コナン・ドイルの『毒ガス帯』を読んだ。
以下、目次
毒ガス帯
1、フラウンホーファー線のくもり
2、死の潮流
3、毒の海に沈む
4、死にゆく者の手記
5、死の町を行く
6、すばらしい目覚め
地球の悲鳴
分解機
「毒ガス帯」は、地球がエーテルの有毒帯の中に突入してしまう話。
冒頭からしばらく、チャレンジャー教授のところに向かう面々の珍道中のような描写が続く。ジョン卿は「野牛やインドの王様についての長ったらしい話をしてくれたが、その話ははじめもなければ、終わりもないもののように思われた」マローンはフットボールの話をえんえんと続け、サマリー教授は動物の物真似をいつまでも続ける。チャレンジャー教授は、家政婦の足首を噛んで、追い出したりしている。
なんじゃ、この喜劇は?と思って読んでいたら、実はこういう狂気の沙汰はすべて有毒ガスのなせるわざだ、ということが明らかになるのだ。
チャレンジャー教授は、地球をひとふさのブドウにたとえてこう言う。
「一房のブドウを想像してみてくれたまえ。それはきわめて微少ではあるが有毒な細菌に覆われている。園主はそれを消毒液にくぐらす。つまり、わしの考えでは、わが宇宙の園主は太陽系全体をいままさに消毒液の中に浸そうとしているのであり、その結果、われわれ人類という細菌、つまり、地球の外殻上でのたうちまわっている微少な人間という病原菌はたちまちのうちに殺菌され、死滅してしまうだろうよ」
チャレンジャー教授は、酸素ボンベによって命を長らえさせることができることを知るが、いずれにせよ、ボンベにも限界がある。
地球を救う方法はあるのか?
ない!
ないのだ!
地上は死屍累々。
こんなことがあっていいのか!
小説は、地球の終わりに際しての、考察をいろいろ展開する。
で、こんな大悲劇、どう結末つけるのか、というと。
みんな仮死状態でした!生き返りました!
ナヌー。
「地球の悲鳴」は、地球をウニにたとえる。
「このウニは地球の模型、つまり、原型ともいうべきなんだ」
「この外側の硬い外皮の表面をはいまわっているとても小さな虫がいるとしよう。ウニはいったいそれらの虫ケラの存在に気付くだろうか」
「地球の注意を求めている−いや、注意を要求している人間が少なくとも1人いるということを地球に知らせてやりたいと思うんだ」
チャレンジャー教授は、地球に穴をあけて、突き刺し、地球に存在をアピールしようとする。地球の中心核にまで穴を掘り、突き刺す、というのは大がかりなプロジェクトだ。で、その目的が、こんなこととは!
さて、結局、地球をプツッと刺して、地球は、ブチュッと黒くて臭い液を噴き出し、傷口の穴はふさがれてしまう。やったー、地球に存在をしらしめた!
全体的に、何をやっとるんじゃ、という話で、その結果のどうでもよさも極上。
「分解機」は、物体を原子に分解して、それをまた組み立て直す機械の話。
これは生き物にも適用される。
実験でマローンもチャレンジャー教授も実験される。
これが軍事に使われると、大いなる脅威になる。
チャレンジャー教授は、だまして発明者のラトビア人を原子に分解し、「よき市民としていちばん大切な義務は、殺人を予防することなんだ」と言って、元に戻さない。この精神を持っていてくれれば、戦争で多くの人命を救えたのに!
以下、目次
毒ガス帯
1、フラウンホーファー線のくもり
2、死の潮流
3、毒の海に沈む
4、死にゆく者の手記
5、死の町を行く
6、すばらしい目覚め
地球の悲鳴
分解機
「毒ガス帯」は、地球がエーテルの有毒帯の中に突入してしまう話。
冒頭からしばらく、チャレンジャー教授のところに向かう面々の珍道中のような描写が続く。ジョン卿は「野牛やインドの王様についての長ったらしい話をしてくれたが、その話ははじめもなければ、終わりもないもののように思われた」マローンはフットボールの話をえんえんと続け、サマリー教授は動物の物真似をいつまでも続ける。チャレンジャー教授は、家政婦の足首を噛んで、追い出したりしている。
なんじゃ、この喜劇は?と思って読んでいたら、実はこういう狂気の沙汰はすべて有毒ガスのなせるわざだ、ということが明らかになるのだ。
チャレンジャー教授は、地球をひとふさのブドウにたとえてこう言う。
「一房のブドウを想像してみてくれたまえ。それはきわめて微少ではあるが有毒な細菌に覆われている。園主はそれを消毒液にくぐらす。つまり、わしの考えでは、わが宇宙の園主は太陽系全体をいままさに消毒液の中に浸そうとしているのであり、その結果、われわれ人類という細菌、つまり、地球の外殻上でのたうちまわっている微少な人間という病原菌はたちまちのうちに殺菌され、死滅してしまうだろうよ」
チャレンジャー教授は、酸素ボンベによって命を長らえさせることができることを知るが、いずれにせよ、ボンベにも限界がある。
地球を救う方法はあるのか?
ない!
ないのだ!
地上は死屍累々。
こんなことがあっていいのか!
小説は、地球の終わりに際しての、考察をいろいろ展開する。
で、こんな大悲劇、どう結末つけるのか、というと。
みんな仮死状態でした!生き返りました!
ナヌー。
「地球の悲鳴」は、地球をウニにたとえる。
「このウニは地球の模型、つまり、原型ともいうべきなんだ」
「この外側の硬い外皮の表面をはいまわっているとても小さな虫がいるとしよう。ウニはいったいそれらの虫ケラの存在に気付くだろうか」
「地球の注意を求めている−いや、注意を要求している人間が少なくとも1人いるということを地球に知らせてやりたいと思うんだ」
チャレンジャー教授は、地球に穴をあけて、突き刺し、地球に存在をアピールしようとする。地球の中心核にまで穴を掘り、突き刺す、というのは大がかりなプロジェクトだ。で、その目的が、こんなこととは!
さて、結局、地球をプツッと刺して、地球は、ブチュッと黒くて臭い液を噴き出し、傷口の穴はふさがれてしまう。やったー、地球に存在をしらしめた!
全体的に、何をやっとるんじゃ、という話で、その結果のどうでもよさも極上。
「分解機」は、物体を原子に分解して、それをまた組み立て直す機械の話。
これは生き物にも適用される。
実験でマローンもチャレンジャー教授も実験される。
これが軍事に使われると、大いなる脅威になる。
チャレンジャー教授は、だまして発明者のラトビア人を原子に分解し、「よき市民としていちばん大切な義務は、殺人を予防することなんだ」と言って、元に戻さない。この精神を持っていてくれれば、戦争で多くの人命を救えたのに!
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