不毛地帯、マタ・ハリ
不毛地帯、マタ・ハリ
花粉症がひどい。
このところ寒くなったり雨が降ったりして、体調最悪だ。
集中力に欠けることおびただしい。
と、いうわけで今日は仕事が終わったあとは読書せずに映画見る。

山本薩夫監督の「不毛地帯」を見た。1976年。
山崎豊子の原作(連載中に映画化されてる)。
シベリア抑留から帰ってきた大本営参謀が商社に入り、防衛庁次期戦闘機選定にラッキード社を推す。
仲代達矢ってほんと、すごい俳優だな。
冷静沈着で頭がきれる。
しかしながら、結局主人公は戦友や会社のために動くのであって、世界や人類などといった視点からは見ていない。視野が非常に狭いのだ。そういう役柄をみごとに演じ切っている。
仲代達矢と八千草薫のあいだに出来た娘役で秋吉久美子が出ていた。彼女の役柄は、父親に防衛庁にだけは関わってほしくないと願う平和主義の少女。全体に男ばかりの世界で動く映画の中で、かろうじて女性の立場から発言をしていた。
映画は迫力満点だが、どうしたわけか、テレビ的なスケールの小ささを感じた。カメラショットによるものだろうか。それとも、話自体のスケールのサラリーマン的小ささによるのか。
なお、この映画のDVDには監督名が「山本薩男」と書いてある。「男」なのか。たしかにこの映画では「夫」というより「男」だったな。

ジョージ・フィッツモーリス監督の「マタ・ハリ」を見た。1932年。
グレタ・ガルボ演ずるマタハリは踊子のはずなのに、あんまりダンスの素養はなさそうだった。シヴァの置き物をベッドサイドに置いたりしてるのにね。
両足の長さの違う殺し屋が出て来るあたりが最大のサスペンスにはなっているが、スパイものとしての面白さはあんまりなかった。むしろ先に見た「不毛地帯」の方が産業スパイのサスペンスがあったか。
処刑が確定されてからは、女スパイの物語というより、ほとんど難病もののテイストで、甘いラブロマンスの悲劇が描かれるのだ。

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