ZIPANGU ジパング展@大阪高島屋7階グランドホール~Music room vol.8「音の造形ー作曲家、山根明季子の世界」@京都芸術センター
大阪高島屋7階グランドホールで「ZIPANGU ジパング展」。「31人の気鋭作家が切り拓く、現代日本のアートシーン」と惹句がある。
町田久美
南条嘉毅
山口藍
鴻池朋子
山本太郎
天明屋尚
石原七生
熊澤未来子
会田誠
山崎史生
池田学
上田順平
山口晃
岡本瑛里
束芋
三瀬夏之介
青山悟
宮永愛子
近藤聡乃
棚田康司
O JUN
藤田桃子
森淳一
樫木知子
指江昌克
風間サチコ
染谷聡
渡邊佳織
吉田朗
山本竜基
龍門藍
現代アートの面白さを堪能できる展覧会だった。それぞれに技術も感性も申し分なくて、アイディア倒れになっていない傑作が集められた。
鴻池朋子の「mimio-Odyssey」や、束芋の「にっぽんのちっちゃい台所」、近藤聡乃の「てんとう虫のおとむらい」など、映像を使った作品が、単純にその作品の前である程度の時間を費やさせるという効果で、印象深い。
また、作品の前で時間を費やさせる工夫として、大きな作品、いくつもの要素を含んでいたり、複数のみどころを合体させたキメラ作品なども多かった。ひょっとしたら、僕が現代アートにひかれるのは、「ぱっと見て面白くて、しかも作品を見終わるのに時間を要する」という、優れた芸術を前にして得られる体験が、あの手この手を使って実現されているからなのかもしれない。
午後2時からは会田誠さんのトークがあったが、見ずに京都に向かう。

京都芸術センターで、Music room vol.8「音の造形ー作曲家、山根明季子の世界」
講堂でのコンサートまでの時間を利用して、前回京都芸術センターに来たときに見逃したギャラリー北を見に行く。
夏休み企画展「sweet memory-おとぎ話の王子でも」ギャラリー北は河地貢士、林智子。
河地氏の作品は、ベビースターラーメンで描いた渦模様や、ポテトチップス、うまい棒を使った作品など。
林智子女史の作品は、涙を閉じ込めたアクセサリーなど。

つづけて、フリースペースで、サウンド・インスタレーション「水玉コレクションNo.06」。
山根明季子の作品がサウンド・インスタレーションとして展示されていた。(出入り自由)
会場内は薄暗く、まるでお化け屋敷。ところどころが明るく照明があたっていて、楽譜が置いてある。見えるものは、楽譜と、一見バラバラに佇立しているようなスピーカー、まんなかにはYoann Tonttu氏の作品「Sacrifice_002」。
音楽はエンドレスで水玉コレクションが流れていた。
出入り自由なのをいいことに、この会場内ですっかりくつろいで時間を過ごした。

17:30からはギャラリー南で、夏休み企画×Music Room vol.8「音楽模様」
「お菓子や甘いものについてそれぞれの表現を行う作家によるグループ展、夏休み企画『sewwt memory-おとぎ話の王子でも』の作品と山根の音楽作品がコラボレーションし、視覚、聴覚など様々な人間の感覚に訴える場を創り出します。
出品作家:謝琳、瓜生祐子 / 選曲・出演:山根明季子」
以前にも見たギャラリー南の不思議な地図と塔の展示物に、水玉コレクションがコラボレーション。山根さんのトイピアノでの演奏もあった。

午後6時ちょっと前にギャラリー南のイベントが終わったので、そのままグラウンドに出て、NHK-FM「現代の音楽」を聞く。案内は猿谷紀郎。
- “N響ミュージック・トゥモロー2011”から -(2)       
「オーケストラのための蘇莫者」         西村朗・作曲
                      (45分14秒)
                 (舞楽)天王寺楽所 雅亮会
                  (管弦楽)NHK交響楽団
               (指揮)パブロ・ヘラス・カサド
  ~東京オペラシティ・コンサートホールで収録~      
                   <2011/6/28>

19:00から講堂で、演奏会「second menarche」
全曲、山根明季子作品
 『うねうねとうごくオブジェα、β』
 『水玉コレクションNo.07』
 『水玉コレクションNo.03』
 『ふるえる球体のある空間No.01』
休憩をはさんで、後半へ。
 『少女メランコリー』
 『プラスチックベイビーズ』(新作、世界初演)
 企画・構成:山根明季子
 演奏:亀井庸州(vn)、中村公俊(vn)、安田貴裕(vn, va)、寒川晶子(pf)
 音響:檜垣智也
 照明:miroq
 衣装:SEATAΘ(浦崎拓也、和泉栞)
 主催:京都芸術センター
 協力:カラーキネティクス・ジャパン株式会社
 舞台監督:外村雄一郎
 造形製作:川上明子
意外なことに、この演奏会が、山根さんの初の個展になる。
山根明季子さんは、「現代の音楽」でしょっちゅうその音楽を聞いていたし、胡子ちゃんの「お嬢様少女部」の校歌と図形楽譜を担当していたりして、お会いして話したことはないものの、名前だけはすっかりお馴染みの人だった(プログラムノートに書かれてあった「少女の持つ傍若無人な破壊力は私にとって魅了されてやまないモチーフです」という発言が、僕の守備範囲と重なるのだろう)。実際に間近で本人を見てみると、今まで写真などで見ていた人とは別人なんじゃないか、と思えるほどに洗練された美しい人で、目を疑った。
今回、純白のヴェールとウェディングドレス風の衣装、真っ白なステージ、明滅する照明、と、見ても聴いても楽しい空間と時間を過ごした。
惜しむらくは、僕が金欠で、CDなどを購入できなかったことだ。
僕に物販の呪いはつきもの(憑き物)なのである。
http://akikoyamane.com/web/Top.html
                         
 
(追記)
帰宅してNHK-FM聞いたら、スティーブ・ライヒの「テヒリーム:詩篇:1981」がまるまるかかってた。
つくづく、現代音楽に憑かれた1日だった。

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