『谷崎潤一郎 犯罪小説集』
谷崎潤一郎の『谷崎潤一郎 犯罪小説集』を読んだ。
「柳湯の事件」
銭湯の湯船に沈んでいる死体、というイメージは強烈!何か踏んだな、と思ったら、それが実は、という話で、「モシャクシャ」「ヌラヌラ」という描写がなまなましい。
「途上」
昨日も読んだ、プロバビリティーの犯罪の話。どちらも漢字などの表記が現代人に読みやすいようにしてあるが、こっちのほうがさらに現代風になおされている。
「私」
ポーの某作品に想を得たのか、クリスティーの某作品の先駆にもなっているトリックが使われているが、タイトルで半分真相を明かしているのが、面白い。
「白昼鬼語」
暗号を解いて、犯罪窃視。ポーの「黄金虫」の暗号を使っているが、その内容は、
仏陀の死する夜、
デイアナの死する時、
ネプチューンの北に一片の鱗あり、
彼処においてそれは我れ我れの手によって行われざるべからず
で、これを解読するだけでもたいしたものだ。僕など、高校のときの年賀状で、大関くんが書いてよこした暗号もまだ解けていないというのに!

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