内田吐夢監督の「生命の冠」を見た。1936年。山本有三のデビュー作を原作にしている。無声映画。
カニ缶詰工場がカニの不漁が高じてついに工場も手放してしまう、という悲惨な現実を描いているが、それを回避しようとしてあの手この手を使う弟(井染四郎)をさとして、正直に生きていこう、と決断する岡譲二。妹役で原節子(当時15歳)の姿もみえる。
その、あの手この手で、弟はカニ缶の中身をメス蟹の身を入れたりして水増ししようとするくだりがあった。雌蟹の身は一級品じゃないんだ。なるほど。
カニ漁や工場で缶詰にする工程も撮影されており、貴重。とくに、ロケ地は北方領土なのである。
ラスト、にっちもさっちもいかなくなって工場を手放す段になって、岡譲二は、聖書をひいて、こう言う。
「爾(ナンジ)死ニ至ルマデ忠信ナレ
然ラバ我レ爾ニ生命ノ冠ヲ與ヘン」
これはヨハネの黙示録2章10節からの言葉で、現在流通している新共同訳では、こうなる。
「死に至るまで忠実であれ。
そうすれば、あなたに命の冠を授けよう。 」
どうにか助かるのか、もっと悲惨になるのか、どっちかにしてくれと言いたくなるようなラストだが、すごく現実味があって、迫るものがあった。
この映画のいわば売りになる原節子は、存在感はあるものの、いてもいなくてもいいような役だった。
カニ缶詰工場がカニの不漁が高じてついに工場も手放してしまう、という悲惨な現実を描いているが、それを回避しようとしてあの手この手を使う弟(井染四郎)をさとして、正直に生きていこう、と決断する岡譲二。妹役で原節子(当時15歳)の姿もみえる。
その、あの手この手で、弟はカニ缶の中身をメス蟹の身を入れたりして水増ししようとするくだりがあった。雌蟹の身は一級品じゃないんだ。なるほど。
カニ漁や工場で缶詰にする工程も撮影されており、貴重。とくに、ロケ地は北方領土なのである。
ラスト、にっちもさっちもいかなくなって工場を手放す段になって、岡譲二は、聖書をひいて、こう言う。
「爾(ナンジ)死ニ至ルマデ忠信ナレ
然ラバ我レ爾ニ生命ノ冠ヲ與ヘン」
これはヨハネの黙示録2章10節からの言葉で、現在流通している新共同訳では、こうなる。
「死に至るまで忠実であれ。
そうすれば、あなたに命の冠を授けよう。 」
どうにか助かるのか、もっと悲惨になるのか、どっちかにしてくれと言いたくなるようなラストだが、すごく現実味があって、迫るものがあった。
この映画のいわば売りになる原節子は、存在感はあるものの、いてもいなくてもいいような役だった。
コメント