ジェフ・ヌーンの『未来少女アリス』を読んだ。
ジェフ・ヌーンといえば、あの『ヴァート』の人ですよ!
これは大傑作だ。天下の奇書だ。オールタイムベスト5だ。
作中、ヴァート体験、ヴァート集合化の言葉も出てきて、そこではみんな羽根でコチョコチョくすぐってトリップしている!
アリスが、「不思議の国」「鏡の国」に次いで3番目に訪れたのは、「未来の国」だった。と、いっても、1860年から1998年にタイムスリップした恰好。つまり、現代にアリスがあらわれたという話なのだが、今、ここのこのまんまの現代ではなくて、どこか違うパラレルワールドに紛れ込んだようだ。この世界の人間はキメラで、アヒル男とか、シマウマ男とか、カエル女とか、とにかく何かと合体しているのだ。
「不思議の国」のトランプ、「鏡の国」のチェスに続いて本作では、アリスは失われた12のピースを集めてジグソーパズルを完成させることで、もとの世界に戻れる。
全編、これ言葉遊びと逆説、奇想のオンパレード。
まず、落下するアリスが着地する際、かすり傷ひとつ負っていないわけがこんな風に語られる。
「着地の瞬間にジャンプをしたからです」
ありえな〜い!
他にもこんな場面がある。
3つのドアの1つを選ばねばならないケースで、ドアにはそれぞれ言葉が書いてある。
最初のドアには「3番目のドアが安全なドア」
2番目のドアには「最初のドアは嘘つき」
3番目のドアには「2番目のドアこそほんとうの1番目のドア」
さあ、どのドア開けたら、安全?
わから〜ん!
この物語に登場する主要なキャラクターを紹介しよう。
*アーミントルード
大おばさん。
アリスに省略法の正しい使い方に関する宿題を出している。
省略法が、3つの小点から成るものだとはわかっているのだが…。
*モーティマー
アリスの大おじ。街の大物。
「大おじさんは街では大物かもしれないけど、家に帰ったらどちらかと言えば小さい。大おじさんには2つの大きさがあるんだわ!」
*キャプテン・ラムシャックル
アナグマ男。ランダムロジスト。ランダムロジストが何かとアリスが尋ねると「ランダムロジイを研究する人」との回答。ランダムロジイが何かというと「ランダムロジストが研究するものにきまっておるじゃろが」
世界はカオスで成り立っていると信じている。
*コンピューターシロアリ嬢
豆的システムで問いに答えるのを日課としている。
豆的システムとは、豆をいっぱい集めてビーンズ細工を作るように、質問も答えも綴ることができるシステム。一兆もの豆があれば、どんな問題でも解けるという。
*ホイッパーウィル
なぞなぞ好きなオウム。
「どんな生き物だ、アリス、あんたみたいのは?」
こんな禅問答みたいな問いも発する。
*アホムシ
コンピューターシロアリ塚の中にこっそり巣を作り、全力をつくしてシロアリたちが間違った答をするように仕向ける。
「アリエナイ・ホンモノセカイニ・ムカウ・シレモノ」の頭文字をとった。
*グラディス・クロウディングラー教授
時の神秘を研究している。
*スリア
アリスの分身たる自動人形。シロアリを原動力とした人工生物で、シロボットと呼ばれている(シロポットは便器の意味)。頭の中にシロアリが無数にいて、互いに質問と答えを受け渡している。太ももに戸棚があり、緊急時にはアイテムが出て来る。
*パブロ・オグデン
アベコベ動物処理業者。ガラクタを集めて作品を作っている。
生き物を処理された部分から再創造する、肉の芸術的職人。
パブロは自分の芸術を「歪曲主義」と呼んでいるが、以前は「猥雑主義」だった。
それが「卑猥主義」「汚穢主義」「弱い主義」「祝い主義」「可愛い主義」「あわい主義」「ハワイ主義」「交配主義」「怖い主義」「やばい主義」「やわい主義」「齢主義」「間合い主義」「ワイン主義」「ワイフ主義」「ワイド主義」「ワイヤ主義」「矮小主義」「賄賂主義」と変遷して、現在に至る。
*ロングディスタンス・デイヴィス
カタツムリ男。
あまりにもトランペットをゆっくり演奏したので逮捕拘留されている。
*ジーニアス・オクロック
小説家ならぬ騒節家。
*ミセス・マイナス
ヘビ女。厄人、シビルサーペント。
シビルサーペントが何かというと、「人のうわばみをはねる、実におろちなやつ」
この物語のアリスは、アリス・リデルだ。自分がルイス・キャロルによって創造された登場人物としてのアリスなのか、それとも実在した少女アリス本人なのか、疑問に思うシーンが出て来る。
自分がアリスなのか、人形のスリアなのかもわからなくなって、「あなたは、どちらだったと思います?」の決め文句で作品は終わっている。
人間でも人形でも、現実でも想像でも、どっちでもオーケイだよ!君が少女アリスなら!
ジェフ・ヌーンといえば、あの『ヴァート』の人ですよ!
これは大傑作だ。天下の奇書だ。オールタイムベスト5だ。
作中、ヴァート体験、ヴァート集合化の言葉も出てきて、そこではみんな羽根でコチョコチョくすぐってトリップしている!
アリスが、「不思議の国」「鏡の国」に次いで3番目に訪れたのは、「未来の国」だった。と、いっても、1860年から1998年にタイムスリップした恰好。つまり、現代にアリスがあらわれたという話なのだが、今、ここのこのまんまの現代ではなくて、どこか違うパラレルワールドに紛れ込んだようだ。この世界の人間はキメラで、アヒル男とか、シマウマ男とか、カエル女とか、とにかく何かと合体しているのだ。
「不思議の国」のトランプ、「鏡の国」のチェスに続いて本作では、アリスは失われた12のピースを集めてジグソーパズルを完成させることで、もとの世界に戻れる。
全編、これ言葉遊びと逆説、奇想のオンパレード。
まず、落下するアリスが着地する際、かすり傷ひとつ負っていないわけがこんな風に語られる。
「着地の瞬間にジャンプをしたからです」
ありえな〜い!
他にもこんな場面がある。
3つのドアの1つを選ばねばならないケースで、ドアにはそれぞれ言葉が書いてある。
最初のドアには「3番目のドアが安全なドア」
2番目のドアには「最初のドアは嘘つき」
3番目のドアには「2番目のドアこそほんとうの1番目のドア」
さあ、どのドア開けたら、安全?
わから〜ん!
この物語に登場する主要なキャラクターを紹介しよう。
*アーミントルード
大おばさん。
アリスに省略法の正しい使い方に関する宿題を出している。
省略法が、3つの小点から成るものだとはわかっているのだが…。
*モーティマー
アリスの大おじ。街の大物。
「大おじさんは街では大物かもしれないけど、家に帰ったらどちらかと言えば小さい。大おじさんには2つの大きさがあるんだわ!」
*キャプテン・ラムシャックル
アナグマ男。ランダムロジスト。ランダムロジストが何かとアリスが尋ねると「ランダムロジイを研究する人」との回答。ランダムロジイが何かというと「ランダムロジストが研究するものにきまっておるじゃろが」
世界はカオスで成り立っていると信じている。
*コンピューターシロアリ嬢
豆的システムで問いに答えるのを日課としている。
豆的システムとは、豆をいっぱい集めてビーンズ細工を作るように、質問も答えも綴ることができるシステム。一兆もの豆があれば、どんな問題でも解けるという。
*ホイッパーウィル
なぞなぞ好きなオウム。
「どんな生き物だ、アリス、あんたみたいのは?」
こんな禅問答みたいな問いも発する。
*アホムシ
コンピューターシロアリ塚の中にこっそり巣を作り、全力をつくしてシロアリたちが間違った答をするように仕向ける。
「アリエナイ・ホンモノセカイニ・ムカウ・シレモノ」の頭文字をとった。
*グラディス・クロウディングラー教授
時の神秘を研究している。
*スリア
アリスの分身たる自動人形。シロアリを原動力とした人工生物で、シロボットと呼ばれている(シロポットは便器の意味)。頭の中にシロアリが無数にいて、互いに質問と答えを受け渡している。太ももに戸棚があり、緊急時にはアイテムが出て来る。
*パブロ・オグデン
アベコベ動物処理業者。ガラクタを集めて作品を作っている。
生き物を処理された部分から再創造する、肉の芸術的職人。
パブロは自分の芸術を「歪曲主義」と呼んでいるが、以前は「猥雑主義」だった。
それが「卑猥主義」「汚穢主義」「弱い主義」「祝い主義」「可愛い主義」「あわい主義」「ハワイ主義」「交配主義」「怖い主義」「やばい主義」「やわい主義」「齢主義」「間合い主義」「ワイン主義」「ワイフ主義」「ワイド主義」「ワイヤ主義」「矮小主義」「賄賂主義」と変遷して、現在に至る。
*ロングディスタンス・デイヴィス
カタツムリ男。
あまりにもトランペットをゆっくり演奏したので逮捕拘留されている。
*ジーニアス・オクロック
小説家ならぬ騒節家。
*ミセス・マイナス
ヘビ女。厄人、シビルサーペント。
シビルサーペントが何かというと、「人のうわばみをはねる、実におろちなやつ」
この物語のアリスは、アリス・リデルだ。自分がルイス・キャロルによって創造された登場人物としてのアリスなのか、それとも実在した少女アリス本人なのか、疑問に思うシーンが出て来る。
自分がアリスなのか、人形のスリアなのかもわからなくなって、「あなたは、どちらだったと思います?」の決め文句で作品は終わっている。
人間でも人形でも、現実でも想像でも、どっちでもオーケイだよ!君が少女アリスなら!
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