第23回全国都市緑化おおさかフェア「花・彩・祭おおさか2006」に行ってきた。
西の丸ゲートから入った花彩祭ステージでの創叡キッズキッズダンスが目当て。
入場するなり、写真を撮られた。帰りに写真が展示してあり、1枚千円で買えるのだ。
自分以外の写真を買いたくなったが、千円なんて、法外な金額は出せません。
ちなみに、「花彩祭」は「はなさいさい」と読むらしい。「かさいまつり」ではない。
ステージは屋外だが、屋根があり、観客席の方も、運動会の本部程度の規模で屋根がついていた。今日は雨だったので、イベントが中止なのかと危ぶんでいたのだが、これなら、雨天決行だろう。
以下、登場したユニットと、演目。
1.ジュニアスペシャルダンスチーム/オープニング
2.フレーズ/No.1
3.ラズベリーズ/キープ・ザ・フェイス
4.リサコ&レイナ/ギブ・ミー・アップ
5.ヨサコイ選抜/ヨサコイソーラン
6.ミューズ/エニバディズ・ゲーム
7.ミニミニクラブ/ジェラシー
8.ファッションズ/ハピネス
9.いちごっ娘/ユア・ソング
10.プリッツ/キング&クイーン
11.タッチ/ラブ・ライク・キャンディフロス
12.スーパーバブルズ/パンプ・イット

ステージが広くて、最後のユニット紹介のとき、ミニミニクラブも出てくればいいのに、と思った。
創叡のプログラムの前は、なるこ踊りだった。
ここでも小学生たちがいっぱい出ており、創叡のダンス、特にヨサコイを見て、「すごい!」と感動していた。同じジャンルの踊りを見てはじめて、そのダンスのスキルが実感できるのだろう。
ユニット名が紹介されるたびに「ミューズやて!」「プリッツやて〜!」「いちごっ娘!」などいちいち過剰に反応するのが、おかしくてならなかった。

近藤史恵の『茨姫はたたかう』を読んだ。
余儀無くひとり暮らしをする羽目に陥った久住梨花子は、ストーカーの影におびえていた。
誰かが郵便受けの手紙を開封しているようなのだ。
つけたはずの数字錠はいつのまにやらはずされており、「やましいことがないのなら、なぜ隠すの?」と書いた紙が入っていた。
レディースマンションの両隣の住人も、かたや香水の匂いがきつい水商売の女、かたや歯に衣着せずに物を言う漫画オタク。管理人の男性もアイドルオタクだ。
久住梨花子は、「最悪!」と思う。
さてさて、この小説、読んでわかるように、ストーカーにおびえる女性の方に、対人関係上の問題がある。
書店勤務の彼女は、同僚の暗いオタクに愛の告白されるが、けんもほろろに扱い、それ以来、彼をキモくてこわい存在として認知する。
信頼されているブロック長に他の書店員の問題を報告して、店長とのあいだもギクシャクする。
でも、彼女は、自分が悪いわけではない、報告されて困るようなことをする方が悪い、と思い、人間関係をどんどん悪化させていく。
ストーカー事件と彼女の心をなおすのは、変人整体師、合田力だ。
変人整体師は、彼女を施術しながら、ズバズバと彼女をいやしていく。
ギックリ腰ではじめて彼女を施術するとき、変人整体師は言う。
「自分、ずいぶん臆病やな」
つづけて、
「誤解すんなや。臆病なこと自体は決して悪いことやないで。少なくとも、自分、臆病でいたおかげで、今までそれほど傷つかんですんだやろ」
久住が「じゃあ、何が悪いんですか」と問うと、
「自分の身を守るために、臆病でおるのは悪いことやない。それはただ、そういう生き方や。平凡でなだらかなな。だが、悪いのは、臆病でおれば、だれかが守ってくれる、と思いこむことや」
まさに御明察。久住は「そんなことない!」と激昂するが、変人整体師は言葉を続ける。
「臆病であろうが、無鉄砲であろうが、世界が守ってくれることは絶対ないんや。他人も少しは守ってくれるかもしれんが、結局大したことはでけへん。でもな、特に女の中には、それに気づいてへんやつがたまにいるんや。臆病でいれば、世界が守ってくれる。なんかそういう幻想に囚われている人間がたまにおるんや」
久住は「これ以上聞いてはいけない」と頭の中で警報を鳴らすが、変人整体師は言葉を続ける。この後のみごとなセラピーっぷりは圧巻だ。暴言のように思える言葉が、すーっとしみこんでくる。
この臆病な久住ストーカー事件と同時に語られているのが、変人整体師の助手、歩と、小松崎という青年との関わり。歩は摂食障害で、小松崎との関係もうまくいかない。
「愛する人に嘘はつけない」と小松崎が歩の聞きたくないことでも正直に言ってしまったりして。
変人整体師は、小松崎に語る。
「歩はな、たぶん、人から女として愛されることが、とても恐ろしくて、そうして、とても羨ましいんやと思うんや。そのふたつの相反する感情を、自分でどうすることもでけへんで、立ちつくしているんやと思うんや」
「なあ、小松崎。おれは愛情なんてもんは、そんな大層なもんやないと思っている。しょうもない、エゴだらけの、いやらしいもんや。でも、人間って、それがないと生きられへんみたいやなあ」
甘いと笑わばわらえ。でも、こういう言葉ひとつで人は救われたりするのだ。
変人整体師は、歩に「食べない理由を見つけてくるのはやめろ」以下のセラピーをしたあと、小松崎にしみじみと言う。
「要するに、恋愛って、心を無理に軋ませて寄り添うことなんやろうな」
「そうやって、心を軋ませても、そばにいたい、と思うことなんやろうなあ」
おやおや、ミステリーのネタバレをちっともしてない。
作中、「ストーカーと白馬の王子様はどこが違うの」という問題提起がなされる。
眠る白雪姫は、王子様が一方的にキスをして目覚める。それが王子様だったからよかったけど、キモい奴だったら、ホラーになってしまう。その差は?
茨姫も眠っているだけなのに、通りかかった王子様が勝手にキスをする。むかつかないのは何故?
シンデレラを靴ひとつで探しまわる王子様は、ストーカーとどこが違う?権力使ってるぶん、たちが悪いとは言えないか?
久住は、自分を白馬に乗った王子様だと思い込んでいるストーカーを前にして、キスをして目ざめさせてくれた自称王子様も、しょせんはこの程度、ストーカーと変わりがない、と結論づける。
もちろん、それだけではない機微がいろいろあって、1冊まるまる心を癒される作品になっていた。
近藤史恵は面白い。大阪芸術大学が生んだ最高の逸材なのではなかろうか。

コメント

nophoto
邪王院弘
2006年4月8日22:51

変人整体師と言えば邪王院弘ですねw

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