桑田次郎の『まぼろし城』完全版上中下を読んだ。
隠密、木暮月之介の活躍を描く。
上巻は、どくろ仮面のまぼろし武士たちとまぼろし城主が敵。
将軍に献上する名馬を盗んで、その身代金をせしめようとする陰謀。
隠密の木暮月之介は、白天狗の変装をして、まぼろし武士に立ち向かう。
白天狗の着想は、まんま月光仮面で、高垣眸の原作にはない設定だ。(と、思う。『少年倶楽部』昭和11年の連載分では、こういう設定はなかった。長編バージョンは未読で不明。ただ、これも高垣の漫画用原作としてのアイディアだったかもしれず、さだかでない)
中巻は、KKKを思わせるトンガリ頭巾の一つ目鮫のひとつめ党が敵。
まぼろし城の秘宝のありかを記したあぶりだしの絵図面をめぐる争奪戦。
ここでは白天狗は登場しない。
中巻後半からは、幽霊船の物語。御用船の金銀を奪う海賊。
死んだはずのまぼろし城主があらわれる。
高垣原作の『荒海の虹』のストーリーも組み合わせながら、月之介の忍術とまぼろし城主の幻術一騎討ち。
下巻は、脱獄したまぼろし城主(クーター・バランと名乗った!)が悪の般若党を乗っ取って党首におさまり、月之介に報復を企てる。
最後は再び、クーター・バランと月之介の一騎討ち。ネーミングのセンスは桑田次郎丸出しなんだけどなあ。

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