踊るツインズ

2006年6月11日 映画
デビッド・ダウン監督のインド映画「踊るツインズ」を見た。1997年
サルマン・カーン、カリシュマ・カプール。
腕っぷしが強く、荒っぽいラジャとアメリカで育った上品なプレム。
2人は双生児だが、赤ん坊のときに生き別れになる。
映画の冒頭は、死刑の判決が下った犯人が逃げて、銃撃戦が起こる、ハードなムード。
犯人は双生児の1人を抱えて逃げ、警官もバタバタ撃たれて死ぬ。
結局、犯人は死んでしまい、その息子、タイガーが親の仇をとることを心に誓う。
犯人の家は爆発し、赤ん坊は死んだものと思われる。
さて、双生児が大人になってからは、一転してバカ映画に早変わり。
双生児ゆえ、片方が痛みを覚えるときは、もう片方も痛い。
「フリークス」でのシャム双生児片割れのキスシーンを思い出させる。
そこまではいい。
片方が腕を上げたら、もう片方も腕をあげる。
そんなアホな。
そう言えば、この双生児、赤ん坊のとき、片方が線路の上に寝かされている。列車が迫ってきて、「危ない!」という寸前に、もう片方の赤ん坊が寝返りをうって、同じ行動をとったレールの上の赤ん坊も間一髪で助かるシーンにかぶせて、タイトルが仰々しく出て来た。
こんな設定ゆえ、最後にタイガーと弱々しいプレムが闘うとき、その外で、喧嘩の強いラジャが友人の「どもりマン」をボコボコにすることで、プレムはタイガーを叩きのめすことができるのだ。
双生児が入れ替わってトンチンカンなことをする、お約束のシーンも満載。
こういうインド映画は、ストーリーと関係あるのかないのか理解に苦しむようなダンスシーンがふんだんに盛り込まれている。
ところが、この映画、長丁場のダンスシーンは少なかった。
察するに、放送枠内におさめるため、筋と関係ないダンスシーンを2曲ほど削ったんじゃなかろうか。2曲だけ削っても、30分くらいの短縮にはなるはずだ。
どこか懐かしい、ベタベタなギャグ、ど派手なアクションシーンはインド映画そのもの。
とくに格闘のシーンで、殴った相手がガラスを割って転がる殺陣は、これでもか、というほど出て来た。壁にぶつかっても、たまたまそこが掲示板でガラスがはってあったりするのだ。そこまでしてガラスを割ることにこだわらなくても、と思って、笑った。
ラジャの癖が女の尻を叩くこと、という設定も何のためにあるのかよくわからなくて、笑った。
あんなに重々しくて、社会派なのかと思わせてはじまった映画は、双生児のダブル結婚式で夫が妻の尻を叩いて終わるのだ。なんじゃ、そりゃ。
最後のクレジットで、NGシーンなどが流れていた。
双生児のシーンを撮影するのに、サルマン・カーンのスタンドインが頭に青い袋をかぶって演技しているのも映っていた。
思い出したが、この映画、最初に「最愛の妻の墓前に捧げる」とか書いてなかっただろうか。死んだ妻に、こんなバカ映画を捧げるなんて!

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