『ブランク 空白に棲むもの』
倉阪鬼一郎の『ブランク 空白に棲むもの』を読んだ。
エキセントリックでぶっとんだ邪神退治の物語。
身体が左右に揺れたあと、メトロポリスみたいに白髪になり、スキャナーズみたいに頭が破裂する事件が連続しておこる。
マスコミはホワイトデスシンドロームと煽る。
見えないものやあっちの世界の存在が見えてしまうたちの名探偵と、天才将棋少年がタッグを組んで、数式によって召喚された邪神と闘う。
めちゃくちゃ面白かった。
途中に読者への挑戦状もはさまれている。
以下、ネタバレしかしていないので、要注意。

邪神がSNSのコミュニティトップ画像を使って、頭破裂の種をまく、という発想もぶっとんでいるが、邪神を将棋によって退治するのも素晴らしい。
この話は結局は将棋によって異種格闘技を勝利する話なのだ。
将棋は世界の模型であり、最善手を指すことで、邪神を撃破する。
どういうことか、というと、宇宙を将棋盤にみたてて、まさに盤上この一手の決めてとばかりに、駒をバシッと打つのである。
うった駒、「角」は「馬」になり、その馬に数式、公式、音符、将棋の定跡、詰将棋といった人類の叡智の結晶を乗せて、邪神に突撃するのだ。

コメント

最新の日記 一覧

<<  2025年5月  >>
27282930123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

お気に入り日記の更新

日記内を検索