『狂人三歩手前』
中島義道の『狂人三歩手前』を読んだ。
以下、目次。
生きていく理由
 どうせ死んでしまう
 妻と壮絶なバトル、くたびれ果てた
 窓から空を眺めていた
 テロはなかったのかもしれない
 不覚にも涙が出てきた
 みんな私から顔を背ける
 悪の研究会
 つまらない、つまらない
 夏には哲学がよく似合う
愛される恐怖
 「ぼくは死ぬ、ぼくは死ぬ…」
 一億二千万分の二十
 あの時私が拉致されていたら
 私が嫌いな「私のことを好きな人」
 愛したくも愛されたくもない?
 「私」が無になるということ
 たまにはセンセーらしく
 怒る私
 どうでもいいこと
共感しない心
 向いているのかいないのか
 なんで電気を点けるの
 わが家の卒業式
 私に近づくな
 私は人を救えない
 「共感する」ことができない
 虚しさ以外の何も感じない
 暗い一年だった
哲学という病
 ちょっと親バカ
 したたかになれない彼
 みなさま、ありがとう
 「ある」ことと「あった」こと
 だから私は「ぐれる」のです
 哲学などしないように!

『新潮45』2002年1月号から2004年9月号に連載されたコラムを集めたもの。
哲学者の条件としてあげている項目が面白い。
メルロ=ポンティの『眼と精神』から「哲学者とは、目覚めそして話す人間のことである」をひいた後で、こうつけ加えている。
「いや、もう一つの条件を加えておこう。どんな場合でも、周囲世界に埋没していないこと。われを忘れていないこと。いかなる事件が起ころうが、適度な距離をもって冷静に世界を眺めていること。つまり『冷たい』厭な人間であること」
これはさかさまに言えば、「世間」のことをあらわしているのだろう。
事の理非にかかわらず、「世間をお騒がせした」という理由で謝罪している姿を目にするたびに、哲学の道の険しさを感得するのである。


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