『神仏のかたち』

2012年12月12日 読書
『神仏のかたち』
梅原猛「神と仏」対論集第1巻『神仏のかたち』を読んだ。
以下、目次

1、神となる、仏となる-日本人の「あの世」観
 山折哲雄

 二つの記憶-「梅原猛」という人
 『思想の科学』を越えて-「笑い」と「仏像」
 時代の怨念-『隠された十字架』『水底の歌』
 怨霊史観-タタリは鎮められたか
 アイヌの発見-日向神話の真実
 「あの世」の問題-二度死んだ?
 ヤクザな血-「センター設立」と戦う
 再びアイヌ、そして沖縄-縄魂弥才から縄魂弥魂へ
 再び弥生-長江文明
 縄魂弥魂-天皇の田植え、皇后の養蚕
 「あの世」観、往復の思想-「仏」になろう

2、「円空」霊木化現-神仏を生む樹
 長谷川公茂

 なぜ円空か-行基、泰澄…白山信仰
 まつばり子-私生児・円空
 円空初期像-神像から始まる
 修験・円空-修行、作歌・作仏
 恐山へ-鎮魂の呪師・円空
 十一面観音・来迎観音-水の神、海の神
 鉈薬師、具象と抽象-円空曼陀羅
 護法神、「女人仏」-母の供養
 弥勒信仰-円空入定
 円空と木喰-微笑の中の怒り

3、奥山の動物は神-賢治の宇宙
 河合雅雄
 
 病弱な子供時代-夢は元気に駆けて
 「卒論」を楽しむ-ウサギと“時”
 梅原哲学の特殊性-フィールドワーク
 サルが見ている-人間が好き、サルが好き
 『少年動物誌』-河合雅雄の文学
 我輩はムツゴロウである-平和と“性”と戦争
 宮沢賢治-動物・人間・自然
 賢治の動物-カモシカが登場しないわけ
 『なめとこ山の熊』-環境の思想

印象的だった発言を引用しておこう。
梅原:本当は著書を残す奴は二流なんや。僕はもう初めから二流だと思ってる。一番偉い人は残さんのや。行動が立派だから。僕は行動にやましいところがあるから、物を書いているんだ。
釈迦にしても、孔子にしても、イエス・キリストにしても、ソクラテスにしても、自らはものを書いていない。

河合:ローレンツが面白いことを言ってるんですよ。人間世界の平和というものは、異星人からの攻撃によってしかもたらされないやろうと。その時初めて人類が皆、多分一つになると。でなかったら内輪争いばっかり。今もそうですね日本人は戦争体験もしてきたわけですけど、まだ戦争の本当の恐ろしさを自覚していない。

このくだりは、手塚治虫の漫画とか、映画「アイアン・スカイ」でも描かれるとおり。

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