赤塚不二夫の『赤塚不二夫120%』を読んだ。
サブタイトルは「死んでる場合じゃないのだ」
以下目次
第1章 ギャグジェネレーションなのだ!
口上/ボクはとことん、人間が好きなのだ/人間は「笑う葦」なのだ/ワット・イズ・ギャグ?/剥いても剥いても芯までギャグ/最高のギャグを生み出した、すばらしい先輩たち
第2章 トキワ荘の”凄春”
トキワ荘前夜/石ノ森章太郎の上京/トキワ荘に集結した仲間たち/心は栄養満点、おなかはペコペコ/初めての連載/新漫画党の仲間たち/その後の寺さんのこと
第3章 マンガは時代を写す鏡なのだ
マンガ週刊誌の黎明期/最初のヒット作『おそ松くん』/ギャグマンガ苦難の時代/『天才バカボン』の誕生/サブ・キャラクター出生のヒミツ話
第4章 愉快な仲間と「今夜も最高!」
新宿三文化の酒場/タモリ誕生/唐十郎との、真紅の時代/アカツカの「映画狂時代」/編集者は「作家」なのだ/忘れられない編集者
第5章 おんな流転記 これでいいのだ!!
恥ずかしながら、僕はマザコンなのだ/僕の初体験…のハナシなのだ/アカツカフジオ結婚す/アカツカフジオ離婚す/アカツカフジオ再婚す/花の菊千代
第6章 死んでる場合じゃないのだ!
人とつきあうには、想像力が必要なのだ/僕が人間を好きになった理由/世の中すべて、ごちゃまぜでいいのだ/僕はこうして、イジメから脱出したのだ/バカなヤツほどよくモテる/お若ぇの、お聞きなせぇ/僕は「立川不死身」になったのだ
師弟放射線対談 マンガと落語は地球も空気も汚さない
立川流家元 立川談志VS立川不死身(赤塚不二夫)
赤塚不二夫追悼として、面白いサブタイトルだったので、読んでみた。
赤塚マンガは学生時代によく読んでいた。ギャグマンガとしては、他に並ぶもののない笑えるマンガを書いていたと思う。高校卒業頃に『がきデカ』を読んで、赤塚以外に面白いマンガを書く人がやっと出て来たか、と感じたが、今でも、ギャグマンガといえば赤塚不二夫、というイメージは定着している。
そんな頭で読んだものだから、意外にも真面目で説教臭いことを書いているのに驚いた。
いまの若い連中は、自分たちだけで造語を作って、そういういい台詞を本で読んだこともないし、活字を読むこと自体が面倒なんだから。映画だって、あまり観ないし。マンガしか読んでないんだ。(対談より)
特に最近のテレビを見てると、吉本。これがはびこっちゃって、味のある台詞がまったく出てこない。(対談より)
とかね!でも、昭和11年生れだったら、当たり前なのかもしれない。なお、対談では、昔だったら常識のように身に付けていた教養がないがしろにされていることについて、こっちのほうがいい、と導こうとすることも、単なるエゴなんじゃないか、との二律背反の思いを主に談志が語っている。
あと、いろんな覚え書き。
デカパンがパンツの中からいろいろな品物を出すギャグは、マルクス兄弟からのいただき。
ハタ坊が頭に旗を立ててるのは、アメリカの短編マンガ映画の登場人物の応用。
チビ太の性格はO・ヘンリーの「赤い酋長の身代金」から影響を受けている。
トキワ荘の住人は手塚治虫のアシスタントとしてよく駆り出されたが、赤塚不二夫は売れるのが遅くて、唯一手伝いに行っていない。
石ノ森章太郎の『ジュン』は赤塚がアイディアを提供した。『ジェニーの肖像』のマンガ版を考えたが、自分では描けないけど石ノ森向きだと思って話したのだ。
「おそ松くん」は映画「1ダースなら安くなる」から発想された。
ベシは黒澤明監督の映画から連想された。
状況劇場のために赤塚不二夫が買った新しいテントでの柿落しは『蛇姫様』
「下落合焼とりムービー」のギャラは1人1万円。
赤塚不二夫がよく行っていた新宿三文化の店とは、「ジャックの豆の木」(山下洋輔などミュージシャンや第一線のテレビ、ラジオ関係者)「ひとみ寿司」(これから売り出そうとするタレントや、テレビディレクター、高平哲郎、山本晋也など)「竹馬」(編集者、いろいろな職業の人)
トキワ荘の住人に手塚治虫が言ったアドバイス「一流の音楽を聴きなさい。いい小説を読みなさい。いい映画を観なさい。いい芝居を観なさい」
「ちばてつやの性格が一番ストレートに出ているのは『のたり松太郎』かもしれない。もう少しピリッとしたらピリリとしまったマンガになるんだけど、あいつの性格がそのまんま出ている」
などなど。
赤塚不二夫は、本書で「僕は、たった6本しかヒットを出していないのだ」と書いている。この6本が何なのか特に書かれてはいないが、だいたいあれかな、というのはわかる。でも、それから洩れた作品にアナーキーで面白い作品も多々あるのに。
午後6時半からは天満天神繁昌亭で「お笑い怪談噺の夕べ〜本物のユーレイも出るよ!」
ホスピタル/笑福亭たま
腕喰い/林家染雀
猫の忠信/桂米左
中入
応挙と幽霊の花魁/旭堂南鱗
真田山慕情/笑福亭福笑
本物のユーレイも確かに出た!客にコンニャクを配ってた!
それより、一番こわかったのは、林家染雀が水疱瘡にかかり、なおりきっていないと脅かしたところ。
サブタイトルは「死んでる場合じゃないのだ」
以下目次
第1章 ギャグジェネレーションなのだ!
口上/ボクはとことん、人間が好きなのだ/人間は「笑う葦」なのだ/ワット・イズ・ギャグ?/剥いても剥いても芯までギャグ/最高のギャグを生み出した、すばらしい先輩たち
第2章 トキワ荘の”凄春”
トキワ荘前夜/石ノ森章太郎の上京/トキワ荘に集結した仲間たち/心は栄養満点、おなかはペコペコ/初めての連載/新漫画党の仲間たち/その後の寺さんのこと
第3章 マンガは時代を写す鏡なのだ
マンガ週刊誌の黎明期/最初のヒット作『おそ松くん』/ギャグマンガ苦難の時代/『天才バカボン』の誕生/サブ・キャラクター出生のヒミツ話
第4章 愉快な仲間と「今夜も最高!」
新宿三文化の酒場/タモリ誕生/唐十郎との、真紅の時代/アカツカの「映画狂時代」/編集者は「作家」なのだ/忘れられない編集者
第5章 おんな流転記 これでいいのだ!!
恥ずかしながら、僕はマザコンなのだ/僕の初体験…のハナシなのだ/アカツカフジオ結婚す/アカツカフジオ離婚す/アカツカフジオ再婚す/花の菊千代
第6章 死んでる場合じゃないのだ!
人とつきあうには、想像力が必要なのだ/僕が人間を好きになった理由/世の中すべて、ごちゃまぜでいいのだ/僕はこうして、イジメから脱出したのだ/バカなヤツほどよくモテる/お若ぇの、お聞きなせぇ/僕は「立川不死身」になったのだ
師弟放射線対談 マンガと落語は地球も空気も汚さない
立川流家元 立川談志VS立川不死身(赤塚不二夫)
赤塚不二夫追悼として、面白いサブタイトルだったので、読んでみた。
赤塚マンガは学生時代によく読んでいた。ギャグマンガとしては、他に並ぶもののない笑えるマンガを書いていたと思う。高校卒業頃に『がきデカ』を読んで、赤塚以外に面白いマンガを書く人がやっと出て来たか、と感じたが、今でも、ギャグマンガといえば赤塚不二夫、というイメージは定着している。
そんな頭で読んだものだから、意外にも真面目で説教臭いことを書いているのに驚いた。
いまの若い連中は、自分たちだけで造語を作って、そういういい台詞を本で読んだこともないし、活字を読むこと自体が面倒なんだから。映画だって、あまり観ないし。マンガしか読んでないんだ。(対談より)
特に最近のテレビを見てると、吉本。これがはびこっちゃって、味のある台詞がまったく出てこない。(対談より)
とかね!でも、昭和11年生れだったら、当たり前なのかもしれない。なお、対談では、昔だったら常識のように身に付けていた教養がないがしろにされていることについて、こっちのほうがいい、と導こうとすることも、単なるエゴなんじゃないか、との二律背反の思いを主に談志が語っている。
あと、いろんな覚え書き。
デカパンがパンツの中からいろいろな品物を出すギャグは、マルクス兄弟からのいただき。
ハタ坊が頭に旗を立ててるのは、アメリカの短編マンガ映画の登場人物の応用。
チビ太の性格はO・ヘンリーの「赤い酋長の身代金」から影響を受けている。
トキワ荘の住人は手塚治虫のアシスタントとしてよく駆り出されたが、赤塚不二夫は売れるのが遅くて、唯一手伝いに行っていない。
石ノ森章太郎の『ジュン』は赤塚がアイディアを提供した。『ジェニーの肖像』のマンガ版を考えたが、自分では描けないけど石ノ森向きだと思って話したのだ。
「おそ松くん」は映画「1ダースなら安くなる」から発想された。
ベシは黒澤明監督の映画から連想された。
状況劇場のために赤塚不二夫が買った新しいテントでの柿落しは『蛇姫様』
「下落合焼とりムービー」のギャラは1人1万円。
赤塚不二夫がよく行っていた新宿三文化の店とは、「ジャックの豆の木」(山下洋輔などミュージシャンや第一線のテレビ、ラジオ関係者)「ひとみ寿司」(これから売り出そうとするタレントや、テレビディレクター、高平哲郎、山本晋也など)「竹馬」(編集者、いろいろな職業の人)
トキワ荘の住人に手塚治虫が言ったアドバイス「一流の音楽を聴きなさい。いい小説を読みなさい。いい映画を観なさい。いい芝居を観なさい」
「ちばてつやの性格が一番ストレートに出ているのは『のたり松太郎』かもしれない。もう少しピリッとしたらピリリとしまったマンガになるんだけど、あいつの性格がそのまんま出ている」
などなど。
赤塚不二夫は、本書で「僕は、たった6本しかヒットを出していないのだ」と書いている。この6本が何なのか特に書かれてはいないが、だいたいあれかな、というのはわかる。でも、それから洩れた作品にアナーキーで面白い作品も多々あるのに。
午後6時半からは天満天神繁昌亭で「お笑い怪談噺の夕べ〜本物のユーレイも出るよ!」
ホスピタル/笑福亭たま
腕喰い/林家染雀
猫の忠信/桂米左
中入
応挙と幽霊の花魁/旭堂南鱗
真田山慕情/笑福亭福笑
本物のユーレイも確かに出た!客にコンニャクを配ってた!
それより、一番こわかったのは、林家染雀が水疱瘡にかかり、なおりきっていないと脅かしたところ。
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