『子どものためのカント』
と、いうわけで、ついに「トモダチコレクション」買ってしまいました。
しばらくは廃人になります。

KBS京都の「ぽじポジたまご」にマリードールが出演!
再放送枠はなにやら議会中継でつぶれたのかな?

読んだ本はザロモ・フリートレンダーの『子どものためのカント』
フリートレンダーは、ミュノーナのことですよ!
内容は「大人のための『子どものためのカント』」で、とうてい子どもには読めそうにない内容。
第1章 何を行なうべきなのか
第2章 何を希望することが許されるのか
第3章 何を知ることができるのか
問答形式で論点がわかりやすい。
難しい本を読むと頭が痛くなって、途中で「え〜っと、今、何について述べられているんだっけ」と五里霧中になってしまう僕でも、問いと問いのあいだが短いため、論旨を追うことができた。1ページあたり2つほどの問いと答えがある、という割合かな。
「私たちはどのように行為すべきなのだろうか」
からはじまって、
「不正を働くよりも、むしろ不正を被るべきなのだろうか」
「なぜあなたは盗みを働くべきではないのだろうか」
「貧しさは富よりも道徳的なのだろうか」
「罰は道徳的なものなのだろうか、それとも不道徳なものなのだろうか」
「国家とは何だろうか」
「戦争は必要悪ではないのだろうか」
「普遍的な平和は、不可能ではないのだろうか」
「神は存在するのだろうか」
「魂とは何だろうか」
「人は祈るべきなのだろうか」
「なぜ私たちは『なぜ』などと問うのだろうか」
などなど、カントの、そしてフリートレンダーのものの考え方が明瞭に示されている。
第1章は主に道徳について。
第2章は宗教(神)について。
第3章は主に純粋理性批判の内容を噛み砕いているが、本書の狙いは2章までの道徳論にある。
序文でフリートレンダーはこう書いている。
「あらゆる目下の政治的不幸は、カントに従う道徳の授業をとうの昔に学校に採用すべきだったのに、それを怠ったことに由来している」
「ヨーロッパが、カントから道徳的命令をすでに学校で教わっていたならどうなっただろう。世界戦争(第一次世界大戦)はおそらく勃発しなかったはずである」
第1章での問い「異なる国家は、相互に友好的であるべきなのだろうか、それとも敵対的であるべきなのだろうか」に対する答のなかで、フリートレンダーは国家間の交渉においてはまだ道徳性が支配していないと残念がり、こんなくだりを忍ばせている。
「ある国家は他の国家に対して相変わらず正当防衛の体制を整え、相変わらず戦争の警戒に腐心している」
そして、続く問い「一方の国家が、もう一方の国家を自分と共通の事柄に携わるように強制することは、道徳的に義務づけられているのだろうか」に、こう答えている。
「そういうことはない。一方の法治国家は、もう一方の法治国家の自由を尊重すべきだし、それに対するどんな種類の攻撃も加えることは許されない」
本書は1924年に出版されているが、序文で言う、
「私たちのいまだ野蛮な時代においては、『民族』や国家や信仰告白によって評価されるが、もはやそういうことはなくなる」
の「野蛮な時代」は今も継続中である。


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