『谷崎潤一郎 大正期短編集 金色の死』
谷崎潤一郎の『大正期短編集 金色の死』を読んだ。
「金色の死」
パノラマ島にインスピレーションをもたらしたという、人工庭園世界。
「人面疽」
映画の話。ここでも、なぜか「黄金仮面」とか想起してしまった。
「小さな王国」
教室国家。ウェーブみたいな世界が展開されるが、展開はきりきりと胸を刺す。
「母を恋うる記」
新内語りの三味線が「天ぷら喰いたい」と聞こえる。ここで「白昼夢」を連想したのは、まさに病膏肓か。
「富美子の足」
犬のようにまとわりつく足フェチの話で、名前が「ふみこ」というのは、わかりやすい冗談で愉快!
「途上」
プロバビリティーの犯罪として、小学生のときから中島河太郎の本で慣れ親しんだ作品。いろんな作品のモトになっていると思う。
「青い花」
洋服を第二の皮膚だとする見解は新鮮で、大いに感銘を受けた。
ぼけて妄想に耽ってしまう年寄りの頭の中身は、既に僕の脳内とたいして変わらない。

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