トロイ・ニクシー監督の「ダーク・フェアリー」を見に行った。
「パンズ・ラビリンス」のギレルモ・デル・トロが脚本とプロデュースをしている、というのが売りで、見に行くまで、別の人が監督しているのを知らなかった。
テレビムービー「地下室の魔物」のリメイクで、古い館に住む「子供の歯を食べるモンスター」と家族の戦いを描く。
元のテレビムービーは見た人にトラウマを与えるほどの怖さがあったと聞くが、この映画に関しては、さほど怖くはなかった。あるいは、日本人の怖さに対する感覚とはずれていた、という感じかもしれない。魔物が登場するのだが、それが、まあ、小猿なのである。ずるがしこい小猿なので、はさみを使って人間に切りつけたり、複数の小猿が力をあわせて人間を綱引きよろしく引っ張ったりする。チームプレイがとられるわけだ。
小猿が人間を襲う、と言う様なシチュエーションは、わりと日常にもあるので、悪夢をみるような状況ではない。
映画のプロダクションノートを読むと、魔物は必ずちゃんと観客に見せなければならない、という信念のもと、魔物の造形がされたとのことだが、それが、わくわく動物ランド的な映像になってしまった。子役の女子も、ぽっちゃり太っていて、あんまり可愛くない。ああ、残念だな、というふうに思っているとき、頭には「リング」の海外版のことが思い出されていた。あの海外版のリングの貞子の造形ったら、怖さをみじんも感じさせないものだった。
ただし、これはほんと、僕だけの意見なのかもしれない。
と、いうのは、過去に将棋の加藤一二三九段が、近所の野良猫に餌付けをして困る、と近隣住民から訴えられていたニュースを思い出したのだ。その近隣住民は、猫のにおいなど、要するに、猫が存在することによって、夜も眠れないほどの精神的苦痛を味わったそうなのだ。近隣住民にとっては、猫が「歯を食べる魔物」にも相当するトラウマもののモンスターだったのである。とうてい考えられないことだ。近隣住民にとっては、家のまわりに猫が徘徊する映画などを見せられたら絶叫したに違いなくて、その感情を僕が理解できないこととは無関係に、そうした事実は厳に存在しているのである。
そう感じながらプロダクションノートを読んでいると、魔物の動きには、「チチカットフォーリーズ」を参考にした、との言葉を見つけた。フレデリック・ワイズマンのドキュメンタリー映画で、精神病院の患者を映している。つまり、気違いの行動が怖いものとして参照されたわけで、このあたりも、なんだ、ちっとも怖くないなあ、と思わせる一因だったのかもしれない。
http://darkfairy.jp/
「パンズ・ラビリンス」のギレルモ・デル・トロが脚本とプロデュースをしている、というのが売りで、見に行くまで、別の人が監督しているのを知らなかった。
テレビムービー「地下室の魔物」のリメイクで、古い館に住む「子供の歯を食べるモンスター」と家族の戦いを描く。
元のテレビムービーは見た人にトラウマを与えるほどの怖さがあったと聞くが、この映画に関しては、さほど怖くはなかった。あるいは、日本人の怖さに対する感覚とはずれていた、という感じかもしれない。魔物が登場するのだが、それが、まあ、小猿なのである。ずるがしこい小猿なので、はさみを使って人間に切りつけたり、複数の小猿が力をあわせて人間を綱引きよろしく引っ張ったりする。チームプレイがとられるわけだ。
小猿が人間を襲う、と言う様なシチュエーションは、わりと日常にもあるので、悪夢をみるような状況ではない。
映画のプロダクションノートを読むと、魔物は必ずちゃんと観客に見せなければならない、という信念のもと、魔物の造形がされたとのことだが、それが、わくわく動物ランド的な映像になってしまった。子役の女子も、ぽっちゃり太っていて、あんまり可愛くない。ああ、残念だな、というふうに思っているとき、頭には「リング」の海外版のことが思い出されていた。あの海外版のリングの貞子の造形ったら、怖さをみじんも感じさせないものだった。
ただし、これはほんと、僕だけの意見なのかもしれない。
と、いうのは、過去に将棋の加藤一二三九段が、近所の野良猫に餌付けをして困る、と近隣住民から訴えられていたニュースを思い出したのだ。その近隣住民は、猫のにおいなど、要するに、猫が存在することによって、夜も眠れないほどの精神的苦痛を味わったそうなのだ。近隣住民にとっては、猫が「歯を食べる魔物」にも相当するトラウマもののモンスターだったのである。とうてい考えられないことだ。近隣住民にとっては、家のまわりに猫が徘徊する映画などを見せられたら絶叫したに違いなくて、その感情を僕が理解できないこととは無関係に、そうした事実は厳に存在しているのである。
そう感じながらプロダクションノートを読んでいると、魔物の動きには、「チチカットフォーリーズ」を参考にした、との言葉を見つけた。フレデリック・ワイズマンのドキュメンタリー映画で、精神病院の患者を映している。つまり、気違いの行動が怖いものとして参照されたわけで、このあたりも、なんだ、ちっとも怖くないなあ、と思わせる一因だったのかもしれない。
http://darkfairy.jp/
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