山田正紀と恩田陸による『読書会』を読んだ。
『SF JAPAN』に連載されていた対談が1冊になったもの。
以下、目次。
まえがき／恩田陸
半村良『石の血脈』『岬一郎の抵抗』／司会・構成：日下三蔵＆SFJ編集部
アイザック・アシモフ『鋼鉄都市』『はだかの太陽』／司会・構成：牧眞司
時間を超える小説を求めて／この項のみ『小説すばる』誌掲載
アーシュラ・K・ル＝グウィン『ゲド戦記』／司会・構成：三村美衣
沼正三『家畜人ヤプー』／司会・構成：牧眞司
小松左京『果しなき流れの果に』／司会・構成：牧眞司
山田正紀『神狩り』／ゲスト：笠井潔、司会・構成：牧眞司
スティーヴン・キング『呪われた町』『ファイアスターター』／司会・構成：牧眞司
萩尾望都『バルバラ異界』／司会・構成：牧眞司
『原点』との邂逅／特別対談：萩尾望都＆恩田陸、司会・構成：牧眞司
恩田陸『常野物語』／ゲスト：笠井潔、司会・構成：牧眞司
あとがき／山田正紀
と、いうわけで、山田正紀の発言からいくつかピックアップしてみた。
『はだかの太陽』は強烈なバカミス！
（ハインラインについて）あれだけつまらない作品を書く人が思い出したようにあんなに完璧な作品を書くんだから、才能あるとしか思えない。
ル＝グウィンは諦めが悪いうえに真面目なんだね。
（家畜人ヤプーについて）本当は異端文学でもなんでもない。
作者の沼さんがムラムラした情熱をもって書いているのはわかるけど、読者にとって官能的なものはないよね。
「セカイ系」というのは、世界でなにかすごいことが起こっているけれど、ここに生きているぼくはそれを理解しようとも思わないし、世界もこっちにやってこないという小説ですよね。たいていは女の子が世界と関わって、命を落としたり悲惨な目にあったりする。言ってみれば、もうひとつのハードボイルドです。（中略）あるいは定型化されたロマンス小説に近いかもしれません。
（『神狩り』の先行作品は）エリック・フランク・ラッセルの『超生命ヴァイトン』です。
（『神狩り』で語られる「人間は関係代名詞が七重より多く入り組んだ文章を理解することができない」の元ネタについて）ありません。まったくの創作です。
キリスト教の神が、いちばんうまくやってのけたんですね。自分を隠蔽するためにキリストを殺して、そのあとにキリストとはぜんぜん関係のない宗教を創りあげ、それを人々に押しつけた。大完全犯罪ですよ。
恩田陸も好きな作家で、いいこといっぱい言ってるんだけど。
あっ、この日記書いてて、「ファンタスター学園」聞きそびれてしまった！
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