MORNING GIRL
2006年3月15日 読書
鯨統一郎の『MORNING GIRL』を読んだ。
アーサー・J・クック三世のSF小説を翻訳した、という体裁をとっている。
(作中の「能間寺院」などの言葉遊びや、ネタで鯨統一郎の自作であることはバレバレ)
時は未来、舞台はスペースアイランド「飛翔」。
地球は原発の暴走などで放射能にまみれている。
飛翔でも地球でも住人の平均睡眠時間が日に日に減っていく現象が認められた。
このままでは人間は睡眠しなくなってしまう。
睡眠を解明するためのプロジェクトが組まれる。
さて、このSF長篇小説、核になるのは、「睡眠とは何か」「夢とは何か」それに絡んで、「人はなぜ原子力発電するにいたったか」についてのアイディアであり、鯨統一郎らしい。
睡眠や夢についての最新の研究にもふれている。
以下、ネタバレなので、読んでない人は注意。
生命は地球外から飛来した。
地球は文字どおりの「母なる地球」で、人間たちの親でもある。
「睡眠」とは、母なる地球が人間とスキンシップをとるためのものだった。
もともと地球は放射能まみれの星であり、原初の姿に戻るため、地球は夢を通じて人間に原子力開発のヒントを出し、原発を作らせるにいたる。
睡眠は人間とのスキンシップなのだから、子離れするために、子たる人類には地球から離れる宇宙開発のヒントを夢で与え、また、スキンシップの減少がそのまま睡眠時間の減少になってあらわれたのだ。
なーるほど。
アイディアは面白いが、短編で書くには、読者を納得させるのが困難なネタだ。
タイトルから、モーニング娘。をどこか想起させる部分があるんじゃないか、と思っていたが、特になかったように思う。
SF的なお膳立て、たとえば、「飛翔」を支配していたのがAIだった、などは、僕のようなSF音痴でもわかりやすくて、読みやすかったが、最初から「SFだ」と思って読んだら、普通小説すぎてなまぬるく感じたかもしれない。
鯨統一郎は、無条件で読むことにしている作家だ。
多作家なので、近いうちに、また別の本を読むことになるだろう。
アーサー・J・クック三世のSF小説を翻訳した、という体裁をとっている。
(作中の「能間寺院」などの言葉遊びや、ネタで鯨統一郎の自作であることはバレバレ)
時は未来、舞台はスペースアイランド「飛翔」。
地球は原発の暴走などで放射能にまみれている。
飛翔でも地球でも住人の平均睡眠時間が日に日に減っていく現象が認められた。
このままでは人間は睡眠しなくなってしまう。
睡眠を解明するためのプロジェクトが組まれる。
さて、このSF長篇小説、核になるのは、「睡眠とは何か」「夢とは何か」それに絡んで、「人はなぜ原子力発電するにいたったか」についてのアイディアであり、鯨統一郎らしい。
睡眠や夢についての最新の研究にもふれている。
以下、ネタバレなので、読んでない人は注意。
生命は地球外から飛来した。
地球は文字どおりの「母なる地球」で、人間たちの親でもある。
「睡眠」とは、母なる地球が人間とスキンシップをとるためのものだった。
もともと地球は放射能まみれの星であり、原初の姿に戻るため、地球は夢を通じて人間に原子力開発のヒントを出し、原発を作らせるにいたる。
睡眠は人間とのスキンシップなのだから、子離れするために、子たる人類には地球から離れる宇宙開発のヒントを夢で与え、また、スキンシップの減少がそのまま睡眠時間の減少になってあらわれたのだ。
なーるほど。
アイディアは面白いが、短編で書くには、読者を納得させるのが困難なネタだ。
タイトルから、モーニング娘。をどこか想起させる部分があるんじゃないか、と思っていたが、特になかったように思う。
SF的なお膳立て、たとえば、「飛翔」を支配していたのがAIだった、などは、僕のようなSF音痴でもわかりやすくて、読みやすかったが、最初から「SFだ」と思って読んだら、普通小説すぎてなまぬるく感じたかもしれない。
鯨統一郎は、無条件で読むことにしている作家だ。
多作家なので、近いうちに、また別の本を読むことになるだろう。
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