次世代ワールドホビーフェア@京セラドーム〜STSライブ@FANJ
2009年1月18日 アイドル京セラドームで次世代ワールドホビーフェア。
ポケモンブースで天野あいちゃんがステージMCしてるのを見に行った。
あいちゃんの大阪弁MCもよかったし、バトルも面白かった。
あきらかに攻め方間違えている小学生とか。
あと、ソニーブースにいる石原啓子ちゃんをさがしてみたけど、ステージがあるわけではなく、こどもにゲームを教えるツナギの人たちばかりだったので、あきらめた。このイベントは子どもじゃないとゲームとかサイン会とか参加できないのだ。
それでも、でんぢゃらすじ〜さんの曽山先生のサイン会は見たかったけど、これも時間があわなくて、見れず。もっとゆっくり見たかったな。
午後2時から心斎橋FANJでSTSライブin FANJ。
オープニング/ジュニアダンスチーム
ガーネットムーン/ブラックベリーズ
深紅/ブラックベリーズ(今日はみさちゃんが受験で欠席のため、4人。リーダーが女らしくふっくらしていてびっくりした)
スッペシャルジェネレ〜ション/ペトラキッズ
ファンキータウン/ラズベリーズ
kitto/クランベリーズ
Love is a Melody/クランベリーズ(りのちゃんは外部の仕事で欠席のため、2人。JK21か?)
アメージングラブ/いちごっ娘
ミュージックイズマイシング/いちごっ娘
フィードバック/スーパーバブルス
フューチャー/タイフーンjr.
ウィーク/タイフーンjr.
ミッキーマウスマーチ/ミニミニclub
kiss kiss kiss/ファッションズ
ビンゴ/ファッションズ
ジャングルダンス/risako with ジャングルダンサーズ
ムービンオン/プリティーズ
浪漫/プリティーズ
ゴーアヘッド/プリッツ
シェイクイットアップ/プリッツ
恋をしよう/チックス
ラブライクキャンディフロス/チックス
虹色の永遠/チックス
ゲットユアグルーブ/チックス
以上。
ライブ後に、サイン入りTシャツ争奪ジャンケン大会があった。
TシャツはSTSダンススクールのレッスン着。
久々にSTS見たが、やっぱりいいなあ。
今回見たかぎりでは、チックス、ファッションズ、いちごっ娘、プリッツが素晴らしい。
帰宅後、NHK-FMで「現代の音楽」
西村 朗
【ゲスト】伊左治 直
− 日本の作曲家・伊左治直 −(1)
「ガルシアは寒かった(2006)」 伊左治直・作曲
(4分50秒)
(ピアノ)碇山 典子
<ZEN−ON ZD−168421>
「ファンファーリア(1996)」 伊左治直・作曲
(6分19秒)
(トランペット)曽我部清典
(ピアノ)中川 俊郎
(バイオリン)野口千代光
(アシスト“ピアノの内部奏法など”)伊左治 直
<ALM RECORDS ALCD−50>
「フィネガン前夜祭(2000)」
ジェームズ・ジョイス原詞、柳瀬尚紀・訳詞、伊左治直・作曲
(15分36秒)
(合唱)東京混声合唱団
(指揮)田中 信昭
<fontec FOCD−2565>
「ザ(2008)」 伊左治直・作曲
(2分50秒)
(ディジュリドゥー、テューバ、ボイス)藤田 英大
(パーカッション)伊左治 直
<fontec FOCD−2565>
現代音楽とはいえ、クラシックの一ジャンルという枠からはみ出ていたなあ。
伊左治直は40才で、中堅というか、若手というか。
今日は朝はいつもどおりラジオで落語(鶴志の野崎参り)と米朝よもやま噺(お囃子の話)、絶対可憐チルドレンとかしゅごキャラなどの日曜朝のアニメは、とてもほのぼのしてていい。気分がすぐれなくても、ネガティブハートにロックオン!
夜は録画しておいた将棋番組見たり、スカイAの「らくごくら」とか、上方演芸ホールとか。そう言えば、最近、とんと落語会にはごぶさただ。それよりも、映画を全然見に行ってない!アンテナがすっかり錆ついてしまったようだ。
ポケモンブースで天野あいちゃんがステージMCしてるのを見に行った。
あいちゃんの大阪弁MCもよかったし、バトルも面白かった。
あきらかに攻め方間違えている小学生とか。
あと、ソニーブースにいる石原啓子ちゃんをさがしてみたけど、ステージがあるわけではなく、こどもにゲームを教えるツナギの人たちばかりだったので、あきらめた。このイベントは子どもじゃないとゲームとかサイン会とか参加できないのだ。
それでも、でんぢゃらすじ〜さんの曽山先生のサイン会は見たかったけど、これも時間があわなくて、見れず。もっとゆっくり見たかったな。
午後2時から心斎橋FANJでSTSライブin FANJ。
オープニング/ジュニアダンスチーム
ガーネットムーン/ブラックベリーズ
深紅/ブラックベリーズ(今日はみさちゃんが受験で欠席のため、4人。リーダーが女らしくふっくらしていてびっくりした)
スッペシャルジェネレ〜ション/ペトラキッズ
ファンキータウン/ラズベリーズ
kitto/クランベリーズ
Love is a Melody/クランベリーズ(りのちゃんは外部の仕事で欠席のため、2人。JK21か?)
アメージングラブ/いちごっ娘
ミュージックイズマイシング/いちごっ娘
フィードバック/スーパーバブルス
フューチャー/タイフーンjr.
ウィーク/タイフーンjr.
ミッキーマウスマーチ/ミニミニclub
kiss kiss kiss/ファッションズ
ビンゴ/ファッションズ
ジャングルダンス/risako with ジャングルダンサーズ
ムービンオン/プリティーズ
浪漫/プリティーズ
ゴーアヘッド/プリッツ
シェイクイットアップ/プリッツ
恋をしよう/チックス
ラブライクキャンディフロス/チックス
虹色の永遠/チックス
ゲットユアグルーブ/チックス
以上。
ライブ後に、サイン入りTシャツ争奪ジャンケン大会があった。
TシャツはSTSダンススクールのレッスン着。
久々にSTS見たが、やっぱりいいなあ。
今回見たかぎりでは、チックス、ファッションズ、いちごっ娘、プリッツが素晴らしい。
帰宅後、NHK-FMで「現代の音楽」
西村 朗
【ゲスト】伊左治 直
− 日本の作曲家・伊左治直 −(1)
「ガルシアは寒かった(2006)」 伊左治直・作曲
(4分50秒)
(ピアノ)碇山 典子
<ZEN−ON ZD−168421>
「ファンファーリア(1996)」 伊左治直・作曲
(6分19秒)
(トランペット)曽我部清典
(ピアノ)中川 俊郎
(バイオリン)野口千代光
(アシスト“ピアノの内部奏法など”)伊左治 直
<ALM RECORDS ALCD−50>
「フィネガン前夜祭(2000)」
ジェームズ・ジョイス原詞、柳瀬尚紀・訳詞、伊左治直・作曲
(15分36秒)
(合唱)東京混声合唱団
(指揮)田中 信昭
<fontec FOCD−2565>
「ザ(2008)」 伊左治直・作曲
(2分50秒)
(ディジュリドゥー、テューバ、ボイス)藤田 英大
(パーカッション)伊左治 直
<fontec FOCD−2565>
現代音楽とはいえ、クラシックの一ジャンルという枠からはみ出ていたなあ。
伊左治直は40才で、中堅というか、若手というか。
今日は朝はいつもどおりラジオで落語(鶴志の野崎参り)と米朝よもやま噺(お囃子の話)、絶対可憐チルドレンとかしゅごキャラなどの日曜朝のアニメは、とてもほのぼのしてていい。気分がすぐれなくても、ネガティブハートにロックオン!
夜は録画しておいた将棋番組見たり、スカイAの「らくごくら」とか、上方演芸ホールとか。そう言えば、最近、とんと落語会にはごぶさただ。それよりも、映画を全然見に行ってない!アンテナがすっかり錆ついてしまったようだ。
ツイン21古書市〜味園ビルはしご
2009年1月17日 ライブツイン21で古書市。
さがしている本は特に見つからず、昔の探偵小説雑誌『宝石』を1冊だけ購入。
1時間もあればひととおり見て回れるかな、とたかをくくっていたが、2時間以上かけてじっくりと探索してしまった。
おかげで、落語会に行く予定をパス。
夕方からは、味園ビルめぐり。
ディグダグでライブ。
入るとTASKEが開場後の挨拶、即興詩を読んでいた。
トキコ、魔ぜるな規犬、Lolitaテロリスト、INVADER、TASKE、No.305×中田氏大百科、ガルペプシ、野中ひゆ+怪人ニーソックス、SATANICPORNOCULTSHOP、佐伯誠之助というラインナップ。
なんといっても司会のTASKEが「司会を無視するな!」とトキコさんを殴ったことと、そのあとの顛末がイベントのピーク。ライブはじまる前に山場が用意されてるイベントなんて、そうざらにない。もちろん、当人たちを含め、場内は険悪なムードなんかにはならない。みんなわかっているのが、こういうライブの出演者と客とのあうんの呼吸というものだろう。
夕顔楼では新年会の持ち寄り鍋パーティ。
まだ人でいっぱいになる前に参加できたので、深海魚をいただきました。
僕が持っていったのは、いろいろ考えた末に、エリンギ。
よそを巡ってから再度店に行ったら、満員だった。
銭ゲバでアイドルイベント「HELP!」の打ち合わせ。
3月後半にできればいいなあ、と話は明るい方向で進む。
僕的には、気の狂ったディグダグと、知性的な夕顔楼のクッションみたいな感じで、銭ゲバでくつろいだ。よそではアルコール類を注文したけど、銭ゲバではコーヒー、というのが如実に物語っている。ほとんど家だ。
ディグダグのライブ終わりで帰宅。でも午後11時半にはなっていた。
外に出て動けば、何かに出くわし、物事は動く。
そんな実感を得た。
さがしている本は特に見つからず、昔の探偵小説雑誌『宝石』を1冊だけ購入。
1時間もあればひととおり見て回れるかな、とたかをくくっていたが、2時間以上かけてじっくりと探索してしまった。
おかげで、落語会に行く予定をパス。
夕方からは、味園ビルめぐり。
ディグダグでライブ。
入るとTASKEが開場後の挨拶、即興詩を読んでいた。
トキコ、魔ぜるな規犬、Lolitaテロリスト、INVADER、TASKE、No.305×中田氏大百科、ガルペプシ、野中ひゆ+怪人ニーソックス、SATANICPORNOCULTSHOP、佐伯誠之助というラインナップ。
なんといっても司会のTASKEが「司会を無視するな!」とトキコさんを殴ったことと、そのあとの顛末がイベントのピーク。ライブはじまる前に山場が用意されてるイベントなんて、そうざらにない。もちろん、当人たちを含め、場内は険悪なムードなんかにはならない。みんなわかっているのが、こういうライブの出演者と客とのあうんの呼吸というものだろう。
夕顔楼では新年会の持ち寄り鍋パーティ。
まだ人でいっぱいになる前に参加できたので、深海魚をいただきました。
僕が持っていったのは、いろいろ考えた末に、エリンギ。
よそを巡ってから再度店に行ったら、満員だった。
銭ゲバでアイドルイベント「HELP!」の打ち合わせ。
3月後半にできればいいなあ、と話は明るい方向で進む。
僕的には、気の狂ったディグダグと、知性的な夕顔楼のクッションみたいな感じで、銭ゲバでくつろいだ。よそではアルコール類を注文したけど、銭ゲバではコーヒー、というのが如実に物語っている。ほとんど家だ。
ディグダグのライブ終わりで帰宅。でも午後11時半にはなっていた。
外に出て動けば、何かに出くわし、物事は動く。
そんな実感を得た。
りーりー、まゆ姉@KISS FM
2009年1月16日 アイドル午後6時30分から、アメリカ村のKISS FMマイケルキューブで、SKETCHのりーりー、まゆ姉出演のラジオ番組。
インタビューや心理テストにこたえる、という10分間。
緊張していたにちがいないが、じゅうぶんに魅力は伝わった、と感じた。
観覧の中には、SKETCHのなっちゃんとみのりんも。現在お休み中のnorikoの姿はなく、心配になった。
番組終了後は、いつもどおり、おしゃべりがてれくさいので、撤退。
今日は仕事の後、図書館に行って調べものしたり、ネットカフェで3月のライブの演目を練ったり、まんだらけで漫画買ったりして過ごした。
見た映画は「アマンドラ!」
アパルトヘイト。黒人たちは闘うときも悼むときも、歌をもってした。
トイトイで白人の官憲と闘う姿はまるで夢のような光景だった。
音楽で革命を果たした前代未聞の実例。
インタビューや心理テストにこたえる、という10分間。
緊張していたにちがいないが、じゅうぶんに魅力は伝わった、と感じた。
観覧の中には、SKETCHのなっちゃんとみのりんも。現在お休み中のnorikoの姿はなく、心配になった。
番組終了後は、いつもどおり、おしゃべりがてれくさいので、撤退。
今日は仕事の後、図書館に行って調べものしたり、ネットカフェで3月のライブの演目を練ったり、まんだらけで漫画買ったりして過ごした。
見た映画は「アマンドラ!」
アパルトヘイト。黒人たちは闘うときも悼むときも、歌をもってした。
トイトイで白人の官憲と闘う姿はまるで夢のような光景だった。
音楽で革命を果たした前代未聞の実例。
『創作探偵小説選集1925年版』より
大下宇陀児「金口の巻煙草」を読んだ。(大正14年4月新青年)
[小見出し]
ネオ・ピューリタン
黒い影
最後の一分間シウクリーム
大下宇陀児の処女作。
まま母の虐待に堪えかねて千葉から上京してきた少年が、ポンビキにひっかかって恐ろしい銅山坑夫として売り飛ばされる。脱走してなんとか東京まではたどりついたが、千葉の実家まで帰るには寒空の下、マントもないし、空腹で、金もない。少年を助けようとする一高生。しかし、銅山からの追っ手が迫る。
羽志主水の「監獄部屋」が同じ頃の作品なので、この頃はタコ部屋で働かされることが問題になっていたんだろうか。とにかく、そういうわけで、少年の恐怖は納得できるわけだ。まあ、少年はそれにつけこんだんだけど。
ネオピューリタンというのは、登場人物、堀順三につけられたあだな。
「順さんはネ、芝居も寄席も大好きだし酒も可成やる。いったいに江戸趣味って様なものを持って居て華かな事が好きなのだ。そして女も大好きなんだ。だがネ、その好き方が大変に清浄なんだ。まあ、言わば美しく咲いた白薔薇の様な女があったとすれば、花弁が落ちない様に露を含ませたまま、テーブルを隔てて向こうに坐らせて、遠くから楽しみながら話しでもして見度いって言うのが順さんの性格で、そこがネオ・ピューなる所以さ」
作中に、一高の寮の門限について書かれている部分があり、面白い。
夜の12時に正門がしまるが、正門を乗り越えて入れば、セーフ。ただ、正門以外のところを乗り越えるのはアウトなのだ。
大下宇陀児「金口の巻煙草」を読んだ。(大正14年4月新青年)
[小見出し]
ネオ・ピューリタン
黒い影
最後の一分間シウクリーム
大下宇陀児の処女作。
まま母の虐待に堪えかねて千葉から上京してきた少年が、ポンビキにひっかかって恐ろしい銅山坑夫として売り飛ばされる。脱走してなんとか東京まではたどりついたが、千葉の実家まで帰るには寒空の下、マントもないし、空腹で、金もない。少年を助けようとする一高生。しかし、銅山からの追っ手が迫る。
羽志主水の「監獄部屋」が同じ頃の作品なので、この頃はタコ部屋で働かされることが問題になっていたんだろうか。とにかく、そういうわけで、少年の恐怖は納得できるわけだ。まあ、少年はそれにつけこんだんだけど。
ネオピューリタンというのは、登場人物、堀順三につけられたあだな。
「順さんはネ、芝居も寄席も大好きだし酒も可成やる。いったいに江戸趣味って様なものを持って居て華かな事が好きなのだ。そして女も大好きなんだ。だがネ、その好き方が大変に清浄なんだ。まあ、言わば美しく咲いた白薔薇の様な女があったとすれば、花弁が落ちない様に露を含ませたまま、テーブルを隔てて向こうに坐らせて、遠くから楽しみながら話しでもして見度いって言うのが順さんの性格で、そこがネオ・ピューなる所以さ」
作中に、一高の寮の門限について書かれている部分があり、面白い。
夜の12時に正門がしまるが、正門を乗り越えて入れば、セーフ。ただ、正門以外のところを乗り越えるのはアウトなのだ。
大下宇陀児の随筆集『釣・花・味』を読んだ。
1、故旧不忘
誇るべきルール
奇妙な還暦
故旧不忘
胃袋に訣別するの記
老大佐の倖せ
恥・恐・望
私の光陰
オンチには非ざれど
随筆三話
若いときゃ二度ない
短慮断行
心臓病を可愛がる
もう沢山
孔子さま
手を焼く
子どもの悪性
2、タンポポの嘆き
花への言葉
タンポポの嘆き
草木傷心賦
蒔かぬ花
感心野郎
3、春魚白焼
味噌の郷愁
女の味覚
キャビアの実体
春魚白焼
信州の味
めしの味
4、鮎こく
鮎こく
紅葉と釣り
釣りと温泉
解禁
片袖の捜査
秘密の釣場
ぼくは原始人
釣りウソ
落ちてアユ三話
釣りと車
鮎への嘆き
5、わが小説
夢野久作の人と作品
乱歩分析
乱歩の脱皮
探偵小説の中の人間
子どもと空想物語
わが小説「虚像」
怠惰の弁
小説屋の弁
6、年譜・作品著書目録
「随筆三話」は第1話「金」、第2話「男女」、第3話「年」と題されており、卵生のメリットとか丸い時計の話とか、遺作の『ニッポン遺跡』でとりあげられるエピソードの原型が述べられている。
夢野久作では「鉄槌」を絶賛している。
乱歩について述べた文章からは、宇陀児が「鏡地獄」「十字路」を評価していたことがわかる。
また、「乱歩の脱皮」で、乱歩が選んだ短編探偵小説ベストテンを読んで寂しくなった記述は面白い。
いわく「これだけか。ほんとうに、これ以上のものはなかったのか」
いわく「探偵小説はこれが限度の面白さであるとしたならば、それを言いたくはないけれど、まことに底の浅いものだということになりはしないか。言葉を換えていうと、残念ながら探偵小説は、ドイルの『赤髪組合』以来、てんで成長がなかったということになる」
キビシーッ!
探偵小説に関する随筆を読むかぎり、大下宇陀児こそは、本格探偵小説についてさんざん言われてきた「人間が描かれていない」という主張の元凶なんじゃないか、と思えた。当時は事情は逆転していて、宇陀児が「人間が描けていないじゃないか」と言っても、探偵小説の鬼たちは聞く耳もたなかったわけで、そんなこんなで宇陀児は探偵小説から離れていったかのようだ。
「小説屋の弁」では、宇陀児の初期作品、宇陀児の言葉だと「ただただ読者をおもしろがらせるものさえ出来上がれば、それが最上等の小説だと思い込んでしまった」作品を、「全部焼却したい」とまで書いている。この言葉を守って、戦前の宇陀児作品が復刻されないのだとしたら、悲しい話だ。
1、故旧不忘
誇るべきルール
奇妙な還暦
故旧不忘
胃袋に訣別するの記
老大佐の倖せ
恥・恐・望
私の光陰
オンチには非ざれど
随筆三話
若いときゃ二度ない
短慮断行
心臓病を可愛がる
もう沢山
孔子さま
手を焼く
子どもの悪性
2、タンポポの嘆き
花への言葉
タンポポの嘆き
草木傷心賦
蒔かぬ花
感心野郎
3、春魚白焼
味噌の郷愁
女の味覚
キャビアの実体
春魚白焼
信州の味
めしの味
4、鮎こく
鮎こく
紅葉と釣り
釣りと温泉
解禁
片袖の捜査
秘密の釣場
ぼくは原始人
釣りウソ
落ちてアユ三話
釣りと車
鮎への嘆き
5、わが小説
夢野久作の人と作品
乱歩分析
乱歩の脱皮
探偵小説の中の人間
子どもと空想物語
わが小説「虚像」
怠惰の弁
小説屋の弁
6、年譜・作品著書目録
「随筆三話」は第1話「金」、第2話「男女」、第3話「年」と題されており、卵生のメリットとか丸い時計の話とか、遺作の『ニッポン遺跡』でとりあげられるエピソードの原型が述べられている。
夢野久作では「鉄槌」を絶賛している。
乱歩について述べた文章からは、宇陀児が「鏡地獄」「十字路」を評価していたことがわかる。
また、「乱歩の脱皮」で、乱歩が選んだ短編探偵小説ベストテンを読んで寂しくなった記述は面白い。
いわく「これだけか。ほんとうに、これ以上のものはなかったのか」
いわく「探偵小説はこれが限度の面白さであるとしたならば、それを言いたくはないけれど、まことに底の浅いものだということになりはしないか。言葉を換えていうと、残念ながら探偵小説は、ドイルの『赤髪組合』以来、てんで成長がなかったということになる」
キビシーッ!
探偵小説に関する随筆を読むかぎり、大下宇陀児こそは、本格探偵小説についてさんざん言われてきた「人間が描かれていない」という主張の元凶なんじゃないか、と思えた。当時は事情は逆転していて、宇陀児が「人間が描けていないじゃないか」と言っても、探偵小説の鬼たちは聞く耳もたなかったわけで、そんなこんなで宇陀児は探偵小説から離れていったかのようだ。
「小説屋の弁」では、宇陀児の初期作品、宇陀児の言葉だと「ただただ読者をおもしろがらせるものさえ出来上がれば、それが最上等の小説だと思い込んでしまった」作品を、「全部焼却したい」とまで書いている。この言葉を守って、戦前の宇陀児作品が復刻されないのだとしたら、悲しい話だ。
『鮎川哲也編 怪奇探偵小説集』より
「恐ろしき臨終」昭和8年10月「新青年」
弁護士の死の真相は?
伊豆温泉の乳なし事件にまつわる怪奇な真相。
鮎川哲也は解説で本作を「良い意味でも悪い意味でも大下宇陀児の持味がよくでた、典型的な大下作品ということができる。良い意味というのは例えば達意の文章がそれであり、悪い意味というのは推理の面白さが稀薄なことである」と記している。
こういう記述を読むにつけ、大下が今も再評価されないのは、探偵小説の鬼たちのしわざなんじゃないか、と思えてくる。大下は随筆でも、謎解き一辺倒では探偵小説の鬼は喜ぶが、一般読者は飽きてしまう、とか主張していて、ゴリゴリの本格派からはあまりいい評価をされていないんじゃないか、と思う。現代の作家で大下宇陀児の作風を継いでいるのは誰なのかを考えると、僕は東野圭吾がそれにあたるんじゃないか、と思う。実際、大下宇陀児を読んでいると「これは半世紀前に書かれた『白夜行』じゃないか!」なんて思ったりするのだ。東野圭吾もその大ベストセラーが探偵小説の鬼たちによって叩かれた経緯が似通っている。
[登場人物]
難波大三郎 弁護士
富本達人
菅沼時子
難波は責任感の強い弁護士だった。難波の死は、未亡人が毒殺したのではないかと噂されたが、その真相をここに記す。
ことは3年前の伊豆の某温泉での「富本達人並びに菅沼時子殺害事件」に関わっている。
難波は温泉旅館で、はからずも富本と菅沼が宿泊する部屋での顛末を目撃していた。
二人が同宿する部屋に、菅沼の内縁の夫、荻島玉男がのりこんできたのだ。三角関係だ。
ところが、菅沼はひらきなおり、これみよがしに富本に甘える。荻島は不自由な口でどもりながら帰ってきてくれと頼むが、聞き入れられない。
その夜、菅沼と富本の凄惨な殺害事件が起こる。菅沼は浴室で両の乳房を抉り取られていたのだ。
難波弁護士の目撃証言から、荻島に容疑がかかる。
犯人が残したとおぼしき帽子には、クリーニング屋が目印に縫い付けた名前が残されていた。それは「田」「厂」と読めた。警察はこれを「男」という文字の簡略したものと判断した。荻島玉男の「男」の部分だけが残ったものだ。
潔白を主張して、難波にくってかかっていた荻島は、態度をかえて、事件を詳しく知る難波に弁護を依頼する。しかし、状況はあまりにも不利。荻島の有罪を信じる難波は弁護を引き受けなかった。失意の荻島は、舌を噛み切って自殺した。
難波は病気になった。発作が起きると全身が麻痺して何時間も死んだようになるのだ。
そして、ついに難波は何度めかの発作のあと、臨終を宣告される。
通夜の席に届いた1通の手紙には「乳なし事件の真相」が書かれていた。
棺桶の前で、皆に聞こえるように、それを音読した。
手紙は真犯人、田屋清吉からの告白状だった。
帽子の縫い取りは「田屋」をあらわしていたのだ。
田屋は菅沼に騙されて多額の金を巻き上げられていた。
菅沼は田屋を篭絡するため、両の乳房に「田」「屋」の白粉彫りをしていた。殺害のおり、自分の名前が知られるのをおそれて、乳房を切り取ったのだ。と記してあった。
翌朝、最後の別れをしようとして、家族は棺の蓋をとった。
死体は苦悶の表情を浮かべ、口からは血が流れていた。
難波は棺桶の中で蘇生していたのだ。
難波は息をふきかえし、棺桶の中で、ことの真相が読み上げられるのを聞いたのだ。
難波のいらぬ証言で荻島に容疑がかかり、冤罪のまま、弁護の手助けもせずに絶望した荻島を自殺させてしまった。難波はそれを知って、自殺していたのだ。
「恐ろしき臨終」昭和8年10月「新青年」
弁護士の死の真相は?
伊豆温泉の乳なし事件にまつわる怪奇な真相。
鮎川哲也は解説で本作を「良い意味でも悪い意味でも大下宇陀児の持味がよくでた、典型的な大下作品ということができる。良い意味というのは例えば達意の文章がそれであり、悪い意味というのは推理の面白さが稀薄なことである」と記している。
こういう記述を読むにつけ、大下が今も再評価されないのは、探偵小説の鬼たちのしわざなんじゃないか、と思えてくる。大下は随筆でも、謎解き一辺倒では探偵小説の鬼は喜ぶが、一般読者は飽きてしまう、とか主張していて、ゴリゴリの本格派からはあまりいい評価をされていないんじゃないか、と思う。現代の作家で大下宇陀児の作風を継いでいるのは誰なのかを考えると、僕は東野圭吾がそれにあたるんじゃないか、と思う。実際、大下宇陀児を読んでいると「これは半世紀前に書かれた『白夜行』じゃないか!」なんて思ったりするのだ。東野圭吾もその大ベストセラーが探偵小説の鬼たちによって叩かれた経緯が似通っている。
[登場人物]
難波大三郎 弁護士
富本達人
菅沼時子
難波は責任感の強い弁護士だった。難波の死は、未亡人が毒殺したのではないかと噂されたが、その真相をここに記す。
ことは3年前の伊豆の某温泉での「富本達人並びに菅沼時子殺害事件」に関わっている。
難波は温泉旅館で、はからずも富本と菅沼が宿泊する部屋での顛末を目撃していた。
二人が同宿する部屋に、菅沼の内縁の夫、荻島玉男がのりこんできたのだ。三角関係だ。
ところが、菅沼はひらきなおり、これみよがしに富本に甘える。荻島は不自由な口でどもりながら帰ってきてくれと頼むが、聞き入れられない。
その夜、菅沼と富本の凄惨な殺害事件が起こる。菅沼は浴室で両の乳房を抉り取られていたのだ。
難波弁護士の目撃証言から、荻島に容疑がかかる。
犯人が残したとおぼしき帽子には、クリーニング屋が目印に縫い付けた名前が残されていた。それは「田」「厂」と読めた。警察はこれを「男」という文字の簡略したものと判断した。荻島玉男の「男」の部分だけが残ったものだ。
潔白を主張して、難波にくってかかっていた荻島は、態度をかえて、事件を詳しく知る難波に弁護を依頼する。しかし、状況はあまりにも不利。荻島の有罪を信じる難波は弁護を引き受けなかった。失意の荻島は、舌を噛み切って自殺した。
難波は病気になった。発作が起きると全身が麻痺して何時間も死んだようになるのだ。
そして、ついに難波は何度めかの発作のあと、臨終を宣告される。
通夜の席に届いた1通の手紙には「乳なし事件の真相」が書かれていた。
棺桶の前で、皆に聞こえるように、それを音読した。
手紙は真犯人、田屋清吉からの告白状だった。
帽子の縫い取りは「田屋」をあらわしていたのだ。
田屋は菅沼に騙されて多額の金を巻き上げられていた。
菅沼は田屋を篭絡するため、両の乳房に「田」「屋」の白粉彫りをしていた。殺害のおり、自分の名前が知られるのをおそれて、乳房を切り取ったのだ。と記してあった。
翌朝、最後の別れをしようとして、家族は棺の蓋をとった。
死体は苦悶の表情を浮かべ、口からは血が流れていた。
難波は棺桶の中で蘇生していたのだ。
難波は息をふきかえし、棺桶の中で、ことの真相が読み上げられるのを聞いたのだ。
難波のいらぬ証言で荻島に容疑がかかり、冤罪のまま、弁護の手助けもせずに絶望した荻島を自殺させてしまった。難波はそれを知って、自殺していたのだ。
昭和40年会の東京案内@アセンス美術、ABCお笑い新人グランプリ
2009年1月12日 趣味ABCお笑い新人グランプリを見た。(録画)
見終わってから数日たった今、優勝した天竺鼠と、最後の3組からは洩れたが賞をもらったガスマスクガールが何度も頭の中でリピートされている。
どちらもコントだ。
しかし、毎年感じるのだが、新人たちの漫才の方が、ゲストで出て来るベテラン勢の漫才よりも遥かに面白いのはどういうわけだ。
心斎橋アセンス美術で、「昭和40年会の東京案内」
地図に私的な書き込みがある作品が展示されていたりするが、みどころは、映像。
会田誠の「おにぎり仮面の小さすぎる旅」とか、パルコキノシタのダンボール製の特撮もどき(これが何と言ってもダントツに面白い!)、有馬純寿のラップトップ演奏、あと、松蔭くんは何度も出てきて笑ってしまったが、MOREとか、ぶらり永福町の旅とか。こうしてみると、松蔭くんもすっかりいい親爺になったな、と思わせる。
東京の現代美術、といえばこれなんだな、と思わせる出来映えだった。
見終わってから数日たった今、優勝した天竺鼠と、最後の3組からは洩れたが賞をもらったガスマスクガールが何度も頭の中でリピートされている。
どちらもコントだ。
しかし、毎年感じるのだが、新人たちの漫才の方が、ゲストで出て来るベテラン勢の漫才よりも遥かに面白いのはどういうわけだ。
心斎橋アセンス美術で、「昭和40年会の東京案内」
地図に私的な書き込みがある作品が展示されていたりするが、みどころは、映像。
会田誠の「おにぎり仮面の小さすぎる旅」とか、パルコキノシタのダンボール製の特撮もどき(これが何と言ってもダントツに面白い!)、有馬純寿のラップトップ演奏、あと、松蔭くんは何度も出てきて笑ってしまったが、MOREとか、ぶらり永福町の旅とか。こうしてみると、松蔭くんもすっかりいい親爺になったな、と思わせる。
東京の現代美術、といえばこれなんだな、と思わせる出来映えだった。
大下宇陀児の『緑の紳士』(東方社)を読んだ。
登場人物とか小見出しの後には、完全ネタバレのあらすじを書いてみたので、読む予定の人は、要注意。
「緑の紳士」(昭和27年9月28日〜2月東京新聞)
広い敷地に日本風、洋風、支那風、あるいは中世期風に、また近代風に、七つの棟に分かれた別荘「七星閣」。そこに集った代議士、重役、美貌の歌手、そして「緑の紳士」。
湖上のボートに死体が発見され、10万カラットのダイヤ紛失事件がさらに絡んでいく。
[小見出し]
路上の事件
のぞき窓
宴席
野中のバラ
歌と剣
奇妙な約束
前科者
ダイヤ紛失事件
重いカバン
S村の怪人
恐怖の夜
追跡
壮介の逮捕
仕合せの日
[登場人物]
宮内壮介 実業家
豊田仙吉 代議士
岸根信三 会社重役
小平啓一郎 重役
石川夫人
星島美枝子 歌手
磯村芳子 元女優、待合の女将
沼井市助 七星閣支配人
泉沢浩太郎 緑の紳士
泉沢達哉 陸軍少将。浩太郎の父
黒田守 前科者
緑色のネクタイが印象的な青年、泉沢浩太郎。
彼は宮内壮介に会うため、宮内の別荘「七星閣」に向かう岸根、小平、豊田、石川の車をとめて同乗する。
七星閣では宴席が用意されていた。ゲストには歌手の星島美枝子もいる。言わば押し掛けた形の緑の紳士は、宮内に貴重な国賓扱いされる。泉沢浩太郎の父親、達哉少将が監督していた中央物資活用協会の事務長をしていたのが、宮内なのだ。
宮内は石川夫人を新発足する会社の社長にしたい、と持ちかける。ただし、宮内の親戚、黒田守のことはいっさい記憶から消すように条件をつけられていた。
泉沢と星島は湖で刺殺死体を発見、死体の身元は黒田守という前科者であった。
黒田は泉沢少将の副官であり、泉沢少将の自決のいきさつをよく知っているはずの人物であった。また、中央物資活用協会で買い上げたダイヤが10万カラットほど行方がわからなくなっている事件についても特別な関係をもっている人物であった。
沼井支配人は宮内と石川夫人の密談を聞いており、それをもとに石川夫人を脅迫する。
ほどなくして、沼井支配人は殺される。
犯人は宮内壮介。
黒田は宮内の旧悪について脅迫しており、殺害された。また、泉沢少将と閣下の奥さんも殺して自決に見せかけていた。
宮内の旧悪は、ダイヤ紛失にかかわることであろうと思われるが、未解決。
一方、緑の紳士、浩太郎はダイヤより美しい宝をみつけていた。星島美枝子である。
「狂女」(昭和22年10月サンデー増刊)
唐紙にはりつけてある風景画がさかさまになっている。
押し入れの棚には枯草が敷き詰めてある。
その奥に、顔も手も足も小刀や鋏でむざんに斬りきざまれた人形が寝かしてある。
狂った女の部屋だ。
この狂女が少女をむざんに殺した犯人なのだろうか。
[小見出し]
傷だらけの人形
少女の死体
血染めのモンペ
氷解
[登場人物]
井山道子 狂女、産婆
多田平吉郎 井山を世話している実業家
多田幸子 夫人
永見義次 文房具店主人
永見雪子 義次の次女、12才
大場警部補
須藤刑事
12才の少女、永見雪子の血みどろの死体が発見された。
大荷物を背負った、左右色の違うモンペ姿の女が目撃されており、調べてみると、そんなモンペをはいていたのは井山道子と判明した。
井山は戦前は産婆だったが、夫の戦死で気が狂っていた。
寝るときは押し入れに枯草を敷いて寝ており、いつも人形を持っていてメスや鋏でズタズタに切ってニタニタ笑っているのだ。
この狂った女の仕業か、とも思われたが、事態はかわる。
多田義次が庭でたき火をしていたことがわかり、その灰から、繊維品を燃やしたことがわかったのである。
モンペは井山のものだから井山のところに戻したが、死体を背負って歩いていたのなら、モンペ以外の衣服にはもっと血がついていたはずであり、その衣服は井山のものではなかったから、焼却するしかなかったのではないか、と。
はたして、犯人は多田夫妻だった。
多田義次は偽札を製造しており、うっかり表だけ印刷した紙幣を雪子に渡してしまった。手で口をふさいだところ、窒息して死んでしまったのだ。
多田夫妻は犯行を厄介者の井山のしわざに見せかけようとしたのだった。
「滑車妖異」(昭和27年1月講談倶楽部増刊)
犯人はなぜ死体を苦労して滑車で吊り上げていたのか。
[登場人物]
杉浦良平 老探偵
影山兵六 助手
宇治原警部
田所一作 陸軍中将
田所千鶴子 一作の姪
田所杉江 千鶴子の妹
島内圭二 千鶴子の内縁の夫、死体
矢川大助 同居人、死体
谷野音三 青田組人夫、死体発見者
島内、矢川2人の死体が釣り下げられた状態で発見された。
工事現場で使用していた滑車を使ったようだ。
杉浦探偵は言う。
「滑車はかならずしも、物の目方を軽くするものではない。滑車は定滑車と動滑車との2種類がある。動滑車だと支力が重力の半分ですむから、つまり、目方が半分に減ったことになるが、定滑車というものは、単に力の方向を変えることだけに役立つもので、支力と重力とは同じなのだ。そうして、あのけやきの木にとりつけた滑車は、その力には増減のない定滑車だぞ」
犯人はなぜ骨を追って死体を吊るし上げる必要があったのか。
土蔵で暮らしていた千鶴子、島内、矢川の関係もおぞましい。
千鶴子は島内を愛していたが矢川との結婚をせまられ、逃げ出してしまう。父親はカンカンで、そんなわけで島内と千鶴子は正式に結婚せず、内縁のままなのだ。ところが、戦争に島内が駆り出され、生死が不明になってしまう。いちはやく帰国していた矢川が千鶴子と同棲。そこに島内が帰ってきて、3人で住むようになったのだ。単なる共同生活ではない。
妹の杉江によると、
「妹の私にも話せないようなことばかり、毎日毎夜あの二人から、強いられているのだといっていました。島内さんなり矢川さんなりが、一人きりでいる時は、姉に対して手出しするようなことが絶対になく、二人の顔がいっしょ揃うと、さて姉を、さんざんに責めさいなむということでしたの」
杉浦探偵の頭には「一人の美女を中心にして、その肉体にたけり狂う二匹の野獣の情痴図絵」が描かれる。
さて、犯人は妹の杉江であった。
杉江は叔父が終戦のドサクサで持ってきた金塊が隠されていることを知っていた。それとも知らず、姉たちが土蔵や屋敷を売却しようとしているのを知り、ひそかに金塊を持ち出そうとする。しかし、金塊が重過ぎて無理そうだ、といったんは絶望する。そのとき、滑車を使い、死体2人分の重みを利用すれば金塊を屋敷の外に運び出せることに気づいたのだ。
もとよりこの2人は死んでくれたほうがいい畜生だと思ってたので、物干し場で青酸カリを使って2人を殺害したのである。
「魔手」(昭和27年8月ラッキー)
相思相愛の男女の仲を乱す美男俳優。
俳優が伸ばした魔の手は、男女の仲にだけではなかった。
[小見出し]
山の道
怒り
林の中の秘密
真相
[登場人物]
今井美和子 雑誌社勤務
青木玉枝 温泉旅館水明館の一人娘
浮島哲夫 映画俳優
鈴木良雄 小学校教員、玉枝と相思相愛
鈴木と青木は相思相愛だったが、浮島が来てから、青木は態度が急変、東京に出て女優になると言い出した。
それを聞いた美和子は思う。
「なるほど、彼は、今を時めく人気俳優にちがいなく、でもいくら人気があるにしても、このへんぴな山の中へ、だしぬけにやってきて、静かに清らかに、長く続いてきている部落の平和を、かきみだすようなことをやってもらいたくない。事情にもよるが、これはいちおう、抗議せねばならぬことだと思うのであった」
美和子は浮島をさがして林の中に入り、そこで埋められた血染めのズボンを発見する。
びっくりしている美和子に浮島が声をかける。
「ねえさん、見てきたね」
実は男は浮島に似た別人。殺人強盗のあと、ひなびた温泉地に身を隠していたのだ。青木玉枝をたぶらかして、温泉旅館でも盗みを働こうとしていた。
「洋裁師殺し」(昭和28年11月講談倶楽部)
殺害現場で発見された白い粉の正体は?
レッドヘリング満載
[小見出し]
間宮洋裁店
現場の模様
四人の容疑者
きめ手
犯人逮捕
[登場人物]
間宮伊津子 洋裁店女主人
中野たき(52才)下働き
田内幸子(19才)住み込みの見習い
石本由美子(23才)通いの洋裁
寒川澄子(25才)通いの洋裁
竹井洋子(34才)戦争未亡人、洋裁の技術あり
早川一夫 絵書き
寒川三造 乾物屋、澄子の叔父
山岸義男 運送。詐欺の前科
村田重吉 瓦屋職人
宮沢圭子 早川と同棲
ポイントは、現場近くにこぼれていた白い粉末。
怪しいのは乾物屋の寒川三造、自分で特別に工夫して作った歯磨き粉を使っている早川一夫、どこでもはばかりなくコンパクトで顔の化粧をなおす竹井洋子などいたが、白い粉の成分が玄米と牡蠣の殻を砕いたものと鑑定され、小鳥の餌と判明する。
犯人は小鳥好きの山岸。
山岸は戦中に人を殺して家の床下に埋めて隠していた。戦後、山岸は詐欺罪で服役、出所してきたときには家が間宮に買い取られていたため、手をつけることができなかった。なんとかしようとしたが、逆に疑われてしまう。
「殺せば、いちおう秘密を保つことができる。また伊津子さえいなくなれば、洋裁店もだめになるだろうから、その時に有利な条件で、この家を私が買い取ることもできる」
これが動機。
「血潮の数字」(昭和14年3月現代)
一種のダイイングメッセージ物。
名も知らぬ女を告発するために、宝石鑑定士が残したメッセージはどんなものだったのか?
[小見出し]
あてつけ自殺
夢の一夜
カマキリ退治
死せる支配人
記号は語る
[登場人物]
丹野恒吉 失職中、宝石鑑定士
豊田清助 カマキリ支配人
女 丹野にタイアップを申し出る
覆面の男 謎
丹野は自分を馘首したカマキリ支配人の家の前であてつけ自殺してやろうとしたいた。
すると、見知らぬ美女から声をかけられる。
女は丹野を自分の家に連れていき、酒さかなで歓待、共同戦線をはって、カマキリ支配人をやっつけようともちかける。
女が言うには、カマキリ支配人は店内の宝石を模造品にすりかえて、本物を勝手に売り捌いて私腹を肥やしているというのだ。それがばれるのをおそれて丹野をくびにしたのだと。
ところが、カマキリ支配人は既に殺されていた。
宝石を模造品にかえていたのは支配人ではなく、店員だったのだ。
その店員と妻が丹野に罪を着せて、丹野も殺して相打ちを偽装する。
丹野が死の直前に書き残したのは「Pt.1.10C」
それは、女がはめていた指輪、プラチナ台1、1カラットのダイヤをあらわしていたのだ。
「星史朗懺悔録ー俺は狂人ではないー」(昭和3年1月新青年)
ここは星瘋癲病院。
神を撃退せんと天の一角をにらみつける者や、妙な格好の金網をかぶって宇宙に充満する悪性電子から脳髄を守ろうとする者などが収容されている。
星史朗は兄の院長にとじこめられている。
史朗は妻のせい子を殺したと申し出たのだが、狂人のたわごととして、入院させられたのだ。
その顛末は。
[登場人物]
星史朗 瘋癲病院の患者
星せい子 その妻
住谷健作 史朗の従兄弟。
うど長 隠亡
石巻昌泰 若僧
恵真 尼。昌泰の妹
俵巌 弁護士。名探偵役だが、史朗によると「一種の狂人であり、つまらぬことまで意味あり気に見る妙なくせをもつ」
史朗は妻、せい子が生理的に大嫌いだった。
せい子は貞淑でまめまめしいのだが、史朗の身支度から何から何まで彼女の手でなされなければ狂乱するほどで、耐えられなくなっていたのだ。
そんなおり、伯母が死んだと聞き、チャンスだと思う。
伯母の家では土葬をする。妻を殺して墓穴に埋めておけば、その上に伯母の棺桶が埋められ、永久に死体を隠すことができるのだ。
史朗はそのとおり実行するが、俵弁護士に墓穴への雪の積もり方がおかしいことを見抜かれ、墓穴を調べることになる。
そこに発見されたのは、女の死体。
ただし、せい子ではなく、若い尼の死体だった。
実は、若僧石巻昌泰が、妹の恵真を殺したのである。恵真には癩病の兆候が出ており、しかも妊娠までしていた。自殺を考えているが、こんな体で死んでいたことを知られたくないとの思いがあった。死体を永遠に隠す方法として史朗と同じことを思いついたが、先にせい子の死体があり、墓穴が浅くなりすぎるので、死体を取り替え、せい子の死体は別に処分を考えていたのだ。
登場人物とか小見出しの後には、完全ネタバレのあらすじを書いてみたので、読む予定の人は、要注意。
「緑の紳士」(昭和27年9月28日〜2月東京新聞)
広い敷地に日本風、洋風、支那風、あるいは中世期風に、また近代風に、七つの棟に分かれた別荘「七星閣」。そこに集った代議士、重役、美貌の歌手、そして「緑の紳士」。
湖上のボートに死体が発見され、10万カラットのダイヤ紛失事件がさらに絡んでいく。
[小見出し]
路上の事件
のぞき窓
宴席
野中のバラ
歌と剣
奇妙な約束
前科者
ダイヤ紛失事件
重いカバン
S村の怪人
恐怖の夜
追跡
壮介の逮捕
仕合せの日
[登場人物]
宮内壮介 実業家
豊田仙吉 代議士
岸根信三 会社重役
小平啓一郎 重役
石川夫人
星島美枝子 歌手
磯村芳子 元女優、待合の女将
沼井市助 七星閣支配人
泉沢浩太郎 緑の紳士
泉沢達哉 陸軍少将。浩太郎の父
黒田守 前科者
緑色のネクタイが印象的な青年、泉沢浩太郎。
彼は宮内壮介に会うため、宮内の別荘「七星閣」に向かう岸根、小平、豊田、石川の車をとめて同乗する。
七星閣では宴席が用意されていた。ゲストには歌手の星島美枝子もいる。言わば押し掛けた形の緑の紳士は、宮内に貴重な国賓扱いされる。泉沢浩太郎の父親、達哉少将が監督していた中央物資活用協会の事務長をしていたのが、宮内なのだ。
宮内は石川夫人を新発足する会社の社長にしたい、と持ちかける。ただし、宮内の親戚、黒田守のことはいっさい記憶から消すように条件をつけられていた。
泉沢と星島は湖で刺殺死体を発見、死体の身元は黒田守という前科者であった。
黒田は泉沢少将の副官であり、泉沢少将の自決のいきさつをよく知っているはずの人物であった。また、中央物資活用協会で買い上げたダイヤが10万カラットほど行方がわからなくなっている事件についても特別な関係をもっている人物であった。
沼井支配人は宮内と石川夫人の密談を聞いており、それをもとに石川夫人を脅迫する。
ほどなくして、沼井支配人は殺される。
犯人は宮内壮介。
黒田は宮内の旧悪について脅迫しており、殺害された。また、泉沢少将と閣下の奥さんも殺して自決に見せかけていた。
宮内の旧悪は、ダイヤ紛失にかかわることであろうと思われるが、未解決。
一方、緑の紳士、浩太郎はダイヤより美しい宝をみつけていた。星島美枝子である。
「狂女」(昭和22年10月サンデー増刊)
唐紙にはりつけてある風景画がさかさまになっている。
押し入れの棚には枯草が敷き詰めてある。
その奥に、顔も手も足も小刀や鋏でむざんに斬りきざまれた人形が寝かしてある。
狂った女の部屋だ。
この狂女が少女をむざんに殺した犯人なのだろうか。
[小見出し]
傷だらけの人形
少女の死体
血染めのモンペ
氷解
[登場人物]
井山道子 狂女、産婆
多田平吉郎 井山を世話している実業家
多田幸子 夫人
永見義次 文房具店主人
永見雪子 義次の次女、12才
大場警部補
須藤刑事
12才の少女、永見雪子の血みどろの死体が発見された。
大荷物を背負った、左右色の違うモンペ姿の女が目撃されており、調べてみると、そんなモンペをはいていたのは井山道子と判明した。
井山は戦前は産婆だったが、夫の戦死で気が狂っていた。
寝るときは押し入れに枯草を敷いて寝ており、いつも人形を持っていてメスや鋏でズタズタに切ってニタニタ笑っているのだ。
この狂った女の仕業か、とも思われたが、事態はかわる。
多田義次が庭でたき火をしていたことがわかり、その灰から、繊維品を燃やしたことがわかったのである。
モンペは井山のものだから井山のところに戻したが、死体を背負って歩いていたのなら、モンペ以外の衣服にはもっと血がついていたはずであり、その衣服は井山のものではなかったから、焼却するしかなかったのではないか、と。
はたして、犯人は多田夫妻だった。
多田義次は偽札を製造しており、うっかり表だけ印刷した紙幣を雪子に渡してしまった。手で口をふさいだところ、窒息して死んでしまったのだ。
多田夫妻は犯行を厄介者の井山のしわざに見せかけようとしたのだった。
「滑車妖異」(昭和27年1月講談倶楽部増刊)
犯人はなぜ死体を苦労して滑車で吊り上げていたのか。
[登場人物]
杉浦良平 老探偵
影山兵六 助手
宇治原警部
田所一作 陸軍中将
田所千鶴子 一作の姪
田所杉江 千鶴子の妹
島内圭二 千鶴子の内縁の夫、死体
矢川大助 同居人、死体
谷野音三 青田組人夫、死体発見者
島内、矢川2人の死体が釣り下げられた状態で発見された。
工事現場で使用していた滑車を使ったようだ。
杉浦探偵は言う。
「滑車はかならずしも、物の目方を軽くするものではない。滑車は定滑車と動滑車との2種類がある。動滑車だと支力が重力の半分ですむから、つまり、目方が半分に減ったことになるが、定滑車というものは、単に力の方向を変えることだけに役立つもので、支力と重力とは同じなのだ。そうして、あのけやきの木にとりつけた滑車は、その力には増減のない定滑車だぞ」
犯人はなぜ骨を追って死体を吊るし上げる必要があったのか。
土蔵で暮らしていた千鶴子、島内、矢川の関係もおぞましい。
千鶴子は島内を愛していたが矢川との結婚をせまられ、逃げ出してしまう。父親はカンカンで、そんなわけで島内と千鶴子は正式に結婚せず、内縁のままなのだ。ところが、戦争に島内が駆り出され、生死が不明になってしまう。いちはやく帰国していた矢川が千鶴子と同棲。そこに島内が帰ってきて、3人で住むようになったのだ。単なる共同生活ではない。
妹の杉江によると、
「妹の私にも話せないようなことばかり、毎日毎夜あの二人から、強いられているのだといっていました。島内さんなり矢川さんなりが、一人きりでいる時は、姉に対して手出しするようなことが絶対になく、二人の顔がいっしょ揃うと、さて姉を、さんざんに責めさいなむということでしたの」
杉浦探偵の頭には「一人の美女を中心にして、その肉体にたけり狂う二匹の野獣の情痴図絵」が描かれる。
さて、犯人は妹の杉江であった。
杉江は叔父が終戦のドサクサで持ってきた金塊が隠されていることを知っていた。それとも知らず、姉たちが土蔵や屋敷を売却しようとしているのを知り、ひそかに金塊を持ち出そうとする。しかし、金塊が重過ぎて無理そうだ、といったんは絶望する。そのとき、滑車を使い、死体2人分の重みを利用すれば金塊を屋敷の外に運び出せることに気づいたのだ。
もとよりこの2人は死んでくれたほうがいい畜生だと思ってたので、物干し場で青酸カリを使って2人を殺害したのである。
「魔手」(昭和27年8月ラッキー)
相思相愛の男女の仲を乱す美男俳優。
俳優が伸ばした魔の手は、男女の仲にだけではなかった。
[小見出し]
山の道
怒り
林の中の秘密
真相
[登場人物]
今井美和子 雑誌社勤務
青木玉枝 温泉旅館水明館の一人娘
浮島哲夫 映画俳優
鈴木良雄 小学校教員、玉枝と相思相愛
鈴木と青木は相思相愛だったが、浮島が来てから、青木は態度が急変、東京に出て女優になると言い出した。
それを聞いた美和子は思う。
「なるほど、彼は、今を時めく人気俳優にちがいなく、でもいくら人気があるにしても、このへんぴな山の中へ、だしぬけにやってきて、静かに清らかに、長く続いてきている部落の平和を、かきみだすようなことをやってもらいたくない。事情にもよるが、これはいちおう、抗議せねばならぬことだと思うのであった」
美和子は浮島をさがして林の中に入り、そこで埋められた血染めのズボンを発見する。
びっくりしている美和子に浮島が声をかける。
「ねえさん、見てきたね」
実は男は浮島に似た別人。殺人強盗のあと、ひなびた温泉地に身を隠していたのだ。青木玉枝をたぶらかして、温泉旅館でも盗みを働こうとしていた。
「洋裁師殺し」(昭和28年11月講談倶楽部)
殺害現場で発見された白い粉の正体は?
レッドヘリング満載
[小見出し]
間宮洋裁店
現場の模様
四人の容疑者
きめ手
犯人逮捕
[登場人物]
間宮伊津子 洋裁店女主人
中野たき(52才)下働き
田内幸子(19才)住み込みの見習い
石本由美子(23才)通いの洋裁
寒川澄子(25才)通いの洋裁
竹井洋子(34才)戦争未亡人、洋裁の技術あり
早川一夫 絵書き
寒川三造 乾物屋、澄子の叔父
山岸義男 運送。詐欺の前科
村田重吉 瓦屋職人
宮沢圭子 早川と同棲
ポイントは、現場近くにこぼれていた白い粉末。
怪しいのは乾物屋の寒川三造、自分で特別に工夫して作った歯磨き粉を使っている早川一夫、どこでもはばかりなくコンパクトで顔の化粧をなおす竹井洋子などいたが、白い粉の成分が玄米と牡蠣の殻を砕いたものと鑑定され、小鳥の餌と判明する。
犯人は小鳥好きの山岸。
山岸は戦中に人を殺して家の床下に埋めて隠していた。戦後、山岸は詐欺罪で服役、出所してきたときには家が間宮に買い取られていたため、手をつけることができなかった。なんとかしようとしたが、逆に疑われてしまう。
「殺せば、いちおう秘密を保つことができる。また伊津子さえいなくなれば、洋裁店もだめになるだろうから、その時に有利な条件で、この家を私が買い取ることもできる」
これが動機。
「血潮の数字」(昭和14年3月現代)
一種のダイイングメッセージ物。
名も知らぬ女を告発するために、宝石鑑定士が残したメッセージはどんなものだったのか?
[小見出し]
あてつけ自殺
夢の一夜
カマキリ退治
死せる支配人
記号は語る
[登場人物]
丹野恒吉 失職中、宝石鑑定士
豊田清助 カマキリ支配人
女 丹野にタイアップを申し出る
覆面の男 謎
丹野は自分を馘首したカマキリ支配人の家の前であてつけ自殺してやろうとしたいた。
すると、見知らぬ美女から声をかけられる。
女は丹野を自分の家に連れていき、酒さかなで歓待、共同戦線をはって、カマキリ支配人をやっつけようともちかける。
女が言うには、カマキリ支配人は店内の宝石を模造品にすりかえて、本物を勝手に売り捌いて私腹を肥やしているというのだ。それがばれるのをおそれて丹野をくびにしたのだと。
ところが、カマキリ支配人は既に殺されていた。
宝石を模造品にかえていたのは支配人ではなく、店員だったのだ。
その店員と妻が丹野に罪を着せて、丹野も殺して相打ちを偽装する。
丹野が死の直前に書き残したのは「Pt.1.10C」
それは、女がはめていた指輪、プラチナ台1、1カラットのダイヤをあらわしていたのだ。
「星史朗懺悔録ー俺は狂人ではないー」(昭和3年1月新青年)
ここは星瘋癲病院。
神を撃退せんと天の一角をにらみつける者や、妙な格好の金網をかぶって宇宙に充満する悪性電子から脳髄を守ろうとする者などが収容されている。
星史朗は兄の院長にとじこめられている。
史朗は妻のせい子を殺したと申し出たのだが、狂人のたわごととして、入院させられたのだ。
その顛末は。
[登場人物]
星史朗 瘋癲病院の患者
星せい子 その妻
住谷健作 史朗の従兄弟。
うど長 隠亡
石巻昌泰 若僧
恵真 尼。昌泰の妹
俵巌 弁護士。名探偵役だが、史朗によると「一種の狂人であり、つまらぬことまで意味あり気に見る妙なくせをもつ」
史朗は妻、せい子が生理的に大嫌いだった。
せい子は貞淑でまめまめしいのだが、史朗の身支度から何から何まで彼女の手でなされなければ狂乱するほどで、耐えられなくなっていたのだ。
そんなおり、伯母が死んだと聞き、チャンスだと思う。
伯母の家では土葬をする。妻を殺して墓穴に埋めておけば、その上に伯母の棺桶が埋められ、永久に死体を隠すことができるのだ。
史朗はそのとおり実行するが、俵弁護士に墓穴への雪の積もり方がおかしいことを見抜かれ、墓穴を調べることになる。
そこに発見されたのは、女の死体。
ただし、せい子ではなく、若い尼の死体だった。
実は、若僧石巻昌泰が、妹の恵真を殺したのである。恵真には癩病の兆候が出ており、しかも妊娠までしていた。自殺を考えているが、こんな体で死んでいたことを知られたくないとの思いがあった。死体を永遠に隠す方法として史朗と同じことを思いついたが、先にせい子の死体があり、墓穴が浅くなりすぎるので、死体を取り替え、せい子の死体は別に処分を考えていたのだ。
ミルキーハット@アリオ八尾
2009年1月11日 アイドルアリオ八尾でミルキーハット単独ライブ。
午後3時の回
1.ハットダンス
2.By the way
3.We love sweets
4.マイレボリューション
5.ダンデライオン
6.花は桜君は美し(サヤカ)
7.Before you said goodbye to me(ユイ)
8.かぶとむし(レナ)
9.Hi-five(トモミ)
10.グレープフルーツ
午後5時の回
1.ハットダンス
2.By the way
3.マイレボリューション
4.歩いていこう
5..花は桜君は美し(サヤカ)
6.Before you said goodbye to me(ユイ)
7.かぶとむし(レナ)
8.Hi-five(トモミ)
9.大航海ランドスケープ
10.グレープフルーツ
2回目のライブのあとでは、限定先着10名で撮りたてのポスター販売があった。
今のミルキーハットで光っているのは、何といってもトモミで、歌といいダンスといいプロポーションといいルックスといい、絶好調。
帰宅途中、NHK-FMで「現代の音楽」
西村 朗
− 四人組とその仲間たち 室内楽コンサート −(2)
「時の層3」 金子仁美・作曲
(13分43秒)
(ピアノ)菊地 裕介
「ルクスソレムニス」 新実徳英・作曲
(19分35秒)
(バイオリン)藤原 浜雄
(チェロ)岩崎 洸
(ピアノ)若林 顕
〜東京 津田ホールで収録〜
<2008/12/5>
どちらの曲も前半の何分か聞き逃す。電車に乗ってたので、うまく電波が入らなかったのだ。
どっちも聞きごたえがあり、満足した。
読んだ漫画は秋好馨の『轟先生』
若木書房刊の第2巻、第4巻、第8巻
文陽社刊の第5巻、第6巻
若木書房版には作者からの「ごあいさつ」が巻頭にあり、「轟先生」が昭和16年から雑誌「漫画」に連載されたのが最初で、戦後24年末から読売新聞に連載を開始したことが書かれている。ただ、初期のものは絵に不満があるとかで、7〜8年前の中から面白いと思うものだけを選り抜いて刊行した、としてある。奥付が昭和42年だから、昭和34年くらいからの作品が載っている、ということなのだろうか。
若木書房刊第8巻には大鵬関の相撲をテレビ観戦するシーンが出て来る。大鵬が幕内入りしたのが昭和35年、横綱になったのが翌36年だから、その頃に描かれたものか。(大鵬引退は昭和46年)
文陽社刊は各巻に作者からの言葉が掲載されている。
第5集は昭和28年、第6集は昭和29年、30年の世相をあらわしているそうな。
午後3時の回
1.ハットダンス
2.By the way
3.We love sweets
4.マイレボリューション
5.ダンデライオン
6.花は桜君は美し(サヤカ)
7.Before you said goodbye to me(ユイ)
8.かぶとむし(レナ)
9.Hi-five(トモミ)
10.グレープフルーツ
午後5時の回
1.ハットダンス
2.By the way
3.マイレボリューション
4.歩いていこう
5..花は桜君は美し(サヤカ)
6.Before you said goodbye to me(ユイ)
7.かぶとむし(レナ)
8.Hi-five(トモミ)
9.大航海ランドスケープ
10.グレープフルーツ
2回目のライブのあとでは、限定先着10名で撮りたてのポスター販売があった。
今のミルキーハットで光っているのは、何といってもトモミで、歌といいダンスといいプロポーションといいルックスといい、絶好調。
帰宅途中、NHK-FMで「現代の音楽」
西村 朗
− 四人組とその仲間たち 室内楽コンサート −(2)
「時の層3」 金子仁美・作曲
(13分43秒)
(ピアノ)菊地 裕介
「ルクスソレムニス」 新実徳英・作曲
(19分35秒)
(バイオリン)藤原 浜雄
(チェロ)岩崎 洸
(ピアノ)若林 顕
〜東京 津田ホールで収録〜
<2008/12/5>
どちらの曲も前半の何分か聞き逃す。電車に乗ってたので、うまく電波が入らなかったのだ。
どっちも聞きごたえがあり、満足した。
読んだ漫画は秋好馨の『轟先生』
若木書房刊の第2巻、第4巻、第8巻
文陽社刊の第5巻、第6巻
若木書房版には作者からの「ごあいさつ」が巻頭にあり、「轟先生」が昭和16年から雑誌「漫画」に連載されたのが最初で、戦後24年末から読売新聞に連載を開始したことが書かれている。ただ、初期のものは絵に不満があるとかで、7〜8年前の中から面白いと思うものだけを選り抜いて刊行した、としてある。奥付が昭和42年だから、昭和34年くらいからの作品が載っている、ということなのだろうか。
若木書房刊第8巻には大鵬関の相撲をテレビ観戦するシーンが出て来る。大鵬が幕内入りしたのが昭和35年、横綱になったのが翌36年だから、その頃に描かれたものか。(大鵬引退は昭和46年)
文陽社刊は各巻に作者からの言葉が掲載されている。
第5集は昭和28年、第6集は昭和29年、30年の世相をあらわしているそうな。
『毒環』
大下宇陀児戦前の通俗長編探偵小説。
巡査は佩剣、電話は全戸に普及してなくて、家には手水鉢がある。まあ、電話や手水鉢は僕の子供時代でも事情はあまり変わらないけど。
次から次へと山場が訪れる、まるで紙芝居のような小説。大河探偵小説、と言ってもいいかもしれない。大長編の伝奇読んでると、こんな感覚にとらわれることがある。
あまりにも展開がすごすぎて、漫然と読んでいると、とうてい1本の長編を読んでいるという統一感が得られない。最初の方の出来事を、100ページ後では思い出しもしない、なんてことがある。以前読んだ『髑髏島』もその典型みたいな小説だったが、とりあえず、毎回手をかえ品をかえ、読者の興味をひくシチュエーションをもってくるあたり、たいしたエンタテインメントだ。その稚拙にも見える小説作法が、最近のライトノベルやメフィスト、ファウスト系のミステリーに通じるものがあるように思えてきた。やはり、大下宇陀児は今こそ読まれねばならないのだ。
と、いうわけで、読後すぐに忘れてしまいそうなので、各章ごとに簡単なあらすじをつけて、後で思い出すスイッチにすることにした。未読で、今後読む可能性のある人は、ご退散。
[登場人物]
島崎麻耶子 肩に痣のある女性
島崎重助 麻耶子の父
島崎時江 麻耶子の母
沢村金十郎 若手俳優
きみや 女中
樫田友吉 運転手。猫好き。
権堂作太 カフェーマドロスの主人
黒瀬義雄 島崎重助の秘密を知って脅迫?
黒瀬精一郎 義雄の息子
宇治原警部
来栖刑事
土江捜査係長
藤沼時哉 弁護士
藤沼ルリ子 覆面
甘粕秀夫 運転手(=ルリ子)
山城礼太郎 支配人
杉浦良平 カリガリー博士似の歯科医
影山 その書生
トマス・ブリスベーン 元牧師
坂巻雷蔵 元曲馬団坂巻組の団長。市会議員
三田村栄作 今は別名
乙丸 お雛妓
豆千代 お雛妓
石倉仙助 沢村金十郎の父
芹沢敏子 アパート桜ハウス。猫好き。
犬山平六 ルンペン、痩犬
香坂 すごい男
宇佐美老人
いろんなことが起こるが、中心の事件は、島崎重助殺害。
名探偵役もいろいろ出てくるが、中心は杉浦良平と書生の影山のコンビ。
杉浦は若い頃に大阪の警察にいたことがあり、「道頓堀の取換首事件」「築港で起こった一家五人消失事件」などを解決している。
「寄生蟲」
島崎麻耶子は自宅で入浴していた。
「皮膚は、美しくて健康で、手も足も胸のふくらみも、みんな恰好がよくてしなやかだった。自分で見ていても、何かの高貴な宝物のような気がし、惚れぼれしてしまうくらいだった。
(あたしは、若くて、こんなにも美しい処女なんだ!)」
はい、いかにも狙われるヒロイン登場ですね。
何者かが彼女の入浴を覗いている!ゾーっとする麻耶子。
脱衣所の呼び鈴で駆け付けた女中きみや、若手俳優沢村金十郎が、家の周囲をさがすが、怪しい人影はもうどこにもなかった。
麻耶子は金十郎に踊りを習っているのだが、父の重助は、金十郎のことを好いていないようで、「寄生虫」呼ばわりしている。
「五枚の葉書」
島崎重助は黒瀬義雄という男に脅迫されている。
方法と場所を指定して送られてきた葉書と、何も書かれていない葉書が届く。その真っ白な葉書の枚数が、1枚につき千円という要求額をあらわしているのだ。今回は真っ白葉書が五枚届き、5千円を駅の小荷物に預けて受け渡しすることになっている。
白い葉書を何枚も送るくらいなら、数字を書いた葉書を1枚送れば枚数も少なくて済むようにも思うが。
重助とグルの権堂作太は、カフェーマドロスの主人。2人で駅を見張ることにする。
ところが、この作太、どうやら黒瀬の名を騙って重助から金を巻き上げているようである。
作太が重助に書いた脅迫手紙の下書きが、ひょんなことから運転手の樫田の手にわたる。丸めて捨ててあった紙屑を、樫田運転手の猫がじゃれて遊び、猫と一緒に樫田のもとに渡ったのだ。
「新宿の横顔」
駅に小荷物として預けた5千円を先回りして手に入れようと新宿駅に行った作太は、ばったりと本物の黒瀬義雄にでくわす。黒瀬と重助がはちあわせになったら、黒瀬が脅迫などしていないことが露見してしまう。作太は黒瀬を食事に誘い、人目のつかないところまで連れていき、食事が終わったら無理やりのようにタクシーに乗せて帰らせてしまう。
やれやれ、やっとジャマは去った、と作太が戻ると、そこにはなんと重助の死体があった。
あわてて逃げ出す作太は、覆面をした女性と紳士にぶつかり、その際にポケットにあった黒瀬の認印と、黒瀬に書いてもらった住所のメモを落してしまう。
覆面って、どんなものかというと。
「女は、まだ若く美しく、しかし、その顔へ、額から鼻の上まで隠れるように、仮面舞踏会の貴婦人の如く、黒いマスクをかけた女であった」
謎めいた女が登場した!
「霜の空地」
死体は発見され、警察出動。
駅留の小荷物は翌朝早々に受け取られていた。
島崎重助の死体は土管(どかん)の中で発見された。これはタイトルの「毒環」(どっかん)のことなのか?(違う)
「訊問調書」
被害者重助の経歴。幼い頃にサーカス団に身を売られた。結婚後、南洋でかせいで数年後に帰国。
覆面の女(藤沼ルリ子)と紳士(藤沼時哉弁護士)が交番にあずけておいた認印と住所のメモ書きから、黒瀬義雄の居所が判明。警察は事情聴取のため、黒瀬宅に向かう。
ところが、その3時間前!
「狸と痩犬と羊」
作太は島崎重助の死が公になる前に黒瀬を口止めしよう、とノープランで会いに行く。
すったもんだのあげく、黒瀬の首をしめて殺してしまう。
死の間際に、黒瀬は指を噛んで血の書き込みをする。
「波紋は踊る」
ここで藤沼弁護士が詳しく紹介される。
「彼は、弁護士であるけれども、今までに一度も訴訟事件を引き受けたことがなく、従って、一度も法廷へ出たことがなかった。それは彼が、生まれついての呑気者で面倒臭がり屋で、その上、親譲りの財産をかなり沢山にもっていたせいである。競馬とゴルフと旅行とスキーと登山と、そのほか年がら年中、スポーツと遊ぶことしかやっていない。よくいえば風変わりだし、悪くいえば、極端に仕事嫌いな弁護士さんであった」
名探偵としてのキャラクターをそなえているなあ。現に、探偵役としてこの後活躍することになる。なぜか僕の脳裏では、この藤沼弁護士役はオードリーの春日がつとめていた。
また、藤沼ルリ子(覆面の女)は、
「もと赤坂辺で芸妓だったともいうし、いや、ダンサーだともいわれている」
やはり、謎だ。
藤沼弁護士のもとに行方不明中(実は死んでる)の黒瀬義雄の息子、精一郎がおとずれる。弁護士は黒瀬義雄にかけられた容疑を晴らし、事件を解決しよう、と決意する。
「美少年登場」
島崎邸の麻耶子の部屋を覗く不審者をルリ子が発見。
不審者は取り逃がすが、家人はきっと樫田運転手にちがいない、と決めつけている。風呂覗きも樫田だとされていて、島崎家をお払い箱になっていた。
ルリ子は島崎邸にもぐりこんで調べるため、弟を運転手として雇ってくれと交渉し、実はルリ子本人が男装し、美少年の運転手、甘粕として、雇われる。
「運転手日記」
甘粕少年=ルリ子は見ていた!
あっ、ルリ子の覆面のことだが、ちょっと火傷して覆面してただけで、今ではすっかりきれいに治り、普通に素顔をさらしているのである。な〜んだ!
1月28日 島崎未亡人と金十郎の仲はあやしい。
1月29日 女だとばれそうになってひやひやした。
1月30日 杉浦良平登場
「歯科医にしては、何だか変な人物である。私は襟首の辺が、ゾーッとしてしまった。金十郎だの樫田だの、山城支配人だの杉浦医師だの、どれもこれも怪しく見える。この家は、いろんな魑魅魍魎に取り囲まれている。誰が一番悪い奴なのか、私には判らなくなって来た」
「杉浦氏は太い鼈甲縁の眼鏡をかけ、八字鬚をピンと生やし、帰る時に気附いたのだが、モーニングの上へ、古風な袖附二重廻しを着ている。その姿が、どう見たって、カリガリー博士なのだ。怪しげな瘋癲病院の院長といった恰好である。身体附きがどことなしに歪んでいる。首から上だけ痩せていて、その細い皺の寄った首の下に、ボテボテ肥った胴体と、ぶら下がったような二本の腕が食附いている。フラフラと表門を出て行く姿が、さながら外国の魔法使いだった。カリガリー博士と違うところは、ただ一つ、博士が確か白髪頭だったと思うのに、杉浦氏は、濃い黒い髪の毛を、ベッタリとうしろへ撫でつけていることだった。それがまた、いやらしくヌメヌメした感じだった」
えらい言われようだな!
1月31日 麻耶子が夜中こっそりと書斎から短刀を取り出し、脱脂綿で拭いていた。
麻耶子は法医学教授をたずねて帝大に行く。それを尾行していたのか、元牧師のトマス・ブリスベーンがこそこそと隠れて見ている。
「深まる謎」
事件発生当時大阪にいたというアリバイがしっかりしている山城支配人。
麻耶子の入浴や部屋を覗いてよこしまな思いを抱く樫田と密会している。
どうやら、樫田は山城の何か重大な秘密を握っているようである。
「怪外人」
藤沼弁護士は考える。
「全く、予想外にこんぐらかった事件だ」「最初に怪しいと思ったのが、俳優の金十郎、それから運転手の樫田だ。次に、未亡人の態度が曖昧になり、かと思うと、山城支配人が樫田と連絡をとっているし、そこへ杉浦良平が割り込んで来ている。−金十郎の父親石倉仙助も、待合の亭主などやっていて、どうせ碌な男ではあるまいし、この分だと、あとからまだどんな奴が飛び出して来るかもしれない」
いや、まったく。
麻耶子が鑑定を依頼した脱脂綿から血の反応はなかった。
ブリスベーンは向島の如月荘で厄介になっていた。如月荘は金十郎の父、仙助がやっている待合である。
藤沼弁護士はブリスベーンを尾行するが、東京がもつ最大の迷宮、私娼窟の玉の井でまかれてしまい、何者かに刺される。
「釧路便り」
さて、島崎重助の過去を調べるため北海道にとんだ黒瀬精一郎だが。
精一郎は曲馬団坂巻組にとらえられ、廃屋にとじこめられていた。
精一郎に嫌疑をかけて尾行していた来栖刑事もいちはやく囚われの身になっていた。
なんとかいましめを解いて2人で脱走、坂巻組と警察との大立ち回り。
つかまった坂巻から、サーカス団時代の供述が得られた。
坂巻と三田村は2人がかりで重助を殺していた。重助の死体を隠し、三田村が重助になりかわった。つまり、殺された島崎重助とは、その正体が三田村だったのだ。
「マドロスの友情」
作太と樫田。狼と狐の友情。悪人同士で共同戦線をはる。
この2人を尾行する杉浦、影山。
甘粕(=ルリ子)にコンタクトをとる杉浦。藤沼弁護士の声色を使って。
樫田の居所が判明。アパアト桜ハウス。
「灰色の封筒」
樫田の手紙で小石川の桜ハウスにおびきだされる麻耶子。
麻耶子を追って謎の桜ハウスに向かう甘粕。
ここで甘粕(=ルリ子)は作太とはち合わせ!
ルリ子はかつて、覆面女のときに重助殺害現場近くで作太とぶつかっているのだ。
「死の濃霧」
樫田は麻耶子に衝撃の事実を告げる。
麻耶子は島崎重助の子でもなければ、島崎未亡人の子でもない、というのだ。
そのなによりの証拠が、麻耶子の肩にある花びらのような痣!悪魔の紋章か!
麻耶子は幼い頃、島崎未亡人を実の母親だと思い込まされた。重助が南洋にいるあいだ、里子にやられていた、そのときの里親こそが、実の母だったのだ。樫田は、麻耶子の実母の居所を知っている、という。
樫田は続いて、重助殺しの犯人を告げようとした、そのとき、カーテンから短刀が!
兇刃に倒れて、樫田死亡。
「悪鬼の跳梁」
桜ハウス前でもみあいになる甘粕と作太。
そこに山城支配人、杉浦、影山登場し、作太逃亡。
ルリ子を女と見抜いていた山城支配人は、ルリ子に迫る。
一難去ってまた一難!
影山が警察のふりをして、山城を追い払う。
一方、如月荘では、仙助が息子の金十郎にハッパをかけていた。
麻耶子との結婚を進めたいが、麻耶子は樫田の誘いでノコノコ出かけたりしている。大丈夫か、と。それをこっそり影で聞いているブリスベーン。
仙助は樫田と麻耶子のいる桜ハウスに行ってこい、と金十郎をせっつくが、金十郎はその気なし。仙助は島崎未亡人に電話して、島崎未亡人を桜ハウスに駆け付けさせようとする。
そして、樫田の死体発見騒動。
供述によると、どうやら桜ハウスの管理人、芹沢が麻耶子の実母のようだ。
「檻の中の知人」
樫田の死体を発見して桜ハウスから逃げ出した作太。あえなく警察にひっぱられ、事情聴取。作太はそこで、かつて黒瀬老人をおびきよせるのに使ったルンペンと再会。
「意外な邂逅」
カルモチン飲んで島崎未亡人、自殺をはかる。
杉浦良平、警察にのりこんで、警視総監と対面。2人は友達。
「作太破滅」
ルンペン(痩犬)とルリ子の供述で作太ピンチ。
黒瀬の死体はずっと後に発見されるが、血で書いたダイイングメッセージはそのものズバリ、「権堂作太」であった。
「暗雲と光明」
島崎未亡人、うわ言で「ああ、あの土人の刀を!危ない。取り戻して−取り戻して」と言い、息をひきとる。
南洋の土人の短刀の迷信が語られる。
土人の短刀が1つなくなっているのだ。
杉浦は、犯人は山城支配人だ、と断言する。
「真犯人」
旭湯に潜伏していた山城支配人が拉致される。
香坂という男に、警察で何を吐いた、と拷問される。
樫田は香坂の弱味も握っており、樫田と山城がグルだと勘違いした香坂が、おかどちがいの拷問をしているのだ。
山城は島崎家の財産に穴をあけていたことが判明。
山城は香坂に殺されてしまうが、それは、事件の真犯人が香坂を利用して、山城を消そうとした結果であった。山城が犯人だと断言されたので、今、山城を消せば、永遠に容疑を山城に固定できるはずだ、という計算だ。
こんなふうに真犯人が動くのを予想して、杉浦は山城犯人説を断言したのである。
香坂、犯人チームと、警察チームとの銃撃戦。
まんまと逃げる犯人チーム。
「不思議な贈物」
真犯人は仙助だった。
樫田の手帖には島崎夫妻の秘密が記されていた。考えてみれば、いろんな秘密を解き明かした名探偵は樫田であり、多くの秘密を知ったがゆえに悪の道を走り、殺されることにもなったのだ。
沢村金十郎宛に、香坂から贈物が届いた。
手紙には仙助が重助を殺そうとした動機が書いてあった。金十郎を麻耶子と結婚させ、財産を自分のものにしようとしたが、重助に見破られて邪魔になったからだ、と。
贈物の内容は、手紙と、仙助の生首。香坂を利用したやりかたが気にくわなくて、制裁されたのである。
麻耶子は黒瀬精一郎とゴールイン。
大下宇陀児戦前の通俗長編探偵小説。
巡査は佩剣、電話は全戸に普及してなくて、家には手水鉢がある。まあ、電話や手水鉢は僕の子供時代でも事情はあまり変わらないけど。
次から次へと山場が訪れる、まるで紙芝居のような小説。大河探偵小説、と言ってもいいかもしれない。大長編の伝奇読んでると、こんな感覚にとらわれることがある。
あまりにも展開がすごすぎて、漫然と読んでいると、とうてい1本の長編を読んでいるという統一感が得られない。最初の方の出来事を、100ページ後では思い出しもしない、なんてことがある。以前読んだ『髑髏島』もその典型みたいな小説だったが、とりあえず、毎回手をかえ品をかえ、読者の興味をひくシチュエーションをもってくるあたり、たいしたエンタテインメントだ。その稚拙にも見える小説作法が、最近のライトノベルやメフィスト、ファウスト系のミステリーに通じるものがあるように思えてきた。やはり、大下宇陀児は今こそ読まれねばならないのだ。
と、いうわけで、読後すぐに忘れてしまいそうなので、各章ごとに簡単なあらすじをつけて、後で思い出すスイッチにすることにした。未読で、今後読む可能性のある人は、ご退散。
[登場人物]
島崎麻耶子 肩に痣のある女性
島崎重助 麻耶子の父
島崎時江 麻耶子の母
沢村金十郎 若手俳優
きみや 女中
樫田友吉 運転手。猫好き。
権堂作太 カフェーマドロスの主人
黒瀬義雄 島崎重助の秘密を知って脅迫?
黒瀬精一郎 義雄の息子
宇治原警部
来栖刑事
土江捜査係長
藤沼時哉 弁護士
藤沼ルリ子 覆面
甘粕秀夫 運転手(=ルリ子)
山城礼太郎 支配人
杉浦良平 カリガリー博士似の歯科医
影山 その書生
トマス・ブリスベーン 元牧師
坂巻雷蔵 元曲馬団坂巻組の団長。市会議員
三田村栄作 今は別名
乙丸 お雛妓
豆千代 お雛妓
石倉仙助 沢村金十郎の父
芹沢敏子 アパート桜ハウス。猫好き。
犬山平六 ルンペン、痩犬
香坂 すごい男
宇佐美老人
いろんなことが起こるが、中心の事件は、島崎重助殺害。
名探偵役もいろいろ出てくるが、中心は杉浦良平と書生の影山のコンビ。
杉浦は若い頃に大阪の警察にいたことがあり、「道頓堀の取換首事件」「築港で起こった一家五人消失事件」などを解決している。
「寄生蟲」
島崎麻耶子は自宅で入浴していた。
「皮膚は、美しくて健康で、手も足も胸のふくらみも、みんな恰好がよくてしなやかだった。自分で見ていても、何かの高貴な宝物のような気がし、惚れぼれしてしまうくらいだった。
(あたしは、若くて、こんなにも美しい処女なんだ!)」
はい、いかにも狙われるヒロイン登場ですね。
何者かが彼女の入浴を覗いている!ゾーっとする麻耶子。
脱衣所の呼び鈴で駆け付けた女中きみや、若手俳優沢村金十郎が、家の周囲をさがすが、怪しい人影はもうどこにもなかった。
麻耶子は金十郎に踊りを習っているのだが、父の重助は、金十郎のことを好いていないようで、「寄生虫」呼ばわりしている。
「五枚の葉書」
島崎重助は黒瀬義雄という男に脅迫されている。
方法と場所を指定して送られてきた葉書と、何も書かれていない葉書が届く。その真っ白な葉書の枚数が、1枚につき千円という要求額をあらわしているのだ。今回は真っ白葉書が五枚届き、5千円を駅の小荷物に預けて受け渡しすることになっている。
白い葉書を何枚も送るくらいなら、数字を書いた葉書を1枚送れば枚数も少なくて済むようにも思うが。
重助とグルの権堂作太は、カフェーマドロスの主人。2人で駅を見張ることにする。
ところが、この作太、どうやら黒瀬の名を騙って重助から金を巻き上げているようである。
作太が重助に書いた脅迫手紙の下書きが、ひょんなことから運転手の樫田の手にわたる。丸めて捨ててあった紙屑を、樫田運転手の猫がじゃれて遊び、猫と一緒に樫田のもとに渡ったのだ。
「新宿の横顔」
駅に小荷物として預けた5千円を先回りして手に入れようと新宿駅に行った作太は、ばったりと本物の黒瀬義雄にでくわす。黒瀬と重助がはちあわせになったら、黒瀬が脅迫などしていないことが露見してしまう。作太は黒瀬を食事に誘い、人目のつかないところまで連れていき、食事が終わったら無理やりのようにタクシーに乗せて帰らせてしまう。
やれやれ、やっとジャマは去った、と作太が戻ると、そこにはなんと重助の死体があった。
あわてて逃げ出す作太は、覆面をした女性と紳士にぶつかり、その際にポケットにあった黒瀬の認印と、黒瀬に書いてもらった住所のメモを落してしまう。
覆面って、どんなものかというと。
「女は、まだ若く美しく、しかし、その顔へ、額から鼻の上まで隠れるように、仮面舞踏会の貴婦人の如く、黒いマスクをかけた女であった」
謎めいた女が登場した!
「霜の空地」
死体は発見され、警察出動。
駅留の小荷物は翌朝早々に受け取られていた。
島崎重助の死体は土管(どかん)の中で発見された。これはタイトルの「毒環」(どっかん)のことなのか?(違う)
「訊問調書」
被害者重助の経歴。幼い頃にサーカス団に身を売られた。結婚後、南洋でかせいで数年後に帰国。
覆面の女(藤沼ルリ子)と紳士(藤沼時哉弁護士)が交番にあずけておいた認印と住所のメモ書きから、黒瀬義雄の居所が判明。警察は事情聴取のため、黒瀬宅に向かう。
ところが、その3時間前!
「狸と痩犬と羊」
作太は島崎重助の死が公になる前に黒瀬を口止めしよう、とノープランで会いに行く。
すったもんだのあげく、黒瀬の首をしめて殺してしまう。
死の間際に、黒瀬は指を噛んで血の書き込みをする。
「波紋は踊る」
ここで藤沼弁護士が詳しく紹介される。
「彼は、弁護士であるけれども、今までに一度も訴訟事件を引き受けたことがなく、従って、一度も法廷へ出たことがなかった。それは彼が、生まれついての呑気者で面倒臭がり屋で、その上、親譲りの財産をかなり沢山にもっていたせいである。競馬とゴルフと旅行とスキーと登山と、そのほか年がら年中、スポーツと遊ぶことしかやっていない。よくいえば風変わりだし、悪くいえば、極端に仕事嫌いな弁護士さんであった」
名探偵としてのキャラクターをそなえているなあ。現に、探偵役としてこの後活躍することになる。なぜか僕の脳裏では、この藤沼弁護士役はオードリーの春日がつとめていた。
また、藤沼ルリ子(覆面の女)は、
「もと赤坂辺で芸妓だったともいうし、いや、ダンサーだともいわれている」
やはり、謎だ。
藤沼弁護士のもとに行方不明中(実は死んでる)の黒瀬義雄の息子、精一郎がおとずれる。弁護士は黒瀬義雄にかけられた容疑を晴らし、事件を解決しよう、と決意する。
「美少年登場」
島崎邸の麻耶子の部屋を覗く不審者をルリ子が発見。
不審者は取り逃がすが、家人はきっと樫田運転手にちがいない、と決めつけている。風呂覗きも樫田だとされていて、島崎家をお払い箱になっていた。
ルリ子は島崎邸にもぐりこんで調べるため、弟を運転手として雇ってくれと交渉し、実はルリ子本人が男装し、美少年の運転手、甘粕として、雇われる。
「運転手日記」
甘粕少年=ルリ子は見ていた!
あっ、ルリ子の覆面のことだが、ちょっと火傷して覆面してただけで、今ではすっかりきれいに治り、普通に素顔をさらしているのである。な〜んだ!
1月28日 島崎未亡人と金十郎の仲はあやしい。
1月29日 女だとばれそうになってひやひやした。
1月30日 杉浦良平登場
「歯科医にしては、何だか変な人物である。私は襟首の辺が、ゾーッとしてしまった。金十郎だの樫田だの、山城支配人だの杉浦医師だの、どれもこれも怪しく見える。この家は、いろんな魑魅魍魎に取り囲まれている。誰が一番悪い奴なのか、私には判らなくなって来た」
「杉浦氏は太い鼈甲縁の眼鏡をかけ、八字鬚をピンと生やし、帰る時に気附いたのだが、モーニングの上へ、古風な袖附二重廻しを着ている。その姿が、どう見たって、カリガリー博士なのだ。怪しげな瘋癲病院の院長といった恰好である。身体附きがどことなしに歪んでいる。首から上だけ痩せていて、その細い皺の寄った首の下に、ボテボテ肥った胴体と、ぶら下がったような二本の腕が食附いている。フラフラと表門を出て行く姿が、さながら外国の魔法使いだった。カリガリー博士と違うところは、ただ一つ、博士が確か白髪頭だったと思うのに、杉浦氏は、濃い黒い髪の毛を、ベッタリとうしろへ撫でつけていることだった。それがまた、いやらしくヌメヌメした感じだった」
えらい言われようだな!
1月31日 麻耶子が夜中こっそりと書斎から短刀を取り出し、脱脂綿で拭いていた。
麻耶子は法医学教授をたずねて帝大に行く。それを尾行していたのか、元牧師のトマス・ブリスベーンがこそこそと隠れて見ている。
「深まる謎」
事件発生当時大阪にいたというアリバイがしっかりしている山城支配人。
麻耶子の入浴や部屋を覗いてよこしまな思いを抱く樫田と密会している。
どうやら、樫田は山城の何か重大な秘密を握っているようである。
「怪外人」
藤沼弁護士は考える。
「全く、予想外にこんぐらかった事件だ」「最初に怪しいと思ったのが、俳優の金十郎、それから運転手の樫田だ。次に、未亡人の態度が曖昧になり、かと思うと、山城支配人が樫田と連絡をとっているし、そこへ杉浦良平が割り込んで来ている。−金十郎の父親石倉仙助も、待合の亭主などやっていて、どうせ碌な男ではあるまいし、この分だと、あとからまだどんな奴が飛び出して来るかもしれない」
いや、まったく。
麻耶子が鑑定を依頼した脱脂綿から血の反応はなかった。
ブリスベーンは向島の如月荘で厄介になっていた。如月荘は金十郎の父、仙助がやっている待合である。
藤沼弁護士はブリスベーンを尾行するが、東京がもつ最大の迷宮、私娼窟の玉の井でまかれてしまい、何者かに刺される。
「釧路便り」
さて、島崎重助の過去を調べるため北海道にとんだ黒瀬精一郎だが。
精一郎は曲馬団坂巻組にとらえられ、廃屋にとじこめられていた。
精一郎に嫌疑をかけて尾行していた来栖刑事もいちはやく囚われの身になっていた。
なんとかいましめを解いて2人で脱走、坂巻組と警察との大立ち回り。
つかまった坂巻から、サーカス団時代の供述が得られた。
坂巻と三田村は2人がかりで重助を殺していた。重助の死体を隠し、三田村が重助になりかわった。つまり、殺された島崎重助とは、その正体が三田村だったのだ。
「マドロスの友情」
作太と樫田。狼と狐の友情。悪人同士で共同戦線をはる。
この2人を尾行する杉浦、影山。
甘粕(=ルリ子)にコンタクトをとる杉浦。藤沼弁護士の声色を使って。
樫田の居所が判明。アパアト桜ハウス。
「灰色の封筒」
樫田の手紙で小石川の桜ハウスにおびきだされる麻耶子。
麻耶子を追って謎の桜ハウスに向かう甘粕。
ここで甘粕(=ルリ子)は作太とはち合わせ!
ルリ子はかつて、覆面女のときに重助殺害現場近くで作太とぶつかっているのだ。
「死の濃霧」
樫田は麻耶子に衝撃の事実を告げる。
麻耶子は島崎重助の子でもなければ、島崎未亡人の子でもない、というのだ。
そのなによりの証拠が、麻耶子の肩にある花びらのような痣!悪魔の紋章か!
麻耶子は幼い頃、島崎未亡人を実の母親だと思い込まされた。重助が南洋にいるあいだ、里子にやられていた、そのときの里親こそが、実の母だったのだ。樫田は、麻耶子の実母の居所を知っている、という。
樫田は続いて、重助殺しの犯人を告げようとした、そのとき、カーテンから短刀が!
兇刃に倒れて、樫田死亡。
「悪鬼の跳梁」
桜ハウス前でもみあいになる甘粕と作太。
そこに山城支配人、杉浦、影山登場し、作太逃亡。
ルリ子を女と見抜いていた山城支配人は、ルリ子に迫る。
一難去ってまた一難!
影山が警察のふりをして、山城を追い払う。
一方、如月荘では、仙助が息子の金十郎にハッパをかけていた。
麻耶子との結婚を進めたいが、麻耶子は樫田の誘いでノコノコ出かけたりしている。大丈夫か、と。それをこっそり影で聞いているブリスベーン。
仙助は樫田と麻耶子のいる桜ハウスに行ってこい、と金十郎をせっつくが、金十郎はその気なし。仙助は島崎未亡人に電話して、島崎未亡人を桜ハウスに駆け付けさせようとする。
そして、樫田の死体発見騒動。
供述によると、どうやら桜ハウスの管理人、芹沢が麻耶子の実母のようだ。
「檻の中の知人」
樫田の死体を発見して桜ハウスから逃げ出した作太。あえなく警察にひっぱられ、事情聴取。作太はそこで、かつて黒瀬老人をおびきよせるのに使ったルンペンと再会。
「意外な邂逅」
カルモチン飲んで島崎未亡人、自殺をはかる。
杉浦良平、警察にのりこんで、警視総監と対面。2人は友達。
「作太破滅」
ルンペン(痩犬)とルリ子の供述で作太ピンチ。
黒瀬の死体はずっと後に発見されるが、血で書いたダイイングメッセージはそのものズバリ、「権堂作太」であった。
「暗雲と光明」
島崎未亡人、うわ言で「ああ、あの土人の刀を!危ない。取り戻して−取り戻して」と言い、息をひきとる。
南洋の土人の短刀の迷信が語られる。
土人の短刀が1つなくなっているのだ。
杉浦は、犯人は山城支配人だ、と断言する。
「真犯人」
旭湯に潜伏していた山城支配人が拉致される。
香坂という男に、警察で何を吐いた、と拷問される。
樫田は香坂の弱味も握っており、樫田と山城がグルだと勘違いした香坂が、おかどちがいの拷問をしているのだ。
山城は島崎家の財産に穴をあけていたことが判明。
山城は香坂に殺されてしまうが、それは、事件の真犯人が香坂を利用して、山城を消そうとした結果であった。山城が犯人だと断言されたので、今、山城を消せば、永遠に容疑を山城に固定できるはずだ、という計算だ。
こんなふうに真犯人が動くのを予想して、杉浦は山城犯人説を断言したのである。
香坂、犯人チームと、警察チームとの銃撃戦。
まんまと逃げる犯人チーム。
「不思議な贈物」
真犯人は仙助だった。
樫田の手帖には島崎夫妻の秘密が記されていた。考えてみれば、いろんな秘密を解き明かした名探偵は樫田であり、多くの秘密を知ったがゆえに悪の道を走り、殺されることにもなったのだ。
沢村金十郎宛に、香坂から贈物が届いた。
手紙には仙助が重助を殺そうとした動機が書いてあった。金十郎を麻耶子と結婚させ、財産を自分のものにしようとしたが、重助に見破られて邪魔になったからだ、と。
贈物の内容は、手紙と、仙助の生首。香坂を利用したやりかたが気にくわなくて、制裁されたのである。
麻耶子は黒瀬精一郎とゴールイン。
おかしな小説「ニッポン遺跡」
大下宇陀児の遺作。
67万年後の世界。
既に人類は滅亡しており、地球上に棲息するのはケール族、トリイ族、コオモリイ族。
そんな世界で冷凍睡眠から人間が目覚めた。ケール族の「わたし」は人間にいろんなことを聞いて過去の調査をはじめる。
人間の世界のことが知られていないので、多くの勘違いがあり、またピュアな眼で見るために現代批評にもなっている。スウィフトとか、メルヴィルとか沼正三を読んでいるような感じ。これは天下の奇書である。
以下、目次。と、各章の説明、引用など。
「扉の辞」
本書はケール族によってなされた人類についての研究成果を超古代の言語で書いたものである。
現代においては該当する事象のない言語の意味を知るのに苦労した。それらの言葉は「ウソをつく、刑務所、鉄のカーテン、二号さん三号さんオンリーさん、税金、ストライキ、餓死」など。
「絶滅した人間」
人間に関する誤報
「人間は、全身に糸の如く細い触覚を有し、その触覚は頭部においてとくに多く密生していて、色はロマンス・グレイである」
「人間の価値」
ケール族の服は下腹部があいている。
外部へ開放しているのが便利な身体の各部はあけてあるのだ。
ケール族には、へそがないため、へそを「重要な器官であり、肺や心臓や胃袋と同じに、それがなかったら生きていられない」と思っている。
「地軸異変」
地軸の異変で日本は冷凍されてしまった。
発掘された雨傘から見ると、「人間て不便だったのよ。雨にぬれると死んじゃったのでしょうね」
「卵生の倖せ」
胎生は文化の発達を阻害する。
「カミとホトケ」
神仏が人間を救ってくれないことを事故やヒットラーを例に説明すると、こう解釈される。
「人間の世界にそれがあっても、そう役には立たなかったのだろう。役にも立たぬものをありがたがっていたというのは、それだけ人間が低級な生物だった証拠である」
「貧乏」
1日に結婚18回の記録を持つおじいさん
「新年齢案」
ケール族は20才に達するまでは、生きる権利と義務がある。成年20才に達してから法令は任意死亡許可を与える。もうそこからは、いつ死んでもよいのである。生きる義務がなくなるのは、満足した開放感をよび起こす。
意志や感情はすべて基本体単位生命電磁粒根の波動で説明される。
「奇怪な情報」
人間は、地球上の全生物を壊滅する力を持つ「ボタン」の智識を持っている。
「ウソつき」
ウソと犯罪について聞かれた人間がこたえる。
「完全犯罪だアリバイだ、一人二役だ密室だ、種類がごまんとあって探偵小説に書いてあらあ。あいにくとおいら、探偵小説だけは苦手でね、そういう話はごめんだよ」
「売春とオンボー」
死体は化学処理で溶かし、海へ流す。
「トリイ族の特質」
全生物が集まってやるスポーツのとき、カラス種の活躍で、トリイ族はたくさんのメダルをとり、それだけはトリイ族の誇りにしていながら、ほかでは常住坐臥カラス種を、侮辱し軽蔑している。
「丸い時計」
「時は休みなく進み過ぎて行ってしまう。だのにトリイ族は、丸い時計を使うから、過ぎてしまった時が、またもとのところへ帰ってくるように感じているのよ」
「ヘソは顔と同一方向にむいてるでしょ。きっと昔、そこには人間の眼があったのよ」
「赤いネクタイ」
キノボリ女史の『トリイ国旅行記』の言葉間違い。
「歓迎のパーティがあって、それは和やかでまことによいフンムキだった」
「ネズミがたくさんにいて、甚だしいチュウ害だ」
「ウサギもツノも」
「学校のDDTの会合へ出席した」
「大ムレツ」
「新智識」
「ヤキモチっての、どうしてもあたしは一度見たいわ」
「ぼくは、学校の裏口っての見たいです。何かきっとすばらしいことがある」
「法律について」
チュウシングラのあらすじより。
「ノブナガは短気でイエヤスは気が長い。どっちが勝つかというのでムサシがガンリュウジマというところで、ノブナガとイエヤスとに仕合をさせると、ジロチョウがそれを仲裁する。ヤスベエとマタエモンは腕っぷしが強く、タカダノババというところとイガウエノというところで、仁義のためのスケットになり、悪漢のムライチョウアンやコウモリヤスを殺す」
「非行少年」
「ぼくは小説家だ。小説家は昔はあんまり儲からなかった。けど、いまは違うぜ、りっぱな家を持っている。ぜいたくもできるよ。どんなこと書くかっていえば(中略)刺激的で、エロで、そういうこと、自分で実行してみてから書けばなおいい。ドキュメンタリーな体験記でうんと売れる。子どもが読んじゃいけないっていう、そういう本のほうが売れるんだろう。わけないだろ、そんなこと」
「安楽死」
ガンについて
「再会」
人間とケール族とのあいだの愛
「民族精神」
「おれはこのケール族には、民族としての精神がねえような気がするのでね。どこにも緊張したものがねえ。だらついて。平和に慣れ、安穏の中にふやけている。民族は、この状態だと、うですぎたソーメンと同じになるんじゃねえのか」
「ニッポン発掘隊」
人間はボタンの秘密を教えるのは最大の罪悪だ、と言って、話さない。
ニッポン発掘隊はニッポンのヘソ、富士山の頂上を掘り当てる。
「あら、こんなに大きなヘソがあるの。これはどんなときに使うのよ」
「ヘソはよ、べつに使って役に立てるもんじゃねえ。こいつはまったく別格だ。見たとこは、あってもなくてもいいような気がすら。けどな、なくっちゃいけねえものなんだぞ。こいつがねえと、中心がなくなる。いわばこいつは全体をショウチョウしているものなんだ」
大下氏の遺稿/中島河太郎
大下宇陀児の遺作。
67万年後の世界。
既に人類は滅亡しており、地球上に棲息するのはケール族、トリイ族、コオモリイ族。
そんな世界で冷凍睡眠から人間が目覚めた。ケール族の「わたし」は人間にいろんなことを聞いて過去の調査をはじめる。
人間の世界のことが知られていないので、多くの勘違いがあり、またピュアな眼で見るために現代批評にもなっている。スウィフトとか、メルヴィルとか沼正三を読んでいるような感じ。これは天下の奇書である。
以下、目次。と、各章の説明、引用など。
「扉の辞」
本書はケール族によってなされた人類についての研究成果を超古代の言語で書いたものである。
現代においては該当する事象のない言語の意味を知るのに苦労した。それらの言葉は「ウソをつく、刑務所、鉄のカーテン、二号さん三号さんオンリーさん、税金、ストライキ、餓死」など。
「絶滅した人間」
人間に関する誤報
「人間は、全身に糸の如く細い触覚を有し、その触覚は頭部においてとくに多く密生していて、色はロマンス・グレイである」
「人間の価値」
ケール族の服は下腹部があいている。
外部へ開放しているのが便利な身体の各部はあけてあるのだ。
ケール族には、へそがないため、へそを「重要な器官であり、肺や心臓や胃袋と同じに、それがなかったら生きていられない」と思っている。
「地軸異変」
地軸の異変で日本は冷凍されてしまった。
発掘された雨傘から見ると、「人間て不便だったのよ。雨にぬれると死んじゃったのでしょうね」
「卵生の倖せ」
胎生は文化の発達を阻害する。
「カミとホトケ」
神仏が人間を救ってくれないことを事故やヒットラーを例に説明すると、こう解釈される。
「人間の世界にそれがあっても、そう役には立たなかったのだろう。役にも立たぬものをありがたがっていたというのは、それだけ人間が低級な生物だった証拠である」
「貧乏」
1日に結婚18回の記録を持つおじいさん
「新年齢案」
ケール族は20才に達するまでは、生きる権利と義務がある。成年20才に達してから法令は任意死亡許可を与える。もうそこからは、いつ死んでもよいのである。生きる義務がなくなるのは、満足した開放感をよび起こす。
意志や感情はすべて基本体単位生命電磁粒根の波動で説明される。
「奇怪な情報」
人間は、地球上の全生物を壊滅する力を持つ「ボタン」の智識を持っている。
「ウソつき」
ウソと犯罪について聞かれた人間がこたえる。
「完全犯罪だアリバイだ、一人二役だ密室だ、種類がごまんとあって探偵小説に書いてあらあ。あいにくとおいら、探偵小説だけは苦手でね、そういう話はごめんだよ」
「売春とオンボー」
死体は化学処理で溶かし、海へ流す。
「トリイ族の特質」
全生物が集まってやるスポーツのとき、カラス種の活躍で、トリイ族はたくさんのメダルをとり、それだけはトリイ族の誇りにしていながら、ほかでは常住坐臥カラス種を、侮辱し軽蔑している。
「丸い時計」
「時は休みなく進み過ぎて行ってしまう。だのにトリイ族は、丸い時計を使うから、過ぎてしまった時が、またもとのところへ帰ってくるように感じているのよ」
「ヘソは顔と同一方向にむいてるでしょ。きっと昔、そこには人間の眼があったのよ」
「赤いネクタイ」
キノボリ女史の『トリイ国旅行記』の言葉間違い。
「歓迎のパーティがあって、それは和やかでまことによいフンムキだった」
「ネズミがたくさんにいて、甚だしいチュウ害だ」
「ウサギもツノも」
「学校のDDTの会合へ出席した」
「大ムレツ」
「新智識」
「ヤキモチっての、どうしてもあたしは一度見たいわ」
「ぼくは、学校の裏口っての見たいです。何かきっとすばらしいことがある」
「法律について」
チュウシングラのあらすじより。
「ノブナガは短気でイエヤスは気が長い。どっちが勝つかというのでムサシがガンリュウジマというところで、ノブナガとイエヤスとに仕合をさせると、ジロチョウがそれを仲裁する。ヤスベエとマタエモンは腕っぷしが強く、タカダノババというところとイガウエノというところで、仁義のためのスケットになり、悪漢のムライチョウアンやコウモリヤスを殺す」
「非行少年」
「ぼくは小説家だ。小説家は昔はあんまり儲からなかった。けど、いまは違うぜ、りっぱな家を持っている。ぜいたくもできるよ。どんなこと書くかっていえば(中略)刺激的で、エロで、そういうこと、自分で実行してみてから書けばなおいい。ドキュメンタリーな体験記でうんと売れる。子どもが読んじゃいけないっていう、そういう本のほうが売れるんだろう。わけないだろ、そんなこと」
「安楽死」
ガンについて
「再会」
人間とケール族とのあいだの愛
「民族精神」
「おれはこのケール族には、民族としての精神がねえような気がするのでね。どこにも緊張したものがねえ。だらついて。平和に慣れ、安穏の中にふやけている。民族は、この状態だと、うですぎたソーメンと同じになるんじゃねえのか」
「ニッポン発掘隊」
人間はボタンの秘密を教えるのは最大の罪悪だ、と言って、話さない。
ニッポン発掘隊はニッポンのヘソ、富士山の頂上を掘り当てる。
「あら、こんなに大きなヘソがあるの。これはどんなときに使うのよ」
「ヘソはよ、べつに使って役に立てるもんじゃねえ。こいつはまったく別格だ。見たとこは、あってもなくてもいいような気がすら。けどな、なくっちゃいけねえものなんだぞ。こいつがねえと、中心がなくなる。いわばこいつは全体をショウチョウしているものなんだ」
大下氏の遺稿/中島河太郎
vijonでBUG。
12時半からだと思っていたが、到着したら正午から既にはじまっていた。
と、いうわけで、見たかったコニーちゃんは見れず。
今回は日本橋ストリートフェスタのオフィシャルアイドルオーディションだったそうで、審査員席見たらなんと山田ジャックさんが!最初、よく似た人がいるもんだ、と思ってたら、声をかけていただき、本物と判明!
テレビでお世話になった、「あし」さんにも再会し、挨拶できた。覚えていてくださったようで、感激。
では、ライブ見たところから。
kotomi
星間飛行。
着替えのところからかろうじて見ることができた。
kyomi
ASAYANの超歌姫オーディションの土井京美ちゃん。
さすがに歌はうまい。
夏雪
「そば」と「入れ歯」の挨拶もおなじみ。
今回はチアーダンスを意識したということで、「ペコリナイト」と「浮気なハニーパイ」
うみこ
坂本真綾のトライアングラー
才菜摘
音が出なくて出番が後になったそうで、急遽「星間飛行」歌う。
続けて1分半だけ歌ったが、意外とぶっつけの「星間飛行」の方がちゃんと歌えていたような。
M/W(のマミ)
今日は1人で。
1.うしろ指さされ組
2.らくがき帳
3.ね〜え
4.最強ヒロイン瞬殺スマイル
misato
with youなどバラードを。
3ヶ月前に仙台から出てきたらしい。
みちゅ
わお!ここはアニソン、ゲーム音楽のカラオケBOXか!
哀架
ここから何故か1曲だけ歌う子が4人続く。
ロリータ。桜川ひめこ
恵
バラード
mihiro
グロウ
KIRA KIRA HIKARU
レゲエ
プチJK21
1.win win タイガース
2.フットマン
JK21のステージにも立つ6人。
マコト、ハナコ、アサヒ、リナ、ミナコ、サナ(だったかな?)
Fairy
さくらんぼとキスハグ。
高校から駆け付ける。
4leaf clover
1.ダンス
2.カラーオブシーズン
3.Nuワールド
4.恋の魔法
ナミが受験で欠けているが、まるでナミがそこにいるかのように振る舞うのは、FLCの特長。
chii
特技は出来もしないコーラ一気飲み。
最近流行の口パクテクノで、客をハリセンでしばく。まるで通天閣。
「ソニーでもエーベックスでもいいです!」には笑った。
山口満里奈
1.ふたつ星
2.マイフレンド
癒しの女神降臨。2曲だけなのに、リサイタルを見たような気分。
みりん☆
1.ビタミンチューン
2.ちゅーんらぶ
今日は、お茶ではなく、水を飲んだ!
Candy☆Shower
1.ロッタラロッタラ
2.ナイトでないと
アズ&咲。ちちんぷいぷいの今日の晩御飯で、ひょっとしたら19日にテレビで見れるかも。
Mari7
1.ドキドキ!LOVEメール
2.インスピレーション
2曲目のオリジナルももうおなじみ。
ましゅまろcherryバーガー
1.スッペシャルジェネレ〜ション
2.大声ダイヤモンド
ちゅん噛みまくり
替え歌で客席を喜ばせるのは相変わらず。誕生日祝われてたな。
MarryDoll
5曲。「ラブチェリー」は「ハニーチューン」系の音楽。
今回はbabystarとtell meはせず。音楽面では「ハニーチューン」よりも「babystar」「tell me」のほうが遥かに素晴らしいのだが、オタク客を乗せるには「ハニーチューン」みたいなのがいいのだろう。「まっさらブルージーン」は素晴らしい。
さて、ゲスト枠以外の22組がオーデョイションの対象になっていたが、決勝に進むのはこのうち6〜8組だそうだ。見逃した何組かは除外して、僕なりに考えてみた。
今回見て、すごく気に入ったのはchiiなのだが、日本橋オフィシャルアイドルに選ぶのはちょっと違う気がするし、本人も全くそんなつもりはなさそうだ。
kyomiも歌がうますぎて、かえって日本橋オフィシャルアイドルにはもったいない。
プチJK21、山口満里奈、みりん☆、ましゅまろcherryバーガー、夏雪、そしてやっぱり決勝でも見たいのでchiiとkyomi、この7組と、見逃したところから1組だれか。と、いったところか。プチJK21が最初からオフィシャルアイドルになるための出来レース、という気がしないでもない。
読んだ漫画は秋好馨の『轟先生』若木書房刊の第1巻。
昭和16年から連載されていた4コマ漫画で、この若木書房刊は全集ではなく、作者によってよりぬかれた作品が入っている。昭和40年代に出たもの。
なんとストレートで素朴なギャグ漫画なのか。
水たまりを飛び越えようとしたが、うっかり手をついてしまい、かえって泥んこになってしまった、とかいうようなギャグ。
ただ、轟先生が晩酌のあと、うたた寝してるのかと思ったら、練炭のせいだった、というオチをほのぼのと見せられたのには驚いた。
当時の世相もかいまみえて楽しい。はだか健康法とか。
古川ロッパ主演の映画を最近見たばかりで、名前のみ知っていて未読だった漫画をやっと読めてよかった。最近の僕は、なにかと古いものに親しんでいるのである。
と、いうわけで、これから録画しておいたいろいろと、読みさしのいろいろ読んで、冬の夜長を楽しむ予定。どっちも古臭いものが待ち受けている。
12時半からだと思っていたが、到着したら正午から既にはじまっていた。
と、いうわけで、見たかったコニーちゃんは見れず。
今回は日本橋ストリートフェスタのオフィシャルアイドルオーディションだったそうで、審査員席見たらなんと山田ジャックさんが!最初、よく似た人がいるもんだ、と思ってたら、声をかけていただき、本物と判明!
テレビでお世話になった、「あし」さんにも再会し、挨拶できた。覚えていてくださったようで、感激。
では、ライブ見たところから。
kotomi
星間飛行。
着替えのところからかろうじて見ることができた。
kyomi
ASAYANの超歌姫オーディションの土井京美ちゃん。
さすがに歌はうまい。
夏雪
「そば」と「入れ歯」の挨拶もおなじみ。
今回はチアーダンスを意識したということで、「ペコリナイト」と「浮気なハニーパイ」
うみこ
坂本真綾のトライアングラー
才菜摘
音が出なくて出番が後になったそうで、急遽「星間飛行」歌う。
続けて1分半だけ歌ったが、意外とぶっつけの「星間飛行」の方がちゃんと歌えていたような。
M/W(のマミ)
今日は1人で。
1.うしろ指さされ組
2.らくがき帳
3.ね〜え
4.最強ヒロイン瞬殺スマイル
misato
with youなどバラードを。
3ヶ月前に仙台から出てきたらしい。
みちゅ
わお!ここはアニソン、ゲーム音楽のカラオケBOXか!
哀架
ここから何故か1曲だけ歌う子が4人続く。
ロリータ。桜川ひめこ
恵
バラード
mihiro
グロウ
KIRA KIRA HIKARU
レゲエ
プチJK21
1.win win タイガース
2.フットマン
JK21のステージにも立つ6人。
マコト、ハナコ、アサヒ、リナ、ミナコ、サナ(だったかな?)
Fairy
さくらんぼとキスハグ。
高校から駆け付ける。
4leaf clover
1.ダンス
2.カラーオブシーズン
3.Nuワールド
4.恋の魔法
ナミが受験で欠けているが、まるでナミがそこにいるかのように振る舞うのは、FLCの特長。
chii
特技は出来もしないコーラ一気飲み。
最近流行の口パクテクノで、客をハリセンでしばく。まるで通天閣。
「ソニーでもエーベックスでもいいです!」には笑った。
山口満里奈
1.ふたつ星
2.マイフレンド
癒しの女神降臨。2曲だけなのに、リサイタルを見たような気分。
みりん☆
1.ビタミンチューン
2.ちゅーんらぶ
今日は、お茶ではなく、水を飲んだ!
Candy☆Shower
1.ロッタラロッタラ
2.ナイトでないと
アズ&咲。ちちんぷいぷいの今日の晩御飯で、ひょっとしたら19日にテレビで見れるかも。
Mari7
1.ドキドキ!LOVEメール
2.インスピレーション
2曲目のオリジナルももうおなじみ。
ましゅまろcherryバーガー
1.スッペシャルジェネレ〜ション
2.大声ダイヤモンド
ちゅん噛みまくり
替え歌で客席を喜ばせるのは相変わらず。誕生日祝われてたな。
MarryDoll
5曲。「ラブチェリー」は「ハニーチューン」系の音楽。
今回はbabystarとtell meはせず。音楽面では「ハニーチューン」よりも「babystar」「tell me」のほうが遥かに素晴らしいのだが、オタク客を乗せるには「ハニーチューン」みたいなのがいいのだろう。「まっさらブルージーン」は素晴らしい。
さて、ゲスト枠以外の22組がオーデョイションの対象になっていたが、決勝に進むのはこのうち6〜8組だそうだ。見逃した何組かは除外して、僕なりに考えてみた。
今回見て、すごく気に入ったのはchiiなのだが、日本橋オフィシャルアイドルに選ぶのはちょっと違う気がするし、本人も全くそんなつもりはなさそうだ。
kyomiも歌がうますぎて、かえって日本橋オフィシャルアイドルにはもったいない。
プチJK21、山口満里奈、みりん☆、ましゅまろcherryバーガー、夏雪、そしてやっぱり決勝でも見たいのでchiiとkyomi、この7組と、見逃したところから1組だれか。と、いったところか。プチJK21が最初からオフィシャルアイドルになるための出来レース、という気がしないでもない。
読んだ漫画は秋好馨の『轟先生』若木書房刊の第1巻。
昭和16年から連載されていた4コマ漫画で、この若木書房刊は全集ではなく、作者によってよりぬかれた作品が入っている。昭和40年代に出たもの。
なんとストレートで素朴なギャグ漫画なのか。
水たまりを飛び越えようとしたが、うっかり手をついてしまい、かえって泥んこになってしまった、とかいうようなギャグ。
ただ、轟先生が晩酌のあと、うたた寝してるのかと思ったら、練炭のせいだった、というオチをほのぼのと見せられたのには驚いた。
当時の世相もかいまみえて楽しい。はだか健康法とか。
古川ロッパ主演の映画を最近見たばかりで、名前のみ知っていて未読だった漫画をやっと読めてよかった。最近の僕は、なにかと古いものに親しんでいるのである。
と、いうわけで、これから録画しておいたいろいろと、読みさしのいろいろ読んで、冬の夜長を楽しむ予定。どっちも古臭いものが待ち受けている。
『少年傑作選/小説・絵物語篇』より大下宇陀児。
「赤いレッテル」(『少年』昭和26年4月号)
へんなかんづめ
ふしぎな客
刑事と時夫
かんづめの中身
4月のあたたかい日、小学校6年生の時夫は、家業の食料品店のお手伝いをしていた。
そこに、黒い冬のオーバーを着込み、黒い帽子にマスク姿の客があらわれ、赤い値札の缶詰めをよりわけて買っていった。
気になる時夫は男のあとを尾行するが、たちまち見つかって、脅される。
このふしぎな男の描写がちょっと怖い。
「からだがかゆいのか、腕をまわして、せなかをゴシゴシとかいたり、服のえりの間へ指をつっこみ、耳のうしろのあたりを、ポリポリとかいていたが、そのうちに、店の左のかべのほうへ、つつつ…とうごいていったかと思うと、そのかべにとりつけてあったたなへ、にゅっと手をのばした」
この男は刑事になりすまして時夫をおびきだしたりするが、からだをかいている仕草で見抜かれてしまう。なんのことはない。しらみがわいていて、体がかゆかったのだ。
缶詰めの中身は阿片で、密売に使われていた。
巻末の「全リスト」を見ると、『少年』誌に掲載された大下宇陀児作品は、この「赤いレッテル」だけのようだ。
「赤いレッテル」(『少年』昭和26年4月号)
へんなかんづめ
ふしぎな客
刑事と時夫
かんづめの中身
4月のあたたかい日、小学校6年生の時夫は、家業の食料品店のお手伝いをしていた。
そこに、黒い冬のオーバーを着込み、黒い帽子にマスク姿の客があらわれ、赤い値札の缶詰めをよりわけて買っていった。
気になる時夫は男のあとを尾行するが、たちまち見つかって、脅される。
このふしぎな男の描写がちょっと怖い。
「からだがかゆいのか、腕をまわして、せなかをゴシゴシとかいたり、服のえりの間へ指をつっこみ、耳のうしろのあたりを、ポリポリとかいていたが、そのうちに、店の左のかべのほうへ、つつつ…とうごいていったかと思うと、そのかべにとりつけてあったたなへ、にゅっと手をのばした」
この男は刑事になりすまして時夫をおびきだしたりするが、からだをかいている仕草で見抜かれてしまう。なんのことはない。しらみがわいていて、体がかゆかったのだ。
缶詰めの中身は阿片で、密売に使われていた。
巻末の「全リスト」を見ると、『少年』誌に掲載された大下宇陀児作品は、この「赤いレッテル」だけのようだ。
血斗水滸伝・怒涛の対決
2009年1月9日 映画 コメント (2)十日戎がはじまった。福娘見ながら玉こんにゃく食べる。
阪神百貨店の古書籍即売会をのぞいたが、目当ての本はなし。探偵雑誌で欲しいのはいくつもあったが、とうてい手の届く値段ではない。いくつか古書店を巡ったが、そもそもまわるだけ店の数がない。どうしても欲しい本が見つからなくてよかった。もしもあったら、悩みに悩んでいただろう。
梅田に出たついでに、キディランド寄ってフエキのグッズさがしたり、カンテでチャイ飲んだり。
見た映画は佐々木康監督の「血斗水滸伝・怒涛の対決」1959年
オールスター時代劇。
飯岡の助五郎の憎さったらない!
(笹川の繁蔵)市川右太衛門
(国定忠治)片岡千恵蔵
(平手造酒)大友柳太朗
(飯岡の助五郎)進藤英太郎
それ以外に、東千代の介、大川橋蔵、中村錦之助、大河内伝次郎、月形龍之介、里見浩太郎、若山富三郎、伏見扇太郎、尾上鯉之助、山形勲、加賀邦男、堺駿二、吉田義夫、杉狂助、原健策、徳大寺紳、薄田研二、美空ひばり、丘さとみ、喜多川千鶴、雪代敦子、花園ひろみ、千原しのぶ、大川恵子、赤木春恵、長谷川裕見子、花柳小菊。などなど。
スター勢揃いで、もっとエピソードつけてもらいたかった俳優もいたが、それでなくとも、主人公だらけで、山場がいくつもある。散漫になりそうなところを、飯岡の助五郎憎さにまとまった。善悪がはっきりしている物語はスッキリしていてよい。中東情勢のニュース見ていても、実際には何が起こっているのか、眉に唾をつけながら考えている今日この頃、これはまさしく娯楽の真髄。
yahooでニュース見ていたら、たまにコメントがついているのがあって、それを読むたびに、「うわ!そんなに簡単に意見を出せるんだ!」と驚愕する。同じニュースを別ルートで入手したら簡単にわかることを疑問に思っている意見があったり、ちゃんと読めば回避できるはずの勘違いをしていたりする。なぜ彼らがニュースにコメントをつけたがるのかもよくわからないが、匿名で意見を述べることの意味もイマイチよくわからない。意見というのは、自分が言ってるんだ、と名乗ってこそ意味があると思うからだ。匿名の意見と、無責任な野次とはどう違うのか。いや、きっとあえて匿名でニュースにコメントすることには何か僕の思いもおよばない意義があるんだろう。これは僕の宿題だ。
テレビで「私たちは天使だ!教えて浜ちゃん芸能界で当てて親孝行するぞSP」やってたので、だれか知っている子はいないかな、と見ていたら、かなりメジャーな子たちが揃っていて驚いた。渡邊エリーとか小池里奈とか、前田希美とかさくらまや。エリー見つけたとき、クランベリーズからJK21に入ったりのちゃんかと思った。
まあ、今日も仕事以外はほとんど読書でした。
今日は深夜に「レミング」あるけど、録画したのを後日見るかな。
明日はパークスホールでR1予選見れば、ミラっちょ見れるけど、vijonに行くか。
阪神百貨店の古書籍即売会をのぞいたが、目当ての本はなし。探偵雑誌で欲しいのはいくつもあったが、とうてい手の届く値段ではない。いくつか古書店を巡ったが、そもそもまわるだけ店の数がない。どうしても欲しい本が見つからなくてよかった。もしもあったら、悩みに悩んでいただろう。
梅田に出たついでに、キディランド寄ってフエキのグッズさがしたり、カンテでチャイ飲んだり。
見た映画は佐々木康監督の「血斗水滸伝・怒涛の対決」1959年
オールスター時代劇。
飯岡の助五郎の憎さったらない!
(笹川の繁蔵)市川右太衛門
(国定忠治)片岡千恵蔵
(平手造酒)大友柳太朗
(飯岡の助五郎)進藤英太郎
それ以外に、東千代の介、大川橋蔵、中村錦之助、大河内伝次郎、月形龍之介、里見浩太郎、若山富三郎、伏見扇太郎、尾上鯉之助、山形勲、加賀邦男、堺駿二、吉田義夫、杉狂助、原健策、徳大寺紳、薄田研二、美空ひばり、丘さとみ、喜多川千鶴、雪代敦子、花園ひろみ、千原しのぶ、大川恵子、赤木春恵、長谷川裕見子、花柳小菊。などなど。
スター勢揃いで、もっとエピソードつけてもらいたかった俳優もいたが、それでなくとも、主人公だらけで、山場がいくつもある。散漫になりそうなところを、飯岡の助五郎憎さにまとまった。善悪がはっきりしている物語はスッキリしていてよい。中東情勢のニュース見ていても、実際には何が起こっているのか、眉に唾をつけながら考えている今日この頃、これはまさしく娯楽の真髄。
yahooでニュース見ていたら、たまにコメントがついているのがあって、それを読むたびに、「うわ!そんなに簡単に意見を出せるんだ!」と驚愕する。同じニュースを別ルートで入手したら簡単にわかることを疑問に思っている意見があったり、ちゃんと読めば回避できるはずの勘違いをしていたりする。なぜ彼らがニュースにコメントをつけたがるのかもよくわからないが、匿名で意見を述べることの意味もイマイチよくわからない。意見というのは、自分が言ってるんだ、と名乗ってこそ意味があると思うからだ。匿名の意見と、無責任な野次とはどう違うのか。いや、きっとあえて匿名でニュースにコメントすることには何か僕の思いもおよばない意義があるんだろう。これは僕の宿題だ。
テレビで「私たちは天使だ!教えて浜ちゃん芸能界で当てて親孝行するぞSP」やってたので、だれか知っている子はいないかな、と見ていたら、かなりメジャーな子たちが揃っていて驚いた。渡邊エリーとか小池里奈とか、前田希美とかさくらまや。エリー見つけたとき、クランベリーズからJK21に入ったりのちゃんかと思った。
まあ、今日も仕事以外はほとんど読書でした。
今日は深夜に「レミング」あるけど、録画したのを後日見るかな。
明日はパークスホールでR1予選見れば、ミラっちょ見れるけど、vijonに行くか。
ワッハ上方の小演芸場で「旭堂南左衛門一門会」
太閤記特集。
太閤の風流/旭堂南舟
三日普請/旭堂南青
賎ヶ岳合戦/旭堂南左衛門
(お茶子:旭堂南斗)
上方講談を聞き出したのは、HEP FIVEが阪急ファイブだったときの「オレンジ講談」の頃からで、そのときは新進の青年だった南左衛門も、今や立派な風格だ。仕事でなかなか聞きに行けないけど、できるだけ会場に足を運びたい。
録画しておいた稲垣金田一の「悪魔が来りて笛を吹く」と「悪魔の手毬唄」を見た。
稲垣金田一は飄々としていて、しかも不潔でもない、テレビ向けに漂泊された金田一のような感じもするが、2本続けてみると、これはなかなかいいんじゃないか、と思えてきた。金田一を演じる役者は多いが、ピンとくるのはテレビの古谷一行くらいで、石坂も渥美も違和感があった。稲垣金田一は、現代の若者にも受け入れられるんじゃないか、と思う。
作品は、断然、前作の「悪魔が来りて笛を吹く」がよかった。「手毬」は自家中毒気味で、シリーズの呪縛が災いしているのかな、と感じた。もともと、原作そのものが「笛」の方が「手毬」よりも優れているせいだ、と言う気もするが。「笛」は、原作にあった密室とか、いらない枝葉をカットしたのがいさぎよくて成功したものか。それとも、手毬唄の作曲がいまいちだったせいか。
そうそう、どちらの作品にも、文字が蛇のようにのたくった書き物が出て来るが、この文字こそがMVP。
太閤記特集。
太閤の風流/旭堂南舟
三日普請/旭堂南青
賎ヶ岳合戦/旭堂南左衛門
(お茶子:旭堂南斗)
上方講談を聞き出したのは、HEP FIVEが阪急ファイブだったときの「オレンジ講談」の頃からで、そのときは新進の青年だった南左衛門も、今や立派な風格だ。仕事でなかなか聞きに行けないけど、できるだけ会場に足を運びたい。
録画しておいた稲垣金田一の「悪魔が来りて笛を吹く」と「悪魔の手毬唄」を見た。
稲垣金田一は飄々としていて、しかも不潔でもない、テレビ向けに漂泊された金田一のような感じもするが、2本続けてみると、これはなかなかいいんじゃないか、と思えてきた。金田一を演じる役者は多いが、ピンとくるのはテレビの古谷一行くらいで、石坂も渥美も違和感があった。稲垣金田一は、現代の若者にも受け入れられるんじゃないか、と思う。
作品は、断然、前作の「悪魔が来りて笛を吹く」がよかった。「手毬」は自家中毒気味で、シリーズの呪縛が災いしているのかな、と感じた。もともと、原作そのものが「笛」の方が「手毬」よりも優れているせいだ、と言う気もするが。「笛」は、原作にあった密室とか、いらない枝葉をカットしたのがいさぎよくて成功したものか。それとも、手毬唄の作曲がいまいちだったせいか。
そうそう、どちらの作品にも、文字が蛇のようにのたくった書き物が出て来るが、この文字こそがMVP。
午後2時半からワッハ上方で浪曲。
「阿武松(おおのまつ)出世相撲」京山宗若、(曲師)岡本貞子
大めし喰らいで破門されるが、努力のかいあって、ついに師匠との一番!
「元禄秋晴れ街道」真山広若、(オペレーター)真山幸美
大石と橘左近とのにせもの騒動の話。
曲師がつくのと、オペレーターがつくのと、2つのタイプの浪曲を聞け、またどちらもわかりやすい話で楽しめた。
NHKで「吉本隆明、語る」
3時間におよぶ講演を中心に。
吉本隆明が84歳だというだけでなく、本に比べてもともと講演がうまくない(と、僕は感じていた)ので、内容を把握するのに苦労した。その苦労は、お年寄りの話をちゃんと聞き取ろうとする際に感じる苦労と同じものだった。つまり、内容そのものはきわめて明快で、わかりやすい。考えさせられる部分もある。
芸術言語論のことを主に語っていたようだ。
わかりやすすぎて、逆に本を読んで実際はどういうことを言おうとしているのか確かめたくなってくる。
これだけの知の巨人なのに、うちの母は吉本隆明のことをその名前すら知らなかった、というところに、また某かの感じさせるところはある。
NHK-FMで現代の音楽
西村 朗
− 四人組とその仲間たち 室内楽コンサート −(1)
「龍の笛」 西村 朗・作曲
(13分30秒)
(フルート)木ノ脇道元
「ドゥイノの城」 糀場富美子・作曲
(10分11秒)
(チェロ)ドミトリー・フェイギン
「バイヴァランス6」 池辺晋一郎・作曲
(10分50秒)
(コントラバス)吉田 秀
(コントラバス)西山 真二
〜東京・津田ホールで収録〜
<2008/12/5>
「阿武松(おおのまつ)出世相撲」京山宗若、(曲師)岡本貞子
大めし喰らいで破門されるが、努力のかいあって、ついに師匠との一番!
「元禄秋晴れ街道」真山広若、(オペレーター)真山幸美
大石と橘左近とのにせもの騒動の話。
曲師がつくのと、オペレーターがつくのと、2つのタイプの浪曲を聞け、またどちらもわかりやすい話で楽しめた。
NHKで「吉本隆明、語る」
3時間におよぶ講演を中心に。
吉本隆明が84歳だというだけでなく、本に比べてもともと講演がうまくない(と、僕は感じていた)ので、内容を把握するのに苦労した。その苦労は、お年寄りの話をちゃんと聞き取ろうとする際に感じる苦労と同じものだった。つまり、内容そのものはきわめて明快で、わかりやすい。考えさせられる部分もある。
芸術言語論のことを主に語っていたようだ。
わかりやすすぎて、逆に本を読んで実際はどういうことを言おうとしているのか確かめたくなってくる。
これだけの知の巨人なのに、うちの母は吉本隆明のことをその名前すら知らなかった、というところに、また某かの感じさせるところはある。
NHK-FMで現代の音楽
西村 朗
− 四人組とその仲間たち 室内楽コンサート −(1)
「龍の笛」 西村 朗・作曲
(13分30秒)
(フルート)木ノ脇道元
「ドゥイノの城」 糀場富美子・作曲
(10分11秒)
(チェロ)ドミトリー・フェイギン
「バイヴァランス6」 池辺晋一郎・作曲
(10分50秒)
(コントラバス)吉田 秀
(コントラバス)西山 真二
〜東京・津田ホールで収録〜
<2008/12/5>
上方亭ライブ@ワッハ上方
2009年1月3日 落語12時半から上方亭ライブ。
手水回し/桂そうば
始末の極意/桂紅雀
テレビで見たウィーンフィルのニューイヤーコンサート。
FMで聞いたときよりも面白かった。
なによりも会場が素敵。
客席に妖精と天使が舞い降りるし、バレンボイムは観客をも指揮するし!
最近はテレビと読書ばっかり。
最近見たのは狂言と歌舞伎とお笑いと落語と格闘技。
今日見たボクシングはなかなか見ごたえがあった。
でも、ヘビー級のタイソンの1発KOシーンをさんざん見たあとでは、殴っても殴っても倒れない試合見ると、歯がゆく思えてくる。
手水回し/桂そうば
始末の極意/桂紅雀
テレビで見たウィーンフィルのニューイヤーコンサート。
FMで聞いたときよりも面白かった。
なによりも会場が素敵。
客席に妖精と天使が舞い降りるし、バレンボイムは観客をも指揮するし!
最近はテレビと読書ばっかり。
最近見たのは狂言と歌舞伎とお笑いと落語と格闘技。
今日見たボクシングはなかなか見ごたえがあった。
でも、ヘビー級のタイソンの1発KOシーンをさんざん見たあとでは、殴っても殴っても倒れない試合見ると、歯がゆく思えてくる。
ミルキーハット@三井アウトレットパーク大阪鶴見
2008年12月31日 アイドル大晦日恒例のミルキーハットライブ。
仕事と仕事の隙間に行ったので、物販などゆっくり見れなかった。
午後1時と3時の回。
ちひろが今いない分、ともみがやたら目立つ。
今回、各メンバーのソロがあったが、これはよかった。
ちょっと前にBoAとミヒマルと嵐のヒットメドレーやってたが、それはあんまりピンと来なかったのだが、どうしたわけだ。このソロ曲はそれぞれの個性がバッチリ出ていて楽しかった。
セットリストなどは、また時間のあるときにでも。
仕事と仕事の隙間に行ったので、物販などゆっくり見れなかった。
午後1時と3時の回。
ちひろが今いない分、ともみがやたら目立つ。
今回、各メンバーのソロがあったが、これはよかった。
ちょっと前にBoAとミヒマルと嵐のヒットメドレーやってたが、それはあんまりピンと来なかったのだが、どうしたわけだ。このソロ曲はそれぞれの個性がバッチリ出ていて楽しかった。
セットリストなどは、また時間のあるときにでも。
ロシアより愛をこめて
2008年12月29日 映画夕方帰宅後は、「お笑いダイナマイト」と「オールザッツ漫才」のあいだにちょうど「007ロシアより愛をこめて」を放送していたので、ちらっと見たら、最後まで見てしまった。
もう見るのは何度めかになるが、ロバート・ショウの殺し屋ぶりは凄いし、ダニエラ・ビアンキは美人だし、ラストの「ケリがついた」のオチも決まっているし、だれる箇所がまったくなかった。素晴らしい。何度も見た、と言っても、当時はまだビデオも普及していなくて、映画館で1日に何回も見たり、リバイバル上映するたびに見に行った程度なので、途中、これからどうなるんだろう、とワクワクしながら見ることができた。原作も読んだんだけどね!まあ、どっちも中学時代の話だけど。
もう見るのは何度めかになるが、ロバート・ショウの殺し屋ぶりは凄いし、ダニエラ・ビアンキは美人だし、ラストの「ケリがついた」のオチも決まっているし、だれる箇所がまったくなかった。素晴らしい。何度も見た、と言っても、当時はまだビデオも普及していなくて、映画館で1日に何回も見たり、リバイバル上映するたびに見に行った程度なので、途中、これからどうなるんだろう、とワクワクしながら見ることができた。原作も読んだんだけどね!まあ、どっちも中学時代の話だけど。
レッツゴー!高校レモン娘、真白き富士の嶺、エドワードサイードOUT OF PLACE
2008年12月28日 映画午前はNHK杯で渡辺竜王対谷川九段、夜は情熱大陸で今期竜王戦。
情熱大陸は、ノムさんが出ている時間はまったくの無駄で、ノムさんが出てきたらテレビ見ずに読書時間にあてた。百年に1度の勝負、とか盛り上げるけど、この前の名人戦も名局だったけどなあ。
「レッツゴー!高校レモン娘」市村泰一監督、1967年。
原作は川上宗薫。
由美かおる、奈美悦子、原田糸子の3人が主人公。
主題歌と、挿入歌で何度も流れる「いたずらっぽい眼」が耳に残る。
3人で歌う「ストロベリーキッス」もいいし、ワイルドワンズが不良のたまり場ジャズ喫茶で歌っていた「青空のある限り」も。
「真白き富士の嶺」佐伯幸三監督、1954年。
冒頭に、「この一篇を海原はるか恩愛に殉じて散りにし若き十二の御魂に捧ぐ」と出る。
若き音楽教師、ものわかりのいい校長、せこい教頭、わからずやのPTA会長。
と、ありがちな設定なのだが、時代を遡れば、笑えない現実だったんだろうな、と感じる。
「OUT OF PLACE」佐藤真監督。
サイードの死後、サイードの著書からの引用をまじえながら、サイードの足跡をたどる旅。
「あるべきところからはずれ、さまよいつづけるのがよい。決して本拠地など持たず、どのような場所にあっても自分の住まいにいるような気持ちは持ちすぎない方がいいのだ」というサイードの言葉がラスト近くで引用されていた。
情熱大陸は、ノムさんが出ている時間はまったくの無駄で、ノムさんが出てきたらテレビ見ずに読書時間にあてた。百年に1度の勝負、とか盛り上げるけど、この前の名人戦も名局だったけどなあ。
「レッツゴー!高校レモン娘」市村泰一監督、1967年。
原作は川上宗薫。
由美かおる、奈美悦子、原田糸子の3人が主人公。
主題歌と、挿入歌で何度も流れる「いたずらっぽい眼」が耳に残る。
3人で歌う「ストロベリーキッス」もいいし、ワイルドワンズが不良のたまり場ジャズ喫茶で歌っていた「青空のある限り」も。
「真白き富士の嶺」佐伯幸三監督、1954年。
冒頭に、「この一篇を海原はるか恩愛に殉じて散りにし若き十二の御魂に捧ぐ」と出る。
若き音楽教師、ものわかりのいい校長、せこい教頭、わからずやのPTA会長。
と、ありがちな設定なのだが、時代を遡れば、笑えない現実だったんだろうな、と感じる。
「OUT OF PLACE」佐藤真監督。
サイードの死後、サイードの著書からの引用をまじえながら、サイードの足跡をたどる旅。
「あるべきところからはずれ、さまよいつづけるのがよい。決して本拠地など持たず、どのような場所にあっても自分の住まいにいるような気持ちは持ちすぎない方がいいのだ」というサイードの言葉がラスト近くで引用されていた。