「リトルソルジャー」「アテネの恋人たち」「両替からはじまる物語」@大阪ヨーロッパ映画祭
2009年11月22日 映画今日も今日とて第16回大阪ヨーロッパ映画祭。
午前11時からデンマーク映画「リトル・ソルジャー」
アネット・K・オルセン監督
元軍人の女性ロッテは、コールガールリリーのボディガードをつとめる。
と、いえば「ボディガード」を思い浮かべるところだが、これは女性どうし。ただ、女性どうしのからみもあったな。アフリカに暮らすこどものために売春するリリーを救おうと、ロッテは組織を裏切ったりする。薬をのませて脱力した肉体にしたうえでことに及ぶ死姦マニアの客を「この変態!」と殴りつけてリリーを助けちゃうのだ。リリーは承知のうえだし、常連の上客だったというのに。軍人さんはそういう機微までわからないからねえ。
上映後はリリーを演じたローナ・ブラウンがトーク。以前、歌手として来日したことがあるそうだ。
午後2時30分からギリシャ映画「アテネの恋人たち」
パノス・H・コートラス監督
殺人罪で服役していた男ヨルゴスは、出所してすぐにシーメールのステラと出会い、関係をもつ。2人は男性どうしだが恋愛感情がうまれる。
ところがところが、このシーメールのステラ、実はヨルゴスの息子だったのだ!
ヨルゴスはもともと、息子が叔父にいたずらされそうになって、その叔父を殺して服役したというのに、男どうしの関係を自ら結んでしまったわけだ。しかも、父と子で!
と、いえばまるでギリシア悲劇じゃあーりませんか、ということになるが、なんと運命に服従せずに、ゲイのパワーでハッピーエンドにしてしまうのだ。これは面白い!
ゲイやドラァグクイーンのカルチャーも出て来て興味深かった。いろんなゲイ向けの玩具がキッチュで悪趣味で面白い!ほしい!メールヌードのクリスマスツリーオーナメントとか。
なお、この映画の英語タイトルは「A Woman’s Way」女の道、とでもいうのか。そのことについて、上映後、脚本家のパナヨティス・エヴァンゲリデスさんが質疑応答にこたえていた。ギリシャでのタイトルは「Strella」で、主人公のシーメール、ステラの名前とギリシャ語の「trella」をくっつけた造語なのだそうだ。翻訳できないので、それぞれの国でタイトルをつけているため、「アテネの恋人たち」みたいなタイトルがついているのだという。ちなみに、この「trella」だが、トークでは「クレイジー」みたいな意味だと言っていて、じゃあ、「やりすぎステラ」みたいな感じなのかな、と想像してみた。ギリシャ語の辞書をひいてみたが、どうにもこうにもギリシャ文字は読みにくくて、はっきりした意味合い、ニュアンスがつかめなくて残念だ。幼いときに服役によって離ればなれになったから「ステラれて」なんて、どう?と思った。
午後6時からルーマニア映画「両替からはじまる物語」
ニコラエ・マルジネアヌ監督
オーストラリア移住のために全財産を両替しようとして、詐欺にあった男の物語。
男は同じ手口で両替するとみせかけて騙しとる悪人に変貌する。最初はだまされておろおろするコミカルな雰囲気だった主人公が、ラストでは冷血な悪人になってしまっているのが怖い。
その主人公を演じたコスミン・セレシが上映後、質疑応答にこたえていた。
なお、この質疑応答だが、毎回見て来て、すごく興味深かった。
同じ映画を見たはずなのに、と思うほど解釈の違う人がいたり、おや、そういう観点から質問しますか、と目がさめる思いをしたり、質問として態をなしていないものもあり、また自慢話がまじる場合もある。質疑応答は観客のオンステージタイムだな、と思った。バラエティに富んでいて面白かった。
今日はテレビで桂米朝とざこばのトークを中心にした上方落語の番組があったり、将棋の日の特別番組があったりして、帰宅後が充実していた。
また、いつものように、NHK-FMで「現代の音楽」
猿谷 紀郎
− 作曲家の個展〜中川俊郎 −(2)
「もの思う葦(あし)たち(2003)」 中川俊郎・作曲
(12分05秒)
(管弦楽)東京都交響楽団
(指揮)飯森 範親
「影法師−F.シューベルトの同名の歌曲 その他による
(2009)」中川俊郎・作曲
サンプリングの元ネタなどのトークが面白かった。
現代音楽と笑いは親和性があるんだな、と思いを強くした。
※世界初演
(9分29秒)
(管弦楽)東京都交響楽団
(指揮)飯森 範親
〜東京・サントリーホールで収録〜
<2009/10/14>
午前11時からデンマーク映画「リトル・ソルジャー」
アネット・K・オルセン監督
元軍人の女性ロッテは、コールガールリリーのボディガードをつとめる。
と、いえば「ボディガード」を思い浮かべるところだが、これは女性どうし。ただ、女性どうしのからみもあったな。アフリカに暮らすこどものために売春するリリーを救おうと、ロッテは組織を裏切ったりする。薬をのませて脱力した肉体にしたうえでことに及ぶ死姦マニアの客を「この変態!」と殴りつけてリリーを助けちゃうのだ。リリーは承知のうえだし、常連の上客だったというのに。軍人さんはそういう機微までわからないからねえ。
上映後はリリーを演じたローナ・ブラウンがトーク。以前、歌手として来日したことがあるそうだ。
午後2時30分からギリシャ映画「アテネの恋人たち」
パノス・H・コートラス監督
殺人罪で服役していた男ヨルゴスは、出所してすぐにシーメールのステラと出会い、関係をもつ。2人は男性どうしだが恋愛感情がうまれる。
ところがところが、このシーメールのステラ、実はヨルゴスの息子だったのだ!
ヨルゴスはもともと、息子が叔父にいたずらされそうになって、その叔父を殺して服役したというのに、男どうしの関係を自ら結んでしまったわけだ。しかも、父と子で!
と、いえばまるでギリシア悲劇じゃあーりませんか、ということになるが、なんと運命に服従せずに、ゲイのパワーでハッピーエンドにしてしまうのだ。これは面白い!
ゲイやドラァグクイーンのカルチャーも出て来て興味深かった。いろんなゲイ向けの玩具がキッチュで悪趣味で面白い!ほしい!メールヌードのクリスマスツリーオーナメントとか。
なお、この映画の英語タイトルは「A Woman’s Way」女の道、とでもいうのか。そのことについて、上映後、脚本家のパナヨティス・エヴァンゲリデスさんが質疑応答にこたえていた。ギリシャでのタイトルは「Strella」で、主人公のシーメール、ステラの名前とギリシャ語の「trella」をくっつけた造語なのだそうだ。翻訳できないので、それぞれの国でタイトルをつけているため、「アテネの恋人たち」みたいなタイトルがついているのだという。ちなみに、この「trella」だが、トークでは「クレイジー」みたいな意味だと言っていて、じゃあ、「やりすぎステラ」みたいな感じなのかな、と想像してみた。ギリシャ語の辞書をひいてみたが、どうにもこうにもギリシャ文字は読みにくくて、はっきりした意味合い、ニュアンスがつかめなくて残念だ。幼いときに服役によって離ればなれになったから「ステラれて」なんて、どう?と思った。
午後6時からルーマニア映画「両替からはじまる物語」
ニコラエ・マルジネアヌ監督
オーストラリア移住のために全財産を両替しようとして、詐欺にあった男の物語。
男は同じ手口で両替するとみせかけて騙しとる悪人に変貌する。最初はだまされておろおろするコミカルな雰囲気だった主人公が、ラストでは冷血な悪人になってしまっているのが怖い。
その主人公を演じたコスミン・セレシが上映後、質疑応答にこたえていた。
なお、この質疑応答だが、毎回見て来て、すごく興味深かった。
同じ映画を見たはずなのに、と思うほど解釈の違う人がいたり、おや、そういう観点から質問しますか、と目がさめる思いをしたり、質問として態をなしていないものもあり、また自慢話がまじる場合もある。質疑応答は観客のオンステージタイムだな、と思った。バラエティに富んでいて面白かった。
今日はテレビで桂米朝とざこばのトークを中心にした上方落語の番組があったり、将棋の日の特別番組があったりして、帰宅後が充実していた。
また、いつものように、NHK-FMで「現代の音楽」
猿谷 紀郎
− 作曲家の個展〜中川俊郎 −(2)
「もの思う葦(あし)たち(2003)」 中川俊郎・作曲
(12分05秒)
(管弦楽)東京都交響楽団
(指揮)飯森 範親
「影法師−F.シューベルトの同名の歌曲 その他による
(2009)」中川俊郎・作曲
サンプリングの元ネタなどのトークが面白かった。
現代音楽と笑いは親和性があるんだな、と思いを強くした。
※世界初演
(9分29秒)
(管弦楽)東京都交響楽団
(指揮)飯森 範親
〜東京・サントリーホールで収録〜
<2009/10/14>
コメント