『明治 大正 昭和 不良少女伝---莫連女と少女ギャング団 』
平山亜佐子の『明治 大正 昭和 不良少女伝---莫連女と少女ギャング団 』を読んだ。
河出書房新社の内容紹介には、こう書いてある。
堕落した書生を成敗せよ! 不良集団の四谷ハート団を率いたジャンダークのおきみ等、明治、大正、昭和を彩った不良少女たちの生態が今明かされる。自由を追い求めたモダンガールの軌跡。

以下、目次。
はじめに
第一章 明治……銀杏返しの莫連女たち
明治という時代/不良少年少女の誕生/明治期の莫連女1/明治期の莫連女2/明治期の悪少女団
第二章 大正……洋装の不良少女団
大正時代と不良問題/文界の不良少年団/不良化の原因1 悪いのは上流、下流? それとも中流?/不良化の原因2 映画を真似る少年、金龍館と少女/不良化の原因3 浅草オペラの殿堂、金龍館と少女/不良化の原因4 文化 カフェーと自然主義文学/不良少年少女の更正策/ハート団事件と丸ビル/タイピストとショップガール/「丸ビル美人伝」/ジャンダークのおきみ/恐ろしき大正期の不良少女たち/イタリー人狙撃事件/不良外人問題と心中の流行/文界の愚連隊、ふたたび
*附 草創期の新聞社と記者たち
第三章 昭和……断髪の少女ギャング団
昭和初期と不良の傾向/女優志願がギャングの首領に/モダンガール≠モガ/モガと「不良外人」/モテるフィリピン人/美人を団長に捉える不良団/家出の増加と放任主義/ギャングの女/「バッド・ガール」の流行/ギャング団の台頭/赤色系ギャング団の登場/満州帰りの不良たち/浅草の終焉/戦中・戦後の不良たち
あとがきにかえて
主要参考文献

新聞記事を中心に、不良少女の変遷をたどった1冊。「あとがきにかえて」に、こんな文章がある。

明治半ばの莫連女たちは、父親に逆らい、男装をして、家を飛び出した。大正の不良少女たちは少年たちと共謀し、映画館で客引きし、不良外国人を撃った。昭和初期のバッド・ガールたちは断髪にして、エロを武器に、満州で暴れた。

なるほど!やってることはエスカレートしているかもしれないが、明治では父親に逆らうことが、新聞などに書かれるほどのインパクトがあった、ということだ。
昭和7年『改造』で紹介される不良少女たちは、二つ名を持っており、時代を感じさせる。
不良にからまれてピストルを発砲する名うての不良少女「ガルボのお政」
野郎はだしの仁義をきる「ジャズのお小夜」
ブルジョアの子弟を釣って猛烈なアッパーカットを喰わせる「ハッタリお清」
映画俳優の頭に消毒液かけて遁走した「カルメンお静」
あと、膝にロウ細工の人面疽をつけて、驚かせる「お春」とか。
あと、気になったのが、モガについて語るいわゆる「近隣住民」の発言で、
「不断キングや講談クラブを読んで面白がって居る程でしたから思想も低級でモダーン・ガールも聞いて呆れる程でした」
と、いうが、僕の今の大好物といったら、この「キング」「講談クラブ」あたりの読み物なのである。思想低級でわるうござんしたね!

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