アキハバLOVE

2007年5月24日 読書
ISBN:4594053106 単行本(ソフトカバー) 桃井 はるこ 扶桑社 2007/01/25 ¥1,575
桃井はるこの『アキハバLOVE〜秋葉原と一緒に大人になった〜』を読んだ。
第1章 想い出と、思うこと
1
アレルギー
音楽教室
ブラッククリスマス
レンタルビデオ
秋葉原でバイトその1
秋葉原でバイトその2
ダメおたく少女が開眼したとき
2
小麦ちゃんとわたし
病院
UNDER17
レコーディングの夜
フレンドシップ
3
モモーイの成分○○パーセントは…。
旅行
中野とアキバ
ネットと秋葉原
ラジオライフとバッ活
目のふた
美少女ゲームに被害者はいない
ジャパニメーション
負けるが勝ち
4

ワンダーモモーイ
「はるこ☆UP DATE」
萌えはロックだ!
変な夢

第2章 インターネット日記
1、「バーチャリアンコ☆日記」1996〜
2、「モモイハルコ秘密の日記」1998〜

第3章 モモーイon column
桃井はるこの移動式女子大生(モバイルプレス)1997〜1998
vol.1「モバイルなお年頃、ピチピチ19歳!の巻」これはパソコンをブームで終わらせないのは女の子、というお話だよ
vol.4「20世紀も残りあと3年」ということで98年始、桃井が抱く「複雑な心境」の巻
vol.5「任天堂スペースワールドにて」ポケモン少年たちはみんな天才モバイリストだ!の巻
vol.6「半期に1度開催される、なんでもありの『コミックマーケット』」”ヲタクの祭典”とインターネット、コンピュータ時代のあやしい関係?
vol.8「GBポケットカメラ」ゲームボーイの液晶越しに見る現実の世界は?
vol.10「いつもがんばってくれてるマシンにありがとう。」これからもよろしくね。コンピュータへの愛着のおはなし。
vol.11「デジタル交換日記をはじめよう」ビジネスだけじゃもったいない!電子メールのお話。
vol.14「もうすっかり秋ですね。」桃井のパソコンとお肌は、涼しいほうが調子いいみたい。

桃井はるこ新聞(月刊アスキー)1998〜2002
ドンキとわたし/わたしはドリキャスを買う!/アキバはカッコイイのだ/チェーンメール撲滅委員会発足!/ヴェルニとiMacの不思議なカンケイ/がんばれ!CGアイドル/「リニアは、もう現在だ。」/”濁った水槽”を飛び出そう!/チョコレートはメールに添付できないけれど。/ゲームボーイが好き。ノイズが好き。/他

ほっとマーク(朝日新聞)2001〜2002
1.ネットはわたしの翼か剣だ
2.インパクも構造改革を
3.自分の日記がHPに
4.自宅で街頭ウォッチング
5.みんなの検索の不思議
6.Tシャツで日本再発見
7.わたしを昔に連れてって!
8.「関心空間」で自分発見

桃井はるこのモモイズム?萌えイズム(電撃萌王)2002〜2006
1.(タイトルなし)
2.美少女ゲームソングをキワメるぞ!!UNDER17
3.日本の夏、コミケの夏
4.モモーイのルーツミュージック…なぜか’82年は萌えソングの当たり年!!
5.モモーイ流作詞作曲のレシピ…いやーん、はずかスー。
6.ちっちゃくてリアル。ドールとフィギュアと盆栽と(?)
7.アイドルって凄い!!
8.「うしろゆびさされ組」でいいじゃないかー!!
9.「萌え」ってオープン!!
10.モモーイただいま修業中!
11.昔話の中にだって萌えは生きている!!
12.モモーイの、ひと夏の経験inアキバ…。私小説でっす!!
13.モモーイは台湾式家庭料理が大好き!!ウマーでした。
14.最近、「萌えって何なんですか?」とよく聞かれるけど…
15.これは「萌え以上」だ(感涙)。「アキハバラブ振り付けビデオ」裏話…。
16.モモーイの「萌えイズム」とは何なのか。ちょっとあぶない最終回でっす♪

放課後、アキバ通い(ゲームジャパン)2006
モモーイのヲタ川柳に萌え〜っ(サンケイスポーツ)2005〜2006
桃井はるこの今さら人にきけないヲタんご辞典(サンケイスポーツ)2006
桃井はるこのアキバヲタんご辞典(サンケイスポーツ)2006

ディスコグラフィ
あとがき

桃井はるこはロフトプラス1でイベントしているころから名前だけはよく聞いていた。(青木光恵ちゃんのイベントで予定されてたゲストが来なかった、ってエピソードには笑った。僕もまったく同じ状況で、急遽出演したことがある。青木光恵ちゃんのもつ不思議な磁場がそういう状況をよびこむのか?)
UNDER17のライブも見に行ったことがあり、桃井はるこのラジオも聞いていたが、特に追いかけていたわけでもないので、第2章、第3章の記事は今回はじめて読んだ。
ここ10年くらいの文章なのに、中でとりあげられているものの懐かしいことと言ったら!
ここには「青春」なんて言葉がしっくり来るような、甘酸っぱいものが詰まっている。
一方、第1章の新しく書かれた文章は、本人が意識してかどうかは知らないけど、不思議なユーモアに満ちている。
たとえば、女の子が集まってのクリスマスパーティにレアなミニ四駆をプレゼントとして持っていき、ドン引きされる文章。
これは、普通ならツッコミが入って当然のギャグであろう。
僕が誰かの誕生祝いに、本人が絶対好きではない美少女フィギュアをあげたり、名前も知らないアイドルグッズをあげたりして、ツッコミを誘発させようとするのと同じ行為だ。
ところが、桃井はるこは、その内容の文章に「ブラッククリスマス」とタイトルをつけて、幼い頃の悲しい記憶的エッセイにしあげてしまうのだ。
極上のユーモアなのだが、読者のなかにはそれを文字通り哀しいエピソードとして受け止めてしまう人もいるんじゃないか、という懸念がある。
で、案外と桃井はるこをカリスマとして支持する人のなかには、これらをギャグとして処理できない人が多いんじゃないか、と思っている。ちがうかな?
でも、この本読んで、桃井はるこがおたく女子にとって先達であり、味方であることがあらためてよくわかった。
で、とても真面目で一生懸命で向上心があることも。
それを痛切に感じたのは、桃井はるこがいろんなことを「卒業」しているという文章にあたったときだ。
アイドルイベントの客になるのを卒業、プレアイドル活動を卒業、大学を卒業(中途退学)、UNDER17を卒業(解散)。
僕なら、何かに別れを告げて次に進む、という道を選ばず、全部ひきずったまま新しい展開をはかろうとするところだ。それは展開でもないのかもしれないし、「進む」ことでもないのかもしれない。そのおかげで、いつまでもステップアップしない、という現状があるのだが、ステップアップにあんまり意義を感じないんだから、しかたない。
本書のサブタイトルの「秋葉原と一緒に大人になった」にもそれは如実にあらわれている。
「大人になった」と言ってしまうのがそれだ。僕ならどこをどう探ってもこういうタイトルは出てきそうにない。「秋葉原の申し子」ってのがせいぜいか。
思うに、桃井はるこはアイドルでいるには自意識が確立しすぎているんじゃないか、と思った。アイドルであることや、おたくであることや、人生そのものでさえ、すべてはフェイクで演劇なんだ、と思っている僕とは対照的に、しっかりと地に足をつけて歩いていそうだ。
桃井はることはあいにくと面識がないのだが、もしも知り合ったら、僕のあまりにも野方図な「なんでもあり」な性格にカツをいれられるんだろうなあ。

コメント

最新の日記 一覧

<<  2025年5月  >>
27282930123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

お気に入り日記の更新

日記内を検索