ISBN:4062705818 単行本 山口 雅也 講談社 2006/11/09 ¥2,625
ケラリーノサンドロヴィッチ監督の「グミ・チョコレート・パイン」を見た。大槻ケンヂ原作。
80年代の青春と、現代の中年になった現実とを描いている。
サブカル好きにはたまらない豪華チョイ役陣がひとつのみどころになっているが、ほとんどが本筋とは関係ないので、印象が散漫になってしまった、と思う。僕はケラさんとは何の面識もないのだが、そのくせ、「みのすけの役は、僕に話をもってきてくれたらよかったのに」とか思った。面識ないのにね!
ただ、音楽関係では、ゲイリー芦屋さんとか、お世話になった人の名前がいくつか見られる。
さて、映画の内容だが、原作には現代のストーリーは語られていないはずなので、その部分はケラさんの創作になる。で、原作通りにストーリーが運ぶ部分と、ケラさんがつけ加えた部分が、あまりにもはっきりと、「ここは大槻ケンヂ、ここはケラ」と色分けできた。1つの映画の中でオムニバスを見せられているような気分だ。
なお、映画の中で、今関あきよし監督の「フルーツバスケット」が一瞬映るシーンがある。劣化したビデオっぽい映像だった。今関監督といえば、素直に少女映画撮ってればよかったのに、チェルノブイリがらみの社会派映画を撮ってしまったがために、どこかの誰かさんに目をつけられて社会的に葬られてしまった悲劇の監督だ。誰か、フルーツバスケットを上映してくれないかな。

読んだ本は山口雅也の『ステーションの奥の奥』
ネタバレするので、未読の人は、まず読んでから。

前半は東京駅をめぐる帝都物語。(これがかなり面白い)
後半は吸血鬼ジュブナイル。
密室での首切り殺人、という本格推理マニアには垂涎もののシチュエーションが、吸血鬼という要素を盛り込むことで、ファンタジーにすりかわる。
「なぜ、首を切ったのか」のどに残る噛み痕を消すため。
「凶器はどこに消えた」血液をかためて作った杭が凶器だったので、バスタブで溶けて流れてしまった。
「密室からどうやって逃げた」コウモリに化けて。
ただ、本格推理っぽい面白さで言えば、夏なのに被害者がなぜ冬ものの制帽をかぶっていたのか、という謎を解くくだりがいい。
明らかに帽子と服装はチグハグで、ファッションに気をつかう女性被害者が適当に帽子を選んだはずもない。
さて。
この帽子の手がかりからわかるのは、つまり、被害者は、帽子を着用した姿を鏡で確認することができず、チグハグさに気づかなかったからなのである。
なぜ鏡を見なかったのか。
被害者も吸血鬼で、鏡に自分の姿が映らなかったからだ!
ワーオ!

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