ISBN:4894345544 単行本 赤坂 憲雄 藤原書店 2007/01 ¥2,940
序章 赤坂憲雄
1、網野善彦との対話
(対談)戦後日本社会と歴史観
(対談)東北学の魅力と可能性
重戦車の孤独−追悼・網野善彦氏に/赤坂憲雄

2、アラン・コルバンとの対話
(対談)歴史・名もなき人々への眼差し
ピナゴの村を訪れて/赤坂憲雄
(座談会)歴史学と民俗学/アラン・コルバン+網野善彦+二宮宏之+赤坂憲雄
(座談会を終えて)柳田以後の民俗学のために/赤坂憲雄

網野氏との対談は、あと3回ほど対談を重ねて1冊の本になるはずだった、というが、網野氏の死によって実現しなかった。
これは非常に惜しい。
と、いうのは、網野氏との対談を読んでみると、1つめと2つめのあいだでは、かなり差があるのだ。
1つめの対談では、網野氏の前で萎縮している赤坂氏が感じとれるが、2つめになると、自らの研究成果をたずさえて、対等に語り合う端緒がみてとれる。
2つめの対談ではじめて網野氏が本気で赤坂氏と対した、ともとれる内容だったので、2人のあいだでの本当の意味での対談は、まさにこれからだったように思えるのだ。

一方、コルバン氏との対談は、これもまた不思議な対談になった。
赤坂氏がまるで言い訳のように、コルバン氏との対談では、柳田をぶつける事にした経緯を書いている。
その結果、柳田のことをほとんど知らないコルバン氏と、赤坂氏をよりしろとして、柳田が対談をしているかのような内容になった。
これは面白い。
残念ながら、この本からは以上のような事情で、赤坂氏自身の新しい展開なり着想を見ることはできないが、網野氏、コルバン氏の本をまた読みたくなったのは、この本の一番の効用だと思った。

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