アリオストの『狂えるオルランド』を読んだ。
15世紀イタリアの長大な物語詩。
これがもう、面白いのなんのって。
登場人物も多い。愛馬や愛剣にも名前がついている。
いくつものエピソードが連続ドラマ形式で綴られており、いいところで別のシーンに行ったりして、ひきつけて離さない。
戦いのシーンも迫力満点。
物語全体の三本の柱は翻訳者によると次のとおり。
1.キリスト教徒軍と異教徒軍の戦争。
2.アンジェリカという不実な女に恋し、失恋したオルランドが狂って暴走する。
3.作者アリオストが仕えるエステ家の始祖ルッジェーロとブラダマンテを語る。
1.のキリストVS異教徒は、8世紀のヨーロッパ統一の戦いのことで、この『狂えるオルランド』で「シャルル」と表記されている「シャルル・マーニュ」こそ、僕たちが教科書で「カール大帝」の名前で習った人のこと。高校の世界史程度のこんな知識も忘れてしまっているザル頭に乾杯!
以下、各歌の簡単なあらすじ。実際に読んだ方が絶対面白いが、あとで思い出すカギにでもなれば。
あまりに長いので、今日は第1巻だけ。

第1歌
リナルドとフェッラウがアンジェリカのとりあい。
逃げるアンジェリカはこれもまた彼女に夢中なサクリパンテにでくわす。
サクリパンテ、突然登場した謎の騎士にこてんぱんにやられる。
騎士の正体はリナルドの妹、ブラダマンテだった。

第2歌
リナルド追いついて、サクリパンテと一戦交える。
「闘ってる場合じゃない」隠者の機転により、パリへとアンジェリカを追うリナルド。
ところが、途中、シャルル王の命令により、しぶしぶブリタニアに向かうことになった。
リナルド、大嵐にあう。
一方、ブラダマンテはピナベッロから、愛するルッジェーロが魔法の城に囚われていることを聞く。
話すうちに、ピナベッロはブラダマンテが犬猿の仲の家の者と知り、洞窟の穴の中に彼女を落とす。

第3歌
穴の中でブラダマンテ、魔女メリッサに会い、エステ家の歴史を予言として聞く。
アフリカ王アグラマンテの臣下、ブルネッロが持つ指輪の力を使えば、魔法の城に行けることも。
しかし、このブルネッロなかなか抜け目のない切れ者。
ブルネッロとブラダマンテ相対す。
そのとき、耳も破れんばかりの大きな音が!

第4歌
音の主は妖術使いアトランテだった。
ブルネッロから指輪を奪い、ブラダマンテ、魔法の城へ。
ブラダマンテ、アトランテを破り、ルッジェーロを解放する。
ところが、ルッジェーロを乗せたイッポグリーファ(馬と鷲の合いの子)が、勝手に飛んで行く。「いずこへ〜!」
一方、スコットランドに無事着いたリナルド。
ギネヴィア姫が男と密通していた罪で窮地に陥っていると聞き、救出に向かう。
途中、追い剥ぎに襲われている美女を助ける。
この美女の正体は?

第5歌
助けた女性は、ギネヴィア姫に仕えるダリンダだった。ダリンダが語る。
ギネヴィア姫には愛しあう騎士アリオダンテがいた。
しかし、姫に横恋慕して、二人の仲を快く思わぬアルバニー公爵ポリネッソという男がいた。
ポリネッソにだまされて、ダリンダは姫に化け、ポリネッソと逢い引きしているシーンをアリオダンテに目撃させ、仲を引き裂こうとする。
アリオダンテは失意のあまり、海に飛び込む。
アリオダンテを失った弟、ルルカーニオは怒ってギネヴィア姫を糾弾。決められた相手以外と情を交わした女性は死刑になる掟があったのだ。誰か弁護に立って、決闘でもしないかぎり、死刑は免れない。
だが、ルルカーニオは勇猛な騎士で、誰も姫の弁護に立ち上がろうとしない。
「よし、わかった!」すべてを明らかにして姫を救出するため、リナルドは駆ける。
町では、姫を弁護するために立ち上がった唯一の謎の騎士と、ルルカーニオが決闘の真っ最中。
リナルド、決闘を中止させ、ポリネッソの悪だくみを暴露。ポリネッソと決闘し、リナルド勝利。
勇猛なルルカーニオに対抗して姫の弁護に立った謎の騎士が、兜を脱いだ。
その騎士は、はたして誰であったか。

第6歌
謎の騎士は、海で死んだはずのアリオダンテその人であった。
姫とアリオダンテは結ばれ、悪だくみに加担していたダリンダは寛大にも許されたが、自ら尼僧になった。
一方、イッポグリーフォの暴走で、ルッジェーロは魔女アルチーナの住むインドにたどりつく。敬虔なロジスティッラの地に向かうルッジェーロだが、それには悪徳に満ちたアルチーナの都を通過しなくてはならない。通り道、橋を守るのは狼にまたがり、宝石の鎧をまとった獰猛なエリフィッラという女だった。

第7歌
ルッジェーロ、一撃でエリフィッラを打ち倒す。
アルチーナの都で、すっかり魂を抜かれ、愛欲の日々を過ごすルッジェーロ。
その頃、ルッジェーロの身を案じるブラダマンテ、いかなる魔法にも打ち勝つ指輪を魔女メリッサに託す。
メリッサ、妖術使いアトランテに化けて、ルッジェーロの目をさます。
アルチーナのもとを逃げるルッジェーロ。

第8歌
険しき岩山、暑熱の砂地を行くルッジェーロ。
一方、リナルドはスコットランド、ロンドンでシャルル王への援軍を順調にとりつける。
一方、あの娘ばかりがなぜモテる、のアンジェリカ。リナルドから逃げるために隠者に道を聞いたが、隠者もアンジェリカの魅力にノックダウン。アンジェリカの乗る馬に秘かに悪鬼を忍び込ませる。海へ暴走する馬、助けるふりして眠り薬を飲ませる隠者。だが、眠るアンジェリカを前にして、隠者、肝心のモノが役に立たない。
眠るアンジェリカ、さらわれてエブーダ島に。
エブーダ島では、プロテウスの怒りにより、毎日乙女を生け贄に捧げている。アンジェリカもその生け贄にされるのだ。
一方、そんな危機にあるとも知らず、アンジェリカを探す旅に出ているオルランド(やっと登場!)。
親友のブランディマルテは、国も守らずに女を探して旅するオルランドを連れ戻しに行く。
ブランディマルテの恋人、フィオルディリージャは、恋人が1ヶ月たっても戻ってこないので、これもまた、恋人探しの旅に出る。

第9歌
オルランド、エブータ島の残虐な掟を聞きつけて、征伐に向かう。
その途上出会ったオランダ伯の姫オリンピアの物語り。
フリジアの王が我が子アルバンテにオリンピアをめあわせようとする。
しかし、オリンピア姫にはビレーノという恋人がおり、アルバンテをふる。
フリジア王怒って、戦争。卑怯にも鉄砲など飛び道具を駆使して、戦いやがったのだ。こいつめは!姫の肉親皆殺し。
オリンピア姫、結婚を承諾したふりをして、アルバンテを殺し、復讐を遂げる。
フリジア王は、ビレーノをつかまえ、恋人の命を助けてほしくば姫よ出てこい、と交換条件を示す。
オリンピア姫、素直に出て行っても約束など守られず、ビレーノもろとも命を奪われるのは確実。
オルランド、フリジア王を攻め込み、二人を救出する。
ビレーノとオリンピアの婚礼。めでたし、めでたし。

第10歌
オリンピアとビレーノ、その後どうなったか。
ビレーノはフリジア王の姫御前を弟に与えたが、ビレーノ、オリンピアのことは早々に飽きて、この姫御前と関係を持つようになる。
ある夜めざめたオリンピアは、隣にいるはずのビレーノがあいびきに出かけているのを知る。身も世もあらず嘆くオリンピア。
一方、追いすがるアルチーナを撃退したルッジェーロ。良き魔女ロジスティッラの城に着く。天翔ける馬の乗り方を練習して、西の国に戻る。
その途上、シャルル王の援軍を目撃。旗印とともに紹介。
また、エブーダ島の掟で岩に結わえられたアンジェリカを発見し、巨大な鯱と格闘する。眩い光を発する魔法の盾を使い、アンジェリカを救出する。アンジェリカは魔法を無効にする指輪を渡され、盾の被害から免れた。
ルッジェーロもたちまちアンジェリカの色香に惑い、鎧兜を脱いで、手を出そうとするが、慌てればあわてるほど、なかなか脱げない。

第11歌
ルッジェーロがもたついている間に、アンジェリカは魔法の指輪を使って透明になり、難を逃れる。天馬もいつのまにか逃げていた。ルッジェーロ踏んだり蹴ったりだ!
ルッジェーロ、巨人に連れ去られるブラダマンテを目撃、その後を追う。
一方、オルランド。生け贄にされそうになっていたオリンピアを助ける。エブータ島民は「なにするねん!」とオルランドを責めるが、返り討ち。
イベルニア王オベルトとオルランド再会の喜び。
オベルト、オリンピアに惚れて、王妃となす。

第12歌
妖術使いアトランテの魔法の城。
愛する人がそこにいるはず、と探すも、何処にもおらず。出ようとすると、中から愛する人の呼ぶ声がして、戻ることになり、ずっと閉じ込められたと同様の状態になる。
オルランドもルッジェーロも、名だたる騎士もこの魔法の城から出られない。お互いの姿は魔法で見えず、大勢の騎士や女性がお互い探し求めながらすれ違いまくってるのだ。
なんとかアンジェリカを探す旅に戻ったオルランド、岩屋に閉じ込められた乙女を見つける。

第13歌
乙女はガリシア王の娘、イザベラだった。
槍試合で見初めたスコットランド王子ゼルビーノに恋をしたが、信教の違いが壁になった。
イザベラ、ゼルビーノに拉致された形で出奔、ゼルビーノの友、オドリコが舟でイザベラを運ぶ。嵐で難破したとき、オドリコ本性をあらわし、イザベラを襲う。
オドリコから逃れたイザベラ、今度は山賊につかまり、売られようとしているのだ。
オルランド、山賊を退治し、イザベラを救う。
一方、ブラダマンテ、アトランテの魔法の城に騎士たちが幽閉されていることを聞き、駆け付ける。ところが、ブラダマンテも同じ罠にひっかかり、魔法の城から出られなくなる。

第14歌
アフリカ、スペインのサラセン勢(異教徒側)の紹介。
タタールの王の世継ぎ、マンドリカルド、戦の末、グラナダ王の姫御前ドラリーチェと懇ろになる。
シャルル(キリスト教)と異教徒とのパリ攻防戦。
大天使ミカエルは「不和」と「沈黙」に命じて、戦いを応援する。

第15歌
愛欲の魔女アルチーナに木に変身させられていたイングランドのアストルフォ、国に戻る旅。
残虐な大男、カリゴランテをとらえ、また、斬っても切っても死なない不死身のオッリロの命綱を断ち切って倒す。
白の騎士グリフォーネ、オリジッレという不実な女を愛する。戦さでひとり残されると、オリジッレ、新しい恋人を作りアンティオキアに行ってしまう。
グリフォーネ、その新しい恋人に復讐しようと誓う。

第16歌
グリフォーネ、オリジッレを見つけるが、またまた甘い言葉にコロリとだまされる。
一方、パリ攻防戦。
シャルル側の効率のいい罠などで有利に戦をすすめるが、異教徒側のロドモンテ、大勢の犠牲を踏み越えて、ひとりパリ市内に入り、壊滅的な打撃を与える。

第17歌
ロドモンテ、パリで壊したい放題。
シャルル王、反撃に向かう。
一方、グリフォーネとオリジッレ、槍試合を開催しているノランディーノ王の話を聞く。
人食いオルクスに囚われたルチーナ王妃を羊の皮で化けて潜入し、救ったこと。
槍試合でグリフォーネとペアを組んだマルターノ、臆病風に吹かれて試合中に逃げ出し、笑い者になる。グリフォーネは試合でその武勇を讃えられる。
歓待の席に行くときに、臆病者のマルターノ、グリフォーネの鎧兜を着ていき、大いにもてなされる。残されていたマルターノの衣装を着て、グリフォーネも王のもとに行くが、臆病で卑怯なマルターノだと思われて、ひどい扱いを受ける。入れ替わって歓待されているマルターノ、グリフォーネを救う気もなし。グリフォーネ、ついに怒る。

第18歌
ひとりでパリを破壊させまくっていたロドモンテ、パリの群集が何千人切り殺してもかかってくるので、きりがない、といったんパリを出る。
ロドモンテ、恋するドラリーチェがマンドリカルドに奪い去られたことを聞き、怒る。
一方、パリ攻防戦で、異教徒側の勇士ダルディネッロ、激戦の末、ついにルルカーニオを倒す。
一方、衣装交換でひどい仕打ちを受けたグリフォーネ、嘲る群集たちを血祭りにあげ、ノランディーノ王に勇者と認められる。群集たちは、臆病者だとたかをくくっていたのだ。
一方、グリフォーネを探していたアストルフォとグリフォーネの兄アクィランテは、グリフォーネの鎧兜をつけて鼻高々のマルターノとでくわす。マルターノは舌先三寸で切り抜けようとするが通用せず、他人の手柄で褒美をもらったマルターノと裏切り者オリジッレをノランディーノ王の塔に幽閉する。
一方、アストルフォとサンソネット、槍試合に向かう途中で鎧乙女マルフィーザと遭い、同行する。
槍試合の結果は、サンソネットの優勝。一行はパリ攻防戦に向かう。
ルルカーニオを倒した剛の者、ダルディネッロ、オルランドのいとこ、リナルドに破れる。
劣勢とみたスペイン王マルシリオ、いったん退却。
ダルディネッロを主と仰いでいたクロリダーノとメドーロ、夜のうちにシャルル陣地に忍び込み、眠っていた大勢の者を殺し、主の遺体を運び出して埋葬しようとする。それをゼルビーノに見つかる。

第19歌
クロリダーノ殺され、メドーロ瀕死。
アンジェリカあらわれ、メドーロを看病する。回復するにつれ、2人は恋人どうしになる。
二人の愛の日々。木と言わず石と言わず、二人の名前を刻み込む。
一方、マルフィーザ一行、舟が嵐にあい、女族の土地に漂着する。
ここでは、奴隷になるのがいやなら競技場で10人の男を殺し、夜に10人の女と寝なければならない。
くじびきでなんと女のマルフィーザがその役目につくことになる。
競技場ではマルフィーザが9人まではあっさり倒したが、最後の男は強敵。勝負は翌日に再開されることになった。
マルフィーザをてこずらせる10人目の男、兜を脱ぐと、まだ18才にもならぬ、若き美男子グィドーネだった。

第20歌
グィドーネ、女族の土地の由来を語る。
モテモテのファラントらに飽きられた女たちが、オロンテアを女王として女中心の国を作った、と。
イングランド公子アストルフォ、グィドーネと従兄弟の間柄であることを明かし、マルフィーザ一行、力をあわせて女族を討つことを決心。
マルフィーザ一行とは、マルフィーザ(鎧乙女)、アクィランテ(黒騎士)、グリフォーネ(白騎士)、アストルフォ(恐怖の角笛)、サンソネット(槍試合王者)、グィドーネ(十人衆トップ)、アレリア(グィド−ネの信頼すべき女房)。
アストルフォ、角笛吹いて、女たちを恐怖におびえさせる。戦いもせず、逃げまくる女たち。マルフィーザ一行も角笛聞いて恐怖にかられ、アストルフォを残して舟を出し、ひたすら逃げる。想定外!マルセイユで一行、解散し単独行動に戻る。
マルフィーザ、途中、老婆ガブリーナを連れて行くはめに陥る。この卑しい老婆が原因で、すれ違う者はついついからかってしまう。マルフィーザ、ピナベッロ(覚えてますか?ブラダマンテを洞窟の穴に落とした卑怯な奴)をこらしめ、ゼルビーノ(覚えてますか?ギネヴィア姫の兄で、友オドリコに拉致された恋するイザベラを追っている)には厄介者の老婆ガブリーナ押し付ける。
ガブリーナ、イザベラの消息を餌にゼルビーノをちくちくいじめる。(覚えてますか?イザベラは山賊に人身売買されようとしてたのを、オルランドが救っている)

第21歌
ガブリーナを敵と思うオランダの騎士エルモニーデ、ゼルビーノにいきさつを話す。
エルモニーデの兄、フィランドロは友アルジェオの妻と関係を持っていたが、友情をとり、別れることにした。すると、この女、捨てられた腹いせにあることないことアルジェオに吹き込み、アルジェオ激怒、フィランドロ幽閉される。この悪い妻こそ、ガブリーナ。
牢屋のフィランドロに毎夜誘惑に来るガブリーナ。それでもなびかないので、ガブリーナ策略をめぐらせ、フィランドロに悪漢退治を依頼する。悪漢を殺したかと思いきや、その正体はアルジェオ。裏切り者の人殺しと名誉を傷つけたくなければ、言うこと聞け、とガブリーナ迫る。
二人で城をあとにするが、結局よりを戻せないガブリーナは、フィランドロに毒を盛る。

第22歌
アストルフォ、妖術使いアトランテの魔法の城で、恐怖の角笛を吹く。アトランテ遁走し、魔法破れる。そのおかげで再会できたルッジェーロとブラダマンテ、結婚のため修道院に向かう途中、嘆く乙女にあう。
スペイン王マルシリオの息女を恋し、夜毎添い寝していた青年がつかまり、今日にも火あぶりにされる。助けに急ぎたいが、途中、騎士や女性を襲う奴らがおり、邪魔をするという。
その悪い奴とはあの卑怯なるピナベッロ。ピナベッロの罠で言うことを聞かされている4人の騎士はなんとアクィランテ、グリフォーネ、サンソネット、グィドーネ。そりゃ、たいていの騎士は歯が立たない。
ルッジェーロ、この4人を打ち負かし、ブラダマンテはピナベッロに復讐を遂げる。
ルッジェーロ、強者4人に勝ったのが、眩い光を発する魔法の盾のおかげだったことに気づき、恥じてその盾を井戸に放り込む。

第23歌
アストルフォ、ブラダマンテに愛馬ラビカーノをあずけ、自らは天馬イッポグリーフォで空に。ピナベッロを討つのにルッジェーロと離れてしまったブラダマンテ、一刻も早くルッジェーロと合流し、修道院に向かいたいところだが、兄アラルドにばったり会い、娘の安否を心配していた母親の城まで行く。ルッジェ−ロへの変わらぬ気持を侍女イッパルカに託す。
ルッジェーロのもとへ急ぐイッパルカ、パリ破壊王ロドモンテに出くわし、馬を奪われる。
一方、ゼルビーノと老婆ガブリーナはアンセルモ伯の城にたどりつく。
嫡男ピナベッロが何者かに殺された悲しみにつつまれている。
ガブリーナ、「この男がやった」と嘘を言って褒美をせしめ、ゼルビーノ囚われの身に。
救出したイザベラを守って同行していたオルランド、ゼルビーノを救うため、アンセルモ伯郎党を皆殺し。イザベラ、ゼルビーノ再会の喜び。
マニラルド、アルツィルド両名の仇とオルランドを追っていたマンドリカルド、オルランドと一戦。パニック状態で手綱がきかない馬によってその場をやみくもに遠ざかり、落馬したマンドリカルド。そこにたまたま通りかかったガブリーナ。
一方、オルランド、一息いれようと入った草地がなんと!
なんと!
恋するアンジェリカとメドーロが愛欲の日々を送っていた場所だった。
あっちこっちに二人のバカップルぶりを示す彫り込みの痕が。
メドーロは愛の日々を詩にして壁に刻んだりしてる。
落ち込みまくっているオルランドに、何も知らないおせっかいな牛飼いが「悲しみを忘れさせてあげましょう。こんな情熱的なハッピーな恋物語もあるんですよ」と、アンジェリカとメドーロのラブストーリーを聞かせる。落ち込みますますマックス!
オルランド、アンジェリカたちの彫り込みをすべて削り取り、木々や洞窟を壊しまくり、泉を泥で埋め、三日三晩飲み食いせず眠りもせず倒れ込む。
着ていた鎧も兜も衣服も脱ぎ破り捨て、大木を次々と根こそぎ抜き倒し、暴れまくる。
オルランドは狂ったのだ。

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