ダニイル・ハルムスの『ハルムスの小さな船』を読んだ。2007年
井桁貞義による翻訳、西岡千晶(西岡兄妹の画を担当してる妹さんの方)
による絵がふんだんに使われた、面白い本。
以下、目次。
非いま
アダムとイブ

ソネット
誰が一番速いか(原文は無題)
墜落する老婆たち
ブルーノートNo.10
出来事
小さな船
フェージャ・ダヴィードヴィッチ
出会い
衣装箱
天文学者(原文は無題)
うさぎとハリネズミ
恐ろしい死
ペトラコーフの出来事
コン!
パッサカリア一番
プーシキンとゴーゴリ
窓辺に(原文は無題)
パーキンとラクーキン
失敗した芝居
老婆

本書に収録されている作品は、先日読んだ『ズディグル・アプルル』とかなり重複しているのだが、訳者の違いで印象も変わるもんだな、と思った。
巻末の「老婆」は中編ほどの長さをもつ作品。家のなかに突然見知らぬ老婆が入ってきて、そこで勝手に死んでしまい、どうしようかうろたえる主人公の姿を描いている。でも、さすがナンセンスを身上とするハルムスらしく、結末は「長くなったからこれで終わる」と言った感じ。
どうせハルムスの本を次々と翻訳してくれるなら、ペテルブルグで出たという4巻の全集、2巻の創作ノートを完訳してほしいな!

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