小渕裕展、小さな骨の動物園、黒真珠の美女
2006年2月5日 TV
がれりありありで小渕裕の放展「自然発生体」
宇宙から来たアメーバ、と思っていたら、どこか懐かしい。
ふにゃふにゃした外骨格、ということは身体が手袋脱いだようにひっくりかえってる?
INAXギャラリーで「小さな骨の動物園」
食欲を産む裸。
でも、その食欲はつはものどもが夢のあとなのだ。
内部であるのに、表面を主張している。
以上2つの展覧会をあわせて、可動する硬軟、内外がぴったり補完される。
録画しておいた江戸川乱歩サスペンス「黒真珠の美女」を見た。
天知茂の明智小五郎シリーズ最終作。美女は岡江久美子。
代日芽子という女優さんが、秋吉久美子似で、魅力的だった。
原作は「心理試験」。短編をどう2時間にふくらませるのか。
「心理試験」は、言葉の連想テストのこと。事件と関わりのある単語が出たときの反応速度を見ての、嘘発見器的診断が、物語の中心になっている。犯人は、あらかじめそんな単語が出た場合を想定して、事前に練習し、ばれないように画策する。事件関連単語からの連想速度の方が、ごく普通の単語からのタイムより速いのが、かえって不自然さを生んでしまう。
これは、たとえば、一昨日のアリバイをきかれて、くわしく即答できてしまうことによる不自然さにも似ている。いかにも、答えを用意しておいたな、と思わせるからだ。
で、このテレビ版では、どうなったかというと、そんな心理試験はいっさい行われない。
原作からの引用は、また別の箇所からで、ほとんど別の話と考えて間違いない。
ゴッホの「星月夜」贋作事件(犯人は、贋作とすりかえた仇をあぶりだすために幻の名画公表を行う)
サービスのシャワーシーン(家政婦の。入浴中に殺される)
ボディペインティング(毒を塗られており、もだえ苦しむのをカメラマンは「迫真の演技」と見て、シャッターをきり続ける)
六歌仙の屏風(屏風の存在を知っているはずがない人物が、うっかり屏風のことに触れて、馬脚をあらわす。屏風に上手にポーズをつければよかったのだ)
明智の変装(謎の老人かと思えば、変装を解くと、死んだはずの高橋昌也。高橋昌也かと思えば、明智。二重に変装していたのだ。和服をワンタッチで背広姿に変身するのもお約束。和服のままでも問題ないのに)
犯人の自殺(定番だが、明智は「死んでは罪のつぐないはできない」と説得にかかるが、犯人はそんなの聞く耳もたない)
等、いろいろ見どころがあった。
でも、僕の一番のみどころは、斎藤運転手役で出ていた武岡淳一だった。
被害者に恨みをもつ男で、金庫から金を盗んだりする。
この人は声優などもしているが、「飛び出せ青春」の秀才、中尾として強烈にインプットされている。その秀才の中尾が、今や金庫から金を盗む転落の人生を送っているのかと思うと、感慨深いものがあった。
ノミ屋の「カンベ」役の人も、一瞬しか出て来ないが、確か、「でっかい青春」とかに出てた人じゃなかったかなあ。(調べてない)
そうそう、それと、もう1つ、すごいなあ、と思ったところ。
明智の最後の推理。
犯人が、「なぜ私が怪しいと思ったのか」と聞いたときの返答が超絶推理だった。
犯人(岡江久美子)は黒真珠のイヤリングをしていた。この「黒」から、きっと、この人は、喪に服しているのだ、と判断したのだ。(犯人は、父親の仇として殺人を犯している)
すごい!
黒真珠のイヤリングしてただけで、「きっとあいつが犯人だ」と思われてしまったのだ。
岡江久美子も、そんな言い掛かりのような推理で納得させられてる場合じゃない!
宇宙から来たアメーバ、と思っていたら、どこか懐かしい。
ふにゃふにゃした外骨格、ということは身体が手袋脱いだようにひっくりかえってる?
INAXギャラリーで「小さな骨の動物園」
食欲を産む裸。
でも、その食欲はつはものどもが夢のあとなのだ。
内部であるのに、表面を主張している。
以上2つの展覧会をあわせて、可動する硬軟、内外がぴったり補完される。
録画しておいた江戸川乱歩サスペンス「黒真珠の美女」を見た。
天知茂の明智小五郎シリーズ最終作。美女は岡江久美子。
代日芽子という女優さんが、秋吉久美子似で、魅力的だった。
原作は「心理試験」。短編をどう2時間にふくらませるのか。
「心理試験」は、言葉の連想テストのこと。事件と関わりのある単語が出たときの反応速度を見ての、嘘発見器的診断が、物語の中心になっている。犯人は、あらかじめそんな単語が出た場合を想定して、事前に練習し、ばれないように画策する。事件関連単語からの連想速度の方が、ごく普通の単語からのタイムより速いのが、かえって不自然さを生んでしまう。
これは、たとえば、一昨日のアリバイをきかれて、くわしく即答できてしまうことによる不自然さにも似ている。いかにも、答えを用意しておいたな、と思わせるからだ。
で、このテレビ版では、どうなったかというと、そんな心理試験はいっさい行われない。
原作からの引用は、また別の箇所からで、ほとんど別の話と考えて間違いない。
ゴッホの「星月夜」贋作事件(犯人は、贋作とすりかえた仇をあぶりだすために幻の名画公表を行う)
サービスのシャワーシーン(家政婦の。入浴中に殺される)
ボディペインティング(毒を塗られており、もだえ苦しむのをカメラマンは「迫真の演技」と見て、シャッターをきり続ける)
六歌仙の屏風(屏風の存在を知っているはずがない人物が、うっかり屏風のことに触れて、馬脚をあらわす。屏風に上手にポーズをつければよかったのだ)
明智の変装(謎の老人かと思えば、変装を解くと、死んだはずの高橋昌也。高橋昌也かと思えば、明智。二重に変装していたのだ。和服をワンタッチで背広姿に変身するのもお約束。和服のままでも問題ないのに)
犯人の自殺(定番だが、明智は「死んでは罪のつぐないはできない」と説得にかかるが、犯人はそんなの聞く耳もたない)
等、いろいろ見どころがあった。
でも、僕の一番のみどころは、斎藤運転手役で出ていた武岡淳一だった。
被害者に恨みをもつ男で、金庫から金を盗んだりする。
この人は声優などもしているが、「飛び出せ青春」の秀才、中尾として強烈にインプットされている。その秀才の中尾が、今や金庫から金を盗む転落の人生を送っているのかと思うと、感慨深いものがあった。
ノミ屋の「カンベ」役の人も、一瞬しか出て来ないが、確か、「でっかい青春」とかに出てた人じゃなかったかなあ。(調べてない)
そうそう、それと、もう1つ、すごいなあ、と思ったところ。
明智の最後の推理。
犯人が、「なぜ私が怪しいと思ったのか」と聞いたときの返答が超絶推理だった。
犯人(岡江久美子)は黒真珠のイヤリングをしていた。この「黒」から、きっと、この人は、喪に服しているのだ、と判断したのだ。(犯人は、父親の仇として殺人を犯している)
すごい!
黒真珠のイヤリングしてただけで、「きっとあいつが犯人だ」と思われてしまったのだ。
岡江久美子も、そんな言い掛かりのような推理で納得させられてる場合じゃない!
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