木下惠介監督の「生きている孫六」を見た。1943年。
孫六というのは、銘刀「関の孫六」のこと。
映画冒頭は三方ケ原の合戦のシーン。それが、現代のシーンになって物語ははじまる。当時は戦争中で、村の人は若い者たちが名誉の戦死をすることを心から望んでいる。
家宝の刀「関の孫六」を売り払ってしまった男が、買い戻そうとするが何ともうまくいかない。
肺病で兵隊になれず気に入らないことがあるとすぐに蔵の中にひきこもる男、主従関係に縛られて結婚できないカップル、迷信にとらわれる家系、土地を売ろうとする若い世代と守ろうとする年寄り。
作中、登場人物も言うように、古戦場に住んでいたら、考え方も古臭くなる、のである。
ひきこもりの青年は、ついに目覚めて、スポイルしてきた母親にこう言う。
「お母さんは二言目には御先祖様を口にしながらその先祖の血を受け継いだ僕に対しては何の値打ちも認めては下さらないのですか!」
そして、結婚問題から、刀の問題から、山積していた問題を一気に解決してしまう。なんと明朗な話なのか!
と、いうか、すべての問題は、迷信にとらわれた母親を説得することにかかっていたのか、という意味では、母がテーマの物語だったのだ。
また、古戦場で、先祖の血がしみこんだ土地を開墾することに反対だった母親が、お国のためになるのなら、と最終的に承諾する流れは、最近見た「ファミリー・ツリー」では正反対の結論だった。戦時と平時では、こうも考え方が違うのだ。
孫六というのは、銘刀「関の孫六」のこと。
映画冒頭は三方ケ原の合戦のシーン。それが、現代のシーンになって物語ははじまる。当時は戦争中で、村の人は若い者たちが名誉の戦死をすることを心から望んでいる。
家宝の刀「関の孫六」を売り払ってしまった男が、買い戻そうとするが何ともうまくいかない。
肺病で兵隊になれず気に入らないことがあるとすぐに蔵の中にひきこもる男、主従関係に縛られて結婚できないカップル、迷信にとらわれる家系、土地を売ろうとする若い世代と守ろうとする年寄り。
作中、登場人物も言うように、古戦場に住んでいたら、考え方も古臭くなる、のである。
ひきこもりの青年は、ついに目覚めて、スポイルしてきた母親にこう言う。
「お母さんは二言目には御先祖様を口にしながらその先祖の血を受け継いだ僕に対しては何の値打ちも認めては下さらないのですか!」
そして、結婚問題から、刀の問題から、山積していた問題を一気に解決してしまう。なんと明朗な話なのか!
と、いうか、すべての問題は、迷信にとらわれた母親を説得することにかかっていたのか、という意味では、母がテーマの物語だったのだ。
また、古戦場で、先祖の血がしみこんだ土地を開墾することに反対だった母親が、お国のためになるのなら、と最終的に承諾する流れは、最近見た「ファミリー・ツリー」では正反対の結論だった。戦時と平時では、こうも考え方が違うのだ。
コメント