『ジャック・ルーボーの極私的東京案内』
『ジャック・ルーボーの極私的東京案内』を読んだ。
ジャック・ルーボーは、ウリポの作家で、この本も、通常の意味での東京案内にはまったくなっていない。
以下、本書の構成。

山手線各駅俳文
TOTO
てんとう虫
大名時計博物館
公園と庭

作中、いろんな説が出てきて、それが面白かったので、引用しておこう。

英語の音には、非英国人にとっては格別に再現しにくいものがある。

それは「th」、たとえば「this」や「that」のような語に出てくる音である。さて、高名な言語学者の解説によると、これとほぼ同じ優秀な結果を得るためには、舌の位置をフォワグラを食べるときと正確に同じにすればよい。あるいは(彼はつけ加えて曰く)ゼリーを食べるときと同じにすればよい、と。
このちょっとした指摘のおかげで、私はイギリスにおけるゼリーの起源を発見することができた。実際、知らぬ者のない事実だが、フォワグラの生産地は14世紀にはイギリス王室に属しており、当然の結果として例の「th」の音が英語の音声に導入された。その後、ジャンヌ・ダルクやそれに続くもろもろが登場した結果、英語はその固有言語の正しい発音のために欠かせないフォワグラをすぐに安値で入手する道を長期間にわたって絶たれてしまった。そこで、ある天才的な料理人がゼリーを発明したのである。


あるいは、たまたま何度か車窓から見る機会があったときに、富士山が見えなかったことから、富士山は存在しないとする「富士山問題」をぶちあげる。
「あれは万葉の詩人たちが日本観光局と共謀してでっちあげたものなんです」

また、TOTOのカタログを自動翻訳にかけてトンチンカンな説明にしてしまう。
たとえば、フラッシュバルブが「紅潮弁トイレ」と翻訳される愉快さなどが淡々と並べられ、「ビデ」の項はこんな翻訳
ちょうどボタンのプッシュで、ノズルは及びますわずかに前にノズル開口の数から、難しい温水洗浄をする直腸洗っている立場の。

便器のふたの項では、こんな説明が。

遅い終わりの席とふたは、大きい爆発音を防ぎます。たとえあなたが彼らを降ろすとしても、ふたと新しいWashlet Gアルファのシートはゆっくり閉まります。

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