラになったのだろう。面白い!
最後のネバーエンディングストーリーは、プログラムに記載のないサプライズ曲。
各ユニットがリレーで歌う姿は壮観で、感動した。今回はちゃんと跳べたし。
ライブ終了後、かなり寒くなっていて、帰宅。
あとになって、ORC200(スタジオSTSの隣の駅)に寄れば、appealに間に合っていた、と知ったが、気付くのが遅かった!
帰宅後はとことん石ノ森章太郎などを見たりする。
まず、プラネットステーションで「プラネット短編映画祭」
プログラム1を見る。
ふりっじす/田辺富士男
夏の終わり、君と/相羽誠聡
bridge/山田園子
開ケルナ/具志堅浩二
月の華/村上聡
宇宙人大襲来!!/石田アキラ
Undo/Jean-Gabriel PERIOT
それぞれ違う監督が違うテーマで違った手法で作っているのだが、全体をとおして、あるイメージが湧いてくる。それは、現実や運命を前にしたときの無力感だ。
「ふりっじす」は、不要になった冷蔵庫は捨てられてしまう、という現実から結局逃れられない。「夏の終わり、君と」は子供たちの事情におかまいなく、少女は親と一緒に帰ってしまう。などなど。無力を自覚したあとの模索を暗示する作品もあり、無力であることをオチにする作品もある。
それと、決定的なラストシーンをあえてうつさず、その直前でエンドマークが出る作品が多かった。1つの手法なんだろうが、こう連続して見ると、もっと他のやり方はなかったのか、と思う。たとえば、やたら長いラストシーンとか。「開ケルナ」で言えば、悲鳴をあげて終わるのではなく、えんえんと砂時計と悲鳴のシーンが続く、なんてどうだろう。少なくとも5分くらい。
休憩時間に、観客として来ていたChamiちゃんと一緒に、宍戸留美ちゃん、黒田恵子ちゃん、石田章監督のいる楽屋にお邪魔する。
鶴見はなぽーとブロッサムでさちまゆライブ。
1.大切な心
2.天使と悪魔
3.ドア・トゥ・ザ・ドリーム
4.ドールズ
5.恋遊び
6.ハピネス・ウィズ・ユー
ライブ前には、メロンブックスでのイベントの模様を取材した番組のVTRが流れた。
さちまゆの歌は、ロシア民謡を思わせる哀切なメロディのものが多く、あんまりノーテンキな感じではない。オタクのどまんなかストライクでもなく、女の子が好きなダンスミュージックでもない、隙間をついたような曲調なのだが、それがなんとも言えぬもどかしさを感じさせる。場数踏めば、こんな思いもなくなるはずなので、さちまゆにはもっともっとライブしてもらいたい。
ORC200で「歌姫スペシャルライブ」
このイベントはちょこっとのぞくくらいの時間しかなかった。
行ってみると、BabyBlackのFukumiが歌っていた。
なに?フクミちゃんが歌っているということは、既にクライマックスなのか?
続いて、笑撃武芸団の時代劇ショー。なんだか観光地に来たような気分。
次にスタジオDIPのキッズダンス。
ダンスを見終わったところで、タイムアップ。
スタジオSTSで「STSスペシャルライブ」
1.nothing’s gonna change my love for you/ナオセレクト
2.No.1/トゥインクル☆ペタル
3.COLOR OF SEASON/トゥインクル☆ペタル
4.ふたつ星/山口満里奈
5.ボーイフレンド/山口満里奈
6.History/スーパーバブルス
7.プラネタリウム/岸本華和
8.センチメタルボーイ/あいな&ひより
9.めぐる恋の季節/あいな&ひより
10.GO AHEAD!!/プリッツ
11.KING & QUEEN/プリッツ
12.SAVE MY SOUL/クランベリーズ
13.LOVE IS A MELODY/クランベリーズ
14.オープニングダンス/TOUCH
15.Love like candy floss/TOUCH
16.ラヴ☆ラズベリージュース/TOUCH
17.アプリシェ/TOUCH
18.GARNET MOON/ブラックベリーズ
19.sexy.naughty.bitchy/ブラックベリーズ
20.深紅/クランベリーズ
21.ネバーエンディングストーリー/全ユニット
各ユニットと野球グッズ争奪ジャンケン大会
くじびきで各ユニットと写真撮影タイム
各ユニットについての覚え書き。今回は曲だけでなくトークもあった。
トゥインクル☆ペタルはマイブームについて。ダックスフントの乾いた鼻をクシュクシュするのがマイブームとか。
マリナはトークで「STS最高!」
岸本華和の歌唱力!留美ちゃんに見せてあげたかった。
あいな&ひよりのレパートリー「めぐる恋の季節」は、ダンスがSTSオリジナル。メアリーエンジェルとレパートリーがかぶっているので、ついつい比べてしまった。で、どうだったかと言うと。ふだんから僕は「メアリーエンジェル最強」の印象をもっていたのだが、この「めぐる恋の季節」に関しては、あいな&ひよりの方がかなりよかった。と、いうことは、今度からは「あいな&ひより最強」ってことになるのか?ムムム?
TOUCHは新年度を迎えての抱負。ユウキ「身長を伸ばす」アヤカ「頭をよくする」リサコ「スタイルをよくする」ミナコ「デビューする」キエ「頭もよくして、背も伸ばしてetc」いつのまに、アヤカはこんな天然なボケボケキャラになったのだろう。面白い!
最後のネバーエンディングストーリーは、プログラムに記載のないサプライズ曲。
各ユニットがリレーで歌う姿は壮観で、感動した。今回はちゃんと跳べたし。
ライブ終了後、かなり寒くなっていて、帰宅。
あとになって、ORC200(スタジオSTSの隣の駅)に寄れば、appealに間に合っていた、と知ったが、気付くのが遅かった!
帰宅後はとことん石ノ森章太郎などを見たりする。
スパイダーウィックの謎
2008年3月28日 映画
試写会見に行った。うわー。9割が女性。
ガマたち(似)がゲコゲコと襲ってくる。
ボスはボブ・サップ(似)の声をしたヤン・ザ・ジャイアント・ノルキア(似)
子供たちを救うのは、おばあちゃんの松野直美(似)
最後にボスを攻略するのは、今まで欠点としか見えていなかった習性。これ、まるでジョジョっぽくて面白い結末だった。
ただし、この映画はどうひいきめに見ても、子供向け映画だ。
ナルニアやリングやライラとくらべると、スケールが小さいが、いろんな妖精の姿を楽しむにはぴったり。
それにしても、試写会のお客さんは、本編終わってキャストの名前が流れ出すと、とたんにザワザワ、私語の嵐。ぞろぞろとしゃべりながら出て行く人々。まさか名前なんて読んでいる人などいないだろう、と思っているのか、僕の目の前には、スクリーンをふさぐかのように立って会場を見渡している人まであらわれた。
最後、会場が照明で明るくなって、見渡すと、3分の2以上が既に空席になっていた。映画の楽しみ方は自由だが、僕の映画の楽しみを奪わないでくれ。
ガマたち(似)がゲコゲコと襲ってくる。
ボスはボブ・サップ(似)の声をしたヤン・ザ・ジャイアント・ノルキア(似)
子供たちを救うのは、おばあちゃんの松野直美(似)
最後にボスを攻略するのは、今まで欠点としか見えていなかった習性。これ、まるでジョジョっぽくて面白い結末だった。
ただし、この映画はどうひいきめに見ても、子供向け映画だ。
ナルニアやリングやライラとくらべると、スケールが小さいが、いろんな妖精の姿を楽しむにはぴったり。
それにしても、試写会のお客さんは、本編終わってキャストの名前が流れ出すと、とたんにザワザワ、私語の嵐。ぞろぞろとしゃべりながら出て行く人々。まさか名前なんて読んでいる人などいないだろう、と思っているのか、僕の目の前には、スクリーンをふさぐかのように立って会場を見渡している人まであらわれた。
最後、会場が照明で明るくなって、見渡すと、3分の2以上が既に空席になっていた。映画の楽しみ方は自由だが、僕の映画の楽しみを奪わないでくれ。
風々院風々風々居士―山田風太郎に聞く (ちくま文庫)
2008年3月27日 読書
ISBN:4480420959 文庫 山田 風太郎 筑摩書房 2005/06/08 ¥714
山田風太郎の肉声が聞こえてきそうなインタビュー集。
資料をあさって作品を書き終えると、その資料は捨ててしまって、記憶にも残らないってのがすごい。
歴史はその都度作られている。
山田風太郎の肉声が聞こえてきそうなインタビュー集。
資料をあさって作品を書き終えると、その資料は捨ててしまって、記憶にも残らないってのがすごい。
歴史はその都度作られている。
占領下パリの思想家たち―収容所と亡命の時代 (平凡社新書 356)
2008年3月26日 読書 コメント (1)
ISBN:4582853560 新書 桜井 哲夫 平凡社 2007/01 ¥903
その頃、サルトルは。
その頃、アロンは。
その頃、カミュは。
その頃、レヴィストロースは。
その頃、メルロポンティは。
などなど。
これは書きようによっては山田風太郎になりえたな。
その頃、サルトルは。
その頃、アロンは。
その頃、カミュは。
その頃、レヴィストロースは。
その頃、メルロポンティは。
などなど。
これは書きようによっては山田風太郎になりえたな。
ポー 若き日の手紙―未発表書簡集
2008年3月25日 読書
ISBN:4882027518 単行本 宮永 孝 彩流社 2002/05 ¥2,520
ポーが養父アランに宛てた手紙を中心に編まれている。
「食物を買うお金すら、一銭もないのです」と無心しても、「君は小生の期待に、これっぽっちも応えようとはしなかった」と返事がかえってきたり。
養父が「愛情のひとかけらも抱いていない」と人に言うのを聞いてしまったり。
それでも、ポーが養父アランに受け入れてもらおうと必死で書き綴る手紙には涙がちょちょぎれる。
ポーが養父アランに宛てた手紙を中心に編まれている。
「食物を買うお金すら、一銭もないのです」と無心しても、「君は小生の期待に、これっぽっちも応えようとはしなかった」と返事がかえってきたり。
養父が「愛情のひとかけらも抱いていない」と人に言うのを聞いてしまったり。
それでも、ポーが養父アランに受け入れてもらおうと必死で書き綴る手紙には涙がちょちょぎれる。
ザ・ライフ・オブ・デビッド・ゲイル、『マン・レイとの対話』
2008年3月24日 映画
DVD ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン 2007/10/11 ¥1,500
アラン・パーカー監督の「ザ・ライフ・オブ・デビッド・ゲイル」を見た。
死刑廃止論者が死刑に処される皮肉。
ただし、現場の状況からある事柄が判明した。
何者かが、犯行の一部始終を撮影していた!
死刑囚デビッド・ゲイルの記事を書くために最後の3日間、面会した雑誌記者のケイト・ウィンスレットに、1本のビデオが届く。
それは、これが殺人事件ではなく、自殺であり、別人が見届けたものであることを映し出していた。
だが、もう時間がない!
死刑までに間に合うのか?
走れ、ケイト・ウィンスレット!タイタニックよりも速く!
と、いうわけで、この映画は冤罪による死刑は取り返しがつかないという内容で、死刑廃止をテーマにした社会派なのかな、と最初思ったけど、映画を見ているうちに、どうやらそうではないことがわかってきた。
事件の真相は何なのか、というサスペンスにこそ主眼があり、死刑廃止とかはストーリーを面白くするためのお膳立てなんだな、と思えてきたのだ。
ケビンスペイシー演じるデビッド・ゲイルが、単位取得のためなら体も提供する女学生の誘いを断ったことから逆恨みされ、レイプの噂をたてられて失職してしまうドジさや、アル中になってたちなおれなくなる情けなさが、デビッド・ゲイルへの共感をさまたげているんだろう。
僕自身は死刑反対の立場なので、この映画を見終わってもぜんぜん死刑反対に共感しそうにない展開だったのが、残念だった。
娯楽作品で、見終わると、すぐに忘れてしまうようなタイプ。
ピエール・ブルジャッドの『マン・レイとの対話』を読んだ。
1970年、マン・レイ80才のときの対談と、いくつかのテクストが収められている。
テクストは次のとおり。引用とかしてみる。
光の時代/『写真集』からの抜粋1920-1934
「誰しも臆病さゆえに超えることのできない限界というものがある。それ以上進むと制裁を受けるのである。専心努力して自らこの限界を押し拡げたものは、すでに万人に認められ自発的な努力を何ら必要としない人々の反感を呼び起こすことになる。こうした敵意は通常、嘲笑、批判、さもなくば迫害といった形をとる。だが礼儀作法とか審美主義に容認された怪物的な慣習にはこうした目立った侵害も良い薬である」
社会の中の芸術/ラジオ放送による即興講演1940
自伝/展覧会カタログより抜粋1944
人知れず続けるために/1948
シェークスピア方程式に関する覚え書き/1948
未発表資料/1951
私は何者か/展覧会カタログより抜粋1959
予告/展覧会カタログ序文1972
あとで書き足します。
アラン・パーカー監督の「ザ・ライフ・オブ・デビッド・ゲイル」を見た。
死刑廃止論者が死刑に処される皮肉。
ただし、現場の状況からある事柄が判明した。
何者かが、犯行の一部始終を撮影していた!
死刑囚デビッド・ゲイルの記事を書くために最後の3日間、面会した雑誌記者のケイト・ウィンスレットに、1本のビデオが届く。
それは、これが殺人事件ではなく、自殺であり、別人が見届けたものであることを映し出していた。
だが、もう時間がない!
死刑までに間に合うのか?
走れ、ケイト・ウィンスレット!タイタニックよりも速く!
と、いうわけで、この映画は冤罪による死刑は取り返しがつかないという内容で、死刑廃止をテーマにした社会派なのかな、と最初思ったけど、映画を見ているうちに、どうやらそうではないことがわかってきた。
事件の真相は何なのか、というサスペンスにこそ主眼があり、死刑廃止とかはストーリーを面白くするためのお膳立てなんだな、と思えてきたのだ。
ケビンスペイシー演じるデビッド・ゲイルが、単位取得のためなら体も提供する女学生の誘いを断ったことから逆恨みされ、レイプの噂をたてられて失職してしまうドジさや、アル中になってたちなおれなくなる情けなさが、デビッド・ゲイルへの共感をさまたげているんだろう。
僕自身は死刑反対の立場なので、この映画を見終わってもぜんぜん死刑反対に共感しそうにない展開だったのが、残念だった。
娯楽作品で、見終わると、すぐに忘れてしまうようなタイプ。
ピエール・ブルジャッドの『マン・レイとの対話』を読んだ。
1970年、マン・レイ80才のときの対談と、いくつかのテクストが収められている。
テクストは次のとおり。引用とかしてみる。
光の時代/『写真集』からの抜粋1920-1934
「誰しも臆病さゆえに超えることのできない限界というものがある。それ以上進むと制裁を受けるのである。専心努力して自らこの限界を押し拡げたものは、すでに万人に認められ自発的な努力を何ら必要としない人々の反感を呼び起こすことになる。こうした敵意は通常、嘲笑、批判、さもなくば迫害といった形をとる。だが礼儀作法とか審美主義に容認された怪物的な慣習にはこうした目立った侵害も良い薬である」
社会の中の芸術/ラジオ放送による即興講演1940
自伝/展覧会カタログより抜粋1944
人知れず続けるために/1948
シェークスピア方程式に関する覚え書き/1948
未発表資料/1951
私は何者か/展覧会カタログより抜粋1959
予告/展覧会カタログ序文1972
あとで書き足します。
大阪日本橋オタロードで、マリードールのストリートライブ。
午後から天気が崩れるとの予報を受けて、スタートは1時間早めて正午から。
騒いだり大音量だと通報されてしまうので、いつものライブハウスでの狂乱はなく、比較的控えめにライブがはじまる。
こういう場だと、僕でも最前列で違和感がない。
ラブ&ジョイ
baby star
tell me
フレンジャー
ハレ晴れユカイ
チューリップ
大きな愛でもてなして
ホントのじぶん
と、車の通行に気を使いながらもライブは順調に進み、ここでいったん休憩してチラシ配りタイム。
そのあとは、「会いたかった」ではじまり、レパートリーを再びさらえて、休憩&チラシタイム。
結局、レパートリーを2巡半ほどして、終了したのは2時過ぎ。
雲行きがあやしくなってきたのだ。
最近、無料で観覧できるアイドルイベントが激減しているなかでの、このストリートライブは、ファンへの最高の贈物であり、さらに多くのファンも獲得していたように思う。いつも同じ顔ぶれのお客さんを相手にして、閉じられた環のなかでのやりとりに終始していては、中毒してしまう。風通しをよくして、新規開拓にも積極的なマリードールの姿勢は、賞賛してしすぎるということはないだろう。
本町のESPACE446で西山佳樹展「ダンボールアート〜『ニシヤマ』の世界」
西山佳樹は劇団タノシイの小道具を制作している人で、展示物はダンボールとガムテープを使って作られていた。
ザクとか巨大な煙草とか。
作品は500円で販売もしていた。
西山氏の略歴を見ると、1935年大阪府河内長野市生まれの73才で、これが初の個展になる。
午後3時半からトークショーがあった。
ボディガードに過剰に守られながら、西山氏登場。
トークショー中、我こそは本物の西山画伯だと名乗る人物が現れたり、ナンパ目的でやってきた男がいたり、会場をサマソニだと思ってのりまくる人物がいたり、見るからに盗人な男が客の鞄を堂々と盗もうとしたり、さまざまなハプニングが起こる。
西山氏は、ときにはバットマンのマスクを実演で作ってみせたり、若手漫才師のネタ見せに指導を与えたりしながら、トークショーをすすめる。
そして、トークショー終了後、展示会場に戻ってみると、そこはガチホモのサウナ風呂!そして、殺人!14億円の作品が盗まれている!大事件続発!
キャッツアイと名探偵コナンの登場で事件は解決するが、僕はキャッツアイとかコナンは漫画やアニメの中に出てくる虚構の人物だと思っていたので、実際に本物があらわれたのに驚いた。
帰宅後、NHK-FMで「現代の音楽」
西村 朗
− 作曲・この半世紀の潮流〜ユン・イサンの音楽 −(1)
「洛陽〜室内アンサンブルのための」 ユン・イサン作曲
(17分30秒)
(演奏)朝鮮民主主義人民共和国国立交響楽団団員
(指揮)フランシス・トラヴィス
「光州よ永遠に」 ユン・イサン作曲
(20分45秒)
(管弦楽)朝鮮民主主義人民共和国国立交響楽団
(指揮)キム・ビョンファ
<カメラータ CAMERATA 25CM−237>
ユン・イサンの音楽はなんだか安心して聞いていられる。
松岡正剛の『ちょっと本気な 千夜千冊虎の巻』を読んだ。
『千夜千冊』のナビゲーション。web版の「千夜千冊」はかじり読みしたことがあるが、本になった「千夜千冊」は未読(やはり、web版とは違うらしい)。
以下、目次。
序 千夜千冊の誕生
なぜ千冊の本が全七巻になったのか
/ウェブ連載「千夜千冊」から書籍『千夜千冊』へ/松岡正剛が編集者に戻って自慢の腕をふるった「ヘッドライン」/再読にこそ「読書」の醍醐味がある/読書法の極意、「本」をノートにする/
1、−遠くからとどく声−
少年少女のころの本がセピア色にいまよみがえる
/セイゴオ式読書術の秘密/すぐれた本が暴く「少年の本質」/モト少女が絶対に読んでおくべき作家/子供時代に読んだ本を再読すると、意外なことが見えてくる/「こわさ」は偉大である/哀切と詩歌を読む方法/ブログでは読めない世界/ノスタルジアを喚起させる本/
2、−猫と量子が見ている−
カンブリア紀からホーキングまで、「読書する科学」をひもといていく
/「読書する科学」の醍醐味/「数学的自由」と「科学的愉快」/世界はすべて「言語ゲーム」でできている/学者たちは宇宙や物質をどのように見てきたのか/見えない世界をどう見るか/そもそも生命って何か/「鍵」と「鍵穴」の生命ドラマ/人間はおかしな生物になりつつある/コンピュータの中から生まれたカオス/
3、−脳と心の編集学校−
本は記憶と再生のための編集装置である
/語呂合わせは編集の入口/消えゆく国語の問題/世界中が声を出して本を読んでいた/書物を「都市」にしたい/脳と心の問題はどこから始まるか/脳科学もどき流行に棹さす本/神秘主義やオカルトに走りたくなるときの本/書物はどのように世界観を定着していったのか/『スター・ウォーズ』は「母型」でできている/
4、−神の戦争・仏法の鬼−
ドストエフスキーとフロイトが投げかけた謎
/読書は危険な毒薬である/マリアの処女懐胎をつくりあげたパウロの編集術/「クセジュ」とか「いったい私は何を知っているのだろうか」という意味/編集的思想を求める人々に勧めたいパスカルの『パンセ』/ドストエフスキーのサスペンス/はたしてニーチェを読むべきか/アウトサイダーの闘いかた/西洋の知で世界を見るな/国家の犯罪という問題を解く本/「読書する戦争」だってある/
5、−日本イデオロギーの森−
この国の奥を見るために、七つの読書モデルをつかってみる
/セイゴオ流読書術・入門編/忙しいとき、悲しいとき、疲れているとき、すべてに読書のチャンスがある/日本の思想文化を眺める/「暗号解読法」の極意/「目次読書法」の極意/「マーキング読書法」の極意/「要約的読書法」の極意/「図解読書法」の極意/「類書読書法」の極意/何もわからないから読書ができる/
6、−茶碗とピアノと山水屏風−
古今東西のアーティストごとに本を読む
/セイゴオ好みの第六感/アート・プロデューサー重源/日本数奇のアーティスト/世阿弥からピナ・バウシュまで/「間」と「いき」/宇多田ヒカルは「大漁節」/グレン・グールドの『草枕』/バルテュスは『荘子』で東洋にめざめた/建築家たちの大いなる葛藤/写真をアートにしている力/
7、−男と女の資本主義−
貫一お宮からディートリッヒまで・フェミニズムからネット市場まで
/欲望社会とは何か/発露のフーゾク・根拠のエロス/「支払い」と「お祓い」は同じだった/やっぱり退屈な夫には耐えられない/レベッカとお宮の資本主義/「ブレスレットの資本主義」と闘った女/松岡正剛が一番身につまされた本/われわれが生き残るために最も大切な本/まだまだ本を読まなくてはならない/
あとがき 本に溺れて浮いてみる
特別付録 『松岡正剛 千夜千冊』スタンプラリー全巻構成一覧
特殊なジャンルに特化でもしないかぎり、自分ではけっこう本を読んだり、音楽聞いたりしているつもりでも、本屋や図書館、CDショップなどに行くと、読んでいない本、聞いたことのない音楽が山のように存在している。この本の最後にあるスタンプラリーの本だって、未読のものが多い。だからと言って、このスタンプラリーどおりに読書しようということにもならないのが、面白いところだ。そんなことだから、必読文献を全然読んでいなかったり、順番むちゃくちゃなアクセスの仕方をして、ねじまがった世界を築いてしまうのである。このいびつな世界の居心地のよさったらないのだが。
今日のペソア
「愛するとは、独りでいるのに飽きたことだ。したがって、卑怯であり、自分自身に対する裏切りだ。(愛さないのがわれわれにとってこの上なく大切なことだ)」『不安の書』458
午後から天気が崩れるとの予報を受けて、スタートは1時間早めて正午から。
騒いだり大音量だと通報されてしまうので、いつものライブハウスでの狂乱はなく、比較的控えめにライブがはじまる。
こういう場だと、僕でも最前列で違和感がない。
ラブ&ジョイ
baby star
tell me
フレンジャー
ハレ晴れユカイ
チューリップ
大きな愛でもてなして
ホントのじぶん
と、車の通行に気を使いながらもライブは順調に進み、ここでいったん休憩してチラシ配りタイム。
そのあとは、「会いたかった」ではじまり、レパートリーを再びさらえて、休憩&チラシタイム。
結局、レパートリーを2巡半ほどして、終了したのは2時過ぎ。
雲行きがあやしくなってきたのだ。
最近、無料で観覧できるアイドルイベントが激減しているなかでの、このストリートライブは、ファンへの最高の贈物であり、さらに多くのファンも獲得していたように思う。いつも同じ顔ぶれのお客さんを相手にして、閉じられた環のなかでのやりとりに終始していては、中毒してしまう。風通しをよくして、新規開拓にも積極的なマリードールの姿勢は、賞賛してしすぎるということはないだろう。
本町のESPACE446で西山佳樹展「ダンボールアート〜『ニシヤマ』の世界」
西山佳樹は劇団タノシイの小道具を制作している人で、展示物はダンボールとガムテープを使って作られていた。
ザクとか巨大な煙草とか。
作品は500円で販売もしていた。
西山氏の略歴を見ると、1935年大阪府河内長野市生まれの73才で、これが初の個展になる。
午後3時半からトークショーがあった。
ボディガードに過剰に守られながら、西山氏登場。
トークショー中、我こそは本物の西山画伯だと名乗る人物が現れたり、ナンパ目的でやってきた男がいたり、会場をサマソニだと思ってのりまくる人物がいたり、見るからに盗人な男が客の鞄を堂々と盗もうとしたり、さまざまなハプニングが起こる。
西山氏は、ときにはバットマンのマスクを実演で作ってみせたり、若手漫才師のネタ見せに指導を与えたりしながら、トークショーをすすめる。
そして、トークショー終了後、展示会場に戻ってみると、そこはガチホモのサウナ風呂!そして、殺人!14億円の作品が盗まれている!大事件続発!
キャッツアイと名探偵コナンの登場で事件は解決するが、僕はキャッツアイとかコナンは漫画やアニメの中に出てくる虚構の人物だと思っていたので、実際に本物があらわれたのに驚いた。
帰宅後、NHK-FMで「現代の音楽」
西村 朗
− 作曲・この半世紀の潮流〜ユン・イサンの音楽 −(1)
「洛陽〜室内アンサンブルのための」 ユン・イサン作曲
(17分30秒)
(演奏)朝鮮民主主義人民共和国国立交響楽団団員
(指揮)フランシス・トラヴィス
「光州よ永遠に」 ユン・イサン作曲
(20分45秒)
(管弦楽)朝鮮民主主義人民共和国国立交響楽団
(指揮)キム・ビョンファ
<カメラータ CAMERATA 25CM−237>
ユン・イサンの音楽はなんだか安心して聞いていられる。
松岡正剛の『ちょっと本気な 千夜千冊虎の巻』を読んだ。
『千夜千冊』のナビゲーション。web版の「千夜千冊」はかじり読みしたことがあるが、本になった「千夜千冊」は未読(やはり、web版とは違うらしい)。
以下、目次。
序 千夜千冊の誕生
なぜ千冊の本が全七巻になったのか
/ウェブ連載「千夜千冊」から書籍『千夜千冊』へ/松岡正剛が編集者に戻って自慢の腕をふるった「ヘッドライン」/再読にこそ「読書」の醍醐味がある/読書法の極意、「本」をノートにする/
1、−遠くからとどく声−
少年少女のころの本がセピア色にいまよみがえる
/セイゴオ式読書術の秘密/すぐれた本が暴く「少年の本質」/モト少女が絶対に読んでおくべき作家/子供時代に読んだ本を再読すると、意外なことが見えてくる/「こわさ」は偉大である/哀切と詩歌を読む方法/ブログでは読めない世界/ノスタルジアを喚起させる本/
2、−猫と量子が見ている−
カンブリア紀からホーキングまで、「読書する科学」をひもといていく
/「読書する科学」の醍醐味/「数学的自由」と「科学的愉快」/世界はすべて「言語ゲーム」でできている/学者たちは宇宙や物質をどのように見てきたのか/見えない世界をどう見るか/そもそも生命って何か/「鍵」と「鍵穴」の生命ドラマ/人間はおかしな生物になりつつある/コンピュータの中から生まれたカオス/
3、−脳と心の編集学校−
本は記憶と再生のための編集装置である
/語呂合わせは編集の入口/消えゆく国語の問題/世界中が声を出して本を読んでいた/書物を「都市」にしたい/脳と心の問題はどこから始まるか/脳科学もどき流行に棹さす本/神秘主義やオカルトに走りたくなるときの本/書物はどのように世界観を定着していったのか/『スター・ウォーズ』は「母型」でできている/
4、−神の戦争・仏法の鬼−
ドストエフスキーとフロイトが投げかけた謎
/読書は危険な毒薬である/マリアの処女懐胎をつくりあげたパウロの編集術/「クセジュ」とか「いったい私は何を知っているのだろうか」という意味/編集的思想を求める人々に勧めたいパスカルの『パンセ』/ドストエフスキーのサスペンス/はたしてニーチェを読むべきか/アウトサイダーの闘いかた/西洋の知で世界を見るな/国家の犯罪という問題を解く本/「読書する戦争」だってある/
5、−日本イデオロギーの森−
この国の奥を見るために、七つの読書モデルをつかってみる
/セイゴオ流読書術・入門編/忙しいとき、悲しいとき、疲れているとき、すべてに読書のチャンスがある/日本の思想文化を眺める/「暗号解読法」の極意/「目次読書法」の極意/「マーキング読書法」の極意/「要約的読書法」の極意/「図解読書法」の極意/「類書読書法」の極意/何もわからないから読書ができる/
6、−茶碗とピアノと山水屏風−
古今東西のアーティストごとに本を読む
/セイゴオ好みの第六感/アート・プロデューサー重源/日本数奇のアーティスト/世阿弥からピナ・バウシュまで/「間」と「いき」/宇多田ヒカルは「大漁節」/グレン・グールドの『草枕』/バルテュスは『荘子』で東洋にめざめた/建築家たちの大いなる葛藤/写真をアートにしている力/
7、−男と女の資本主義−
貫一お宮からディートリッヒまで・フェミニズムからネット市場まで
/欲望社会とは何か/発露のフーゾク・根拠のエロス/「支払い」と「お祓い」は同じだった/やっぱり退屈な夫には耐えられない/レベッカとお宮の資本主義/「ブレスレットの資本主義」と闘った女/松岡正剛が一番身につまされた本/われわれが生き残るために最も大切な本/まだまだ本を読まなくてはならない/
あとがき 本に溺れて浮いてみる
特別付録 『松岡正剛 千夜千冊』スタンプラリー全巻構成一覧
特殊なジャンルに特化でもしないかぎり、自分ではけっこう本を読んだり、音楽聞いたりしているつもりでも、本屋や図書館、CDショップなどに行くと、読んでいない本、聞いたことのない音楽が山のように存在している。この本の最後にあるスタンプラリーの本だって、未読のものが多い。だからと言って、このスタンプラリーどおりに読書しようということにもならないのが、面白いところだ。そんなことだから、必読文献を全然読んでいなかったり、順番むちゃくちゃなアクセスの仕方をして、ねじまがった世界を築いてしまうのである。このいびつな世界の居心地のよさったらないのだが。
今日のペソア
「愛するとは、独りでいるのに飽きたことだ。したがって、卑怯であり、自分自身に対する裏切りだ。(愛さないのがわれわれにとってこの上なく大切なことだ)」『不安の書』458
メアリーエンジェル@ストークマイティ、水木しげると鬼太郎変遷史、墓場鬼太郎第4巻
2008年3月22日 アイドル
ISBN:4903548058 単行本 向笠 修司 やのまん 2007/05/25 ¥2,310
今福鶴見のストークマイティでメアリーエンジェルのインストアイベント。2回目!
1.会いたかった
2.リアリティー
3.めぐる恋の季節
4.ムービンオン
5.ここにいるぜぇ
6.ミラーボールナイト
7.My Will
8.愛のために
9.ファーストステップ
以下アンコール
10.ビンゴ
11.エンジェルウィング
赤白の衣装。
前回よりも曲数が増えた。これは楽しい。
途中、まーたんのマイクが引っこ抜けて、音をひろえなくなるアクシデント。
有線マイク3本で歌い踊ることには無理があるように思える。
トークでは、中学に進学する2人が抱負を語る。
まーたん:苦手教科(社会、理科)を頑張る。
りーたん:部活(華道部)に入って頑張る。
メアリーエンジェル、最強!
今日はお金も乏しくなってきたし、ゆったりとテレビ見て過ごす。
亀田のボクシング見たり(相手が強豪じゃないので解説も余裕があった)、大相撲見たり(朝青龍がなんだかんだ言って、大相撲を盛り上げているなあ)、ギャグ対抗戦見たり(「中小企業!」)、いのちのいろえんぴつ(藤本七海が死ぬドラマ)見たり。
読んだ本は平林重雄の『水木しげると鬼太郎変遷史』
以下、目次
はじめに
紙芝居時代1950-1957
家族を養うために、紙芝居業に専念
「鬼太郎」の誕生秘話
『蛇人』『空手鬼太郎』『ガロア』『幽霊の手』
貸本時代1957-1965
全15巻の「鬼太郎」作品
貸本時代の「鬼太郎」作品一覧
1、『妖奇伝』
2、『墓場鬼太郎』「墓場鬼太郎夜話」シリーズ
3、竹内版「墓場鬼太郎」シリーズ
竹内版「墓場鬼太郎」作品タイトル一覧
4、「鬼太郎夜話」シリーズ
5、「墓場鬼太郎」長編鬼太郎シリーズ
6、「墓場鬼太郎」長編読切『ないしょの話』
7、「墓場鬼太郎」長編鬼太郎シリーズ
貸本時代の「墓場鬼太郎」のまとめ
雑誌時代1 1965-1969
貧乏生活(貸本)から多忙生活(雑誌)へ
1、『少年マガジン』版「墓場の鬼太郎」シリーズ
単発掲載期
別冊掲載
短期連載期
新連載期
2、『ガロ』版「鬼太郎の誕生」と「鬼太郎夜話」シリーズ
3、「鬼太郎の誕生」のバリエーション
4、『少年マガジン』版「ゲゲゲの鬼太郎」シリーズ
5、幼年向けの鬼太郎・『ぼくら』版と『たのしい幼稚園』版「ゲゲゲの鬼太郎」シリーズ
6、朝日ソノラマ「ソノシート」版「ゲゲゲの鬼太郎」
ソノシート・シリーズ(ジャケット版)
ソノシート本(A4判)
7、「鬼太郎のベトナム戦記」シリーズ
雑誌時代2 1970-1979
8、『月刊別冊少年マガジン』版「その後のゲゲゲの鬼太郎」
9、『週刊少年サンデー』版「ゲゲゲの鬼太郎」シリーズ
10、「小学館学年誌」版「ゲゲゲの鬼太郎」シリーズ
11、「東京スポーツ」版・東スポまんが展「ゲゲゲの鬼太郎」
12、『いんなあとりっぷ』版「鬼太郎とねずみ男」シリーズ
13、描き下ろし版『死神大戦記』
14、「鬼太郎の世界お化け旅行」シリーズ
ドラキュラ登場エピソード一覧
吸血鬼登場エピソード一覧
15、「鬼太郎対悪魔くん」
16、『プレイコミック』版「帰ってきたヒーロー 墓場の鬼太郎」
17、『グラフィケーション』版「ゲゲゲの鬼太郎」
18、『小説マガジン』版「ゲゲゲの鬼太郎 蓮華王国」
19、『週刊実話』版「続ゲゲゲの鬼太郎/新ゲゲゲの鬼太郎・スポーツ狂時代/新ゲゲゲの鬼太郎」シリーズ
20、『週刊漫画サンデー』版「ゲゲゲの鬼太郎挑戦」シリーズ
21、『週刊少年マガジン』版「帰ってきたヒーロー−墓場の鬼太郎特別読切・海坊主先生」
雑誌時代3 1980-1989
22、『月刊DONDON』版「大ボラ鬼太郎」シリーズ
23、『月刊少年ポピー』版「雪姫ちゃんとゲゲゲの鬼太郎」シリーズ
24、『月刊丸』版「のらくろ大戦争」
25、「小学館入門百科」版「鬼太郎の地獄めぐり」
26、『月刊コミックボンボン』版「最新版ゲゲゲの鬼太郎」シリーズ
27、『週刊少年マガジン』版「新編ゲゲゲの鬼太郎」シリーズ
28、『月刊少年マガジン』版「ゲゲゲの鬼太郎・鬼太郎地獄編」シリーズ
雑誌時代4 1990-1999
29、『月刊コミックボンボン』版「鬼太郎国盗り物語」シリーズ
30、『テレビマガジン』版「ゲゲゲの鬼太郎ふしぎ話」(絵物語)シリーズ
31、『ビッグゴールド』版「鬼太郎霊団」
32、『月刊コミックボンボン』版「ゲゲゲの鬼太郎スペシャル・妖怪百戦」(絵物語)シリーズ
33、『週刊漫画サンデー』版「ゲゲゲの鬼太郎・セクハラ妖怪いやみ」
補完編
まだまだ珍しい「鬼太郎」作品はある
雑誌時代「試行錯誤された鬼太郎作品」
参考文献一覧
「鬼太郎作品」扉絵コレクション
「鬼太郎作品」総リスト
「鬼太郎作品」収録単行本リスト
「鬼太郎単行本」収録作品リスト
「貸本版鬼太郎作品」収録単行本リスト
籠目舎刊「鬼太郎作品」単行本リスト
あとがきのようなもの
資料価値高し!
特に興味をひいたのは、鬼太郎が成長し、チャンチャンコじゃなくて縞模様のセーター着ている「続ゲゲゲの鬼太郎」かな。これが扶桑社文庫で探すしかなくて、ちょっと困っている。
というわけで、角川文庫版の『貸本まんが復刻版 墓場鬼太郎』第4巻を読んだ。
「怪奇一番勝負」と「霧の中のジョニー」が収録されている。
「怪奇一番勝負」は、手っちゃんが出てくる。
「霧の中のジョニー」は、きたろうソックリ。冒頭のねずみ男がアンぱんを買おうとする駒は、アニメ「墓場鬼太郎」オープニングでおなじみのシーン。
今日のペソア
「芸術は家に残ったシンデレラだ」『不安の書』103
今福鶴見のストークマイティでメアリーエンジェルのインストアイベント。2回目!
1.会いたかった
2.リアリティー
3.めぐる恋の季節
4.ムービンオン
5.ここにいるぜぇ
6.ミラーボールナイト
7.My Will
8.愛のために
9.ファーストステップ
以下アンコール
10.ビンゴ
11.エンジェルウィング
赤白の衣装。
前回よりも曲数が増えた。これは楽しい。
途中、まーたんのマイクが引っこ抜けて、音をひろえなくなるアクシデント。
有線マイク3本で歌い踊ることには無理があるように思える。
トークでは、中学に進学する2人が抱負を語る。
まーたん:苦手教科(社会、理科)を頑張る。
りーたん:部活(華道部)に入って頑張る。
メアリーエンジェル、最強!
今日はお金も乏しくなってきたし、ゆったりとテレビ見て過ごす。
亀田のボクシング見たり(相手が強豪じゃないので解説も余裕があった)、大相撲見たり(朝青龍がなんだかんだ言って、大相撲を盛り上げているなあ)、ギャグ対抗戦見たり(「中小企業!」)、いのちのいろえんぴつ(藤本七海が死ぬドラマ)見たり。
読んだ本は平林重雄の『水木しげると鬼太郎変遷史』
以下、目次
はじめに
紙芝居時代1950-1957
家族を養うために、紙芝居業に専念
「鬼太郎」の誕生秘話
『蛇人』『空手鬼太郎』『ガロア』『幽霊の手』
貸本時代1957-1965
全15巻の「鬼太郎」作品
貸本時代の「鬼太郎」作品一覧
1、『妖奇伝』
2、『墓場鬼太郎』「墓場鬼太郎夜話」シリーズ
3、竹内版「墓場鬼太郎」シリーズ
竹内版「墓場鬼太郎」作品タイトル一覧
4、「鬼太郎夜話」シリーズ
5、「墓場鬼太郎」長編鬼太郎シリーズ
6、「墓場鬼太郎」長編読切『ないしょの話』
7、「墓場鬼太郎」長編鬼太郎シリーズ
貸本時代の「墓場鬼太郎」のまとめ
雑誌時代1 1965-1969
貧乏生活(貸本)から多忙生活(雑誌)へ
1、『少年マガジン』版「墓場の鬼太郎」シリーズ
単発掲載期
別冊掲載
短期連載期
新連載期
2、『ガロ』版「鬼太郎の誕生」と「鬼太郎夜話」シリーズ
3、「鬼太郎の誕生」のバリエーション
4、『少年マガジン』版「ゲゲゲの鬼太郎」シリーズ
5、幼年向けの鬼太郎・『ぼくら』版と『たのしい幼稚園』版「ゲゲゲの鬼太郎」シリーズ
6、朝日ソノラマ「ソノシート」版「ゲゲゲの鬼太郎」
ソノシート・シリーズ(ジャケット版)
ソノシート本(A4判)
7、「鬼太郎のベトナム戦記」シリーズ
雑誌時代2 1970-1979
8、『月刊別冊少年マガジン』版「その後のゲゲゲの鬼太郎」
9、『週刊少年サンデー』版「ゲゲゲの鬼太郎」シリーズ
10、「小学館学年誌」版「ゲゲゲの鬼太郎」シリーズ
11、「東京スポーツ」版・東スポまんが展「ゲゲゲの鬼太郎」
12、『いんなあとりっぷ』版「鬼太郎とねずみ男」シリーズ
13、描き下ろし版『死神大戦記』
14、「鬼太郎の世界お化け旅行」シリーズ
ドラキュラ登場エピソード一覧
吸血鬼登場エピソード一覧
15、「鬼太郎対悪魔くん」
16、『プレイコミック』版「帰ってきたヒーロー 墓場の鬼太郎」
17、『グラフィケーション』版「ゲゲゲの鬼太郎」
18、『小説マガジン』版「ゲゲゲの鬼太郎 蓮華王国」
19、『週刊実話』版「続ゲゲゲの鬼太郎/新ゲゲゲの鬼太郎・スポーツ狂時代/新ゲゲゲの鬼太郎」シリーズ
20、『週刊漫画サンデー』版「ゲゲゲの鬼太郎挑戦」シリーズ
21、『週刊少年マガジン』版「帰ってきたヒーロー−墓場の鬼太郎特別読切・海坊主先生」
雑誌時代3 1980-1989
22、『月刊DONDON』版「大ボラ鬼太郎」シリーズ
23、『月刊少年ポピー』版「雪姫ちゃんとゲゲゲの鬼太郎」シリーズ
24、『月刊丸』版「のらくろ大戦争」
25、「小学館入門百科」版「鬼太郎の地獄めぐり」
26、『月刊コミックボンボン』版「最新版ゲゲゲの鬼太郎」シリーズ
27、『週刊少年マガジン』版「新編ゲゲゲの鬼太郎」シリーズ
28、『月刊少年マガジン』版「ゲゲゲの鬼太郎・鬼太郎地獄編」シリーズ
雑誌時代4 1990-1999
29、『月刊コミックボンボン』版「鬼太郎国盗り物語」シリーズ
30、『テレビマガジン』版「ゲゲゲの鬼太郎ふしぎ話」(絵物語)シリーズ
31、『ビッグゴールド』版「鬼太郎霊団」
32、『月刊コミックボンボン』版「ゲゲゲの鬼太郎スペシャル・妖怪百戦」(絵物語)シリーズ
33、『週刊漫画サンデー』版「ゲゲゲの鬼太郎・セクハラ妖怪いやみ」
補完編
まだまだ珍しい「鬼太郎」作品はある
雑誌時代「試行錯誤された鬼太郎作品」
参考文献一覧
「鬼太郎作品」扉絵コレクション
「鬼太郎作品」総リスト
「鬼太郎作品」収録単行本リスト
「鬼太郎単行本」収録作品リスト
「貸本版鬼太郎作品」収録単行本リスト
籠目舎刊「鬼太郎作品」単行本リスト
あとがきのようなもの
資料価値高し!
特に興味をひいたのは、鬼太郎が成長し、チャンチャンコじゃなくて縞模様のセーター着ている「続ゲゲゲの鬼太郎」かな。これが扶桑社文庫で探すしかなくて、ちょっと困っている。
というわけで、角川文庫版の『貸本まんが復刻版 墓場鬼太郎』第4巻を読んだ。
「怪奇一番勝負」と「霧の中のジョニー」が収録されている。
「怪奇一番勝負」は、手っちゃんが出てくる。
「霧の中のジョニー」は、きたろうソックリ。冒頭のねずみ男がアンぱんを買おうとする駒は、アニメ「墓場鬼太郎」オープニングでおなじみのシーン。
今日のペソア
「芸術は家に残ったシンデレラだ」『不安の書』103
四谷シモン前編、アメリカン・ギャングスター
2008年3月21日 読書
ISBN:4054020682 単行本 四谷 シモン 学習研究社 2004/11/16 ¥2,625
四谷シモンの『四谷シモン前編』を読んだ。
『シモンのシモン』『機械仕掛の神』を中心に、今までに執筆した文章を集大成したもの。
以下目次。
人形−はじめにかえて
人形のこと、僕のことーエッセイ
人形と僕の共同生活
僕の君の名は日記
長い長いお人形の話
人形
左手のオナーニスト
静かな機械のような僕の人形
メカニズムと運命=私の少年たち
機械仕掛に固執して
シモンドール
人形・すずしい時間
酸味のする人形
竹べらを置くとき
夢みたこと、想ったこと−創作集
シモンスキーの手記
人形は美しく死につづける
主人のお仕置き
燕
角店
鑿と少女
思考の麻痺の導入部
海峡
黄金の把手のささくれ娘にスピード風才能が一億円
ねつれつポエムとオムレツぽえじい
聖なる薔薇
ゆびさきのオーロラ
水の寸法
都市計画報告書
木屋夜に狂死曲
心中
人形師シモンと10人の写真家
澁澤さんのこと、友人たちのこと−交遊録
親友、唐十郎への手紙
卵型の戦士=唐十郎
状況劇場における根津甚八
お嬢さんおてやわらかに
目の快感=池田マスオ
湯船のなかの布袋さん
鎌倉の一寸法師
天使になった澁澤さんに…
五月の澁澤さんに
僕の好きなもののこと−エッセイ
日記・1969年
僕の日曜日
曇り日
あの光り輝く夏の夜の花火は…
聖なる方へ
青い花
平和の彼方に
すみません、本当は大ざっぱでずぶといんです。
上るということ
自身の作品の対極にある人形
光のマリア
記念写真
青いパリジェンヌ…フェリックス・ラビッス
東西の小説の主人公たちがつくる「闇」の世界に心が動かされます
生きている人形
夏の湯島で
僕の実行しているエコロジー
天国のモヤ
ポールの内部がむき出しの手作り感がいい
僕の近況報告
『病院ギャラリー』あとがき
私の人形史
人形をめぐる本100冊
僕が語ったこと−対談・インタビュー
ピグマリオニズム−人形愛の形而上学をめぐって
ふわり、冷ややかな、幽霊のような人形を
北鎌倉へ向かって
これまでの僕のこと−あとがき集
『シモンのシモン』あとがき
『シモンのシモン新版』あとがき
『機械仕掛の神』あとがき
あのころの僕、これからの僕のこと−あとがきにかえて
交遊録にある「湯船のなかの布袋さん」は種村季弘のこと。対談は澁澤龍彦とのものが珍しい。
再三にわたって澁澤の影響のことを書いている。
四谷シモンがトリックスターであったり、擾乱者であったり、異端であった時代はすっかり過去のものになり、今では四谷シモンと言えば、評価してくれる人たちを確保した先生になってしまった感がある。僕は四谷シモンの人形が大好きだ。でも、どこか裏切ってほしい、という気持がないわけではない。自分なりの作風を確立して、あいかわらずの四谷シモン風の作品を周囲が期待するなかで、それを打破するのは難しく、また打破する必要の有無の判定も難しい。自分では違う展開をみせているつもりなのに、周囲が以前からの流れのなかに回収してしまおうとすることもあるだろう。本書のタイトルにつけられた『前編』に、四谷シモンの微かな苛立ちを感じ取ってしまうのは、僕自身の問題なのかもしれない。
深夜のラジオ「ハロプロやねん」はこの前見に行った公開録音の分。さすがにケツアタック25はカットされていた。
リドリー・スコット監督の「アメリカン・ギャングスター」を見に行った。
実話をもとにしている。
ベトナム戦争時のアメリカ、ニューヨークが舞台。腐りきった警察、麻薬でのしあがる黒人(イタリア系マフィアじゃなく!)、馬鹿正直に正義に燃える1人の刑事。
アジアから直接麻薬を買い付けて、品質がよく値段の安い麻薬を売り、のしあがっていくデンゼルワシントン。
暗黒街で成り上がり、滅びていく男の物語は山ほどあるが、この映画には続きがある。
逮捕されたデンゼルワシントンが、汚職にまみれた警察情報を熱血刑事に流し、大量の悪徳警官を摘発する手助けをするのだ。このあたりが、滅法面白い。
現実を代表していたデンゼルワシントンが、理想を代表する刑事(ラッセルクロウ)に負けるのだ。
「それは理想だ」と現実べったりの思考から離れられないことに絶望する必要はない。
この映画が実話だというところに、なんだか希望が見えてこないか。
今日のペソア。
「国や市に関することだからといって、われわれは影響を及ぼされない。大臣や廷臣が国家のものを横領しようとも、われわれにはどうでもよい。同様に戦争や国の危機というような大変動にも関心がない。われわれの家に入らないかぎりは、どこのドアをノックしようとどうでもよい」『不安の書』414
四谷シモンの『四谷シモン前編』を読んだ。
『シモンのシモン』『機械仕掛の神』を中心に、今までに執筆した文章を集大成したもの。
以下目次。
人形−はじめにかえて
人形のこと、僕のことーエッセイ
人形と僕の共同生活
僕の君の名は日記
長い長いお人形の話
人形
左手のオナーニスト
静かな機械のような僕の人形
メカニズムと運命=私の少年たち
機械仕掛に固執して
シモンドール
人形・すずしい時間
酸味のする人形
竹べらを置くとき
夢みたこと、想ったこと−創作集
シモンスキーの手記
人形は美しく死につづける
主人のお仕置き
燕
角店
鑿と少女
思考の麻痺の導入部
海峡
黄金の把手のささくれ娘にスピード風才能が一億円
ねつれつポエムとオムレツぽえじい
聖なる薔薇
ゆびさきのオーロラ
水の寸法
都市計画報告書
木屋夜に狂死曲
心中
人形師シモンと10人の写真家
澁澤さんのこと、友人たちのこと−交遊録
親友、唐十郎への手紙
卵型の戦士=唐十郎
状況劇場における根津甚八
お嬢さんおてやわらかに
目の快感=池田マスオ
湯船のなかの布袋さん
鎌倉の一寸法師
天使になった澁澤さんに…
五月の澁澤さんに
僕の好きなもののこと−エッセイ
日記・1969年
僕の日曜日
曇り日
あの光り輝く夏の夜の花火は…
聖なる方へ
青い花
平和の彼方に
すみません、本当は大ざっぱでずぶといんです。
上るということ
自身の作品の対極にある人形
光のマリア
記念写真
青いパリジェンヌ…フェリックス・ラビッス
東西の小説の主人公たちがつくる「闇」の世界に心が動かされます
生きている人形
夏の湯島で
僕の実行しているエコロジー
天国のモヤ
ポールの内部がむき出しの手作り感がいい
僕の近況報告
『病院ギャラリー』あとがき
私の人形史
人形をめぐる本100冊
僕が語ったこと−対談・インタビュー
ピグマリオニズム−人形愛の形而上学をめぐって
ふわり、冷ややかな、幽霊のような人形を
北鎌倉へ向かって
これまでの僕のこと−あとがき集
『シモンのシモン』あとがき
『シモンのシモン新版』あとがき
『機械仕掛の神』あとがき
あのころの僕、これからの僕のこと−あとがきにかえて
交遊録にある「湯船のなかの布袋さん」は種村季弘のこと。対談は澁澤龍彦とのものが珍しい。
再三にわたって澁澤の影響のことを書いている。
四谷シモンがトリックスターであったり、擾乱者であったり、異端であった時代はすっかり過去のものになり、今では四谷シモンと言えば、評価してくれる人たちを確保した先生になってしまった感がある。僕は四谷シモンの人形が大好きだ。でも、どこか裏切ってほしい、という気持がないわけではない。自分なりの作風を確立して、あいかわらずの四谷シモン風の作品を周囲が期待するなかで、それを打破するのは難しく、また打破する必要の有無の判定も難しい。自分では違う展開をみせているつもりなのに、周囲が以前からの流れのなかに回収してしまおうとすることもあるだろう。本書のタイトルにつけられた『前編』に、四谷シモンの微かな苛立ちを感じ取ってしまうのは、僕自身の問題なのかもしれない。
深夜のラジオ「ハロプロやねん」はこの前見に行った公開録音の分。さすがにケツアタック25はカットされていた。
リドリー・スコット監督の「アメリカン・ギャングスター」を見に行った。
実話をもとにしている。
ベトナム戦争時のアメリカ、ニューヨークが舞台。腐りきった警察、麻薬でのしあがる黒人(イタリア系マフィアじゃなく!)、馬鹿正直に正義に燃える1人の刑事。
アジアから直接麻薬を買い付けて、品質がよく値段の安い麻薬を売り、のしあがっていくデンゼルワシントン。
暗黒街で成り上がり、滅びていく男の物語は山ほどあるが、この映画には続きがある。
逮捕されたデンゼルワシントンが、汚職にまみれた警察情報を熱血刑事に流し、大量の悪徳警官を摘発する手助けをするのだ。このあたりが、滅法面白い。
現実を代表していたデンゼルワシントンが、理想を代表する刑事(ラッセルクロウ)に負けるのだ。
「それは理想だ」と現実べったりの思考から離れられないことに絶望する必要はない。
この映画が実話だというところに、なんだか希望が見えてこないか。
今日のペソア。
「国や市に関することだからといって、われわれは影響を及ぼされない。大臣や廷臣が国家のものを横領しようとも、われわれにはどうでもよい。同様に戦争や国の危機というような大変動にも関心がない。われわれの家に入らないかぎりは、どこのドアをノックしようとどうでもよい」『不安の書』414
日本橋ストリートフェスタ@インディペンデントシアター1st〜明電工業〜信長書店
2008年3月20日 アイドル
今日はたいへんだ。日本橋ストリートフェスタというオタクの祭典がある。歩行者天国にしてパレ−ドもあるのだが、沿道でのイベントをはしごすることにした。
夜勤明けに、大慌てで服を着替え、向かったのはインディペンデントシアター1「日本橋映画祭」
「Sweet’s Fox イズナ」はファジーファンクション、西村和人監督の作品。world oneの石川ななちゃんや、北澤葵ちゃん、りずむちゃんが出演。フサフサ系の変身アクション。
ファジーファンクションの作品は、間のとりかたが狂っていて、面白い。面白いけど、狂っている。期せずしてアールブリュットの味わいすらかもし出すのだ。
「母娘ロボ2〜このこのー、巨乳姉妹ロボ、カノンα、βが迫ったり迫られたり」は、母娘ロボと姉妹ロボが闘う。分解好きの少女や、破李拳竜が出てくる。アクションはしっかりしているし、エロい方向へのギャグも満載で、きっちり水準をこなした作品。映遊クラブ、永田保監督。
と、ここでタイムアップ。
明電工業で、午後1時からイベント。
最初は、宰木咲也加ちゃんの手品だけかな、と思ってたけど、信長書店の「あいどるチャンプル」組が大挙出演する予告編的イベントだった。
出た順に。
4 leaf clover
1.カラー・オブ・シーズン
2.Shine We Are
狭くて不安定なステージだったので、得意のダンスはあまり見せられなかったけど、客との近さは異様なほど。客スペースも異様な狭さ。
マリードール
1.baby star
2.tell me
テルミーのときは、こっこが消えた!イッツ、イリュージョン!と思ったら、不安定なステージがアダとなって、こけていたのだ。
いちご姫with いちごダンサーズ
1.ゼンカイストロベリーパーティ
2.いちごのそら
ダンサーは、いちごエンジェル、いちごキティ、いちごマリー。保育園児だといういちごキティがしっかりと踊っていたのが印象的だった。
華燐
たまごっち争奪ジャンケン大会
久しぶりに華燐ちゃんを見た。club vijonで手をつないであらわれたときから考えると、成長したな、と思った。はじめて見たときには客に「盛り上がれや!」と命令していたし、それから何度か見たyesss!ライブでも、気分をすぐにあらわす、最強の子供だったが、普通になったかな、と思った。その印象は、信長書店のライブでひっくりかえされるのだが、それはまた後の話。
ハロプロ関西
ジョーズ争奪ジャンケン大会
あさみんは「りんりん」言わなかった!
メンバーに花がある、というか、化粧が濃いのか、華やかな印象。これがオーラというものか、と思った。
マジックタイム
石原啓子ちゃん、宰木咲也加ちゃん、桜先生によるマジックショー。
スカーフ使った手品、トランプ使った手品など。
明電工業で絶賛発売中のマジックである。
さやかちゃんのお腹を突き破って桜先生の手が出てきたのにはびっくりした!
いったん帰宅し、入浴、食事後、信長書店「あいどるチャンプル」に行く。
午後4時開演が若干オシてスタート。
出番順に。
M/W
1.うしろ指さされ組
2.最強ヒロイン瞬殺スマイル
3.最強○×計画
4.アイドルマスターメドレー
5.ハッピーマテリアル
メイド服。いつも通りだがレパートリーの「シャボン玉」を歌わなかったのは、遠慮があったのか。
なりきねね
1.ダイヤモンド
2.蜃気楼
3.ゴッドノウズ
途中、ペロペロキャンディーズポスター争奪ジャンケン大会あり。サインは現在の名前「なりきねね」で。BGMに「ねぇ、わかんない?」使うなど、なりきねね曰く「かさぶた」ネタで突っ走る。ペロキャンの曲そのものはいいのが多いので、いっそのことレパートリーにしてしまえば、面白いのに、と思う。
4 leaf clover
1.ダンス
2.オールマイトゥルーラブ
3.エンプティワールド
4.カラーオブシーズン
5.シャインウィアー
ナミのボケボケトークは、もはやこのユニットの持ち味と化しつつある。バラエティ対応もナミが可能性高そう。
ゲームコーナー
さやか、華燐登場で、即興で歌を歌ったり、芝居したり。
サイン色紙争奪ジャンケン大会も。
ここで、華燐は豪快な音をたててビンタしてみせ、健在ぶりを見せる。Sキャラさせたら絶品。僕はひそかに「S華燐ドライブ」と名付けた。
さやかも靴で顔を殴るなど、思いきったところを見せる。
いちごのつぶ
1.海と小犬と夕焼けと
2.きらきら星
3.このまま
4.チェリー
弾き語り。スタンドマイクは信長になかったので、プラッツで借りてきたらしい。
いちご姫withいちごダンサーズ
1.いちごの国へ連れてって
2.いちごパラダイス
3.ゼンカイストロベリーパーティ
4.一期一会
5.いちごのそら
いちごキティはすっかりおねむの時間で、顔が完全に眠っていた。それでもダンスは完璧にこなすのが素晴らしい。普通ならぐずって出て来ないぞ。
イベント告知で、新野新プロデュースイベントをしきりに推す。
マリードール
1.ハレハレユカイ
2.baby star
3.tell me
4.大きな愛でもてなして
5.フレンジャー
6.ホントのじぶん
このあたり、ステージと客席を仕切る柵など、あってなきに等しい。
ハロプロ関西の出番前に℃-uteやBuono!の曲を素直にできるのが、マリードールの強みだ。
ここで、時間は午後7時30分。3時間半ライブを見て、次はいよいよハロプロ関西!というところで、僕はタイムアップ。夜勤の時間だ。うは。一睡もできなかった。正直、ここからが本番だと言っても過言ではないのに、残念。きっとハロプロ関西は、他のユニットがかすむほどのクオリティーのライブを見せつけたはずだ。ああああ、残念。
このライブイベントで、最初からずっと前の方でどのユニットがライブしているときも、手拍子1つせずにまるで壁のように立ちはだかっていたお客さんの一団がいた。すごく無気味で、警備の人かと思ったが、年齢は若そうだった。興味がないのなら後ろに行ってくれればいいのに、まるで場所取りでもしているかのように、動かないのだ。これは非常に迷惑で困った。自分がステージに立っていて客席見たときに、多くの人が手拍子をしてくれているとき、手を上にあげることも面倒だ、とばかりにじっと動かないお客さんを見たときは、とても不愉快に思ったものだ。そういうお客さんは、なぜか前の方にいるのである。結局、僕が帰宅するまでほとんどのらず、何をしているかといえば携帯を操作しているくらいだったので、ハロプロ関西のときにはきっとなりふりかまわずのってくれたのかもしれない。ハロプロ関西のときも棒立ちだったとしたら、これは新手のライブ壊しだ。それとも、「手拍子しろ」とか「声援しろ」などと要求しては失礼にあたる、障害の持ち主だったのだろうか。それなら謝ります。ごめんなさい。
今日のネガティブは、そんなライブクラッシャーにぴったりの言葉を2つ。
ペソアの『不安の書』より。
「何につけても無活動は慰めになる。行動しなければ、すべてが与えられる」(373)
「行動は思考の病であり、想像力の癌だ」(390)
夜勤明けに、大慌てで服を着替え、向かったのはインディペンデントシアター1「日本橋映画祭」
「Sweet’s Fox イズナ」はファジーファンクション、西村和人監督の作品。world oneの石川ななちゃんや、北澤葵ちゃん、りずむちゃんが出演。フサフサ系の変身アクション。
ファジーファンクションの作品は、間のとりかたが狂っていて、面白い。面白いけど、狂っている。期せずしてアールブリュットの味わいすらかもし出すのだ。
「母娘ロボ2〜このこのー、巨乳姉妹ロボ、カノンα、βが迫ったり迫られたり」は、母娘ロボと姉妹ロボが闘う。分解好きの少女や、破李拳竜が出てくる。アクションはしっかりしているし、エロい方向へのギャグも満載で、きっちり水準をこなした作品。映遊クラブ、永田保監督。
と、ここでタイムアップ。
明電工業で、午後1時からイベント。
最初は、宰木咲也加ちゃんの手品だけかな、と思ってたけど、信長書店の「あいどるチャンプル」組が大挙出演する予告編的イベントだった。
出た順に。
4 leaf clover
1.カラー・オブ・シーズン
2.Shine We Are
狭くて不安定なステージだったので、得意のダンスはあまり見せられなかったけど、客との近さは異様なほど。客スペースも異様な狭さ。
マリードール
1.baby star
2.tell me
テルミーのときは、こっこが消えた!イッツ、イリュージョン!と思ったら、不安定なステージがアダとなって、こけていたのだ。
いちご姫with いちごダンサーズ
1.ゼンカイストロベリーパーティ
2.いちごのそら
ダンサーは、いちごエンジェル、いちごキティ、いちごマリー。保育園児だといういちごキティがしっかりと踊っていたのが印象的だった。
華燐
たまごっち争奪ジャンケン大会
久しぶりに華燐ちゃんを見た。club vijonで手をつないであらわれたときから考えると、成長したな、と思った。はじめて見たときには客に「盛り上がれや!」と命令していたし、それから何度か見たyesss!ライブでも、気分をすぐにあらわす、最強の子供だったが、普通になったかな、と思った。その印象は、信長書店のライブでひっくりかえされるのだが、それはまた後の話。
ハロプロ関西
ジョーズ争奪ジャンケン大会
あさみんは「りんりん」言わなかった!
メンバーに花がある、というか、化粧が濃いのか、華やかな印象。これがオーラというものか、と思った。
マジックタイム
石原啓子ちゃん、宰木咲也加ちゃん、桜先生によるマジックショー。
スカーフ使った手品、トランプ使った手品など。
明電工業で絶賛発売中のマジックである。
さやかちゃんのお腹を突き破って桜先生の手が出てきたのにはびっくりした!
いったん帰宅し、入浴、食事後、信長書店「あいどるチャンプル」に行く。
午後4時開演が若干オシてスタート。
出番順に。
M/W
1.うしろ指さされ組
2.最強ヒロイン瞬殺スマイル
3.最強○×計画
4.アイドルマスターメドレー
5.ハッピーマテリアル
メイド服。いつも通りだがレパートリーの「シャボン玉」を歌わなかったのは、遠慮があったのか。
なりきねね
1.ダイヤモンド
2.蜃気楼
3.ゴッドノウズ
途中、ペロペロキャンディーズポスター争奪ジャンケン大会あり。サインは現在の名前「なりきねね」で。BGMに「ねぇ、わかんない?」使うなど、なりきねね曰く「かさぶた」ネタで突っ走る。ペロキャンの曲そのものはいいのが多いので、いっそのことレパートリーにしてしまえば、面白いのに、と思う。
4 leaf clover
1.ダンス
2.オールマイトゥルーラブ
3.エンプティワールド
4.カラーオブシーズン
5.シャインウィアー
ナミのボケボケトークは、もはやこのユニットの持ち味と化しつつある。バラエティ対応もナミが可能性高そう。
ゲームコーナー
さやか、華燐登場で、即興で歌を歌ったり、芝居したり。
サイン色紙争奪ジャンケン大会も。
ここで、華燐は豪快な音をたててビンタしてみせ、健在ぶりを見せる。Sキャラさせたら絶品。僕はひそかに「S華燐ドライブ」と名付けた。
さやかも靴で顔を殴るなど、思いきったところを見せる。
いちごのつぶ
1.海と小犬と夕焼けと
2.きらきら星
3.このまま
4.チェリー
弾き語り。スタンドマイクは信長になかったので、プラッツで借りてきたらしい。
いちご姫withいちごダンサーズ
1.いちごの国へ連れてって
2.いちごパラダイス
3.ゼンカイストロベリーパーティ
4.一期一会
5.いちごのそら
いちごキティはすっかりおねむの時間で、顔が完全に眠っていた。それでもダンスは完璧にこなすのが素晴らしい。普通ならぐずって出て来ないぞ。
イベント告知で、新野新プロデュースイベントをしきりに推す。
マリードール
1.ハレハレユカイ
2.baby star
3.tell me
4.大きな愛でもてなして
5.フレンジャー
6.ホントのじぶん
このあたり、ステージと客席を仕切る柵など、あってなきに等しい。
ハロプロ関西の出番前に℃-uteやBuono!の曲を素直にできるのが、マリードールの強みだ。
ここで、時間は午後7時30分。3時間半ライブを見て、次はいよいよハロプロ関西!というところで、僕はタイムアップ。夜勤の時間だ。うは。一睡もできなかった。正直、ここからが本番だと言っても過言ではないのに、残念。きっとハロプロ関西は、他のユニットがかすむほどのクオリティーのライブを見せつけたはずだ。ああああ、残念。
このライブイベントで、最初からずっと前の方でどのユニットがライブしているときも、手拍子1つせずにまるで壁のように立ちはだかっていたお客さんの一団がいた。すごく無気味で、警備の人かと思ったが、年齢は若そうだった。興味がないのなら後ろに行ってくれればいいのに、まるで場所取りでもしているかのように、動かないのだ。これは非常に迷惑で困った。自分がステージに立っていて客席見たときに、多くの人が手拍子をしてくれているとき、手を上にあげることも面倒だ、とばかりにじっと動かないお客さんを見たときは、とても不愉快に思ったものだ。そういうお客さんは、なぜか前の方にいるのである。結局、僕が帰宅するまでほとんどのらず、何をしているかといえば携帯を操作しているくらいだったので、ハロプロ関西のときにはきっとなりふりかまわずのってくれたのかもしれない。ハロプロ関西のときも棒立ちだったとしたら、これは新手のライブ壊しだ。それとも、「手拍子しろ」とか「声援しろ」などと要求しては失礼にあたる、障害の持ち主だったのだろうか。それなら謝ります。ごめんなさい。
今日のネガティブは、そんなライブクラッシャーにぴったりの言葉を2つ。
ペソアの『不安の書』より。
「何につけても無活動は慰めになる。行動しなければ、すべてが与えられる」(373)
「行動は思考の病であり、想像力の癌だ」(390)
不安の書―リスボン市に住む帳簿係補佐ベルナルド・ソアレスの
2008年3月19日 読書
ISBN:4783511969 単行本 高橋 都彦 新思索社 2007/01 ¥5,040
フェルナンド・ペソアの『不安の書』を読んだ。
以下、目次
紹介者フェルナンド・ペソアの序
第1部 ベルナルド・ソアレスの序論(断章)
1−5
第2部 告白
一、生前ペソアにより刊行されたか、あるいはそのために準備されたテクスト
6−17
二、予め準備されたものではないが年代順に配置されたテクスト
1913年 18
1914年 19−22
1915年 23−26
1916年 27
1917年 28−29
1920年 30
1929年 31−35
1930年 36−73
1931年 74−102
1932年 103−128
1933年 129−137
1934年 138−144
三、日付のないテクスト
145−409
第3部 題名のある文学的なテクスト
一、生前に詩人の発表したもの
410−411
二、年代順のもの
1914年 412−414
1919年 415
1930年 416−417
1932年 418
三、日付のないもの
419−460
フェルナンド・ペソアと『不安の書』/高橋都彦
本書は完訳だが、以前、1割程度の分量が翻訳された『不穏の書・断章』を読んでいるので、さて、自分はどんな感想を日記に記しているのか、と見てみると「これはいい」だけで、さっぱり要領を得なかった。まったく僕は役立たず野郎だ。
フェルナンド・ペソア(1888年〜1935年)はポルトガルの詩人。死後に膨大な遺稿が次々と刊行され、もう無いだろうと思ってたら1982年に『不安の書』が刊行された。タイトルから予想もつくが、ブラジル版編纂者レイラ・ペロネ・モイゼスによると、苦悩、意気消沈、傷心、儚さを主題とし、倦怠、挫折、不活動、停滞をテーマにしている。膨大な量の鬱日記か。
たとえば、こんな文章が目にとびこんでくる。
「わたしは魂の消化不良をおこしている」(93)
「いかなる問題も解決できない」(27)
「わたしは存在しない村の郊外であり、書かれていない本に対する冗長な論評だ。わたしは何者でもない、何者でもないのだ」(95)
「頭と宇宙が痛む」(106)
「他人の愛情ほど重苦しいものはない」(109)
「誰も他人を理解しない」(113)
「わたしは全自然のようにしくじった」(9)
「いつも何かを終えると、呆然となる。呆然となり、悲嘆に暮れる」(228)
「多くの場合なぜだか分からずに、わたしはあらゆることで躊躇する」(231)
「わたしの夢は隠喩や比喩においてさえ失敗した」(161)
「理解しようとしてわたしは自分を破壊してしまった」(255)
「わたしは自分がどうも目覚めていないのではないかと思わざるをえない」(100)
「感じるのはうんざりだ」(153)
「人生のあらゆる場所において、あらゆる状況と共同生活において、わたしはいつでも誰にとっても邪魔者だった。少なくとも、いつでもよそ者だった」(29)
「あらゆる人がわたしでないのが羨ましい」(241)
「大部分の人間は情けない生活を送っている。喜びにあってさえ情けなく、ほぼ常態である悲しみにあっても情けない」(209)
「生きてゆかねばならない恐怖がわたしとともにベッドから起き上がった。何もかもが虚ろに思われ、どんな問題にも解決策はないという冷えびえとした印象を持った」(218)
「坂は風車小屋に通ずるが、努力は何にも通じない」(365)
「一歩を踏み出そうと考えるだけで、なすべき大旅行がもちあがる」(108)
「時おり起きることなのだが、それはいつでも突然のことで、恐ろしいほどの生の倦怠が感覚の真っ只中に感じられ、それを抑える行為は考えられもしない。それを癒すのに自殺では覚束ないように思われ、死は無意識だと想像されるが、これでもまだ不足なのだ」(239)
どう?
鬱ってる?
そう思ってみてみると、「ペソア」とか「ソアレス」という名前すら、弱くて不安な印象を帯びてくる。
でも読んだ印象は暗いだけのものではなくて、面白い。他人の不安だから愉快だ、というだけではない。ちゃんと表現が文学になっていて、ユーモアも加味されているからだろう。
ときには、居直ることもある。
「世界は感じない人間のものだ。実用的な人間になるための本質的な条件は感性に欠けていることだ」(103)
「臆病だというのは気高く、どう行動したらよいか分からないのは貴族的で、生きるための才覚がないのは偉大だ」(323)
「時間を浪費することには美学がある」(26)
「廃墟の美しさは?もう何の役にも立たないからだ。なぜ芸術は美しいのか?役に立たないからだ」(18)
また、この『不安の書』は『アミエルの日記』に似ているといわれているそうだ。本文中にもアミエルに関する記述がある。
それを知って、はたと膝をたたいた。
個人的な話なのだが、僕の父親は夭折した詩人だった。父親と会話した記憶もほとんどないのだが、残してくれた書棚には、ゲーテやボードレールやカフカ、プラトン、プルターク、シェークスピア、ミルトンなどと並んで、アミエルの日記も全部揃っていたのだ。ぱらぱらとページをめくる程度で、ちゃんと読んではいなかったが、この『不安の書』を読んでいるときに感じた、不思議とノスタルジックな印象は、ここからきているのかもしれない。今もその『アミエルの日記』が残っていればよかったのだが、僕がものごころつく頃には、既に処分されてしまっていた。家族に読書家が1人でもおれば、処分の憂き目にはあわなかったのに、と思うと口惜しい。
『不安の書』は大部ということもあって、読むのに1週間を要した。難解な文章はないのだがレイラ・ペロネ・モイゼスも言うように、「一気に読むには耐えられない」内容なのだ。
ちなみに、ペソアは1888年生まれ。と、いうことは、2008年は生誕120年だ。
それを祝して、これから1週間ほどは、日記の最後に、『不安の書』からの一節をピックアップして書き留め、日々の感想にネガティブなスパイスを盛り込んでみたい。
まず、その1回目。
「ケーキを食べるなら、それを失わざるを得ない」(2)
フェルナンド・ペソアの『不安の書』を読んだ。
以下、目次
紹介者フェルナンド・ペソアの序
第1部 ベルナルド・ソアレスの序論(断章)
1−5
第2部 告白
一、生前ペソアにより刊行されたか、あるいはそのために準備されたテクスト
6−17
二、予め準備されたものではないが年代順に配置されたテクスト
1913年 18
1914年 19−22
1915年 23−26
1916年 27
1917年 28−29
1920年 30
1929年 31−35
1930年 36−73
1931年 74−102
1932年 103−128
1933年 129−137
1934年 138−144
三、日付のないテクスト
145−409
第3部 題名のある文学的なテクスト
一、生前に詩人の発表したもの
410−411
二、年代順のもの
1914年 412−414
1919年 415
1930年 416−417
1932年 418
三、日付のないもの
419−460
フェルナンド・ペソアと『不安の書』/高橋都彦
本書は完訳だが、以前、1割程度の分量が翻訳された『不穏の書・断章』を読んでいるので、さて、自分はどんな感想を日記に記しているのか、と見てみると「これはいい」だけで、さっぱり要領を得なかった。まったく僕は役立たず野郎だ。
フェルナンド・ペソア(1888年〜1935年)はポルトガルの詩人。死後に膨大な遺稿が次々と刊行され、もう無いだろうと思ってたら1982年に『不安の書』が刊行された。タイトルから予想もつくが、ブラジル版編纂者レイラ・ペロネ・モイゼスによると、苦悩、意気消沈、傷心、儚さを主題とし、倦怠、挫折、不活動、停滞をテーマにしている。膨大な量の鬱日記か。
たとえば、こんな文章が目にとびこんでくる。
「わたしは魂の消化不良をおこしている」(93)
「いかなる問題も解決できない」(27)
「わたしは存在しない村の郊外であり、書かれていない本に対する冗長な論評だ。わたしは何者でもない、何者でもないのだ」(95)
「頭と宇宙が痛む」(106)
「他人の愛情ほど重苦しいものはない」(109)
「誰も他人を理解しない」(113)
「わたしは全自然のようにしくじった」(9)
「いつも何かを終えると、呆然となる。呆然となり、悲嘆に暮れる」(228)
「多くの場合なぜだか分からずに、わたしはあらゆることで躊躇する」(231)
「わたしの夢は隠喩や比喩においてさえ失敗した」(161)
「理解しようとしてわたしは自分を破壊してしまった」(255)
「わたしは自分がどうも目覚めていないのではないかと思わざるをえない」(100)
「感じるのはうんざりだ」(153)
「人生のあらゆる場所において、あらゆる状況と共同生活において、わたしはいつでも誰にとっても邪魔者だった。少なくとも、いつでもよそ者だった」(29)
「あらゆる人がわたしでないのが羨ましい」(241)
「大部分の人間は情けない生活を送っている。喜びにあってさえ情けなく、ほぼ常態である悲しみにあっても情けない」(209)
「生きてゆかねばならない恐怖がわたしとともにベッドから起き上がった。何もかもが虚ろに思われ、どんな問題にも解決策はないという冷えびえとした印象を持った」(218)
「坂は風車小屋に通ずるが、努力は何にも通じない」(365)
「一歩を踏み出そうと考えるだけで、なすべき大旅行がもちあがる」(108)
「時おり起きることなのだが、それはいつでも突然のことで、恐ろしいほどの生の倦怠が感覚の真っ只中に感じられ、それを抑える行為は考えられもしない。それを癒すのに自殺では覚束ないように思われ、死は無意識だと想像されるが、これでもまだ不足なのだ」(239)
どう?
鬱ってる?
そう思ってみてみると、「ペソア」とか「ソアレス」という名前すら、弱くて不安な印象を帯びてくる。
でも読んだ印象は暗いだけのものではなくて、面白い。他人の不安だから愉快だ、というだけではない。ちゃんと表現が文学になっていて、ユーモアも加味されているからだろう。
ときには、居直ることもある。
「世界は感じない人間のものだ。実用的な人間になるための本質的な条件は感性に欠けていることだ」(103)
「臆病だというのは気高く、どう行動したらよいか分からないのは貴族的で、生きるための才覚がないのは偉大だ」(323)
「時間を浪費することには美学がある」(26)
「廃墟の美しさは?もう何の役にも立たないからだ。なぜ芸術は美しいのか?役に立たないからだ」(18)
また、この『不安の書』は『アミエルの日記』に似ているといわれているそうだ。本文中にもアミエルに関する記述がある。
それを知って、はたと膝をたたいた。
個人的な話なのだが、僕の父親は夭折した詩人だった。父親と会話した記憶もほとんどないのだが、残してくれた書棚には、ゲーテやボードレールやカフカ、プラトン、プルターク、シェークスピア、ミルトンなどと並んで、アミエルの日記も全部揃っていたのだ。ぱらぱらとページをめくる程度で、ちゃんと読んではいなかったが、この『不安の書』を読んでいるときに感じた、不思議とノスタルジックな印象は、ここからきているのかもしれない。今もその『アミエルの日記』が残っていればよかったのだが、僕がものごころつく頃には、既に処分されてしまっていた。家族に読書家が1人でもおれば、処分の憂き目にはあわなかったのに、と思うと口惜しい。
『不安の書』は大部ということもあって、読むのに1週間を要した。難解な文章はないのだがレイラ・ペロネ・モイゼスも言うように、「一気に読むには耐えられない」内容なのだ。
ちなみに、ペソアは1888年生まれ。と、いうことは、2008年は生誕120年だ。
それを祝して、これから1週間ほどは、日記の最後に、『不安の書』からの一節をピックアップして書き留め、日々の感想にネガティブなスパイスを盛り込んでみたい。
まず、その1回目。
「ケーキを食べるなら、それを失わざるを得ない」(2)
山本周五郎探偵小説全集 第一巻 少年探偵・春田龍介
2008年3月18日 読書
ISBN:4861821452 単行本 末國善己 作品社 2007/09/25 ¥2,940
山本周五郎探偵小説全集『少年探偵・春田龍介』を読んだ。
1930年代に雑誌「少年少女譚海」「新少年」に掲載された作品が収録されている。
ネタバレのみ書いているので、読む人はまず、読んでから。
「危し!!潜水艦の秘密」
虫食い文字をつなげると、船の名前になる暗号。
軍事探偵(スパイ)の手から軍事機密を取り戻す。
「黒襟飾組の魔手」
黄色金剛石の頸飾を盗むと犯行予告する黒ネクタイ組。
その正体は、「意外!!探偵とは嘘の皮」
「幽霊屋敷の殺人」
皇国の興廃此の一戦にあり、の文字と、柱の数が同じで、特定の文字に該当する柱の下にお宝が。
幽霊は白い布をつけたインコ。
「骸骨島の大冒険」
特殊な潮流の作用。
大活劇。「こん畜生、毛唐め!!」
「謎の頸飾事件」
暗闇の中で犯人の衣服を見たと証言する小間使い。襲撃の方法から左利きが犯人だと推理する春田少年。
頸飾は洗面台から鉛管に入れておき、水を流して溝口で回収しようとしていた。
「ウラルの東」
長編。これは戦争だ。
中国の秘密結社「匕首党」と闘う春田少年。春田少年は匕首党の幹部を暗殺したりもする。
悪者はドイツ系ユダヤ人のオッケラアト博士と、中国人たち。
こんな文章があった。
「撃たないでくれ、殺さないでくれ」哀れな声で叫ぶ−これが支那人の特有性だ。勢の良い時は悪魔のように無慈悲だが、一度自分が不利だと見るや、雌豚のように泣き喚いて憐れみを乞うのだ、犬のように這って助けを願うのだ、しかも、隙さえあれば相手を殺そうとしながら。
ひどい言われようだが、この作品が発表された1933年は日本が満州国を作った翌年のことだ。それを考えれば、現代でも上記のような印象とさほど変わらぬ中国人観を持っている人がいることに大いに危惧しなければならない、と思う。
この作品では、春田少年は列車に乗れば切り離されて乗客もろとも大事故、硫酸エレベーター(マクドナルドのフライドポテト作る場面を連想した)、手足縛られて海の中、などなど大ピンチの連続である。そのくせ、匕首党の党首に変装を見抜かれると、その緊張のあまり失神してしまうのだ。
なお、ここまでが春田少年の作品で、あとはそれぞれ主人公が違っている。
「殺生谷の鬼火」
夜光塗料つけた狼を鬼火と思う。
「亡霊ホテル」
軍事機密の連絡の場所を確保するため、幽霊が出る噂をたてて、特定の部屋を常に空室にしておく。
「天狗岩の殺人魔」
落石で殺そうとする男。岩が落ちるギリギリのところまで削らせた男を処分したため、計画がばれる。
「劇団「笑う妖魔」」
巡業先で殺害を繰り返すサーカス団。殺されると悟ったピエロは軍事機密や手紙を飲み込んで、解剖を待つ。
最初の話から、わかりやすい暗号小説ながら、軍事機密と関わる内容になっている。長編のウラルの東にいたっては、まったくの戦争アクションと言っていい。黒幕をあばいても、証拠不十分で相手にしてもらえず、ならば、と春田少年はこう叫ぶ。
「よろしい!博士、この上は血に対するに血をもってする、春田龍介はこの瞬間から、武器を持ってたつ、そして匕首党に宣戦を布告する。これからは死の戦だ!」
なんといさましい。敵とのかけひきなどもあるが、殺しあいには違いない。でも、これが当時の正しい少年向け探偵小説であったろうことはよくわかる。最近、こんなストーリーに接していなかったので、むしろ新鮮か。
相棒のメリケン壮太など、一大事を知らせるために、足を怪我してまともにバイクに乗れず、ずるずる地面に足をひきずりながらバイクをとばす。
「粗い敷石の上を急速力で引ずられるので、たちまち靴はとび、ズボンは裂け、裸の足はすり剥けて、血が流れ出た」
「ああ惨!ああ惨!!壮太の足から流れ出る血潮は、糸をひくように、道路の面をいろどった。これこそ悲壮の血、これこそ忠烈の血だ」
「だが、人間の忍耐にはかぎりがある。皮破れ肉裂けいまは骨まで露わになった足首が、無残に敷石を引ずるのだ」
「くそっ!と思った壮太は、声をふり絞ってうたいだした、熱血の声で、熱血の歌をー
敵は幾万ありとても」
メリケン壮太も壮絶!
山本周五郎探偵小説全集『少年探偵・春田龍介』を読んだ。
1930年代に雑誌「少年少女譚海」「新少年」に掲載された作品が収録されている。
ネタバレのみ書いているので、読む人はまず、読んでから。
「危し!!潜水艦の秘密」
虫食い文字をつなげると、船の名前になる暗号。
軍事探偵(スパイ)の手から軍事機密を取り戻す。
「黒襟飾組の魔手」
黄色金剛石の頸飾を盗むと犯行予告する黒ネクタイ組。
その正体は、「意外!!探偵とは嘘の皮」
「幽霊屋敷の殺人」
皇国の興廃此の一戦にあり、の文字と、柱の数が同じで、特定の文字に該当する柱の下にお宝が。
幽霊は白い布をつけたインコ。
「骸骨島の大冒険」
特殊な潮流の作用。
大活劇。「こん畜生、毛唐め!!」
「謎の頸飾事件」
暗闇の中で犯人の衣服を見たと証言する小間使い。襲撃の方法から左利きが犯人だと推理する春田少年。
頸飾は洗面台から鉛管に入れておき、水を流して溝口で回収しようとしていた。
「ウラルの東」
長編。これは戦争だ。
中国の秘密結社「匕首党」と闘う春田少年。春田少年は匕首党の幹部を暗殺したりもする。
悪者はドイツ系ユダヤ人のオッケラアト博士と、中国人たち。
こんな文章があった。
「撃たないでくれ、殺さないでくれ」哀れな声で叫ぶ−これが支那人の特有性だ。勢の良い時は悪魔のように無慈悲だが、一度自分が不利だと見るや、雌豚のように泣き喚いて憐れみを乞うのだ、犬のように這って助けを願うのだ、しかも、隙さえあれば相手を殺そうとしながら。
ひどい言われようだが、この作品が発表された1933年は日本が満州国を作った翌年のことだ。それを考えれば、現代でも上記のような印象とさほど変わらぬ中国人観を持っている人がいることに大いに危惧しなければならない、と思う。
この作品では、春田少年は列車に乗れば切り離されて乗客もろとも大事故、硫酸エレベーター(マクドナルドのフライドポテト作る場面を連想した)、手足縛られて海の中、などなど大ピンチの連続である。そのくせ、匕首党の党首に変装を見抜かれると、その緊張のあまり失神してしまうのだ。
なお、ここまでが春田少年の作品で、あとはそれぞれ主人公が違っている。
「殺生谷の鬼火」
夜光塗料つけた狼を鬼火と思う。
「亡霊ホテル」
軍事機密の連絡の場所を確保するため、幽霊が出る噂をたてて、特定の部屋を常に空室にしておく。
「天狗岩の殺人魔」
落石で殺そうとする男。岩が落ちるギリギリのところまで削らせた男を処分したため、計画がばれる。
「劇団「笑う妖魔」」
巡業先で殺害を繰り返すサーカス団。殺されると悟ったピエロは軍事機密や手紙を飲み込んで、解剖を待つ。
最初の話から、わかりやすい暗号小説ながら、軍事機密と関わる内容になっている。長編のウラルの東にいたっては、まったくの戦争アクションと言っていい。黒幕をあばいても、証拠不十分で相手にしてもらえず、ならば、と春田少年はこう叫ぶ。
「よろしい!博士、この上は血に対するに血をもってする、春田龍介はこの瞬間から、武器を持ってたつ、そして匕首党に宣戦を布告する。これからは死の戦だ!」
なんといさましい。敵とのかけひきなどもあるが、殺しあいには違いない。でも、これが当時の正しい少年向け探偵小説であったろうことはよくわかる。最近、こんなストーリーに接していなかったので、むしろ新鮮か。
相棒のメリケン壮太など、一大事を知らせるために、足を怪我してまともにバイクに乗れず、ずるずる地面に足をひきずりながらバイクをとばす。
「粗い敷石の上を急速力で引ずられるので、たちまち靴はとび、ズボンは裂け、裸の足はすり剥けて、血が流れ出た」
「ああ惨!ああ惨!!壮太の足から流れ出る血潮は、糸をひくように、道路の面をいろどった。これこそ悲壮の血、これこそ忠烈の血だ」
「だが、人間の忍耐にはかぎりがある。皮破れ肉裂けいまは骨まで露わになった足首が、無残に敷石を引ずるのだ」
「くそっ!と思った壮太は、声をふり絞ってうたいだした、熱血の声で、熱血の歌をー
敵は幾万ありとても」
メリケン壮太も壮絶!
足穂拾遺物語ライヴツアー
2008年3月17日 ライブ
ISBN:4791763416 単行本 高橋 信行 青土社 2008/03 ¥5,040
京都のアバンギルドで『足穂拾遺物語』ライヴツアー。
高橋信行(編者)、高橋孝次(校訂)、羽良多平吉(書容設計)、郡淳一郎(編集)らを中心にトークを展開する。司会は扉野良人。
木村カナによる映像投影もあった。(ほとんど木村カナが進行をつとめていたような気もする)
配付資料もあり、うれしい。
「『足穂拾遺物語』収録作品一覧(発表順)」
「相互主観的な『足穂拾遺物語』年表稿」
「ザ・メイキング・オヴ『足穂拾遺物語』採録」
本書の表紙はスペードのAをデザインに用いている(トランプじゃなくて、借用書のデザインなんだって!)が、配付資料には『少年愛の美学』からの引用文が載せられてあった。
「性のカードにおいて、Vをハートに見立てるならば、Pはダイヤであろう。Aはクラブ乃至スペードで、しかもそのエースでもある。即ちVPA三者のうちで、A感覚が最もトランセンデンタールな感覚である」
トークの内容は、本が出るまでのエピソード、特に今の形になるまでの十数種類の羽良多デザインが映し出されたりして、興味深かった。
休憩をはさんで後半は、会場に来ている、この本に関わりのある人々の紹介からはじまった。
僕の母校でもある関西学院の学院史編纂室の人とか、資料提供者、新資料発掘者、コレクター、本書の出版にあわせてフェアをしている恵文社の人、ガケ書房の人(吉田稔美ちゃんのピープショーも出品されている!)とか。
あれあれ。
単なる観客は僕だけなんじゃないか、と思うほど。
午後10時30分になってもトークは終わらず、僕は最終電車が気になって、やむなく途中で帰ることになった。
またどこかで、このトークショーのテープおこしでもどこかで読めるんじゃないか、と期待。
このトークショーで「へえ」と思ったのは、表紙にギリギリになって書き込まれた1行
「DONG!!!ギボン!エイ!ビュン!トンコロピー………キャッ!!!」
これらの擬音を足穂のどの作品からとったかについて語っていたこと。
うろ覚えだったので、本棚あさってちょっと調べてみると、こんな感じ。
「DONG」…「チョコレート」『星を売る店』バージョン。このときのタイトルは「チョコレット」じゃないのか。
「ギボン」…「Aと円筒」、「月光密造者」(一千一秒物語)
「エイ」…「ある晩の出来事」(一千一秒物語)、「月光鬼語」(一千一秒物語)、「追っかけられた話」(シャボン玉物語)
「ビュン」…「ある晩の物語」(一千一秒物語)
「トンコロピー」…「思い出」(一千一秒物語)A MEMORYのタイトルのバージョンもあり。
「キャッ」…「月光鬼語」(一千一秒物語)、「黒猫の尾を切った話」(一千一秒物語)
まあ、擬音をよく使っていた足穂だから、探せばまだまだ出てきそう。
こういう勢いのある擬音じゃないけど、足穂がよく使う「ソー」っていうのが気持悪くて好きだ。あと、「バチン」とか。
羽良多平吉はトークで、いちはやく初版1500部を売り切って、増刷時にデザイン変えたい、と言っていた。と、いうか、この本、このバージョンでは1500部しかないってこと?買っておいてよかった。
京都のアバンギルドで『足穂拾遺物語』ライヴツアー。
高橋信行(編者)、高橋孝次(校訂)、羽良多平吉(書容設計)、郡淳一郎(編集)らを中心にトークを展開する。司会は扉野良人。
木村カナによる映像投影もあった。(ほとんど木村カナが進行をつとめていたような気もする)
配付資料もあり、うれしい。
「『足穂拾遺物語』収録作品一覧(発表順)」
「相互主観的な『足穂拾遺物語』年表稿」
「ザ・メイキング・オヴ『足穂拾遺物語』採録」
本書の表紙はスペードのAをデザインに用いている(トランプじゃなくて、借用書のデザインなんだって!)が、配付資料には『少年愛の美学』からの引用文が載せられてあった。
「性のカードにおいて、Vをハートに見立てるならば、Pはダイヤであろう。Aはクラブ乃至スペードで、しかもそのエースでもある。即ちVPA三者のうちで、A感覚が最もトランセンデンタールな感覚である」
トークの内容は、本が出るまでのエピソード、特に今の形になるまでの十数種類の羽良多デザインが映し出されたりして、興味深かった。
休憩をはさんで後半は、会場に来ている、この本に関わりのある人々の紹介からはじまった。
僕の母校でもある関西学院の学院史編纂室の人とか、資料提供者、新資料発掘者、コレクター、本書の出版にあわせてフェアをしている恵文社の人、ガケ書房の人(吉田稔美ちゃんのピープショーも出品されている!)とか。
あれあれ。
単なる観客は僕だけなんじゃないか、と思うほど。
午後10時30分になってもトークは終わらず、僕は最終電車が気になって、やむなく途中で帰ることになった。
またどこかで、このトークショーのテープおこしでもどこかで読めるんじゃないか、と期待。
このトークショーで「へえ」と思ったのは、表紙にギリギリになって書き込まれた1行
「DONG!!!ギボン!エイ!ビュン!トンコロピー………キャッ!!!」
これらの擬音を足穂のどの作品からとったかについて語っていたこと。
うろ覚えだったので、本棚あさってちょっと調べてみると、こんな感じ。
「DONG」…「チョコレート」『星を売る店』バージョン。このときのタイトルは「チョコレット」じゃないのか。
「ギボン」…「Aと円筒」、「月光密造者」(一千一秒物語)
「エイ」…「ある晩の出来事」(一千一秒物語)、「月光鬼語」(一千一秒物語)、「追っかけられた話」(シャボン玉物語)
「ビュン」…「ある晩の物語」(一千一秒物語)
「トンコロピー」…「思い出」(一千一秒物語)A MEMORYのタイトルのバージョンもあり。
「キャッ」…「月光鬼語」(一千一秒物語)、「黒猫の尾を切った話」(一千一秒物語)
まあ、擬音をよく使っていた足穂だから、探せばまだまだ出てきそう。
こういう勢いのある擬音じゃないけど、足穂がよく使う「ソー」っていうのが気持悪くて好きだ。あと、「バチン」とか。
羽良多平吉はトークで、いちはやく初版1500部を売り切って、増刷時にデザイン変えたい、と言っていた。と、いうか、この本、このバージョンでは1500部しかないってこと?買っておいてよかった。
深奥的中国〜ハロプロやねん!公開録音
2008年3月16日 アイドル
今日は国立民族学博物館の無料観覧日。
と、いうわけで、国立民族学博物館で「開館30周年記念特別展 深奥的中国〜少数民族の暮らしと工芸」を堪能する。
1階は「チワン族の生活世界」
高床式住居が再現されている。
下には家畜がおり、上で人が暮らす。
あやつり人形が、読めない漢字で語られる物語を舞う。
うさぎ形のランタン(?)がチープで可愛い。
2階は「西南少数民族の工芸」
銀製品と刺繍を多用したミャオ族の衣装は、まるで、あなるちゃん。
ナシ族のトンパ文字は、まるで、泰子興業。
なんだなんだ。僕の友達は、中国の少数民族に親和性をもっているじゃないか。どうりで、親近感わくはずだ。
常設展示も見る。
宗教、儀式にまつわる展示物が、やっぱり面白い。
1日中でも遊んでいられる。
万博公園でABCのイベント。
「ハロプロやねん」の公開録音を見る。
オープニングアクトは、ハロプロ関西(須磨愛は学校行事のため欠席)が登場し、1曲。
SEXY BOY〜そよ風に寄り添って
あさみんが自己紹介でいつもの「りんりん!」と言ったとき、近くの一般のお客さんが「言わされてるって感じだな」とわけ知り顔で言っていた。違うよ!あさみんはまわりが止めても、自分が好きで「りんりん!」と言っているんだよ!
ハロプロやねんの今回のパーソナリティはBerryz工房。
1.愛のスキスキ指数上昇中
2.スッペシャルジェネレ〜ション
2曲のあとに、公開録音恒例のコーナー。
春のベリーズNo1を決める。桃子が審査員長。
(1)メロン記念日からの問題。
「メロン記念日が最近はまっていることは何でしょう?」
ヒントをあからさまに出されても、なぜか正解は出なかった。
正解をあえて言わないのが、タレントというものか、と、今やっと気付いた。
(2)「ジンギスカン」の一節に続けて、どれだけ長く笑っていられるかを競う。
(3)桃子特製ミックスジュースに入れられた3つの具をあてる。
ミルクに入れられたものは、バナナ、チョコ、ぽん酢。これが案外美味しいらしく、キャプテンは2杯も飲んでいた。
(4)ケツアタック25
尻相撲で、メンバー全員が桃子に挑戦。
なんと、桃子全勝!
「痛い」「かたい」「ささった」などとさんざんに言われる。
熊井との対戦のときは、尻の高さがあわず、桃子の尻が熊井のひざ、とまで言われる。
結局、春のNo1に輝いたのは、夏焼。
でも、全体にこのコーナーは、ほとんど桃子のワンマンショーと言っても過言ではなかった。
素晴らしい。
最後は、歌。
3.付き合ってるのに片思い
4.告白の噴水広場
5.ジンギスカン
帰宅後、NHK-FMで現代の音楽。
笑いを要素として含む楽曲があり、こういうのを聞くと、実際に目で見てみたい気持がつのる。
今日はこれで終わらない。夜勤があるのだ。体力をしぼりだして向かう。
と、いうわけで、国立民族学博物館で「開館30周年記念特別展 深奥的中国〜少数民族の暮らしと工芸」を堪能する。
1階は「チワン族の生活世界」
高床式住居が再現されている。
下には家畜がおり、上で人が暮らす。
あやつり人形が、読めない漢字で語られる物語を舞う。
うさぎ形のランタン(?)がチープで可愛い。
2階は「西南少数民族の工芸」
銀製品と刺繍を多用したミャオ族の衣装は、まるで、あなるちゃん。
ナシ族のトンパ文字は、まるで、泰子興業。
なんだなんだ。僕の友達は、中国の少数民族に親和性をもっているじゃないか。どうりで、親近感わくはずだ。
常設展示も見る。
宗教、儀式にまつわる展示物が、やっぱり面白い。
1日中でも遊んでいられる。
万博公園でABCのイベント。
「ハロプロやねん」の公開録音を見る。
オープニングアクトは、ハロプロ関西(須磨愛は学校行事のため欠席)が登場し、1曲。
SEXY BOY〜そよ風に寄り添って
あさみんが自己紹介でいつもの「りんりん!」と言ったとき、近くの一般のお客さんが「言わされてるって感じだな」とわけ知り顔で言っていた。違うよ!あさみんはまわりが止めても、自分が好きで「りんりん!」と言っているんだよ!
ハロプロやねんの今回のパーソナリティはBerryz工房。
1.愛のスキスキ指数上昇中
2.スッペシャルジェネレ〜ション
2曲のあとに、公開録音恒例のコーナー。
春のベリーズNo1を決める。桃子が審査員長。
(1)メロン記念日からの問題。
「メロン記念日が最近はまっていることは何でしょう?」
ヒントをあからさまに出されても、なぜか正解は出なかった。
正解をあえて言わないのが、タレントというものか、と、今やっと気付いた。
(2)「ジンギスカン」の一節に続けて、どれだけ長く笑っていられるかを競う。
(3)桃子特製ミックスジュースに入れられた3つの具をあてる。
ミルクに入れられたものは、バナナ、チョコ、ぽん酢。これが案外美味しいらしく、キャプテンは2杯も飲んでいた。
(4)ケツアタック25
尻相撲で、メンバー全員が桃子に挑戦。
なんと、桃子全勝!
「痛い」「かたい」「ささった」などとさんざんに言われる。
熊井との対戦のときは、尻の高さがあわず、桃子の尻が熊井のひざ、とまで言われる。
結局、春のNo1に輝いたのは、夏焼。
でも、全体にこのコーナーは、ほとんど桃子のワンマンショーと言っても過言ではなかった。
素晴らしい。
最後は、歌。
3.付き合ってるのに片思い
4.告白の噴水広場
5.ジンギスカン
帰宅後、NHK-FMで現代の音楽。
笑いを要素として含む楽曲があり、こういうのを聞くと、実際に目で見てみたい気持がつのる。
今日はこれで終わらない。夜勤があるのだ。体力をしぼりだして向かう。
ドレミファソラシ ヒロこてん
2008年3月15日 趣味
北堀江のART HOUSEで「ドレミファソラシ ヒロこてん」
カラフルでキュートなものが満載。
部屋に遊びに行くような身近さがいい。
ここにロフト作って、梯子段のぼって上がり、そこに蒲団敷いて寝泊まりでもできたら、楽しかっただろうなあ、と思う。
カラフルでキュートなものが満載。
部屋に遊びに行くような身近さがいい。
ここにロフト作って、梯子段のぼって上がり、そこに蒲団敷いて寝泊まりでもできたら、楽しかっただろうなあ、と思う。