「アリスセイラーとその時代」と題するトークセミナーに行って来た。
大阪教育大学教養学科芸術講座、音楽学研究室主催で、アリスセイラー・デヴュー25周年記念のイベントになる。
場所は中之島イノベーションセンターの大阪教育大学サテライト教室セミナー室。
進行は卜田隆嗣助教授と安井献。
とはいうものの、ほとんどはアリスセイラーの一人語りで終始した印象がある。
まずはアリスセイラーが「シェリーに口づけ」を半口パクで踊り、スタート。
デビューのきっかけから、現在までの活動をアリスセイラ−自身が保存していた資料をもとにして語る。
雑誌などの資料はオーバーヘッドプロジェクターで。
映像資料も上映された。
25年を語るには1時間や2時間ではとうてい足りない、と痛感した。
アマリリスを語るだけで、初期のパフォーマンス重視のものから、メンバーが一新してのバンド時代、さらに、今回は語られなかったが、ギャルバン時代もあり、どれに焦点をあてるかで、それぞれ2時間くらいは使えそうだ。
今回は主に初期のアマリリスについて語られた。
僕がいろいろな表現活動を行ったり、イベントを企画しだしたのも、約25年前からだ。(大学卒業して、給料もらうようになってから)。
アマリリスのツアーの車に町田町蔵氏とともに同乗させてもらって、東京に行ったこともあったし、アマリリスファンの集いを開催したこともある(前売り料金の方が当日よりも高く設定した)。
僕が企画するイベントにもしょっちゅうアリスセイラーに出演してもらったし、一緒にパフォーマンスしたことも多かった。
神戸まつりに出てもらったこともあったし、キタノサ−カスで「ニコニコ印ダダ・アクロバット」というイベントに出てもらったり、京大西部講堂でニュ−ウェイブ大運動会を企画したり(台風上陸で中止)、思い返せば、夜を徹して語れるほどに、いろんなことがあった。
アリスセイラーの面白いところは、セルフプロデュースの巧みなことだと思う。
行動の動機を自分の主観や欲望にあわせているのだが、周囲が見えていないわけではないのだ。むしろ、自分を1つの素材として見て、何をすれば一番面白いかを判断して、自分を操縦しているかのようだ。
こういったコントロール技術は、僕のような直情径行の短気な人間にはとてもうらやましい部分で、教えられる事が多い。
25年の活動の価値は、その年月の長さにあるのでもなければ、「継続は力なり」なんて嘘の言葉にあるのでもない。そのとき、そのときでやりたいことをやり、そのためには今までの活動なんてあっさり捨て去ることのできるフットワークが貴重なのだ。過去の栄光や、積み上げた実績、地位や名誉、ネームバリューなんてどこ吹く風のそうした軽やかなフットワークをいつまでも保っていられることが驚異なのだ。肩書きとか、何周年なんてことを意識しだすと、滞留して、腐ってしまう。なにより、そんなのはつまらないだろう。アリスセイラーの出発がインプロヴィゼーションにある、というのが、アリスセイラーのすべてを物語っているかのようだ。
アリスセイラーが次に何をしでかすのか、刮目して待ちたい。
僕たちはアリスセイラーというインプロヴィゼーションを体験している最中にあるのだ。

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