なみだ特捜班におまかせ!―サイコセラピスト探偵 波田煌子
2006年4月3日 読書 コメント (1)
鯨統一郎の『なみだ特捜班におまかせ!』を読んだ。
サイコセラピスト探偵・波田煌子(なみだ・きらこ)シリーズの連作集第2弾。
迷宮入りした事件を、犯罪心理分析官の波田煌子がバッサバッサと解いていく。
ただし、プロファイルのイロハも知らず、世間を騒がせた猟奇事件をちっとも覚えておらず、本職のサイコセラピーの基礎もあやうい彼女なのだ。
彼女の推理は大胆すぎる決めつけでしかないのだが、それでも犯人がなぜ猟奇的行為に走ったのかを言い当ててしまうのだ。
事件の謎を解く以上に、読者は波田煌子の思考回路の謎を解くことで、自ずと事件の真相を手にすることになる。
以下、各作品の覚え書き。
ネタバレしているので、要注意。
「涙の赤い薔薇」
犯人は、なぜ死体の口と陰部に花を挿していたのか。
犯人は理科の先生だった。
実験後、アルコールランプのふたを必ずしめるのが習い性になっており、あいたものがあると、ふたをせずにはおれないのだ。
犯行はたまたま入浴時に起こって、裸だったが、口と陰部にふたをしたのだ。
「涙の冷蔵庫殺人」
犯人はなぜ死体をバラバラにしたのか。
犯人は、新しいものを所有すると、ついつい試してみずにはおられない性格だった。
新しい包丁の切れ味を試すために、身体をバラバラにしたのだ。
「涙の海岸物語」
犯人はなぜ生首を人の多い海岸に置いておいたのか。
犯人は、いじめを受けており、教室でも孤独だった。
その状況を再現するため、人の多い場所に首だけ置いておいたのだ。
「涙のエレベーターガール」
死体は首を植木用のハサミで切られていた。
なぜ?
犯人は仕事で毎日手紙を開封していた。
赤いエレベーターの中に白い制服を着たエレベーターガールを見て、ポストの中の手紙を連想し、ふだんの癖が出て、うっかり首を切ってしまったのだ。
「涙の少女人形」
タレントのそっくり人形の首が、本人の生首とすりかわっていた。
なぜ?
犯人はフィギュアオタクだった。
あまりにもタレントそっくりの人形を見て、ほしくなったのだ。
人形の首を盗むとすぐにバレてしまうので、人形そっくりの本物の首を据えておいたのだ。
「涙のクニタチーゼ」
死体は両腕を切断され、左右逆に並べてあった。
犯人は植木職人で、人を木にみたてて、枝の部分として両腕を切った。
切断後に屍姦するため、胴体だけ向きを変えたので、腕の左右が逆転したのだ。
「涙のサヨナラホームラン」
元野球選手が殺され、彼の皮膚や毛を使って、本人のミニチュア人形が作られていた。
犯人(野球の監督)は、記念品が大好きで、使わなくなったランドセルをミニチュアにして記念に持っておくように、選手をミニチュアにして記念に持っておこうとしたのだ。
どう。あいた口がふさがらない、とはこのこと。
推理が論理的になされるわけでもなく、ひらめきと当てずっぽうでいつも迷宮入り事件を解決してしまう。
読者は、猟奇犯罪のシチュエーションに、いかに奇想をもって解決されるのかを素直に楽しめばいい。
波田煌子の傍若無人な発言は、「そんな奴、おらんやろ」とツッコミしたくなるし、笑える短編集になっている。
面白い。
テレビで名探偵コナンの映画を放送していたので途中まで見ていたが、花粉症の疲れのため、肝心のストーリー後半眠ってしまった。
ああ、ちょっと面白そうだったのに、睡魔は敵だ!
サイコセラピスト探偵・波田煌子(なみだ・きらこ)シリーズの連作集第2弾。
迷宮入りした事件を、犯罪心理分析官の波田煌子がバッサバッサと解いていく。
ただし、プロファイルのイロハも知らず、世間を騒がせた猟奇事件をちっとも覚えておらず、本職のサイコセラピーの基礎もあやうい彼女なのだ。
彼女の推理は大胆すぎる決めつけでしかないのだが、それでも犯人がなぜ猟奇的行為に走ったのかを言い当ててしまうのだ。
事件の謎を解く以上に、読者は波田煌子の思考回路の謎を解くことで、自ずと事件の真相を手にすることになる。
以下、各作品の覚え書き。
ネタバレしているので、要注意。
「涙の赤い薔薇」
犯人は、なぜ死体の口と陰部に花を挿していたのか。
犯人は理科の先生だった。
実験後、アルコールランプのふたを必ずしめるのが習い性になっており、あいたものがあると、ふたをせずにはおれないのだ。
犯行はたまたま入浴時に起こって、裸だったが、口と陰部にふたをしたのだ。
「涙の冷蔵庫殺人」
犯人はなぜ死体をバラバラにしたのか。
犯人は、新しいものを所有すると、ついつい試してみずにはおられない性格だった。
新しい包丁の切れ味を試すために、身体をバラバラにしたのだ。
「涙の海岸物語」
犯人はなぜ生首を人の多い海岸に置いておいたのか。
犯人は、いじめを受けており、教室でも孤独だった。
その状況を再現するため、人の多い場所に首だけ置いておいたのだ。
「涙のエレベーターガール」
死体は首を植木用のハサミで切られていた。
なぜ?
犯人は仕事で毎日手紙を開封していた。
赤いエレベーターの中に白い制服を着たエレベーターガールを見て、ポストの中の手紙を連想し、ふだんの癖が出て、うっかり首を切ってしまったのだ。
「涙の少女人形」
タレントのそっくり人形の首が、本人の生首とすりかわっていた。
なぜ?
犯人はフィギュアオタクだった。
あまりにもタレントそっくりの人形を見て、ほしくなったのだ。
人形の首を盗むとすぐにバレてしまうので、人形そっくりの本物の首を据えておいたのだ。
「涙のクニタチーゼ」
死体は両腕を切断され、左右逆に並べてあった。
犯人は植木職人で、人を木にみたてて、枝の部分として両腕を切った。
切断後に屍姦するため、胴体だけ向きを変えたので、腕の左右が逆転したのだ。
「涙のサヨナラホームラン」
元野球選手が殺され、彼の皮膚や毛を使って、本人のミニチュア人形が作られていた。
犯人(野球の監督)は、記念品が大好きで、使わなくなったランドセルをミニチュアにして記念に持っておくように、選手をミニチュアにして記念に持っておこうとしたのだ。
どう。あいた口がふさがらない、とはこのこと。
推理が論理的になされるわけでもなく、ひらめきと当てずっぽうでいつも迷宮入り事件を解決してしまう。
読者は、猟奇犯罪のシチュエーションに、いかに奇想をもって解決されるのかを素直に楽しめばいい。
波田煌子の傍若無人な発言は、「そんな奴、おらんやろ」とツッコミしたくなるし、笑える短編集になっている。
面白い。
テレビで名探偵コナンの映画を放送していたので途中まで見ていたが、花粉症の疲れのため、肝心のストーリー後半眠ってしまった。
ああ、ちょっと面白そうだったのに、睡魔は敵だ!
コメント