一年中わくわくしてた
2007年10月4日 読書
ISBN:4566014290 単行本 柳瀬 尚紀 評論社 2007/03 ¥1,050
ロアルド・ダールの『一年中わくわくしてた』を読んだ。
1990年に74才で亡くなったダールが、最後の1年に書いた、ダールの12ヶ月。
昨日読んだのが ペソア最後の三日間で、これがダール最後の1年間。
原題は『My Year』で、制服向上委員会風に訳せば『私の1年』になる。
制服向上委員会の「私の1年」はおおむね季節ごとのファッションショーの様相を呈していたが、本書は、自然の歳時記みたいになっている。
ダールは田舎に住んでおり「わたしは町や都市に住んだことはないし、住む気はない」と言ってるくらいだ。
それぞれの月にとりあげられた主要なものを挙げてみると、こうなる。
1月/テーブルの上のもの(隕石とか自分の腰骨とか竜涎香とか)
2月/カササギ、もぐら(モグラ塚の近くに空き瓶を埋めておくと、風が吹くたびに音が鳴って、モグラ退治になる、とか)
3月/鳥の卵コレクション、サフラン(サフランは紫クロッカスの雌しべの柱頭を乾燥させた粉末だから、純粋なサフラン粉末はキャビアやフォアグラの何十倍もの値段がする)
4月/復活祭
5月/ゴルフ、郭公(ダールは托卵する鳥が嫌いなようだ)
6月/かもめ、狐の手袋
7月/バイク暴走の思い出。「夏休みの旅行の準備をするのは、若いころでは一年で最高の時間だ」
8月/16歳の頃のフランス旅行(南フランスは亜熱帯なのか!)、蝶
9月/橡の実、マッシュルーム
10月/林檎「木登りをしたがるのが男の子のはずだ」「林檎をもぎたがるのが男の子のはずだ」「近ごろの子供たちはどうなっているのだろう」「たぶん今日、ポテトチップスとコーラとジャンクフードが子供たちをなまけ者にしてしまったのである」
11月/8歳のときに全寮制学校にいたダールが母親にあてた手紙が誤字だらけ。花火(日本では花火は夏の風物詩だけど、イギリスでは初冬のものらしい)
12月/クリスマス「ありがたくないカードも届くが、これは子供や孫に囲まれて得意げにポーズをとっているカラー写真なんぞが貼ってある」
メカーノ工作セットでいたずらを仕掛け、道行く婦人に水をかける。
僕が1年をふりかえっても、テレビとか本とかライブ、要するに、自然にちっとも触れずにいる事実が浮彫りになるだけだ。自然に接することなく過ごす1年に、季節感もへったくれもあったもんではない。
そんなわけで、僕は1年中、夏でも冬でもほとんど同じファッションのままで過ごしているのである。
ロアルド・ダールの『一年中わくわくしてた』を読んだ。
1990年に74才で亡くなったダールが、最後の1年に書いた、ダールの12ヶ月。
昨日読んだのが ペソア最後の三日間で、これがダール最後の1年間。
原題は『My Year』で、制服向上委員会風に訳せば『私の1年』になる。
制服向上委員会の「私の1年」はおおむね季節ごとのファッションショーの様相を呈していたが、本書は、自然の歳時記みたいになっている。
ダールは田舎に住んでおり「わたしは町や都市に住んだことはないし、住む気はない」と言ってるくらいだ。
それぞれの月にとりあげられた主要なものを挙げてみると、こうなる。
1月/テーブルの上のもの(隕石とか自分の腰骨とか竜涎香とか)
2月/カササギ、もぐら(モグラ塚の近くに空き瓶を埋めておくと、風が吹くたびに音が鳴って、モグラ退治になる、とか)
3月/鳥の卵コレクション、サフラン(サフランは紫クロッカスの雌しべの柱頭を乾燥させた粉末だから、純粋なサフラン粉末はキャビアやフォアグラの何十倍もの値段がする)
4月/復活祭
5月/ゴルフ、郭公(ダールは托卵する鳥が嫌いなようだ)
6月/かもめ、狐の手袋
7月/バイク暴走の思い出。「夏休みの旅行の準備をするのは、若いころでは一年で最高の時間だ」
8月/16歳の頃のフランス旅行(南フランスは亜熱帯なのか!)、蝶
9月/橡の実、マッシュルーム
10月/林檎「木登りをしたがるのが男の子のはずだ」「林檎をもぎたがるのが男の子のはずだ」「近ごろの子供たちはどうなっているのだろう」「たぶん今日、ポテトチップスとコーラとジャンクフードが子供たちをなまけ者にしてしまったのである」
11月/8歳のときに全寮制学校にいたダールが母親にあてた手紙が誤字だらけ。花火(日本では花火は夏の風物詩だけど、イギリスでは初冬のものらしい)
12月/クリスマス「ありがたくないカードも届くが、これは子供や孫に囲まれて得意げにポーズをとっているカラー写真なんぞが貼ってある」
メカーノ工作セットでいたずらを仕掛け、道行く婦人に水をかける。
僕が1年をふりかえっても、テレビとか本とかライブ、要するに、自然にちっとも触れずにいる事実が浮彫りになるだけだ。自然に接することなく過ごす1年に、季節感もへったくれもあったもんではない。
そんなわけで、僕は1年中、夏でも冬でもほとんど同じファッションのままで過ごしているのである。
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