『長篇詩 ごろごろ』『天上ノ蛇、紫のハナ』『花火の家の入口で』『The Other Voice』
『長篇詩 ごろごろ』『天上ノ蛇、紫のハナ』『花火の家の入口で』『The Other Voice』
『長篇詩 ごろごろ』『天上ノ蛇、紫のハナ』『花火の家の入口で』『The Other Voice』
『長篇詩 ごろごろ』2004年
今日読んだ4冊の吉増剛造の詩集のなかで、この『ごろごろ』にいちばん感動した。これこそ宇宙方言と呼びたい言葉のかたまり。(読んだ順が影響してるのかも)
書かれている内容そのものは、日記とかわらないのだが、その一文がどもり、聞きなれない言葉で綴られ、さらにその言葉に、注釈として別に置かれるはずの言葉たちが、蔓のように巻きついている。これは、自分の鎧を脱ぎ捨てて、裸で受け止めないと届いてこない言葉たちだった。でも、いったん読めはじめると、なんという快楽か。
たとえば、「珈琲館」(なんという、日常的な単語!)は、こう表記される。
「コッーッ、ッヒ、ッカ、ッカ、ッン」

『天上ノ蛇、紫のハナ』2005年
激つ
紫っぽい、vibratus〔ラテン語「細かく動く」〕ノ、ブリ(振)ちゃん
(彼岸からの)口笛
近所の鳩と遊んだこともあるだろう、傷痍軍人さんの白い杖
“白い杖”が天上に投げ上げられて、未来の、わたくしたちの手が、・・・
刹那ニ、埃=穂古里ノ、匂ヒが、シタ
コク、きっと(クは小さい「ク」で、ハングル表記がはさまる)
ピカ、がだ、・・・
ミツメラレテイル-gauze,gauze
天上ノ巨人
すべてを枯らさずに歩むこと
海が陥落しているところまで、とうとう、こゝまで、やってきていた、・・・
“あたらしい色でおとずれておくれ”ひとつの“白い陰”(「日時計篇2」全詩集1537頁・・・)として
“楡のちび”が「灰暗の(かいあんの)」鉛筆のような自轉車に
“足なへの鉄(くろ)”よ、突っぱしれ!
こゝろハ櫻色、すがすがしい余地
(色々の)繊維のシッポの浄土の鼠・・・
構内(ゲレンデ)ニ雨が、・・・
普天間(フチマー)ニ、“・・・ノ楡ノ木”
恋しい哀号
火爪、蹄-hof,hoof,hooves
赤馬(あかうま)

吉本隆明や寺山修司について書いたものなど。

『花火の家の入口で』2001年
唖者の家へ
廃庭
月暈/不死
神を池の下に手紙をとどけに行った
薄いヴェールの丘に
花火の家の入口で・序
花火の家の入口で
薄い音の梶棒が刺青を写す。神の手の掻き痕にわたしも気がつく
櫻/ラジオ
手紙
中国の一角獣
灰色/遺伝子/宝石
石狩シーツ
麒麟-石狩河口
「路上バンド」に逢った日に、神は、ドイツへ行ってしまった
紐育、午前四時三十分

『The Other Voice』2002年
1、光の下に“蝶層”を
2、僕の死後の白いはな
3、お遍路さんの後姿に
4、“残しておきたい、・・・”《蛇籠の木、・・・》
5、月は繊維でゞきている
6、Out-of-the-way(へんぴな、特異な、・・・片田舎の、横道にそれた、・・・)
7、The Other Voice
8、雜車、トロ=ッ
9、雜神、イェイツが伝へて来たこと。そして、ソルジェニーツィン
10、南方(陽面あるいは影面、輝きの方へ、・・・それに対して北方ハ、背面、北方、・・・
11、「湘南電車」ハ、モハ(・・・、まだ走ってる?
12、嘉手納
13、歌(あやご)
14、福生、福生(フッサ、フッツッァ)
15、古人(道元、戈麦君、・・・舞天先生、良寛さん、・・・)
16、沈黙の言葉(「無文字時代の言葉を幻視する、・・・」とtitle(ラテン語「銘」の意、・・・)を、石川九楊氏に差しだされて、2001.8.1,2,3,4と、考えつゞけていたことのmemo(ラテン語、記憶されるべきもの=memorandum)のfragment(断片、かけら。ラテン語「こわれたもの」)を僅かにうごかしてみる、こ、ゝ、ろ、み、・・・)
17、光の落葉
18、美しい晩秋の朝のひとゝき
19、紙裏に(、・・・
20、バッハ(“身を屈め、指で地面に書きはじめ、・・・)
21、パ

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