『変transcape』
2008年11月19日 読書
米澤敬の『変 transcape』を読んだ。
以下、目次。
1、変
01、蒐集の魔
02、夢の途中
03、乱神の貌
04、空の絡繰
05、畸人の徽
06、身中の蟲
07、砦の残照
08、愛の暴走
2、甲蟲事物
01、雨と森
02、鬱金香
03、潜水艇
04、海象
05、貯古齢糖
06、銀の鎚
07、猿
08、虫と名前
09、書物
10、数
11、金剛石
12、道
13、林檎
14、屍体
3、月次帖
00、花札事件
01、睦月 鶴になった鸚鵡
02、如月 春告鳥と異国の香り
03、弥生 枯れ木に花を
04、卯月 時の鳥と不時の花
05、皐月 いずれ菖蒲か杜若
06、水無月 胡蝶の夢、牡丹の幻
07、文月 七尽くし
08、葉月 別世界の使者たち
09、長月 不老長寿の花の宴
10、神無月 紅葉の山で占う
11、霜月 真冬の五月雨
12、極月 終わり良ければ
仕舞の記
牛若丸発行の本書は、何よりも造本装丁で遊んでいて楽しい。不思議な素材、本文と図版が半々の構成、さらにページのノンブルが素数のときだけアホになる芸などなど。
巻末に牛若丸の本の言葉が書いてある。最初にあげられたのは、こんな文。
「楽しく明るい玩具としての本」
本は暗いおもちゃだ、とでも言いたくなりそうなところ、逆をついてきたか、と思った。
さて、本書の内容。
「1、変」では変態、永久機関、畸人、寄生虫、革命、恋などのコレクション。
「2、甲蟲事物」はザ・ビートルズにまつわる随想。
「3、月次帖」は花札考。
内容は、たとえば
「(小乗仏教の経量部が説いた)『過未無体説』が唯識経由で輸入されたとき、あらためてリダンダンシーの高い日本語の構造によって規定されて『うつろい』や『はかなさ』といった概念に変質していったのかもしれない」
とか、
「『みち』の『ち』はまた、『おろち』や『いのち』の『ち』と同様に魂魄をあらわす。そんな『道』に出ることが、すなわち漂泊や巡礼である」
など、工作舎っぽさ全開である。
本文と同じだけの分量をもつ図版にはそれぞれキャプションがついているが、これがキャプションアートというかキャプション文学になっていて面白い。
たとえば、式亭三馬『阿古義物語』の欧文組みを真似た扉ページが載った箇所では、
「欧米人が、でたらめな漢字を使ったTシャツを着る感覚にも通じる」とある。
また、バーネットによる北極点の穴の図版には
「極北・極南幻想は一方でエドガー・アラン・ポーとなり、他方でナチスになった」とある。
作者が楽しみながら考えて書いている様子が感じとれて、すごくうらやましくなってくる。
読んだ漫画はSABEの『阿佐谷腐れ酢学園エマニエル編』
ブルマだウンコだおふろだペンギンだ鹿だでもやっぱりブルマだ。
SABEに駄作なし!何を読んでも面白い!
だって、ブルマが描かれているから!
以下、目次。
1、変
01、蒐集の魔
02、夢の途中
03、乱神の貌
04、空の絡繰
05、畸人の徽
06、身中の蟲
07、砦の残照
08、愛の暴走
2、甲蟲事物
01、雨と森
02、鬱金香
03、潜水艇
04、海象
05、貯古齢糖
06、銀の鎚
07、猿
08、虫と名前
09、書物
10、数
11、金剛石
12、道
13、林檎
14、屍体
3、月次帖
00、花札事件
01、睦月 鶴になった鸚鵡
02、如月 春告鳥と異国の香り
03、弥生 枯れ木に花を
04、卯月 時の鳥と不時の花
05、皐月 いずれ菖蒲か杜若
06、水無月 胡蝶の夢、牡丹の幻
07、文月 七尽くし
08、葉月 別世界の使者たち
09、長月 不老長寿の花の宴
10、神無月 紅葉の山で占う
11、霜月 真冬の五月雨
12、極月 終わり良ければ
仕舞の記
牛若丸発行の本書は、何よりも造本装丁で遊んでいて楽しい。不思議な素材、本文と図版が半々の構成、さらにページのノンブルが素数のときだけアホになる芸などなど。
巻末に牛若丸の本の言葉が書いてある。最初にあげられたのは、こんな文。
「楽しく明るい玩具としての本」
本は暗いおもちゃだ、とでも言いたくなりそうなところ、逆をついてきたか、と思った。
さて、本書の内容。
「1、変」では変態、永久機関、畸人、寄生虫、革命、恋などのコレクション。
「2、甲蟲事物」はザ・ビートルズにまつわる随想。
「3、月次帖」は花札考。
内容は、たとえば
「(小乗仏教の経量部が説いた)『過未無体説』が唯識経由で輸入されたとき、あらためてリダンダンシーの高い日本語の構造によって規定されて『うつろい』や『はかなさ』といった概念に変質していったのかもしれない」
とか、
「『みち』の『ち』はまた、『おろち』や『いのち』の『ち』と同様に魂魄をあらわす。そんな『道』に出ることが、すなわち漂泊や巡礼である」
など、工作舎っぽさ全開である。
本文と同じだけの分量をもつ図版にはそれぞれキャプションがついているが、これがキャプションアートというかキャプション文学になっていて面白い。
たとえば、式亭三馬『阿古義物語』の欧文組みを真似た扉ページが載った箇所では、
「欧米人が、でたらめな漢字を使ったTシャツを着る感覚にも通じる」とある。
また、バーネットによる北極点の穴の図版には
「極北・極南幻想は一方でエドガー・アラン・ポーとなり、他方でナチスになった」とある。
作者が楽しみながら考えて書いている様子が感じとれて、すごくうらやましくなってくる。
読んだ漫画はSABEの『阿佐谷腐れ酢学園エマニエル編』
ブルマだウンコだおふろだペンギンだ鹿だでもやっぱりブルマだ。
SABEに駄作なし!何を読んでも面白い!
だって、ブルマが描かれているから!
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