愉快な鉄工所

2005年7月14日 読書
大城のぼるの『愉快な鉄工所』を読んだ。
昔の漫画の復刻になる。
これは、火星探険などで、火星の風景などを紹介する漫画の系列なのだが、見知らぬ国でも星でもなく、「鉄工所」だというのが面白い。
しかも、作者が作中に出てきて主人公を演じるのだが、なかなか鉄工所にたどりつかない。
鉄工所そのものの描写にあまりページを割いていないのだ。
どこが「愉快」なのかも説明されていない。
これはすごい漫画ではないか。
たとえば「逆境ナイン」という漫画があったとして、野球の話になかなかならなくて、やっと野球の物語に入ったと思ったら、あっさりと終わってしまう。しかも、まったく逆境じゃない。としたら、どうだ。
タイトルが内容を裏切っているのは、きわめて今日的な傾向ではないか、と思った。
僕は最近の漫画よりも昔の漫画がしっくりとくる。
面白いのは断然、今の漫画だけど。
小説でも、今の小説よりも、戦前の小説などがちょうどいい。
面白いのは断然、今の小説だけど。
面白いかどうか、ということと、愛着が湧くかどうかは別問題なのだ。
この『愉快な鉄工所』を読んでも、鉄工所が愉快な場所だとは思えなかったが、今後、鉄工所の前を通るときは、愉快で笑いながら通り過ぎようと心に決めた。

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