澁澤龍彦翻訳による『佛蘭西短編飜譯集成』第1巻を読んだ。
ロドリゴあるいは呪縛の塔/マルキ・ド・サド
(暴君の地獄めぐり。地獄などなんのその!)

ギスモンド城の幽霊/シャルル・ノディエ
(「来ましたわ!」「あたしよ!あたしよ!」「こんばんわ、ご機嫌よろしゅう、ギスモンド城のお客様!」こんな陽気な幽霊の登場シーンがあっていいものか!幽霊は晩餐に加わって飲み食いし、歌い踊る)

緑色の怪物/ジェラール・ド・ネルヴァル
(全身緑色のこどもが生れた。洒落てるのは、第4章「教訓」で話をしめくくっておいて、第5章「緑色の怪物はその後どうなったのか」で落すところ)

解剖学者ドン・ベサリウス/ベトリュス・ボレル
(間男を解剖して標本にする学者。ショック死した妻もまた彼のメスにかかる)

草叢のダイヤモンド/グザヴィエ・フォルヌレ
(螢は雪を予報するとき脚が黒くなる。寒気を予報するとき激しく光る。雨を予報するとき居場所を変える。嵐を予報するとき一度暗くなってまた燃え上がり消える。風を予報するとき地中にもぐりこむ。上天気を予報するとき青くなる。奇蹟を予報するときほとんどその姿が見えなくなる。子供の誕生を予報するとき白くなる。殺人を予報するとき赤味をおびる。奇怪な運命が遂げられたとき黄色くなる。ここに恋人たちがいた。男が死んで黄色くなっていた螢は、翌日もまた黄色くなった。女が後を追ったのだ)

こんな小説を毎日読めたら、さぞかし楽しかろう!

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